もし未来悟飯がシャーレの先生だったら   作:ひーくんmark2

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本日6月25日は、セリカの誕生日!

というわけで、アビドス編でも重要なパート、セリカのバイト回、セリカ救出回の二つを、
豪華二本立てでお送りします。

それでは、第八話、お楽しみください。


第八話『黒猫は素直になれない』

―――アビドス高校、校庭にて。

 

シロコ「……。」

 

シロコは、目を瞑り、意識を集中させる。そして、脳天から指先まで、少しづつ気を全身に巡らせていく。

 

悟飯「いいぞ。その調子だ。お風呂に浸かった時みたいに、全身が少しづつ温かくなっていくイメージでやっていくといいよ。」

 

ノノミ「慌てなくていいですよ~。シロコちゃん。」

 

アヤネ「落ち着いてやっていきましょう。シロコ先輩。」

 

そのアドバイス通り、シロコの気が、足先まで巡り切り、シロコの全身が気で包まれた。

 

悟飯「いいぞ。そのままやってみよう!シロコ。」

 

シロコ(…全身を気で包むことはできた。後は、踏ん張って…!)

 

シロコ「…はあっ!」

 

ドンッ

 

シロコが気を開放し、周囲の空気が少し揺れる。

 

シュインシュインシュイン…

 

そして、そこにいたのは、気を開放したことで、髪と服がなびき、強力な気を放っているシロコの姿だった。

 

シロコは、ゆっくりと目を開け、自分の様子を確認する。すると、自分が『気の開放』が出来ている事を確認し、思わず嬉しくなった。

 

シロコ「…出来た。これが、気の開放…!」

 

ノノミ「おお~!」

 

アヤネ「凄い…!気が膨れ上がってます!」

 

悟飯「凄いじゃないか!シロコ!こんなに早く出来るようになるなんて!」

 

しかし、喜んだのもつかの間、

 

シュウン…

 

先程までの気が収まり、元の状態に戻る。シロコは、ダラン、と腕を下ろした。

 

シロコ「…ん。疲れるね、これ。」

 

悟飯「まあ、最初の内はそうなるさ。これから色々と覚えていけばいいんだよ。」

 

ノノミ「そうですよ。気の開放までしなくても、身体を気で包むだけで、防御力はグッと上がるんですから。」

 

ポワァン…

 

そう言うと、ノノミは身体を自分の気で包んだ。

 

ノノミ「これが出来れば、服が破れずに済みますし、ちょっとしたダメージ位なら、ヘッチャラに進めますしね~。」

 

アヤネ「先生!今度は、私にも教えていただけませんか?」

 

悟飯「うん、いいよ。じゃあまずは…。」

 

すると、セリカがいつもの様に登校してきた。

 

セリカ「おはよー。皆。…何してるの?」

 

シロコ「…あっ、セリカ。今、先生に気の使い方を教えてもらってたの。」

 

ノノミ「よかったら、セリカちゃんも一緒にやりませんか?」

 

しかし、セリカの目に悟飯の姿が映ると、セリカはプイッとそっぽを向き、そのまま校舎に向かっていく。

 

セリカ「…別にいい。気なんて、無くても困らないし。」

 

そう言ってから、セリカは校舎内に入った。

 

悟飯「…やっぱり、まだセリカに嫌わてるらしいね、俺は。」

 

悟飯は、少し肩をすくめ、しょぼんとする。

 

アヤネ「そ、そんなに気を落とさないでください、先生。」

 

ノノミ「そうですよ。セリカちゃんは、ちょっとツンデレなだけですから。」

 

シロコ「ん。先生が優しいことは、この数日でよく分かったから。」

 

悟飯「…ありがとね、皆。」

 

その後、今日の対策委員会での会議を終えると、セリカは焦ったようにその場を去り、さっさと行ってしまった。

悟飯は、他の皆に理由を聞いてみたが、誰もあまりよく知らないのだという。

 

―――数十分後、紫関ラーメン店にて。

 

セリカ「いらっしゃいませ!紫関ラーメン店にようこそ!」

 

ここは柴関ラーメン。今も少数の人が暮らしている、アビドス自治区に位置するラーメン店である。人がいないながらも、未だに人気は衰えず、他の自治区から人が来ることもよくある程の、名店である。

 

柴大将「セリカちゃん!紫関特製ラーメン一つ、二番テーブルに運んでくれ!」

 

二足歩行の犬の姿をした大将が、活気のある声でセリカに指示をする。

 

セリカ「はい!お待たせしました!紫関特製ラーメンです!」

 

セリカは、ラーメンを運んだり、テーブルを拭いたり、慌ただしい中でも、笑顔を絶やさず、大きな声で、元気に働いていた。

他のお客たちも、ラーメンだけでなく、そんなセリカの様子を見に来ている節もあった。

 

ガラガラッ

 

店の扉が開き、五人ほど人が入ってきた。

 

セリカ「いらっしゃいませ!紫関ラーメン店へ…わわっ!?」

 

ノノミ「あのー☆5名なんですけどー。」

 

アヤネ「あ、あはは…。セリカちゃん、お疲れ…。」

 

悟飯「…へ~。ここで働いてたんだね。セリカ。」

 

シロコ「ん。お疲れ。セリカ。」

 

セリカ「み、皆……。どうしてここを…?」

 

ホシノ「うへ~。やっぱここだったか~。」

 

ホシノは、一瞬悟飯と目を合わせてから、セリカの方を向いた。

 

ホシノ「…気っていうのはね、色んな使い方があるんだよ。慣れたら、気を感じ取って、離れた距離でも、相手の気を感じ取って、位置が分かるようになるんだ。…って、先生が言ってた。」

 

悟飯「…あはは。なんか、ごめんね、セリカ。つい心配になっちゃって、セリカの気を探ったら、ここを見つけたから…。」

 

セリカ「…何よそれ!?完全にストーカー用の技術じゃない!」

 

柴大将「どしたーセリカちゃん。何かあったのか?」

 

柴大将が、セリカの叫び声を聞きやってきた。そして、悟飯は真っ先に目に入る。

 

柴大将「あんたは…確か…。」

 

悟飯「初めまして。シャーレの先生の、孫悟飯です。よろしくお願いします。柴大将。」

 

柴大将「シャーレの先生!?それって、戦車群を一人でぶっ倒して、生徒を助けたって噂の、あのシャーレの先生かい?」

 

悟飯「…そうです。その、シャーレの先生です。」

 

どうやら、シャーレの先生については、そこの点ばかりが広まっているらしい。

 

柴大将「そんな人が来てくれるなんて、嬉しいねえ。セリカちゃん!席に案内して、注文取ってくれ!5人分、ちゃんとな。」

 

セリカ「は、はい。大将。では、こちらに…。」

 

そう言って、セリカに案内されたのは、5人が座れる椅子と広い机があるスペースだった。

 

アビドスの生徒たちが先に座ると、ノノミとシロコが、

 

ノノミ「はい!先生はこちらへ!私の隣、空いてます!」

 

シロコ「…ん。私の隣も空いてる。」

 

と、どちらも隣に座ることを提案してくれた。悟飯は、少し悩んだ後、

 

悟飯「…じゃあ。」

 

ストン。

 

悟飯は、ノノミの隣に座った。

 

ノノミ「…よく見ると…。先生って、筋肉凄いですね~。惚れ惚れしちゃいます~。」

 

アヤネ「…前も、筋肉だけで銃弾を弾き返してましたもんね。」

 

悟飯「はは。まあ、普段から鍛えてるからね。それくらいは出来るさ。」

 

ホシノ「セリカちゃんも、よく似合ってるよ。そのユニフォーム。」

 

セリカ「だーーっもう!分かったから!はい!ご注文は?」

 

ホシノ「『ご注文はお決まりですか?』でしょ?セリカちゃーん。お客様には、丁寧な接客を心掛けなきゃねー。」

 

セリカ「…ううう。ご注文は、お決まりですか…。」

 

普段よりもぎこちない表情で、セリカはそう訊ねる。

 

ノノミ「私は、チャーシュー麵をお願いします!」

 

シロコ「私は、塩で。」

 

アヤネ「じゃあ、私は味噌で…。」

 

ホシノ「特製味噌ラーメンでお願い―。炙りチャーシューもトッピングで。」

 

悟飯「…うーん。じゃあ俺は、紫関特製ラーメン、大盛でお願いします。」

 

セリカ「…はい。ご注文は以上ですか。」

 

セリカ「…というか、今日もまたノノミ先輩に奢ってもらうつもり?」

 

ノノミ「私はそれでも構いませんよ~。まだまだ限度額には余裕がありますし。」

 

悟飯「いや、今日は俺が奢るよ。生徒に奢らせる訳にはいかないからね。」

 

ホシノ「おお~。太っ腹だね、先生。」

 

悟飯は、大人のカードが財布に入っていることを確認する。

 

悟飯「このカードなら、全員分払えるかな。」

 

ホシノ「よ~し。皆、今日は先生の奢りだし、いっぱい食べようね~。」

 

その後、ラーメンを食べ終え、皆がお腹いっぱいになる様子を、悟飯は嬉しそうに笑って見ていた。

 

ホシノ「いや~。ゴチになりました、先生。」

 

ノノミ「ご馳走様でした、先生。」

 

シロコ「ん。おかげでお腹いっぱい。」

 

悟飯「ははは。これくらいなら、またいつでも頼んでくれていいよ。」

 

セリカ「早く出てって!二度とこないで!仕事の邪魔だから!」

 

アヤネ「あ、あはは…。それじゃ、また明日ね、セリカちゃん。」

 

セリカ「ああもう…!皆死んじゃえ―!」

 

―――数時間後。

 

セリカ「お疲れさまー!」

 

一日の仕事を終えたセリカは、疲れに身を包まれながらも、帰路に着いていた。

 

セリカ「にしても、目まぐるしい一日だったわ…。皆で来るなんて、騒がしいったらありゃしない。全くもう…。」

 

セリカ「それに、先生だって、もう皆に馴染んじゃってるし…。何なのよ、あの人。」

 

そんな風に、ぶつくさと文句を言いながら、セリカは先に進んでいく。

 

???「………。」

 

その背後から、誰かが付け狙っていることに、セリカは気づかなかった。

 

そして、セリカが路地を抜け、もうそろそろ家が見えてくる頃。

 

セリカ「…学校の借金を返すまでは、まだ全然足りない。もっともっと、頑張らないと…。」

 

ドタドタドタ…

 

すると、セリカの正面に、何者かが現れた。よく見ると、その者たちは、カタカタヘルメット団の残党だった。

 

カタカタヘルメット団員L「…黒見セリカだな?」

 

セリカ「あんたらは…!カタカタヘルメット団!?」

 

ドドドドドッ!!!

 

セリカが驚いたのも束の間、背後から背中を大量に撃たれ、体勢を崩してしまう。

 

カタカタヘルメット団員L「捕えろ。」

 

その後、爆弾の様なものがセリカに向けて降りかかる。爆発のダメージと煙幕で、セリカは身動きが取れない。

 

(対空砲…?いや、この砲撃音は…Flak41改?…やばい、意識が…。)

 

ドサッ

 

セリカは、意識を失い、そのまま倒れこんだ。

 

カタカタヘルメット団員M「…続けますか?」

 

カタカタヘルメット団員L「いや、生かさなければ意味がない。この程度でいいだろう。車に載せろ、ランデブーポイントへ向かう。」

 

その後、気絶したセリカをトランクに乗せ、そのままカタカタヘルメット団は、どこかへと走り去っていった。

 

 

 

 






…セリカの誕生日は一時間も残ってないだろって?

…君の様な勘のいい読者は大好きだよ。
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