第8話
巫女寺子屋の周りには花が咲き乱れている
四季によって咲いている花は違うのだがいつでも華やかに彩られる花壇は…
「ふう、お手入れ終わり」
花の巫女、花月かだんの妖術とお手入れによるものだった
ピンク色と白の混ざった髪についた汗を拭っているとちょうど寮からしずくとひかりが外へ出てきた
かだんはそれに気づきショートポニーテールを揺らしながら振り返る
「あ、花壇のお手入れしてるっすよ」
「いつもご苦労さま」
「確か新人の…どういたしまして。そう言っていただけるとお世話してるかいがあるわ」
にこにこと笑うかだんに2人は(清楚だ…)なんて考える
「たしか、かだんさんは花の巫女だっけ?」
「えぇ、植物の声を聞いたり、草木を操れるわ。植物妖怪と戦うのならいつでも協力するわね」
「へぇ…お花とも話ができるんすね。なんかメルヘン」
「ふふ、みんなかわいいのよ?」
と、そこでひかりがバケツに入っているそれに気づく
「あれ、このお花も捨てちゃうんすか?」
「ええ、間引きと言って、小さくて弱い花は抜いてあげるの。そうすると残った株が大きく育つのよ」
「そうなんだ」
そして、そこでしずく達は気づく
(という事は…)
(かだんさんって…間引かれる花の悲鳴をニコニコしながら聞いてるんじゃ…)
気になった
しかしその事実を聞くのは流石に怖くて声には出せない二人なのであった
続く
第9話
「おりゃ! 火炎の渦!」
あかねの攻撃で体育館にいたクリノツクモが一気に燃えカスになる
そしてそれらがすべて水晶玉に吸い込まれていった
「たわしちゃんたち、お疲れ様です」
水晶玉を持つ茶髪の、とても大きく膨らんだポニーテールの持ち主でもある飼育の巫女、飼月あるじは水晶玉を撫でる
妖怪を捕獲し飼いならしたり、神の使いと契約し得ることができる式神
そんな式神は基本的に1人の巫女につき多くても3匹ほどなのだがあるじは1人で100匹以上の式神と契約している
巫女寺子屋での訓練用の妖怪はすべて彼女の式神でもあるのだ
そして、普段は優しくほんわかしているあるじだが…
「いやぁ、あるじさん、そろそろクリノツクモばかりで飽きてきたよ。そんな雑魚じゃなくてもっと強いのと戦いたいんだけど」
あかねがドヤ顔でそういった瞬間、あるじの瞳からハイライトが消える
あるじに取って最大の地雷は自分の式神の悪口を言われることだったのだ
「…たわしちゃん達が雑魚なの?」
「え、い、いや、その…」
「わかった。じゃあもう一回訓練しよっか、今度はたわしちゃん達に本気出してもらうから」
「え、本気?」
この後…
あかねは本気を出したクリノツクモ達の結界術に手も足も出ずに一方的に敗北ししばらくクリノツクモ恐怖症になるのであった
弱い式神、強い式神…そんなものは育ての腕前次第で大きく変化するのである
そのやり取りをずっと見ていたしずくはあるじの式神の悪口は絶対に言わないと心に誓うのであった
続く