第3話
巫女寺子屋には4つの建物がある
1つは寺子屋
座学の授業をしたり、2階の掲示板に貼られている妖怪退治の任務から選んで受けることで妖怪退治に行くことができる
1つは寮
巫女たちが暮らす建物だ
売店や食堂も完備されている
1つは体育館
特殊な結界で中での術の使用が許可されている
式神との連携の練習や、新しい術のお試しなどができる
また、捕獲されたクリノツクモを相手に模擬戦もできるとのこと
ちなみにクリノツクモは体育館裏の飼育場で飼われているらしい
そして最後の1つは…
「はあ…生き返る…」
「しずく、溶けないように気をつけろよ?」
温泉に入り少し顔の形が崩れているのではないかと思うほど蕩けるしずくにあかねが苦笑いする
「でも、謎技術っすよね、建物の中なのに空が見えるなんて…」
「おそらく学園長の術ね。空間を自在に操れると聞いたことがあるわ」
空を見上げながら言うひかりにみらいが言う
「それにしても…」
しずくはボソリとつぶやきあかねを見る
それを見たひかりとみらいも小さく頷き視線をあかねに集中させる
「な、なに? ボクなにか変?」
正確に言えば…湯船に浮かぶ2つの塊に視線が集まっていた
(何、サラシであそこまで変わるものなの!?)
(先輩でっか…でかすぎ…?)
(…私なんて、壁なのに…)
「な、なんか恥ずかしいから見るなよ…」
天然温泉付きの大浴場
タダで入れるスーパー銭湯のような施設であり、ジムや漫画スペースまで完備されている
ちなみにこれも、学園長みことの趣味で作られたとのことだ
続く
第4話
「このあとはどうする? 食堂行く?」
お風呂から上がり、牛乳を飲みながらしずくが聞く
しかし
「行きたいのは山々なんすけど…巫女通貨が無いっす…」
ひかりが申し訳なさそうに言った
すると何故か先にみらいが目を輝かせ、そのすぐ後にあかねが口を開く
「なら、ボクがみんなになにか料理作ろうか?」
「え?」
寮のあかねの部屋にて、巨大なホットプレートの上には数社類のお好み焼きとやかそば、更にそれとは別にたこ焼きが焼き上がっている
「いやぁ、売店で材料売ってるの目に入って…これなら自炊が楽そうで良かったよ」
「あ、あかねさん、女子力高くない?」
手際よくお好み焼きを返しながらたこ焼きをクルクル回すあかねにしずくが驚く
目を輝かせたみらいはどこから買ってきたのかわからない屋台でたこ焼きを入れるタイプの容器を差し出している
「正直に言うと鉄板焼は得意で、いつか友達に振る舞ってみたかったんだよね」
えへへと笑うあかねはちらりとひかりの方を見る
ひかりは初対面の時とは逆に遠慮するかのように部屋の隅に丸まっていた
「はい、ひかり」
「え、あ、あの…」
あかねはお皿に焼きそばを乗せてひかりに差し出す
「これはボクがやりたくてやってることだからさ。それにみんなで楽しむのに遠慮したらしらけちゃうでしょ?」
そう言ってニッコリと笑う
その笑顔にひかりは頬を赤く染めた
それを見ながらしずくとみらいはたこ焼きを摘む
(これは…女たらしだ…)
口には出さなかったが、2人はアイコンタクトでお互いの考えを確認し合った
続く