「ロレンスさん、手紙が届いてますよ」
「ああ」
私はシンクレアから手紙を受け取る。おや…これはまた随分と懐かしい人からの手紙だな…。
いやはや、あのバスの旅が始まってから、暫くたったものだが…元気そうにやっていけてるようだ。
「誰からですか?」
イシュメールも気になるらしい。その他にも何人かの囚人が近づいてきた。
「ユーリからだ、おそらくアヤも書いていると思うが…」
その送り主にグレゴールが我先にと読もうとし、ロージャに弾き飛ばされた。
私は全員が読みやすいように手紙を広げ、皆へ見せる。
「ええ~と、拝啓、ロレンス様。いえ多分みんな見ているだろうしバスの皆様へ……
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………これからも皆さんの活躍と安全を心から2人で祈っています。ユーリ、アヤより。っと」
「ねぇ、これで大丈夫かな?」
「う~んとね…うん!大丈夫だと思うよ!じゃあ後はこれを送るだけだね。あのバスなぜか住居扱いだし、直送できると便利だね~」
「もうちょっとかわいくしてもいいんじゃない?私が絵でも描くカ?」
「お~い!ユーリ!アヤ!メーリン!手紙もいいが、そろそろ仕込みの時間だから手伝ってくれるか」
「あっ!チーフ、今行きます!」
「レッツクッキング~」
「え~もうちょい休もうヨ」
ロレンスさん、私は今、協会の食堂でアヤ先輩と同僚のメーリンさん、チーフのゴードンさんと一緒に働いています。食堂が出来るまでも、出来てからもいろいろありましたが、今はとても楽しいです。
あっ!せっかくだし、手紙にこれまでの事とかも書いてもいいかも。ええと…それなら入ったばかりの頃からだから…
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ボロボロになった両足と左手、それと有り金をはたいて買ったビームサーベル。それだけが私の持ってるすべてでした。
隣のアヤ先輩も残されたのは私と同じようなものです。
正直、ロレンスさんの言っていることも信頼できるわけではないですし…というか、なんでこんなすごい人があんな所にいるんですか?いや…特色も大概ですが…
「ユーリ。呆然としてもしょうがないよ」
「せっかく生き残ったんだから…歯を食いしばって頑張ろうよ」
「アヤ先輩…」
そうだ、せっかく生き残ったんだ。バスの人だって本当なら死んでいたし、グレゴールさんだって私よりずっと痛い思いをしたはずだ。
くよくよしている暇はない、せっかくもらった命なんだから頑張らないと!
「先輩!ありがとうございます!じゃあ行きましょう!」
「おお~」
大きく手を挙げ、痛む足を誤魔化しながら歩いていく。でも心はとても明るいし、足取りも軽い。
それは、次の職が決まった安心からか、はたまた人生を共に過ごす先輩を得たからか。
彼女たちの顔は、輝かしいほどの笑顔であった。
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ロレンスさんから貰ったタクシーチケットで移動を繰り返し、〇社にあるウーフィ協会本部へと到着した。
「疲れた…ロレンスさんなんでW社のチケットにしなかったんだろう?」
「まぁ貰えるだけいいじゃん。確かに、そっちの方が安上がりだけどさ~」
(鏡技術によりワープ列車の裏を知っていただけである。そしてこれによる身バレを恐れているのでウーフィ協会人格が来たら変装しようと準備しているらしい)
「それにしても…荘厳っていうの?私らが入ったらいけないオーラが出てるよ~」
「そうですよね…ついたら守衛の人にロレンスさんの名刺を渡して…ええと…」
「確か、アルバトロス判事に連絡をお願いすれば良いんだったよね」
何をすべきかを確認した2人は、荘厳な建物に構えている守衛へと話しかけに行った。
「あの、少しよろしいでしょうか」
その言葉に守衛は目線を送ってくる。まるで品定めされている様な感覚だけど…
「はい、どうかいたしましたか」
「アルバトロス判事へ『ユーリとアヤが到着した』と言伝をお願いします。ロレンスさんからこれを見せればいいと伝えられています」
守衛は前半の言葉に眉をひそめていたが、名刺を取り出すと目を見開き守衛室へ小走りで入っていった。
「あはは…やっぱり凄い人なんだねロレンスさんって…」
「というか、今更だけどアルバトロス判事ってウーフィ協会n…」
アヤがそう言いかけたところで背後から
「君たちがロレンス君の言ってた2人かい?」
振り返るとそこには、黒いコートを羽織った大柄な男性がこちらを見て笑っていた。思っていたよりずっと若い…
「はい!私はユーリといいます」
「私はアヤです」
「アハハ!そんなに緊張しないでいいよ。じゃあ早速だけど寮と職場を紹介してあげるよ」
「と言っても私は仕事があるからね、彼女に任せるから終わったら私の部屋に来てくれ。では」
そういい、立ち去っていく。嵐のような人だったな…
「じゃあ…まずは寮に荷物を置いてからにしましょうか。あっ、私の名前はライです。私も今年から入ったばかりなので…よろしくお願いします」
どうやら私たちの寮は北の方にあるらしい。凄いしっかりした部屋でびっくりした。
「ええと…今寮が工事中で、お2人には、しばらく相部屋で過ごしていただくそうです」
「全然問題ないよ~むしろこんな綺麗な部屋に住めるなんて、びっくりしたよ」
「それならよかったです。ではルームツアーの後に食堂まで案内しますね」
部屋もすごいのなら食堂もすごいんだろうな。というか同僚となる人もいるのだろうか?
こんなに人がいるなら少なくとも私たち2人ってことはないだろうし…
そんなことを思いつつ、食堂まで到着すると。ライが気まずそうな顔をしながら、
「あの…人手を確保するために何人かシェフを雇ったんですけどね…なんとも相性が悪いようで…」
「お2人にはぜひ仲裁もお願いしたいと…」
「あはは…」
これには苦笑いをするしかない。
そうして食堂のドアを開けると、飛び込むような声が聞こえてきて、
「だからこの調理法では食材の旨味が最大限引き出せないと言ってるだろう!じっくりとスープにして旨味を引き出すべきだこの(料理人スラング)!」
「ここは食堂ダヨ!ちんたら料理している暇はないんダヨ、これだからレストラン仕込みの坊ちゃんは!」
「「あ゛!?」」
拝啓ロレンスさん。私やっぱりだめかもしれないです。
3人は全てを諦めたような顔をしながら、どうしようもないケンカが終わるのを待っているのだった。
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リハビリがてらに書いてみました。意外と筆が乗るのにびっくり!