それは、ある夏の日、突如として起こった事だった。
10時21分32秒、この時間に神は舞い降りたのだ。
恐らくこんな話をしても誰も信じてはくれないのだろう。
しかし、彼の声は確かに、そして確実に全世界に存在する人類に向けて放たれた。
だが、それは決して慈悲深き言葉ではなく、ましてや人類に救いをもたらす天啓でもなかった。
彼の言葉の内容は以下の通りである。
『(ピンポンパンポーン)
こんにちは~♪
愚かな人間ども諸君、ご機嫌いかがかな?
ど~も~神様でぇ~っす!!
あっちなみにキョロキョロしても無駄だよ~、君達の心に直接話してるからね~♪
全く君達はせっかく神の代理人としてこの我等が最高傑作地球に住まわせてやったって~のにぃ~、本来の使命も忘れて、欲にまみれて、こんなに地球を駄目にしてくれちゃてさぁ~、ぶっちゃけマジうぜぇ。
もううんざりだからこれから人類滅ぼす事にしたんだ~♪
でもでも~そんな急にそんなこと言われても君達困っちゃうでしょ~?
それに無抵抗同然な君達をただ殺し続けてもつまんないしね~♪
だから~慈悲深いぼくちゃんから愚かな君達にチャンスをあげちゃいま~っす!!
これから一週間時間をあげるから~、その間に君達は僕達神様と契約しちゃってくださ~い!!
あっ、そうそう神様は神社とか神様が居そうなところにいるから適当に会って契約しちゃってね~♪
そんでそんでぇ~神様と契約した人にはなんと!
ノア の箱舟に乗る権利をあげちゃいまぁ~っす!!
ちなみにノアの箱舟はこの世界のどこかにあるから頑張って探してね~♪
一週間後天使ちゃん達が君達を殺しに行くからね~♪
早めに契約することをオススメするよ!
つまり!
今日からこの地球に存在する約72億人全員が終焉の時を救う
かぁ~っこい~!!
あっ、ちなみにこれはもう決定事項だから~、中止したり変更したりしないよ~♪
だからこの放送をどう解釈するかは君達の勝手だけど~僕的にはやっぱり信じる事をお薦めするよ~!
昔から言うでしょ?
“神を信じる者は救われる”ってさ。
そんじゃ頑張って楽しませてね~バイバ~イ♪』
それはたった5分程度のスピーチだった。
だが、神を名乗る謎の男の声や、口調の明るさとは裏腹に、その中にはとてつもない絶望と恐怖が詰まっていた。
それに絶望する者、歓喜する者、怒り、抗う者、我々人類はそれに対し多種多様な反応をみせた。
あらゆる人々の思いが渦巻く中、
ゲームは始まる……