優羽の強さの半分以上を占めるスキル。
【獣の眼光】→【龍の眼光】と進化して、権能域に至ったことで更なるパワーアップ。
他人の1秒を10秒にも20秒にもする認識時間加速スキル。
流石にそこまでの倍率は常時出ないが、大体5倍速マン。
力とは重さと速さ!最高速度でブチ抜いたる!
その後、高天元のアマテラスに献上されたり、天孫降臨の際に再び地上に降りてきたりと、なんやかんやあってヤマトタケルの手に渡り、最終的に熱田神宮にて祀られるに至った。実は天皇が祀ってきた方は形代だったらしい。生まれ変わって初めて知った。
そんな訳で、熱田神宮を本拠地とする霊能組織である「神剣護持会」は、神剣のおかげで比較的覚醒者が多いものの、神剣のせいで霊質が脳筋に染まってしまった。一族代々覚醒の儀式に神剣を用いていた為だ。
斬撃系スキルは比較的覚えやすい様だが、そこから近距離>遠距離物理>魔法の順に覚えが悪くなっていく。現地民組織としては武力があるため、異界の対処については他霊能組織に武力を提供する代わりに術師を引き入れて行っていたそうだ。
しかし、その武力も転生者からすればどんぐりの背比べ。
各地にガイア連合の支部が創設される中で、どう立ち回っていくかが重要になる。
「それで…今日はうちに泊まっていかないか?
豪華な食事を用意してあるらしいんだ。部屋も整えてあるし、サロンもあるから疲れが取れるはずだ。
その、考えてくれると…嬉しいんだが」
報・連・相は社会人の基本だとして、現状とこれからについて話に名古屋へやって来た俺を出迎え、隣で慣れない勧誘?客引き?をしているのは、中学・高校とクラスメイトだった
神剣護持会を運営している宮津家のご令嬢であり、若手筆頭である。
学生時代はまさに女武士って感じの凛とした人だったのに、現在は挙動不審気味の残念な感じ。最後の方の声めっちゃ小さくなってるし。
彼女としては、俺を身内に引き入れたいのだ。
神剣護持会としてはそこまで引き入れるのに積極的ではないというか、ある意味で身の程を弁えているというか、潔いいった感じなのだが、だからこそ彼女は自主的に俺を勧誘している。
彼らは現実を理解している。GPの上昇は把握していないだろうが、異界の出現数増加と悪魔の強さの上昇には気づいている。自分たちではそれに対処できないことも、対処できる組織が現れたことも。
ガイア連合が現れなければその身に変えてでも時間稼ぎを続けたろうが、現れた今は穏便に引き継ぎを済まそうとしている様子。元々武闘派で、異界の管理はしていなかったようだし。
このままだと解散になる組織を、ガイア連合の1支部としてでも生き残らせようと俺を誘惑?しているのが琴刃さんというわけ。こういった思惑は全部エキドナの分析だけど。
考えごとで返事を後回しにしていると、小動物のようにあわあわプルプルしだしたので、いい加減回答を。
「この後は異界を一つか二つ潰すかな。
でもじっくり行きたいし一つにしとくか?」
今は昼過ぎ。昼食は新幹線内の駅弁で済ましたから、夕食までの予定を告げる。なんか隣で「2、3時間で二つ?じっくりだから一つ?」とか呟いてる。
「その後はご飯食べさせて貰おうかな?」
「本当か!?ありがとう!」
本当にこんな人だったっけ?追い詰められているのか。俺とは違って真面目な人だったし。
それに、彼女の家は代々続く名家。一見さんお断りの店から出前を取れるし、デパートには行くのではなくあちらから来る。名古屋で美味しい物を食べたいなら頼ると楽。
という訳で、異界にやって来ました。
何故か琴刃さんも一緒。なんとなーく解散を言い出せずにズルズルとここまで来てしまった。隠さなきゃいけないことはしないのでいいんだけども。
(念の為結界貼っておいて)
(別にいらないんじゃないかい?)
そうは言いつつも、攻撃が一方通行になる結界をエキドナが展開する。
エキドナは琴刃さんと会う時は何故か人化したがらない。この前理由を聞いたところ、「君と同じ時を過ごせるのはボクだけさ」などと意味不明な供述をされた。
これは…独占欲なのか?ちょっと高度すぎて理解できない。
出てくる悪魔はLv10弱といったところ。小規模異界となるとこんなもんか?修行場異界ばっか潜ってるから分からん。
それらを貫くのは青白い矢。今回は自分で使っている滅却師システムである。
「それは優羽くんだからこその威力なのか?
使わせてもらっていた時よりも威力が高いようだが」
「半分はそうだね。単純な大規模版ってだけだけど」
危険地帯であるのに、先程までより落ち着いているのは流石脳筋と言ったところなのだろうか。
ちなみに、以前会った時にやたら謙って来たのが気持ち悪くて普通の態度にしてもらっている。流石に同級生相手だと違和感が凄い。
矢を放っているのは、頭上に浮かぶ大聖弓。自分で使うことも考えた際に追加した術式だ。
そもそも、滅却師システムに搭載されている術式は、大気中のMAGを集めて武器の形に半物質化させる武装生成とそれへのエンチャント。
少し弄るだけで手元以外にも武装は生成できる。遠隔の武装を操作するのは装備者の力量によるが、手持ちという制限を撤廃したことで簡単に大規模化や複数並列化が出来るようになった。デメリットとしては、大気中のMAGが濃くないと装備者から霊力を補填しなくてはならないこと。
エンチャントの方は最も効果的で汎用的なのが一神教由来の神秘否定。しかし、これにもデメリットがあり、経験値が入らない。当たり前だが、Lvも神秘的な法則なのだ。上手くやればそうでもないんだろうけど、運用的に問題にならないと判断。元々Lv上限が極端に低い人達用だったので問題無かったが、この度他にも追加することに。
神秘否定ほどの出力は出ないが、各種属性を付与できるように改良した。使い手次第では他にも可能。
「こんなことなら霊装を着て来れば…しかしあれは無骨で可愛げなんて…そもそも私にできるのか?」
小声で何か言っているが、Lv50近いステータスによって全部聞こえている。
そんなこんなでボス戦。道中は語るようなことはなかった。刃物型の武装生成や、各種属性の付与を試したが、事前の想定通り。特に問題はない。
いや、一つだけ。神秘否定を使っても経験値が入るようになっていた。鳩の加護のせいだろう。
経験値を霊王が回収するように改修しなければ。
「じゃあ、ちょっと試すことがあるから離れてて」
「あ!あぁ。分かった」
ハッと顔を上げて離れる琴刃さん。普通に異界の中だから警戒はするに越したことないんだけど、それを忘れるほど思い詰めているらしい。
ボスは【妖鬼 オニLv15】
特に意外性はない。いや、土地的にはモノノフのほうが可能性が高かったか?
せっかくだし、琴刃さんの手本になるように戦ってみようか。滅却師システムをもう一度提供するかは決めてないが、サーバーに接続できない本末転倒の実験作があるし、それを改良して渡してもいい。武術だけなら彼女に1日の長があるけど、霊能者としてはこちらが上だからね。
大聖弓から剣が打ち降ろされ、地面に突き刺さる前に掴んで砂ぼこりを舞わせない。かっこいいけど普通に視界の邪魔だし。
つい本気の速度で動いてしまったが、ここからはLv10相当の身体能力に抑えていこう。面倒だけど試運転にならないし。
(ボクの方のステータスを使うといい)
(ちょうどそうしよっかなって思ってたとこ)
エキドナのスキル【一心同体】
装備者と自身の行動時の参照ステータスをどちらか好きな方に出来る。また、装備者とのバフ効果共有。
普段は【龍の眼光】から進化した【固有時制御】を共有するのがメインとなっているが、俺がエキドナの魔ステで魔法を使ったり、エキドナが俺の速ステで動いたりできる。
エキドナの魔特化のステなら手加減もいくらか簡単。
大聖弓を3つに分割。牽制に尾張らしく三段打ち。
衝撃属性を纏ってセミオートで放たれる矢が待ち構えることを許さない。
続いて
危機を感じたのか、バランスを崩しながらも多少の被弾を無視して腕の力で金棒を振ってくるのをしゃがんで避けながら、跳ね上がるように斬り上げて振った腕の肘を斬る。
このままだと普通に勝ってしまいそうなので、一旦離れながら大技の準備。
大聖弓から放たれる矢が、オニの周りを囲むように地面に突き立つ。詠唱を設定してしまったので口ずさむ。
「許しはここに 受肉した私が誓う」
矢同士をラインがつなぎ、さらにオニを囲む結界となる。
オニは片手片足では突破ができない。
「──
四文字以外の奇跡を許さない法則が展開され、オニはその身を滅却される。
うーん。見事なオーバーキル。
「ね?簡単でしょ?」
「どう真似しろと」
【一心同体】
エキドナのメインスキル。詳細は文中の通り。
【人馬一体】などの類似スキルをショタおじにコネコネしてもらった。
戦闘スタイル的に最低限必要な物だったが、これが容量を占めているため各種属性強化スキルを載せられず、器用貧乏に陥っている。
同じ時を過ごせる(物理)