第2話
しずく達は4つあるうちの1つの建物、寮へとやって来ていた
「ここが氷月様のお部屋です」
いかにも幽霊という形のシルエットの式神が429号室の部屋へと案内してくれた
「おお、なかなか広い!」
扉を開けてみたしずくは笑顔になる
机の他にベッドやテーブル、更にはテレビやパソコンまで完備されている
部屋の入口の方にはシャワールームやトイレ、それとは別で洗面所とキッチンまであった
「と言うか、建物に対して広すぎるような」
「それはみこちゃん…みこと様の術の力で内装を広げているのです」
(学園長…みこちゃんって呼ばれてるんだ…)
式神二匹を含む6人が目を細める
今頃みことはくしゃみをしているだろう
「という事はボクの部屋の隣か」
「私とも隣ね」
428号室に入るみらいと430号室に案内されたあかねが言う
ちなみに、みらいはまだ案内をされていないはずである…
「しかしどういう順番で決められてるんすかね、ウチはてっきり名前的にみらい先輩の隣かと…」
431号室に案内されたひかりは首を傾げる
「それなら、入学のテストの実力順ですね。妖怪退治に貢献した度合いが高いほうが番号が早くなっております」
「たしかに、みらい先輩が居なかったら餓死してましたしね、ウチら」
(ひ、否定できない…)
そして…
「売店は寮の一階にあります。大浴場は隣の黒い建物。食堂は寮の2階にあります。お金は巫女通貨をご利用ください。では、私はこれで…」
そう言い残し式神は消えてしまった
ひかりは困った顔をする
「巫女通貨…? なんすか、それ」
「え、ひかりちゃん、知らないの?」
しずくは首を傾げる
そして…
「あ、そういえばまだ妖怪退治もしたことがないんだっけ」
「はい…ほんと、今回の巫女寺子屋での暮らしが最初の巫女修行なんで…」
「巫女通貨って言うのは妖怪を倒すと貰えるポイントみたいなものだね」
あかねが人差し指を立てて説明する
「ちなみに、今回のテストみたいに仲間と一緒に妖怪を退治しても貰えるわ。ただし分前はもちろん分散されるけど…」
「そして残念なことに巫女通貨の貸し借りはもちろん、譲渡もできないから巫女通貨が欲しいならきちんと働かないとだめなの」
みらいとしずくが補足するとひかりは納得した様子だった
「なるほど…じゃあウチはまだ買い物できないんだ…そうなるとウナちゃんのご飯大丈夫っすかね…?」
「ウナちゃん?」
「…」
しずくとあかねが同時に言うと、みらいは何故か顔を背ける
「ウナちゃんはウチの式神っす! 近くの熱帯魚専門店で買った電気が出せるうなぎなんすよ! 早く一緒に戦いたいっすね!」
嬉しそうに話すひかりに3人は思う
多分それ、式神じゃなくて本当にただの魚だと…
続く