10話も行ってないのにこの投稿頻度。いきあたりばったりで書くのはほんとにいけない。
短いですけど、ちょっとラブコメっぽいのに挑戦。
用事は一度で済ませたい。小分けにした方が効率的であっても、パッと全てを片付けたい。
故に今は、琴刃の修行タイムだ。
「はぁ…はぁ…、もう一度!」
支部を設立したからには、いちいち手をかけさせるようではいけない。
斬られては回復され、斬られては回復されを半日繰り返した結果、今ではすっかり修羅の眼差し。半分くらい恨みが含まれているが、モチベーションになるなら何でもいい。俺は就活したく無いが理由だったからな。
支部の設立が決まると共に、兼定さんは当主を辞した。ケジメの意味もあるし、体制が切り替わったことの証明でもある。その後釜に座ったのが琴刃。年寄りはビビってるし、若者は頼りない。そんな中で組織を背負えるのは彼女しかいなかったのだろう。
とは言っても、彼女は今の所お飾りに近い。
実務も実力も親の劣化でしかない現状で、彼女がすることがないのだ。本人が生きているのに劣化が動くのはむしろ邪魔になる。
つまり、するべきは
お飾りのトップに求められるのは象徴性で、それは強ければ満たされる。ついでに防衛戦力も上がる。いいことづくめだな。
「はぁっ!ふっ!」
「今の動きを体で覚えて、更にいい動きをイメージして」
木刀と真剣が互いを削るように受け流しと打ち合いを繰り返す。琴刃の得物は日本らしい刀。正面からぶつけ合うような運用を想定された物ではないので、攻撃はなるべく避け、それが無理なら受け流し、それも無理なら初めて打ち合う。
木刀は一応霊木で出来ているのだが、【硬気功】*1を纏わせただけのこれに、一応霊剣のはずの真剣が刃こぼれしていっている。武装面のテコ入れも必要そうだが、ひとまずはQSの生成武装でいいか。
最近はそこらの異界でも普通にLv.10は出てくるらしい。Lv.5の実力は、所謂服を買いにいく服が無い状態だったので、今は最低限生き残るための技量を付けさせている。俺の補助あっての事だが、半日前とは見違える剣の技量と霊力操作。もう少し鍛えれば、弾丸異界ツアーに連れていけるだろう。
彼女には、未来選択によってその時の最高の動きを引き続けてもらっている。この能力は、簡単に言うなら意識的な運の良さ。自らに都合のいい可能性を選び取る。
会心の出来を繰り返し、それを体に覚え込ませることで、さっきまでの最高が今の平均になる。それが続けば、半日で一流の出来上がりだ。俺もやったので効果は実証済み。
何時も自分にしか使わない技なので、こちらにとってもいい鍛錬ではある。
「よし、終わりにしよう」
終了を告げれば、疲労困憊で倒れ込む琴刃。それを手を掴んで止める。ついでに回復しながら、アイテムボックスに仕舞っておいたタオルを渡す。
流した汗と血で酷い有様だ。疲労で気づいていないが、服がボロ切れになっているので、血さえ無ければ大変目に悪い。
今日はもう遅くなってしまったし、Lv上げは明日にするかな。修行場異界に潜れれば今からでもいいのだが。
◇
異界の主の攻撃を見切り、すれ違うように横一閃。怯んだ悪魔の隙を広げるために、上方の大聖弓から弱点である破魔属性の一射。
見事に体勢を崩した相手の肩を切断。武器と共に落ちる腕を尻目に、首に一閃。結果を見るより先に飛廉脚によって距離を取り、弓を構えて反撃に備えた。
「いいね。最初とは見違えたよ。
特にトドメの前に武器を奪ったのが良かったね。今回は無かったけど、首を落としたくらいで悪魔は行動を止めないから。
あとは大聖弓も上手く使えていたよ。やっぱり支援攻撃はあった方がいいでしょ?」
パチパチという拍手と、その言葉でやっと緊張を解き、息を吐く。軽く呼吸を整えながら、霊力に解けて消えゆく悪魔を見送る。
「ええ、そうですね」
疲れで返答が思い浮かばず、上の空の返事を返してしまう。ここで何個目の異界だ?何体の悪魔を倒した?
「回復はしてたけど限界かな?
いい時間だし、そろそろ帰ろうか」
言葉が右から左へと通り抜ける。
次に行くのか?出来れば、抱き抱えられた状態で周りの景色が線にしか見えないような速度の移動は勘弁してほしいのだが。
「ん」
彼に向けて両手を差し出したが、持ち上げられる様子がない。なんだ?まだ次に行かないのか?
苦笑いをされながら、肩にポンと手を置かれると、次の瞬間には見知った景色がある。帰ってきたのか?
「【トラポート】だから接触だけで良かったのに。
限界なようだし、今日はもう寝な。浄化もしてあげるから」
期待に応えられたのか?
そうならい…い……な。
布団からムクリと起き上がる。
確か昨日は異界巡りをして、それで
「────っ!!」
思わず布団を蹴飛ばしながら飛び起きる。
昨日私は何をした?異界を潰し回っていた。
その間は?移動中ずっと
顔が熱い。羞恥のあまり叫びそうだ。
それに、抱かれていた間あまりの速さにすごく密着していた気がする。必要性と恥ずかしさに揺れていたはずなのに、ちょっと嬉しかった思いもあって。
「───────っ!!」
枕に顔を埋めて叫ぶ。この熱を吐き出すように。
それでも収まらず、朝食に母が呼びに来るまでジタバタと暴れまわっていた。
◇
普段は凛とした人の、たまに見せる隙だらけな姿。いいと思います。
最近はずっと隙だらけな気もするが。
異界巡りによって、琴刃のレベルは10にまで上がった。神剣による神話体験の経験値もあったとはいえ、地方名家にしては随分な才能だ。元々は才能限界まで上げてやろうと思っていたんだが、先にタイムリミットが来てしまった。
名古屋支部についてはとりあえず周辺を纏めたので、これからはガイア連合基準に則った拠点作りや、地方依頼に来た者の休憩場所としての整備に取り掛からないと。
霊能組織の立地としては熱田神宮で十分なのだが、何かしら利益を生み出すようにしないといけない。赤字垂れ流しは嫌だ。
いや、利益は出してるのか?元々組織としてやって来た訳だし。
「そこの所はどう?」
「厳しいだろうね。
今まで通りなら問題は無いが、やっていたのは傭兵稼業だ。ガイア連合という強力な商売敵が現れた時点で斜陽なのは明らかだからね」
そうなると何かしら金策は必要か。一応熱田神宮も宮津家が運営しているが、それで賄えはしないだろう。ガイア連合に頼りっきりは運営陣に申し訳無い。
「駅前にホテルでも建てようか」
駅に併設して高層ビルの建設工事をしていたはず。
その流れに乗って、宮津家から一気に周辺開発するように行政に働きかけさせよう。政治力は使ってナンボだ。
「資金は…いいとして。運営の人員なんかはどうするんだい?」
「拠点防衛用の式神に兼任させればいい。
そうだな、配下使役系の能力で賄おう。下手に人間を使うよりガイア連合員には評判いいだろうし。
流石に一般用の所とは別にした方が良さそうだけど」
「ふむ。いい案だね。
だが、戦闘力を求めないなら私たちで十分作れるが、拠点防衛としては不安が残らないかい?」
「そこは長期的に見る感じで。
県内にはジュネスも無いし、事務拠点もそこに纏めてしまえばいいかな。ビル一棟使ってホテルとオフィスに霊的施設も揃える感じでいこう」
本当に重要な物は熱田神宮に併設しておいて、実務系は新設する方に纏めることにする。
方針は決まったので、兼定さんには市議会や行政に働きかけるよう言って、ガイアグループの建設会社にもこの情報を流しておこう。都市計画に食い込めれば、地脈を始めとした霊的資源の運用が楽になるだろうし。
とはいえ、最低でも数ヶ月後とかになるかな。
琴刃以外の戦力強化もしないといけない。
完全には信用出来ない相手に渡すものであるからには、簡単に取り上げられる物がいい。滅却師システムはその点非常に優れていた。
それだけで問題は無いといえば無いのだが、なるべくリスク分散はしておきたい。
という訳で出来上がったのが『輪廻の枝』*2
植物的な装飾のついたカランビットナイフ。
コレの使用方法は簡単。首を掻っ切る。以上
すぐに枝が消費されて蘇生されますが、死亡と復活によって擬似的に輪廻転生をすることで魂が磨かれ、一時的に霊的資質が底上げされます。更に、死の瞬間にだけ引き出せるとされる魂の記憶の貯蔵庫から前世あたりの情報を引き出せるかもしれません。全体的に仏教要素の強いアイテム。
ただの死と蘇生ではなく、間に輪廻転生が有るということにするのがキモのアイテム。その上でその間に起きる良いことが起きやすいように補助する。
ジョブを作ろうとして魂の勉強をしていた際の副産物を手直ししたもの。走馬灯のような物なので、多少使う程度なら一時的な強化に留まるが、何度も使い続ければ強化が定着する。更に、使い捨ての道具なのでコントロールもしやすい。現状は難易度の高いハンドメイドなのが消費アイテムとしてはネック。
ちなみに、俺らのような才能溢れる人間が低レベルのうちに使うと、前世の悪魔に乗っ取られる危険性があるのでおすすめしない。というか俺がショタおじにガチで怒られる。
レベルを満たしていた場合は権能を引き出す補助になるかな?ぐらい。むしろ過剰に引き出してデメリットまで身に着けてしまうかも。
俺が使ったら時間と運命に対する理解がより深まり、全門耐性と勢い余って万能弱点がつきました。しかも一発で定着しやがった。
クソ。
しょうがないのでペルソナに万能耐性のスキルカードを差して相殺した。
時系列的には多神連合が本格的に連携し始めたくらい
デモニカが無いと戦力問題を金で解決出来ない。
90年代を作者が知らないので、描写に苦戦中。