【カオ転三次】怠惰を求めて   作:茅薙

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UA5000超えました。ありがとうございます。

メガテンにズルワーンが出ている事を前話投稿後に知りました。
一応調べながら書いてはいますが、メガテン関係は余り詳しくなく、カオ転生本家様や他三次創作様の描写から書いてる部分が多いです。
間違い等有りましたら教えてください。

優羽は考える事が積み上がると面倒になって端的な手段に走りがち。
修羅勢としてやっていく中でその傾向は強まった。


片付け

 2週間山梨に引き篭もり、勉強やら何やらやっていた俺だが、別にその間宮津家をほったらかしていた訳ではない。

 現代において、会話をするのに実際に会う必要はないのだ。前世より随分早く世に出回ったスマホを使って連絡を取り合っていた。

 

 あの騒動の後に、兼定さんはすぐに家の資料を漁ったらしい。例に漏れず大体が失われていたが、宮津家の古い婚姻の儀式の様子にそれらしき物があった。と言っても、夫婦のどちらかの日記のような物だったらしいが。確かにそれは霊能関係ないし、焼かれずに済んだのか。

 

 そんな所まで探したことから必死さが伺える。

 推測だが、次期当主の婚姻の報告や、有望な若手の1門入りの際などに神剣と対面し、度々加護を授かっていたのだろう。戦後はめっきりだったようだが。資料も無く半世紀も経てば知識もなくなる。

 俺らでも無ければ素質的にもヤマトタケルは格上だし、普通はメリットなのだろう。

 

 琴刃さんも一緒に入れたのは、万が一にも神剣の怒りを買ってはいけないため。朧気に残る伝統を再現した方がいいと判断したそうだ。あんな(カプ厨)でも祭神だからな。

 

 という訳で、神剣はホビー部に注文した「DXクサナギソード*1」を一定期間依代にさせるくらいで済ましてやろう。

 見た目はまんま玩具だが、ガイア連合らしく剣としての性能は結構高いから、案外気にいるかもしれない。信仰がどうなるかは知らんが。

 

 

 事情を把握し、心の休養を終えたので、今後の関わり方を改めて決めるために神剣護持会を訪れたら、テロ未遂にあったという訳だ。当主も巻き込む位置で耐えられない範囲攻撃をするのは何を考えてるのか。

 本当なら、正式にガイア連合の支部として個人的に傘下に収める話をしに来たというのに。

 

「どういう腹づもりだった?」

 

 思い当たる節(神剣封印)は有るが、すっとぼけて詰める。その節にしても、下っ端が知るには早すぎる。それが出来る情報通には見えない。

 誰かしらが裏で動いた可能性もあるが故に、吐かせなければならない。

 

「申し訳ありません」

 

「謝罪ではなく理由を聞いている」

 

「腹を切ってお詫びします」

 

「今聞いているのは何故やったのかだ。お前はそれしか言えないのか?」

 

 年上の方が必死に謝罪の言葉を並べるが、それでも詰め続ける。なるべく煽るように、怒りを引き出すように。

 そうして実行犯である若い方の激発を待っていたのだが、中々尻尾を出さない。こっちを睨めつけてる癖に黙ったままだ。

 

 正直面倒になってきた。1回殺すか?

 

 

 ──ドサッ…

 

 

 そうした。

 1流は「殺す」ってのは使っちゃいけなかったな。「殺した」なら良い。やはり話し合いなんて野蛮だったんだ。穏便に暴力で行こう。

 

 力を失い倒れた男の、顎を蹴り上げ首を掴む。

 そして【サマリカーム(蘇生)】。何が起こったか周囲の誰も理解していない中で、愛剣はクズに使いたくなかったので、滅却師システム(QS)で生成した剣で心臓を一突き。

 もうワンセット生死を行き来してもらう。

 

「お前に選択権は無い。全て吐け」

 

 まだ状況を理解していないようだったので、もうワンセット。もう一度開いた目には狂気に近い恐怖が宿っている。

 

「5秒だ。…4……3」

 

……言いますっ

 

 3回程度で屈するとは。根性無しめ*2

 

 

 

 

 

 事の顛末としては、メシアが悪い。ついでにこいつがアホ。

 過激派は日本には居ないと思っていたが、過激派に賛同する奴は残っていたようだ。下っ端の、本来は大きな影響力の無いやつだが。

 

 これがまた面倒な奴で、布教を使命とでも思ってるのか表向きはキレイな顔で、徐々に過激派の思想を広めているような奴。そんな彼は、正体を隠して情報収集する中で、神剣護持会にガイア連合の者が支援をしていると聞きつける。この情報を漏らしたのも今回のアホ。酒の愚痴だったらしい。

 

 この地域で一番力を持っている組織が、敵対組織に取り込まれるのは、彼にとっては非常に都合の悪いこと。それで彼が始めたのはアホに囁くこと。

 

 ガイア連合は悪の組織。ガイア連合は国を牛耳ろうとしている。君の所の当主は既に抱き込まれ、私腹を肥やそうとしている。etc

 

 正義感の強いアホ君はまんまと乗せられ、凶行に走った訳だ。アホくさい。メシアンも変に悪知恵を回さずにヤンキーらしく「Powerrrr!!!」ってやってればいいんだよ。その都度叩き潰してやるから。

 

 

 そんなところが、教会に突撃し、大体黒幕のメシアンに事情聴取をして分かったこと。

 そして今、役目を終えたメシアンを始末しようとして、実験に使うかと思い至る。

 

 新作の「ジョブシステム」の、失敗作。

 本来なら魂の装備品として、余剰経験値を受け取って事前に圧縮していたスキルなどの情報を解凍し、使えるようにする予定だった物。情報接続加工から着想を得て、最初が軽ければ才能無しでも使えるんじゃ無いかと作り出した。普通に難易度がクソ高かったので結構時間がかかりそう。何個か試作品を持ってきて、「力がほしいか?」をする予定だったんだが。

 

 種とでも言うべきものをメシアンの魂に植え付ける。

 

「──っ!!───ぁ!!」

 

 声にならない悲鳴を上げながら、みるみると枯れていく。

 これが失敗作たる所以の、無差別MAG吸収。経験値も1種のMAGな訳で、選別が上手く行かなかったというのが一つ。魂に直接植え付ける形になってしまったせいで、魂から直接エネルギーを奪ってしまい、存在がやせ細るのが一つ。

 

 問題だらけなのは見てわかる通り。ここから情報圧縮やジョブの付与や回収なんかも自動化する気なのだから、完成は遠い。

 

 

 

 

 

 正直蛇足でしか無かった騒動を終えて、本当の後始末を始める事が出来る。しかし、その前にさっきのメシアンを話し合いの場に放り捨てる。ミイラのようになってしまったその姿は、とても天国へ行けるようには思えない。エジプト辺りがお似合いだろう。

 

「こうなりたく無かったら、大人しくしてろ」

 

 【トラポート(転移)】によって急に再び現れた俺に驚き、声を上げそうだった奴らが、無残な死体を見て押し黙る。「棍棒を持って穏やかに話せ」とはアメリカ大統領の言葉だが、武力で圧倒していればこれ程簡単なやり方は無い。

 

 

「詳細を詰めようか。大枠しか合意していないだろう?」

 

 当然のようにまた上座で胡座をかいた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 神剣護持会は、今後ガイア連合名古屋支部となる事に同意した。暫くの間の役割は周囲の霊能者の取りまとめと、県内の異界の探索・記録だ。

 

 取りまとめについては問題無い。神剣護持会の組織構造は大体ヤクザと同じで、分家が率いる小組織を本家が纏める形。その分家が大体名古屋周辺全域を縄張りにしているので、それを集めてお終い。集まった際には再度パワハラ会議を開催することになるかな。

 県内の他の組織については、そもそも生き残っているのを余り期待出来ない。それが異界の話に繋がる。

 

 愛知には現在大異界は無く、小規模異界が無数に点在している状態。上がっているGPも相まって潰しても潰してもポンポンリポップする状況。こんな感じなので大抵の組織は押しつぶされているだろう。

 そして、支部を置くならこの状態は管理が面倒なので、一つの大異界に纏めてしまいたい。

 

 候補は名古屋地下と、長久手古戦場。

 

 名古屋地下の場合は"迷い"の概念によるギミックが満ちる、巨大な地下通路型の迷宮になることが予想される。

 メリットは現代的な色が強いので、オカルト対応の機械部品辺りが産出出来るかも。デメリットは生活圏が近すぎること。

 

 長久手古戦場はその名の通りの戦場。豊臣と徳川が戦った場所なので、モノノフ辺りが湧き続ける鍛錬用の異界となるだろう。メリットはレベル上げがしやすいこと。デメリットは産出物が被りがちになりそうなこと。

 

 どちらもメリットデメリットがあるので、暫くは準備も含めて小規模異界の把握に努める。大異界構築の際には一斉に潰すことになるだろう。

 

 また、戦力面については再度QSを貸与する形に決定。ガイア連合産の他の物についてはおいおい考えることに。

 

 ちなみに、支部建設の費用は全て俺のポケットマネーから出る。山梨で貯め込んだ円が枯渇することになった。正直最近はマッカしか使っていなかったので問題は無いが、この支部が補填できるほどに利益を出してくれるのを期待。

 

 

「それで、どの程度手をかけるつもりだい?」

 

 久し振り(昨日ぶり)な気がするエキドナとのお茶会。ケーキの甘さが染みるぜ。

 

「多分別荘程度に利用するくらいだと思うよ。

 支部を任せられるような黒札*3が出てきたら任せようと思うし」

 

 正直、責任感さんはニートでいてほしいのだが、頭の片隅で主張し続けるそれを無視はできなかった。常に現実逃避するように何かするのは普通に嫌だし。かと言って何もしてないと気になるし。

 

「それに、これから予定もあるしね」

 

 エキドナの強化や、付喪神*4となっていた愛剣のアップグレード、修羅木綿*5の載せ替えもしないといけない。

 

「あぁ。ついにこの時が来たんだね。

 あのトカゲ狩りが終わる時が」

 

 やたら感動しているが、それぐらい【邪竜 アジ・ダハーカ】との遭遇率は高かった。神話的な縁だろう。それに、式神が悪ノリできるのは大分成長した証なのでいい傾向。

 無数の悪魔カードからやっと【幾百の魔術】をアップグレード出来る【幾千の魔術】*6を構築出来たので、その他のスキルも頑張って揃えて行こう。

 

 名古屋支部は運用的に治験会場となりそうな予感もするが、まあなんとかなるだろう。

*1
ニチアサの玩具風

*2
普通は屈する。修羅勢が異常なだけ

*3
ジュネス建設ラッシュが終わった辺りからそう呼ばれるようになった転生者の総称

*4
「最速で出会った俺らのガイア連合活動記録」より、磐長式付喪神。武器の一部を次の武器の素材とするのを繰り返してで付喪神を作る。

*5
「最速で出会った俺らのガイア連合活動記録」より、アイテム回収やセーフティエリア生成能力を持った便利式神。

*6
アジ・ダハーカの千の魔術を操る逸話から構築。それぞれの魔法スキル単体で習得したのと変わらない練度で殆どの魔法スキルを行使できる




結局支部設立しました。ご自由にお使いください。
かぶってたらすいません。

大分駆け足で進んでしまったような気もしますが、これもいきあたりばったりに書いてるのがいけないですね。もうちょい計画性を持って書けないものか。
もう一話か2話書いて、その後優羽やエキドナのステ書こうと思います。

《ジョブシステム》(元ネタInfinite Dendrogram)
正式名称 融資型後天霊能付与システム
構想では、魂の装備品として多少の能力強化とスキル提供を行う物。
貧弱な魂でも耐えられるように最初はデータ圧縮状態で付与し、MAGを吸って徐々に慣らしながら解凍していく。
装備者の死後や契約違反時に回収し、次の装備者の素材などの資源にする。装備中にジョブが貯め込んだMAGが利益となる
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