【カオ転三次】怠惰を求めて   作:茅薙

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【式神 メトラ・トロンヌ Lv.50】
《耐性》
物理反射・破魔無効・火炎電撃衝撃呪殺耐性
《スキル》
〈魔法〉
【シナイの神火】【天罰】【メギドラオン】【マハンマダイン】【マハラギダイン】【必罰の刻印】
〈回復〉
【ディアムリタ】
〈自動〉
【神の代理人】【万能ギガプレロマ】【不屈の闘志】【主の加護】【契約の祝福】
その他汎用スキル

ちょっと促成栽培気味。権能は使えるので機能的には問題がない。


神格ロンダリング

 それは火で合ってるの?となるビームが着弾し、周囲を巻き込むような爆発を起こす。思わず反逆かと思ったが、ダメージが無い。目標以外には被害を与えないらしい。それが明ければ、配下のビヤーキーが壊滅しつつも当然のように健在の邪神。

 

【邪神 黄衣の王 Lv.60】

 

 

 な〜んでこんなにレベル高いんですかね〜。

 

 せいぜいが40、行っても50くらいでしか出てこれないはずだったんだが、環境的(GP)に最大値じゃないのこれ。地脈浄化ついでに、メタトロンパワーでLAWMAGをここに集めたのが良くなかったか。ついでにやったことが全部裏目に出てんな。

 

「天使判定出てるよー。噂の天使召喚プログラムってやつ?

 この感じは……ラファエル?なにやってんの?」

 

 本当に何やってんだよ。邪神にアカウント使われるとかさぁ、四大天使の誇りとか無いんか?

 四大天使なのはメタトロンがいるからだとして、翼を残したのは天使を詐称するためか。

 

『ハスターは、一説では羊飼いの神とも呼ばれているからね。聖書で羊飼いと呼ばれているのが誰かを考えれば、こじつけは簡単だったろう』

 

 それで黄衣の王、本体ではなくハスターの化身名義か。面子は大事だもんな。神格も名義ロンダリングする時代か、世知辛いね。

 こっちが神格コネコネ(ミトラ=メタトロン)したら相手も捏ねて来やがったが、メシアンよりニャルの方が聖書に詳しそうなのはほんとに何なんだよ。

 

Vzz'sS-Xrr'fF-Zzz──(【淀んだ空気】【闇の審判】)

 

 風が吹く音、楽器の演奏、あるいは異界より届く叫びのような形容し難い音と共に空気が淀む。周囲を彼にとっては心地よいだろう環境に染めながら、正面?(仮面を顔としたならば)に呪詛の円柱を放つ。楽園を演出するための草花は、闇の波動が通ると瞬時に干からびて砂のように崩れ落ちた。

 

「"フェアラームング・シュヴェールト"*1

 

 一瞬前まで立っていた場所の惨状を横目に、小手調べに状態異常付与の剣撃スキルで逆袈裟から袈裟斬りの逆燕返し。封技(close)が微妙に効いたか?他は全くだな。

 

 よほど広範囲の物でなければ大体の攻撃は見てから回避できる。一応呪殺無効は持っているが、このレベルだと当然のように貫通してくることも多いので、避けるのが丸い。

 確か、ハスターが得意とするのは衝撃と呪殺。ペルソナだと疾風と暗黒か。

 

「"聖火天罰"*2

 

 今度は万能属性ではなく破魔火炎複合の燃える光。物理法則をあざ笑うそれが、天からのスポットライトのように黄衣の王の姿を光輝によって塗りつぶす。

 

『"風滅槍(トリシューラ)"*3

 

 光に沿うようにして、圧縮された雷雲が鉾となって空から突き立てられる。轟音と強風を撒き散らしながら、またもや敵を覆い隠す。

 

「弱点探しにしては本気過ぎない?」

 

 どちらも貫通が乗っているから良いが、反射だったらどうするんだよ。ていうかエキドナはアナライズで調べられるよね?

 

『アナライズが完璧とは限らないだろう?ちなみに火炎弱点だったよ』

 

「一応弱点か試さないと。ちょうど火炎弱点だったらしいし」

 

 ちょっと身内の方が危険な気がする。

 そうしている間に、未来視で範囲攻撃を察知したので聖堂という障害物を無視して外側へ移動。

 

Xv'shh-Fff'sS-Vvv(【マハザンバリオン】)

 

 2度目の不快な音と共に、今度は暴風が周囲を薙ぎ払う。もはや不可視のミキサーのようでさえあるそれが、放たれた中庭から大聖堂を削り取り、範囲内を塵と化していく。力技で魔封を打ち破って大技ブッパか。

 かろうじて残っていたビヤーキーも巻き込まれて全滅。配下を巻き込むのも厭わないと。

 

 そびえ立っていたはずの大聖堂がクレーターとなってしまったのを見て、まだ使いたかったんだけどなー……って

 

「カムイニキ達は大丈夫?」

 

「それは大丈夫ー。ビヤーキーに襲われて手間取ってたけど、間一髪無事逃げてたよ」*4

 

「それは良かった」

 

 さて、封印系は貫通系スキルの応用で破れはするが、そんな力技で破るのは消耗も大きい。それもあくまでそれなり程度だが、現世に留まるのにさえMAGを使う悪魔なら消耗は抑えたいはず。考え無しに周囲を薙ぎ払ったんなら嬉しいが。

 

 

「あ、異界のギミック無くなっちゃった」

 

 ま?

 

「バリオン系ってガッツリ法則に干渉してくるレベルだし、それで異界のシンボル(大聖堂)を壊されちゃったから」

 

 つまり、脱出阻害のギミックが無くなったと。

 肉の体も無しに現世に要られる霊格ではないが、それも如何なるかわからないし、消えるまでの短時間で一都市程度は壊滅状態に出来る霊格でもある訳だ。逃げに徹されると非常に面倒。

 

 

 だが、多分狙いは脱出ではない。

 

『異界の支配権を奪おうとしているね。その方が有利に戦えるのもあるが、せっかく降臨したんだ。あっさり立ち去りたくはないだろう。

 それに、さっきよりレベルが下がっている。そもそも異界であっても、この規模とGPで出てくるには無理があるレベルなんだよ』

 

 異界の支配権を得て、存在を維持できる領域にしたいといった思惑かな。

 

 しょうがない、ちょっと疲れるんだけどやるか。

 

──Sss'fF-Zzz'rR-XRRXXッ!!(【カオスエレメント】【殺風激】)

 

 結構悠長に会話していたら、隙と見て追撃が飛んでくる。万色の闇という眼に悪い色をした物を中に圧縮した、高圧の空気弾が高速で迫る。

 

 敵の攻撃を前にしながらも、ゆらりと構えを上段に。瞬間的に集中を高める。

 

「シッ!」

 

 

 カクン、と途中のフィルムが抜け落ちたように動きが跳び、下段に下ろされた剣が鈍く光を返す。

 光を超え、時を追い抜くに至った斬撃が、100mは離れた黄衣の王の体を、敵の攻撃ごと一度、二度、三度、合計四度、未来にて両断する。

 黄衣の王は何分割にもなって崩れ落ち、攻撃は中間地点辺りで暴発。周囲を開放された風が蹂躙し、溢れ出た闇が混沌に染め上げる。余波が凄くてちょっと逃げるハメになった。

 

 

 最大火力連打が一番強いと思い、一行動に詰め込めるだけ詰め込められるよう練習したんだが、使った後はウェイトトレーニングの記録更新を狙った時みたいな疲れ方するね。覚醒者なのでそこら辺の回復も速いんだが。

 【星断】四連ってとこかな。多分最終的に無限星断とか言い出すと思う。

 

 これでそこそこ削ったかなと思いながら、普通に再生している黄衣の王を見る。別に体力ゲージが見えるわけじゃないからダメージの具合とかわかんないんだよね。

 

『翼が無くなって一気に弱体化したね。虫の息だ』

 

 それは朗報。かろうじて保っていた天使の要素を失って、一気に無理が出たか。

 

「じゃあ畳み掛けるよー。"かの焔はここにありき(サンテュモン・ピリエ)"*5

 

『援護してあげよう。"裁きの雨"*6

 

 エキドナが聖書関係に合わせたのかな。焔の柱が立ち昇り、燃え盛る硫黄の雨が降り注ぐ。完全に黙示録の一場面になっているが、相手も神格なので当然といえば当然。

 

「ちょっ!マスター!?」

 

「────ネーベル・ゲシュヴィント*7

 

 死亡確認も兼ねて通り抜けざまの一閃。

 天変地異の様相に飛び込むのにメトラが驚いている。【別離】*8は初めて見せたっけ?敵に使うとこっちも干渉できないけど、味方のFFを防ぐならデメリットないからね。

 

 完全に焼け焦げていた黄衣の王を両断。メトラがまだちょっと低いが、同レベル帯三人に袋叩きされたと考えると当然の結果ではあった。

 

 

 

 

 

 

 都市が上から見渡せるビルの最上階オフィス。ここにしたのをちょっと後悔している支部長室にて、立派な椅子に座って、これまた立派な机にちょこんと置かれたパソコンをカタカタする俺と、その隣で何故か機嫌良さそうに座っているヘルタ。何か電波みたいな物を感じる気がするので、サボっているわけではない模様。

 

 正直仕事とかしたくなかったんだが、最近は蟻地獄の監視を盾に、メトラとゲームばっかりしてたので、仕事が溜まっていると言われ渋々書類仕事中。

 別に、全部ヘルタが決裁すればいいと思うんだけど、最近は世情の動きも激しいからと言われるとね。ちゃんと重要案件しか残ってないし。

 

 あ、人形がお茶のおかわり淹れてきた、どうも。

 

 

「あ、あの三人には優先討伐権あげたのね」

 

 最後の書類、というか履歴的に直前だな。には昨日の一件の補填というか口止め料的な報酬について。大分上乗せした金額と共に、希望を聞いた結果として「蠱毒合戦場における英傑悪魔の優先討伐権」を渡すことになったそうだ。

 

「力不足を実感したみたい。何か程よい強敵と戦える場所はないかって」

 

「それなら修行場異界が一番いいと思うんだけど」

 

「三人とも、それぞれの事情で長期間山梨にいるのは難しいんだって」

 

 それならしょうがないのか。

 蠱毒合戦場はその名のとおりにモムノフが湧き続けては殺し合う合戦場の異界。以前名古屋支部の修行用に整備した異界だ。

 蠱毒によって高まったエネルギーのせいか、戦国武将系の英傑悪魔が度々ポップする。それらは大体レベル30くらいなので、彼らにはちょっと格上といったあたりか。

 

「最近は湧き頻度上がったんだっけ?」

 

「見つけるまでもなくモムノフに押しつぶされてるマヌケもいるから、正確にはわからないね」

 

 30だと……20の大群は相性によるか。

 確か湧くのは殆どが三英傑。偶に武田とかキリシタン大名とかも湧くらしい。信長繋がりと、LAW属性の影響かな。

 

「信長が銃と対神性、秀吉が城塞建築とルール敷設、家康が配下召喚と、あー滅却師システムが封じられるのね」

 

「そう。信長がいるとモムノフに銃を持った別バージョンが現れて、秀吉を一晩放置すれば城塞が建って武器禁止(刀狩り)を敷いてくる。家康はモムノフが直ぐに纏まる上に、徳川四天王だったかが追加で現れるし、禁教令という形で一神教由来の術式を封じて来ちゃう」

 

 ドロップは良いから完全に排除しようとも思えない塩梅なんだよね。秀吉が顕著だが、放置してるとギミック敷いてきたり陣地を築いて来るので厄介なのだ。

 

「今は、家康のフォルマから禁教令を用いた対メシア教の結界を研究中」

 

「出来たら教えて。港もあるし、排除仕切るのは現実的じゃないからね」

 

 自分たちの霊能は使わず、こっちが管理できるQCだけを使ってほしいものだ。

 

「んー!終わり!」

 

 夕飯は何にしようかな。

*1
【暗夜剣】+【不動剣】+【乱入剣】

*2
【主の加護】+【契約の祝福】+【アギダイン】+【天罰】単体対象の火炎破魔複合

*3
【英知の権化】+【貫く闘気】+【マハブフダイン】+【マハジオダイン】バフ共有により貫通と威力アップを共有

*4
「ヤバイヤバイまだ?!」「仮にも聖典を死霊が直ぐに活用できる訳ないわ!」「(半分諦め蘇生待ち)」

*5
【主の加護】+【契約の祝福】+【神の代理人】+【アギダイン】メタトロンの炎の柱の権能

*6
【英知の権化】+【貫く闘気】+【マハジオダイン】+【マハラギダイン】旧約聖書創世記19章

*7
【霞駆け】+【朧一閃】

*8
運命を選り分け、交わらないように操作することで、互いに干渉が出来なくなる




今後もマクロ技に脚注で元のスキルを入れる感じにすると思います。毎回パッシブまで入れるかは考え中です。
この時期でも異界内なら60召喚できましたっけ?一応説明は作中に有りますが、絶対無理だった場合はしれっと変わってると思います。

黄衣の王
MAGの風船を無理矢理維持してる状態だった。ハスターと四文字を混同しておいて、天使の器でハスターが出る訳にはいかなかったための化身。

黒札三人
大分命の危険を感じた。意外に気が合ったのでしばらくパーティ組むことにした。アンリネキがちゃっかりビヤーキーの死霊を手に入れている。

優羽
最近やっと邪視ネキの戦闘スタイルを知る。あまりのオサレさにオサレ本家のラスボスとしてオサレを意識し始めた。とりあえずドイツ語。

エキドナ
普通に万能。最近はイナンナとアジダハーカから固有スキルをコピれないかと考えてる。
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