作:よく

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トロスト区攻防戦3

 トロスト区奪還作戦の終わり――エレンが岩で穴を塞いでから、二日が経った。

 塞がれたとはいえ、壁が破壊されるという壁内人類史上、二度目の災害の混乱は未だ冷めることはない。それでも彼らはこの困難に立ち向かっている。かくして、私をはじめとした兵士の多くは死体の回収に駆り出されていた。

 

 耳元でぶんぶんと蠅が羽音を立てて煩い。顔を顰めて手で追い払った。

 建物は穴があけられ、窓ガラスが割られていた。その残骸が地面に散らばっている。

 その合間に無造作に放置された、誰のものとも知れない死体の群れ。それらの虚ろな瞳が私を、じっと、見ている。

 胃の中身がせりあがってきた。浅く口呼吸してそれを堪える。

 

――仕事を、しなければいけない。

 

 私は近くに転がる下半身を失った死体のそばに近寄った。血の生臭い臭いと、腐敗臭、糞便臭が混ざり合い、布越しに鼻を突く。

 瞳孔が開ききった眼球と視線が合う。思わず目を逸らした。

 その人のそばにしゃがみ込み、そっと目蓋を下ろす。しかしカサカサに乾いた皮膚は完全に瞳を覆うことはできない。諦めて目蓋から指を離す。目がゆっくりと開いた。私はその白く濁った眼球をぼんやりと見つめた。

 

 それから、その人を抱き抱える。生き物の持つしなやかさや弾力を失い、弛緩しきった死体は最早、肉体であるというよりも()()であるかのようだった。

 じわりと生理的な嫌悪が沸き上がる。それと吐き気を抑えるように唾を飲み込み、足を進めた。

 一歩進むごとにぼたぼたと内臓や肉やらが地面に落ちる。点々とどす黒い染みの軌跡を残しながら、私はその人を荷車に置いた。

 

 同じことを延々と続ける。そのうち、鼻は麻痺し、手袋は血と脂で濡れそぼっていった。

 

 何個目かも分からない食い千切られた人の欠片を拾う。だがそれはぬめり、ぼたりと手から零れ落ちた。

 溜息を堪えて血と腸と瓦礫の海に沈んだ肉片に手を伸ばそうとして、手が止まった。

 前を向く。

 ボロボロの街並みに点々と死体が転がっている。後ろをちらりと見ても、同じような光景が果てることなく続いている。

 

「……これも……必要な犠牲だったの、エレン……?」

 

 震えた声だった。

 それから、かぶりを振る。

 

 仕方のないことだった。

 必要な犠牲だった。

 

 そうに、決まっている。

 

「……オイ。お前……マルコ……か……?」

 

 ふいに、ジャンの声がどこからか聞こえてきた。

 

 緩慢に振り返ると、遠くでジャンが上官と話していた。そのすぐそばには、死体が落ちていた。

 はっきりとは見えないが、状況からしてマルコだろう。

 

 マルコは原作通りに殺されたらしい。

 私は細く長く息を吐く。

 

 マルコが死ななければジャンは調査兵団に入団しない。ライナーが二重人格にならない。アニがマルコの立体起動装置を使わなくなってしまう。

 そうすれば、原作が変わってしまう。巨人のいない未来に手が届かなくなる。

 マルコの死は必要なものだ。

 

 だから、仕方が、なくて。

 

「――違う……」

 

 何人、殺した。

 

 何人、見殺しにした。

 

 なにを、見ないふりをした。

 

「……私が、見捨てた」

 

 多分、なりふり構わなければ、この人たちを多少は救うことができた。

 でも、私は――。

 

「私が……選んだ……」

 

 私は、彼らを、マルコを、救う手段を考えようとさえしなかった。

 あまつさえ、その命を利用した。

 

「あ、……ああぁああ……!」

 

 か細くて、惨めで湿っていて情けのない声だった。

 

「ごめん、なさい」

 

 謝ってなにになるというのだ。無意味で傲慢な行いでしかない。だというのに利己的な言葉の羅列が口から転げ落ちた。

 

「ごめ……な、さ……」

 

 喉の奥が締め付けられるように痛い。視界が滲む。やがて涙がぽたりと零れた。

 嗚咽を堪えようとした。だが、押し殺すことはできずに、私はしゃくりあげた。惨めだった。

 

 ややあって、足音が近づいてきた。

 

「……どうしたんだ、ミノリ?」

 

 背後から聞きなれてしまったライナーの声が聞こえた。

 心臓がどくりと鳴った。次いで、羞恥心が湧きおこる。

 私は何度か深呼吸をしてから口を開いた。

 

「……べつ、に」

「そんなわけないだろ」

 

 ライナーは少し呆れたように言って、私の肩を掴んで引いた。

 思いのほか強い力だった。私は流されるまま振り向き、反射的にライナーを見上げる。彼は心配そうな顔をしていた。

 涙は治まっていない。瞬くたびに自然と涙の粒が頬を伝った。

 滲み揺れる視界でライナーが驚いた顔をしたことにすぐ気づいた。頬がカッと熱くなる。

 

 それから腹の底で封をしていた激情が唸り声を上げた。

 今回こうなったのも幼い頃に住ませてもらった家を失ったのも家族も死んだのも。私がここにいるのも。なにもかもライナーをはじめとするマーレの戦士たちのせいだ。

 血でぬめる手を強く握りしめた。

 

――落ち着け。落ち着かないと。

 

 ここで怒りを見せたら、怪しまれる。なんの得にもならない。

 ゆっくりと瞬き、呼吸する。それでも激情は未だ輪郭を保っている。

 

「……大丈夫か? 俺が代わりに――」

「――ッ!」

 

 目の前が赤く染まった。気がした。

 

 おまえが私を気に掛けるのか。これはおまえたちの所為だというのに。これから皆殺すというのに。世界のために悪魔を作る行為に加担しているのに。

 

 ぐっと歯を食いしばる。

 そんなこと言えない。言えるわけがない。言ったら私が殺されてしまう。

 

 だから、せめて恨み言を言ってやろう。別になにも核心をついた一言である必要はない。

 ただ「どうして私の家族も同期たちも死んでしまったのだろうか」とか「超大型巨人と鎧の巨人は絶対に許さない」だとか、言えばいいのだ。

 

 憎悪と憤怒が腹の底でぐずぐずと育つ。衝動のままに私は口を開いた。

 

「ライナー、に……!」

 

――でも、知ってしまっていた。

 

 彼らとてまた被害者なのだ。

 

 水をかけられたかのように、激情は急速に萎んだ。

 今となっては疲労感と、自分の仕出かしたことの恐ろしさが胸を巣食っていた。

 平静を装わなければと思えば思うほどに、顔が歪んでいった。

 

「み、な、いで……」

 

 嗚咽交じりで引き攣れて震えた、醜い声だった。

 

「――ッ、み……るな……!」

 

 私は涙を流しながら、声を張り上げた。

 

 ライナーは一歩、後ずさった。距離が少しできる。

 それでいい。

 そのままどっかに行ってしまえ。

 

 だというのにライナーは立ち去ることはなかった。

 彼は眉を寄せ、一瞬だけ迷うかのような表情を見せた後にゆっくりと口を開いた。

 

「……悪かった。怖がらせたか?」

 

 まるで落ち着けるかのような低く、落とした声だった。

 その声を聞いても、思った以上の激情は蘇らなかった。手から力を抜く。何度か意識的に深呼吸をしてから、ゆっくりと口を開く。

 

「……ごめん。大きな、声、だした」

「気にするな。……俺もいきなり声を掛けてしまったしな」

「そう……」

 

 俯く。足元には誰のものとも知らない肉片が転がっている。じくりと胸が重くなる。涙は止めどなくあふれ、地面に滴り落ちた。

 

「……放って、おい、て」

 

 私は鼻を鳴らしてからそう言った。

 

 顔を顰めてあまり物事を考えないようにする。 意識的に呼吸を整える。少しずつ、涙が止まっていった。

 

「……ミノリ」

「……なに」

 

 迷ったが顔を上げた。ライナーは心配そうな顔をしている。そんな顔をする資格、ライナーにはないのに。

 

「こっちにこい」

 

 ライナーが背を向けて一歩踏み出した。

 

「――え?」

 

 どこに行くというのだろうか。

 

「ほら」

 

 ライナーは振り向く。

 

「なんで?」

「今のお前は……放っておけねえからだ」

「……ライナーに、心配される筋合いは……ない」

 

 ライナーは溜息をついた。

 

「いいから、行くぞ」

「行かない」

「……その顔を俺以外の奴に見られるよりはいいだろう?」

「……」

 

 今度は私が溜息をつく番だった。

 同期に見られても上官に見られても面倒なことにしかならない。私は渋々、ライナーに一歩近づいた。

 

 

 

 先導するライナーについていった先は建物の隙間の、丁度、死角になっているところだった。

 ライナーは人目に付かないところまで進むと、崩れかけている壁に沿って立ち止まる。私も同じようにライナーの隣に、人一人分以上の間隔は開けて立った。

 

「ここなら上官に見つからない」

「……うん」

 

 私は横目で大通りの方を見た。

 悲惨だった。

 ボロボロの石畳の上に、食い散らかされた死体と街の残骸が散らばっている。それらを兵士たちが広い集め、荷車に積んでいく。

 その肉片や瓦礫の一つ一つに人生があった。

 私はそれを必要な犠牲だと。そう思って、見捨てた。トーマスもミーナもフランツもマルコも死んだ。私が見殺しにした。

 酷く、息苦しい。

 信じている。これは、巨人のいない未来のために、百年続くパラディ島の平和のためであると。でも。本当は、我が身可愛さに――。

 

――肩に、何かがふれた。

 びくりと体が跳ねる。

 

「ミノリ、」

 

 私は弾かれたようにライナーの方を向く。ライナーの案ずるかのような瞳が射貫く。

 

「無理をするな」

 

 ライナーは腕を伸ばして、私の肩に手を置いていた。大きな手だった。

 びくりと肩が跳ねた。

 ライナーの手に力は入っていない。逃げようと思ったら簡単に逃げられる。だけどそんな気力も湧かなかった。

 

「みんな、きついんだ」

 

――おまえが言うな。何を分かった気になっているのか。

 そう言い捨ててやりたかった。

 

「なに、言って……」

 

 だが口をついて出たのは情けない震える声だった。

 

 ライナーは前を向き、視線を少し落とした。

 

「……辛かったんだろ」

「そッ、んな……こ……と……」

 

 ない。と、続けようとした言葉は涙声に変わる。

 

 私の苦しみは私にしか分からない。そう理解している。なのに、上辺だけであろうその慰める言葉はじわりと心の隙間に忍び寄る。

 わけもなく涙があふれた。

 

 血と腑で汚れた指では涙を拭えない。ただ涙が引っ込まるのを待つしかなかった。

 私は眉をしかめて一定のリズムで呼吸することを意識する。喉の奥が焼けるように痛かった。

 

 肩に置かれた手がぴくりと固まる。それからライナーは背に回すように手を添えた。

 

「……大丈夫だ。ここにいる」

 

 なだめすかすように手が背を撫でた。

 

「俺は、生きている」

「……」

 

 その言葉を聞いた瞬間、私は自分の血まみれの手袋を見つめた。

 ライナーは生きている。生きているから、マルコはあんな姿になり、私は死体を拾い続けている。よくそんなことを宣えた。だけど同じくらい私も唾棄すべき殺人鬼だった。私は同期を――それだけじゃない――多くの人を見捨てた。必要な犠牲だと信じて。それに地鳴らしが起きると知っていながら生きるということは、今日以上の犠牲を容認しながら生きることと同義だ。

 その罪深さたるや、比類する者はいないだろう。

 私は、きっと、ろくでもない死に方をする。

 そんな自分がいやで。私の背を撫でる手が温いと感じることもいやで。生きている。と、そう言い切れるおまえの甚だしい自己認識もいやで。それを一瞬でも頼もしいと、ライナーは絶対にいなくならないのだと思ってしまったこといやで。

 全部いやで。

 私は泣きじゃくった。

 

 ライナーは黙って私の背をなでつづける。私はそれを受け入れる。

 受け入れて、しまった。

 

 ライナーの手がゆるゆると動くたびに、背中がびくりと強張った。それでも、逃げなかった。

 

 やがて、涙の波が引いた。

 

 ライナーの手が背中から離れる。彼をちらりと見ると、壁に背を預ける姿勢になっていた。

 私も壁に背中を預けて、それからずるずるとしゃがみ込んで、体育座りでもするかのように地べたに座った。

 涙は引いたが未だ、胸の奥では罪悪感がずっと疼いていた。多分、ずっとこれが引くことはない。私はそれだけの事をした。

 頭の芯が鈍く痛んで、酷く、疲れていた。

 

「……ごめん。みっともないとこ、見せた」

「気にするな」

 

 ライナーは明るい声でそう言った。

 

「本当に……酷い有様だったからな」

 

 それから沈んだ声。

 

「……」

 

 私は口を噤んだ。

 

 この惨状はライナーらが招いた。

 

 しかし冷静になって考えると、まだ十代の子どもが故郷に帰りたい一心でやったことなのだ。

 いつかと同じで、恨むに恨み切れなかった。

 私は食いしばった歯の隙間から息を吐いた。

 

――故郷、か。

 

「……いいよね、ライナーは。帰れる故郷があって」

 

 思わずそう言っていた。

 ライナーは息を呑んだ。

 

「……帰る、んでしょ? 故郷に」

「あ、ああ……。そうだ……。俺は……帰るんだ……」

 

 ライナーはぼんやりとそう呟くと、私の方を見た。その目には鮮明な、鮮明すぎる光が宿っていた。

 

「……。……お前は、……どうなんだ」

「……私?」

「いつだったか、その……帰りたくない、とか言っていたが」

「ああ……うん……」

 

 そんなことを言ったような気もする。

 膝を抱えようとして、手が血みどろの酷い有様であったことを思い出す。

 私は腕を地面に投げ出した。何ともなしに落ちて割れた煉瓦の破片をなぞる。

 

「……私は。……」

 

 今までと同じように開拓地のことを伝えようとして、口を閉じる。

 

 なんとなく、真実を伝えたかった。

 

 それは嘘をつくことに嫌気がさしたからか。

――それとも。

 ライナーに、知ってほしいからか。

 

「……自分が、どこから来たのか……分からない……」

 

――上手い嘘のつき方は、時折真実を混ぜること。

 

「気づいたら……シガンシナ区にいた」

 

 ライナーが息を呑んだ。

 

「家族、は。……覚えていないのか」

「さあ、どうなんだろう……。ここに来たときには、側に、誰もいなかった。

 ただ……家族みたいな……。身寄りもなにもない、私を拾ってくれた、おじさんとおばさんがいた」

「その、人、たちは……」

「……」

 

 煉瓦の破片をなぞる指が、止まった。

 

「死んだ」

 

 みんなの死にざまが脳裏に過る。そこで言葉を切らざるを得なかった。

 

「……鎧の巨人に踏み潰された」

 

 長い沈黙の末にライナーが口を開く。

 

「すまん、俺は……!」

 

 ライナーの声が震えた。彼は何か言いかけて、口を閉じた。喉が動く。

 

「なにが」

 

 ライナーは――一瞬だが――明らかに動揺していた。

 

 そういえば。

 

 もうこの段階で彼は人格が乖離していたか。

 ならば、さしずめ私を慰めたのは兵士のライナーで、今は戦士のライナーなのだろう。

 憐れだった。

 同時に、――ざまあみろ、苦しめばいい、と心胆から思った。

 

「……いや。無神経なことを言った」

 

 ひどく落ちた声だった。

 ライナーはなにを、思っているのだろうか。

 夢から醒めるように、腹の底からふつふつと沸く、怒りや復讐心といった醜い激情は萎える。そうして胸の裡を占めるのは、うそ寒い虚しさだった。

 

「……気にしてない」

 

 私は膝に額を擦り寄せる。

 

「……家に、帰りたい」

 

 思わずこぼれた言葉を耳で理解してから、強烈な郷愁が胸を刺した。

 ふっ、と鼻の奥に懐かしい我が家の香りが、煮炊きする匂いが蘇って、またじわりと視界が滲んだ。

 帰りたかった。日本に。生き死にの遠い世界に。

 日本にいられたら、多分、腐りかけの内臓の匂いなんて知らずに生きることができた。こんな――最悪の、命を見捨てる思いを知らずにいられた。

 

 ぎゅっと目を閉じた。

 

 違う世界に帰れるわけがない。この世界に来た方法も分からないのなら帰れる方法が分かるわけもない。だから、この想いは、忘れなければいけない。

 呼吸する。埃っぽく血生臭い空気は、日本のものとは違っていた。私は意識的に鼻からもう一度、息を吸う。何度も、何度もそうした。

 忘れろ。忘れろ。忘れろ――。

 

「……帰れるさ」

 

 息が、止まった。

 

「俺も、お前も」

「――ッ!」

 

 言葉を理解して、頭がカッとなった。

 

「――帰れるわけが!」

 

 衝動的に立ち上がり、ライナーを睨みつけるように見上げた。

 視線の先で、ライナーの瞳が驚愕に揺れている。

 

 私はぐっと歯を食いしばって、努めて冷静に「……シガンシナ区……に?」と言った。

 

 ライナーは力強く頷いた。

 

「……ああ、そうだ。取り戻せるさ、俺たちなら」

 

 果たして、本心(兵士)なのか演技(戦士)なのか。ライナーはいつものように言った。

 

 ひどく、心が、ささくれだった。

 

「……。そう」

 

 納得している。

 全てが、仕方のないことだ。

 それでも、封の奥では埋火のように怒りと憎悪が燃えていた。それが、舐めるように理性を焼いた。

 

「……あなたは……たしか、ウォール・マリアの……山奥の村出身だったよ、ね?」

「……ああ」

 

 嘘つき。

 

「……帰れたら、いいね」

 

 まあ。それは、お互いさまだけど。

 

「そうだな」

 

 私は駐屯兵団に入団する。もう、ライナー・ブラウンと関わることはない。

 ライナーに刃の一太刀も浴びせることはできない。胸を焼く罪悪感の対象になることもない。

 この怒りと憎悪は封をし続けなければならない。

 

 だから、覚えていてほしいと思った。

 

「……ありがと、ライナー」

「気にするな。お互いさまだろう」

 

 ライナーは穏やかに微笑んだ。

 

 私も、微笑もうとして、失敗する。

 その、ぎこちない中途半端な表情のままで希う。

 

 どうか、今が、心の柔い所に刺さったまま、抜けないでいますように。

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