Unique Tale Online ~竜人少女(?)の珍道中~   作:姫河ハヅキ

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第六話 ログイン一日目でこれ!?

 コボルト以外のモンスターは野生動物って感じだったね。まだ序盤のエリアだからかな?とりあえず、鳥、鹿、狼、普通の熊などを狩りまくったので素材がウハウハです。でも気になる事が一つ。コボルトは魔核っていうアイテムしか落とさなかったのに、動物たちは羽やら毛皮やら爪やら牙やら肉やらドロップアイテムが多いような気が······。シユ姉とティノアから聞いた情報だと、動物より魔物の方が素材が武具に向いてるらしいけど、その分ドロップしにくいみたい。次からに期待だね。

 結構戦闘したから【弓術】以外の戦闘系スキルは軒並み上昇。

 

爪術Lv1→14

格闘術Lv1→16

魔力Lv1→18

敏捷上昇Lv1→15

火属性魔法Lv1→12

雷属性魔法Lv1→13

風属性魔法Lv1→11

 

 ·········上がりすぎて怖いんですけど。いくら低レベルだったとはいえ、ここまでポンポン上がるのはおかしくないのかな?まあ、上がる分には別にいっか。困りはしないし。

 追加されたアーツは【爪術】が〈シャープ·クロウ〉と〈アサルト·スティング〉、〈デュアル·スピン〉。【格闘術】が〈掌打〉と〈双月〉、そして〈流彗〉。ん?〈流彗〉は空中でしか発動できず、威力は高度に大きく依存する?クセが強い·····使う機会が全然無さそう。どんな技かは後日確認かな。

 次はステ振りっと。HPとMPはどっちをどれだけ伸ばそうかな?あと、LPは240あるけど、どれに振ろうかな?敵を倒すのにSTRとINTは必要だし、生産のためにDEXも、生産には関係ないけどAGIも必要なんだよね···う〜ん·········。

 

Lv 12

 

HP 500     MP 3880

 

STR 340     INT 340

AGI 380     DEX 190

VIT 50      MND 100

 

LP 0 SP 105

 

 レベルアップする度にLPを振って、これが今あるLPを全部使いきった結果なんだけど······すごく、アンバランスです。守りを完全に捨てた超攻撃型で、『魔纏』未発動だと、恐ろしい紙装甲。

 ボクの最初の目標は戦闘も生産も両立する万能型だったのに、AGIがDEXの二倍という。今度はDEXを中心にLP振っとこうか。レアスキルあるかもしれないのでSPはとりあえず温存。

 あ、スキルの確認とステ振りしてたらもう夕方じゃん。空が赤くなってるよ。帰って夜ご飯の準備しないと·········ってここどこ?適当に進んできたから帰り道が全く分かんない。完全に迷子ですね、はい。

 周りは木と草しか無いし、街のある方角すら不明なんだよね······。あ、そういえば、フレンドメッセージで離れた場所にいるフレンドと連絡が取れる機能があったんだっけ。まずはティノアに送ってみよっと。

 

      〜フレンドメッセージ〜

スノウ「ティノア、今大丈夫?」

 

ティノア「ん、だいじょぶ。どうかしたの?」

 

スノウ「迷子なう」

 

ティノア「草原じゃあ迷いようが無いと思う」

 

スノウ「今いるの草原じゃないからね」

 

ティノア「·········え?どこにいるの?」

 

スノウ「森。名前は知らない」

 

ティノア「嘘っ!?」

 

スノウ「普段感情を表に出さないティノアにしてはその反応は珍しいね」

 

ティノア「スノウって今レベルいくつ?」

 

スノウ「12」

 

 ズーン ズーン

 

 何か地響きが鳴ってる。確か地響きを鳴らす程大きなモンスターはほぼいないはずだったような?まあいいや。フレンド通信続行で。

 

ティノア「··········今スノウがいるフィールドはパーティでの推奨レベル12、13くらい。草原にいた時に説明はしたけど、推奨レベルは言ってなかった」

 

スノウ「マジで?」

 

ティノア「マジで」

 

スノウ「その割にはどのモンスターも一撃で死ぬんだけど?」

 

ティノア「·········スノウの異常さを忘れてた。スノウはステータスだけならレベル25相当。さっき言った推奨レベルは第一階位種族のものだし、第二階位のスノウからしたらそこは楽勝」

 

スノウ「考察するより帰り道を教えてほしいんだけど?」

 

ティノア「簡単なこと。竜人の翼は何の為にあるの?」

 

スノウ「············あっ」

 

ティノア「やっぱりs

 

プツン

 

 いきなりフレンド通信切れたんですが!?え、何この状況。フレンド通信っていきなり切れることってあったっけ?ダンジョン内か戦闘中じゃないと···切れ······ない············まさか!?

 振り返るとそこには黄土色の鱗と凄く大きい角を持ったトカゲみたいなモンスター············って地竜じゃないのこれ!?この森のボスモンスターじゃないですかヤダー。ソロじゃ勝ち目ないし、逃げ一択ですね、はい。

 急いで翼を出して逃げ―――

 

「グオオォォォォオオオ!!!」

 

 うるさっ!?地竜のあまりに大きすぎる声で吠えられて少し動きが止まる。耳は痛いし視界が揺れるくらいクラクラする。

 少ししたら収まったけど、気付いたら地竜が突進してきてる。距離的に回避は間に合いそうにないね。こうなったら、一か八かで迎え撃つ!ボクは爪に風を纏わせ、

 

「〈アサルト·スティング〉!」

 

ガガギィィィン!

 

 うっ、力が強い。さすがボスモンスターなだけあるね。これじゃあ弾き返すのはおろか、止めることも厳しいかも。

 一進一退の押し合いをしているけど、ジリジリと押されていく。これはもう無理だ。この強さで吹っ飛ばされたら確実にHP全損かな。

ボクがほとんど諦めたその時、

 

「『エンハンスド·ストレングス』、『エンハンスド·インテリジェンス』。竜人の娘よ、押し返せ!」

 

 何処かから可愛らしい女の子の声が聞こえてきた瞬間、急に力が溢れ出てボクが纏っている風も強くなる。これならあいつを押し返せる!

 

「ありがとうございます!はああぁぁぁああっ!!!」

 

 地竜はさっきより遥かに軽く感じ、ボクは何の苦もなくその巨体を弾き返す。地竜はかなりの勢いで木にぶつかり、そのHPは一割程減り、コケた。足がとても短いから、なかなか起き上がれないみたい。

 隙だらけだね。起き上がるまでボコっちゃえ!おりゃおりゃおりゃぁぁぁ!

 殴り、砕き、突き刺し、抉る。ボクはひたすらに地竜へと攻撃を加えていく。地竜は三十秒程で立ち上がったが、その間にHPはさらに削れ、残りは六割五分。

 あとは、彼女の助けを借りられれば倒せるかもしれないので、呼びかけてみる。

 

「すいません!少しあいつの動きを止めることってできますか?」

 

「楽勝じゃ。おぬしがどんな切り札を持っておるのか知らんが、コヤツぐらいならずっと抑えられるぞ。『バインド』!ついでに『エンハンスド・トリニティ』」

 

 彼女がそう言うと、地竜の周りにたくさんの鎖が出現し地竜の体を絡めとっていく。そして、ボクのステータスがさらに強化される。あれ、支援魔法って二重にかけれるの?

 

「すごい······」

 

 ボクがあまりの光景に呆然としていると、叱責される。

 

「何を呆けておるのじゃ、さっさと決めい」

 

「あ、ごめんなさい!」

 

 ボクは謝るとすぐに上空へと飛び立つ。〈流彗〉を使うつもりだ。かなりの高さまで飛んでそこで発動するという穴だらけな作戦で、通用するかは分からないけど、やれるだけやってみるつもり。

 しばらく飛んでいると、どんどん木が小さくなっていく。気付けば森の端っこが見えるくらいの高さにいる。結構な高さまで来たし、そろそろ使おうかな?

 

「〈流彗〉!」

 

 スキルを使ったボクの体は上昇した時よりも速く頭から落ちていく。って速すぎる速すぎる!怖い怖い怖い怖い!!!こういう時は何か叫んで気を紛らわすしかない!

 

「うにゃああぁぁぁぁぁあああっ!!!」

 

 どんどん地面が近づいて来て、地竜にぶつかりそうになった所で、ボクの体は回転し、落下の勢いを全て籠めた踵落としが地竜に繰り出される。

 

ズッッドオオォォォォォン!!!

 

 凄まじい音が鳴り、地竜のHPがグングン減っていく······あ、無くなった。地竜は体をポリゴンへと変え、消えていった。

 そうだ。助けてくれた人にお礼を言わなきゃ。どこにいるのかと思っていたら、向こうの方から出てきてくれた·········え?

 木の陰から出てきたのは、プラチナブロンドの髪と綺麗な翡翠色の瞳を持つ小さな女の子だった。というか幼女。口調的にかなり年上だと思ってたよ。

 

「ふむ。ワシが支援魔術をかけたとはいえ、まだまだ余力があった地竜を一撃でやるとは、おぬしなかなか見込みがあるの?時間がちとかかり過ぎなのが難点じゃが」

 

 ······戦闘中から思ってたけど、この子、俗に言う「ロリババア」っていうやつだね。それより、助けてもらったんだしお礼を言わなきゃね。

 

「さっきは助けてくれてありがとう。あと、褒めてくれて嬉しいな」

 

「娘、魔法は使えるかの?ワシが教えてやろうか?」

 

「え、いいの?」

 

「ワシから誘っておるのに拒否する訳が無かろう。それに娘は才能がありそうじゃしの。そうと決まれば街に帰るぞ」

 

 Oh······早速ですか。でも、今日は無理なんだよね。

 

「あ〜···ボクは異界人だから街に戻って少ししたら元の世界に帰るつもりだよ」

 

 ボクがそう言うと、彼女は少し落ち込んだ顔をしつつもすぐに立ち直り明日について話す。

 

「ふむん?そうか。ならば、明日の九時に広場の噴水で待ち合わせでええかの?」

 

「大丈夫です」

 

「では、街まで戻るかの。そこまでは一緒でいいじゃろ」

 

「そうだね。あ、ボクはスノウ」

 

「ワシはエメロア。エメロア·ディアネイアじゃ」

 

「よろしくね。あ、そうだ。ボクは飛んで帰るつもりだったけどエメロアはどうする?一人くらいなら抱えられると思うよ」

 

「せっかくじゃし、頼もうかの」

 

 すっごく目を輝かせながらエメロアが食い気味に返事する。言葉遣いは老人のそれだけど、こういう所は子供っぽいんだよね。この人いくつ?

 

「おっけ〜い。じゃあ、後ろから抱えるからね」

 

「承知した」

 

 エメロアから許可をもらったので、彼女を後ろから抱きかかえ、飛び立つ。

 ボクたちはすぐに森の周りの景色を見回せる程の高さに届く。

 

「ほう!空から此処らを見ることがないから、新鮮じゃな!」

 

 楽しそうでなによりです。

 

「エメロア、このまま街に行くよ?」

 

「ふむ。可能ならスピードをある程度出してほしいの。風を感じてみたいのじゃ」

 

「そのくらいなら大丈夫だよ〜」

 

 ボク達は長い髪をなびかせながら、街の方向へと飛んでいった。

 

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