第12話
しずくが売店から変える帰りの出来事だった
「あ、しずく先輩!」
「あ、ひかりちゃんとあかねさん。またお揃いで…」
階段を登っているとひかりとあかねに声をかけられるしずく
今日はみらいはいないようである
「今から図書室に行くんだけど、しずくもどうだ?」
「なにか探してる本でも?」
「いや、こいつに座学の復習させようと思ってな」
と、ひかりを指さすあかね
つまり、これから自主勉強と言うことだろう
勉強嫌いのみらいがいない理由がわかった気がする
「一応私も少し行ってみようかな」
「そう来なくっちゃっす!」
と言うわけでしずくも図書室へ行くことになった
座学を受ける教室のある建物の1階奥の部屋
日本のありとあらゆる本が置かれている大図書室がある
大図書館を利用するのが初めての3人は緊張しながら扉をくぐると、すぐそこにいた黒いロングヘアにメガネを掛けた、緑色の露出が少ない巫女服を着た巫女が声をかけてきた
「貴方方は…初めて見る方ですね。大図書室の利用も初めてですね」
「え、は、はい」
ひかりが緊張気味に答えると巫女はニコリと笑う
「ふふ、緊張なさらなくても大丈夫ですよ。私は読月しおり、本の巫女をしている者です」
そう言うと立ち上がったしおりは直ぐ側においてあった本を手に取る
表紙のない分厚い本のようだ
「それで、お探しの本は?」
「巫女の力の基礎について、一度復讐をしようと思うんだけど」
あかねがそう言うとしおりは「なるほど」と軽く頷く
「それなら調べる必要もありませんね。そこの棚が巫女の力についての参考書が置いてある棚になります」
「もしかして、全部覚えてるんすか!?」
「ふふ、まさか。私の能力でこの本と図書室をリンクさせているんです。皆さんの要望さえ聞けば探している本をぴったり当てて、どこにあるか検索ができるんですよ」
控えめに笑ったしおりにしずくはふと気になることを聞く
「あ、あの、昔読んだ漫画で氷使いのヒロインとさむがりの主人公が雪山で遭難する漫画を見たことあるんだけど…タイトルがわからなくて…」
「しばらくお待ちください…」
しおりは本を開く
するとページがぺらぺらと勝手にめくれ、途中のページで止まる
本はすべて白紙のようだがしおりには文字が見えているようだ
「それなら雪山の真実と言う漫画の可能性がありますね。場所は漫画のコーナーの「ほ」の棚の上から13段目にある「四季の精霊」と言う漫画の中の一つの話にありますよ」
「そんなことまでわかるのか!? じゃあ、特撮の小説で怪人の子どもを地球人が育てて、最終的にその怪人の子どもが成長してヒーローになる話があったと思ったんだけど…タイトルがわからなくて…」
あかねも便乗し、しおりも直ぐに検索を始める
「おそらく、カゲロウ人間テンですね。小説のコーナーの「X」の棚の20段目にありますよ」
「あ、多分それだ! 読み直したかったんだよ、ありがとな!」
あかねもしずくも先程言われた棚に直行する。それを見ていたひかりもソワソワとしおりの方を見る
「あなたはなにかお探しですか?」
「え、えっと…巫女恋って漫画の終わり方が気になってて…一気読みしたいっす」
恥ずかしそうに左右の人差し指をツンツンとくっつけながらひかりが言うと、しおりは検索を始める
「…それなら漫画のコーナーの「り」の棚の下から3段目にありますね」
それを聞いたひかりは目を輝かせた
「マイナーで見つからなかったのに! ありがとうっす!!」
「ふふ、お役に立てて嬉しいです」
こうして3人は各々探していた本を見つけて読み漁り始めた
次第に情報交換会となり、おすすめの小説や漫画を紹介しあい、有意義な1日を過ごすのだった
そして、その日、食堂にて
「それで、勉強会はどうだったのかしら?」
「あっ!?」
みらいのその言葉を聞くまで図書室へ勉強しに行ったことをすっかり忘れていた3人なのであった
続く