個人的に『転ちゅら!』と『転スラ日記』の三馬鹿が大好きです
リムルが封印の洞窟を出たころ、不死はいまだに洞窟から出られずにいた。
それもそのはず、不死には〔魔力感知〕などの周囲を見ることのできるスキルなどなく、ほぼ人間の肉眼としてしか見えていなかったのである。
《照らす光》で照らせる範囲では限度があり、いまだに篝火の近くをたむろしていたのだ。
そのとき、洞窟の闇の中から声が聞こえてきた。
やけにぎゃあぎゃあと騒がしく、ここが化け物の出る場所だということを忘れてしまいそうなほどであった。
「あのギルドマスターのせいでこんなところ来ないといけなくなったぁ!お風呂にも入れないし、ほんっと最悪なんですけどぉ!!」
「まあまあ姉さん、その分報酬に色だってつけてくれるはずでやんすよ!」
「おいおいお前らなぁ...。にしても、まったくと言っていいほど魔物がでてこないな...。本当にここにあのヴェルドラが封印されてたってのかぁ?」
のんきにここから帰った時の話をする声が聞こえ、とにかくここがどこなのか教えてもらおうと思い、不死は声のするほうに歩き始めた。
-------------------------------------
エレン、カバル、ギドの三人は警戒心などないように洞窟の中を歩いていた。
「いやあ、それにしてもなにもないでやんすねえ...。魔物もいなければ草もほとんど生えてない、もうそうやって報告しましょうよ~」
「おいおい、そんなことしたらあのギルドマスターにまたどやされるぞ...。」
「えぇー、早く帰っておいしいごはんとあったかいお風呂に入ってゆっくり寝たいんだけどぉー!」
「そんなこと言ったってなぁ...。って待て!なにかいるぞ!」
カバルがそのなにかに気づき、残りの二人もその存在に反応したとき、そこにいたのは
魔 物 の 返 り 血 を 浴 び た ボ ロ ボ ロ の 鎧 で あ っ た。
「「「!!!」」」
三人はとっさに全力で出口に向かって走り出した。
しかし、血まみれの鎧もそれを見て走り出してくる。
怖い、ただただ怖かった。
「なによあれー!!!あんなのがいるなんて聞いてないーーーー!!!!!」
「口動かす前に速く走れ!!追いつかれたら何してくるかわからんぞあれ!!!」
「ギド早く入り口でやったあの姿消すやつやってよぉ!!」
「もう気づかれてるのにやっても意味ないでやんすよ!!」
こんなときでも漫才のようなことができる三馬鹿たちである。
-------------------------------------
不死が話し声の主たちのもとにたどり着き、そして逃げられると、不死はなぜ逃げられているのかわからない。
どちらにせよ、この者たちを逃がすと一生この洞窟から出られない可能性すらあるため、不死は全速力で追いかけた。
そして、出口であろう大きな扉の前につくや否や逃げる三人組はこちらに武器を向けてきた。
敵対心がないことを示すように手を挙げてみるも、三人からすると血まみれの鎧が手を挙げているだけであり、落ち着きを失っている三人はとにかく先手必勝の心意気で攻撃を放ってきた。
「《
ローガンの使う大槍を放つ魔法のように、氷でできた槍がこちらに向かって放たれる。
不死からすればこの程度であれば余裕で避けられるのだが、それだけでは次の攻撃が放たれるだけであるのはわかっていた。
どうすれば攻撃をやめてもらえるか考えた結果、ひとつの考えが浮かんだ。
この程度で攻撃をやめてくれるかはわからないが、やめなければ倒すだけである。
大急ぎでそれを取り出し、三人のほうへと投げるのであった。
-------------------------------------
エレンが魔法を放ち、カバルとギドがそれを守るように陣形を組んでいた。
「やったか!?」
「それ言っちゃったら...」
《》によってあがった砂ぼこりの中から何かが飛んでくる。
二人が反応しとっさに避けるもエレンは反応できずその場で茫然としていた。
その瞬間、飛んできたものから聞こえた声によって三人は敵意をなくすこととなった。
飛んできたものから聞こえてきたのは
『申し訳ない』
「「「は??」」」
三人とも驚愕し、気が抜けてしまったのかへなへなとへたり込んでしまった。
それを見て不死は、作戦がうまくいったことをただただ喜んでいたのであった。
一方そのころのリムル
「この人数で牙狼族の相手しなあかんとかムリゲーか?」