第10話
「そこのお嬢ちゃん! よってかないかい!?」
黒いウルフヘッドに青いメッシュ、そしてサングラスを掛けたギャンブルの巫女、賭月だいすがみらいとしずくを呼び止める
みらいはすごく嫌そうな顔をしたがしずくは興味を示したのか足を止めてしまう
「賭け?」
「そう、今夜のスペシャルメニューの食券を賭けてこのコインが裏表どちらで地面に落ちるか勝負しようじゃないの! 最後に私が触れるまでどちらが上を向いているかで決着というわけで。もちろんあんたらがコインに触るのは禁止な」
「典型的なギャンブルね。悪いけど断るわ」
みらいはしずくの手を取りだいすを無視しようとするがスペシャルメニューに釣られたしずくはさらに興味を示してしまう
「ホントに、賭けに勝てば奢ってくれるの? スペシャルメニューって確か一万ポイントだよね!?」
ちなみに一万ポイントはほぼ一万円の価値と同等である
そんな高級メニューに目がくらんだしずくは賭けに乗ろうとするがみらいが慌てて止める
「だめよ、この人のコイン…」
「おっと、部外者は口出し禁止、しずくだったな? やるんだろ? 表裏どっちに賭ける?」
だいすの言葉にしずくは迷わずに「表!」と答える
するとだいすが空に向かってコインを弾いた
コインは弧を描き地面に落ち、裏面を示す
「あ…」
「ズルをしてるわね! どちらの未来を見てもこっちの負けだったわよ!」
「言いがかりはやめろよ。それならどんなズルをしてるのか言い当て…」
と、その時だった
地面が膨らみ、モグラが顔を出す
そのせいでコインがひっくり返り、裏側の絵柄…のはずが「裏」が再び顔を出す
「これ、どう見ても両方裏…」
「お、おっと、用事を思い出した! じゃあ、オレっちはこれで撤収…」
慌ててコインを回収し逃げ出そうとするだいすの肩をしずくが掴む
「イカサマはもちろんだめだよね? 氷月お腹すいたなぁ…。お腹好きすぎて術が暴発しちゃうかもなぁ?」
「ひぃ!?」
この後みらいの分含めスペシャルメニューを奢ってもらった
続く
第11話
「いらっしゃいませ〜!」
食堂に響く元気な声
黄色の大きなお団子ヘアの少女、料理の巫女、食月ごはんは巫女たちの食事を一人で担っている
彼女の作る食事には巫女たちの力を引き上げる力や怪我の回復を早める力などが存在する
その為自炊をせずに食堂に足を運ぶ巫女は多い
「今日のお夕飯何かな?」
「妖怪退治頑張ったから美味しいものいっぱい食べたいっすね!」
ひかりとしずくが本日のシェフの気まぐれランチのチケットを購入した後受け取り口で待機する
するとごはんは待ってましたと言わんばかりにそれを出してきた
「へい、おまち!」
「え?」
しずく達は顔をしかめる
そこに用意されていたのはコウモリが丸々入ったゲテモノラーメンだった
「このヤバイダシデルコウモリは体力回復にもってこいなんだよ! ゆっくり味わってね!」
気持ち悪い妖怪でさえ可愛く感じるひかりでさえも食べるのを躊躇する見た目のインパクトにしずくは返品を試みようと口を開きかける
ところが
「ちなみに、返品は禁止、お残しはお仕置きだから」
「そ、そんなぁ!?」
この後しずく達はコウモリと目を合わせないように目を閉じたまま必死にラーメンを食べ進めた
味は普通に美味しかった
続く