可愛らしくも中性的な童顔に、薄桃色のボブカット。陶磁色の肌は艶やかで張りがあり、この子が十代半ばにも満たない若い……というか、幼い子供である事を伺わせる。
しかし、制作過程からも分かるように、実態は肉身を持つ機械人形で、混ぜた血の影響なのか、側頭部にはそこそこ立派な双角が生えていた。
だが、一番驚くべきは、その性別。育ち掛けの双丘とピンク色の鮑だけでなく、
この
『
『ありません! 生前の物は、怖気が走るので使いたくないですし!』
『なら、「ユン」とかどうかしらね?』
『良いですね! 可愛くて素敵です!』
喜んでくれたようで何より。
そう、この子何処かで見た事ある顔立ちしていると思っていたけれど、「
『それじゃあ、もっと可愛く「ユンユン」とかはどう?』
『それは何かぼっちになりそうな気がするので嫌です!』
どうして?
『とりあえず、服を着なさいよ。何時までもその格好だと、
『僕は何時でも構いませんよぉ~♪ 今の僕なら、男としても女としても満足させられますから!』
『フフフ、また今夜ね♪』
と、アウラが予備の
……まぁ、それはそれとして。
『さて、ユンちゃん。少し私と「お話」しましょうか?』
『良いですよ~、何でも聞いて下さい! 僕はホムンクルス……材料となった物の記憶を全て持っている、叡知の肉塊ですからね~♪』
なるほど、
『じゃあ、早速だけど、魔族や鬼、吸血鬼が人間と共存出来ると思う?』
これにはどう答えてくれるかしら。
『やり様によっては可能なんじゃないですか? 完全に人肉食の鬼はともかく、魔族は肉食の強い雑食ですし、吸血鬼に関しては人間側にもメリットはありますしね! 妥協と棲み分けをしっかりしていれば、共利共生なんて割と簡単ですよ! それを人間が納得するかは別問題ですけどね!』
『そうね。人間は不合理な合理性によって繁栄している生き物だもの』
「言葉」というツールでコミニュケーション能力を上げ、「群れ」という単位で生活する為に互いへ「情け」を掛ける。魔族からしてみれば意味不明だけど、
『それじゃあ、聞き方を変えるわね。……
最初から化け物である私やアウラと違い、ユンは身も心も魂も人間がベースとなっている。生まれ持った感性も別物だと思うんだけど、そこの所はどうなのかしらね?
『僕が人間を好きか、ですか~?』
すると、ユンは頬を紅く染め、これまでで一番の満面の笑みを浮かべ、
『
『その心は?』
『
『ウフフフ、まるで悪魔みたいな言い草ね♪』
『それが人間という物でしょう?』
あっけからんと言い切るユン。とても元「鬼殺隊」の頭目とは思えない発言だわ。だけど、人間ってそういう物よね。
“悪意”
それは合理性に縛られた魔族が持ち得ない、摩訶不思議な感情。人間は相手に
だからこそ、目の前に居るこの子は、とても面白いわ。
人間は共感性の及ばない理解不能な未知に恐怖し、それ故に私の世界では魔族が恐れられていた。共存を謳いながら人類と戦争を引き起こした魔王様は、人間から見たらまさに「恐怖の大魔王」だった事でしょう。まるで意味が分からない暴力が、人の姿をして襲い掛かって来た訳だしね。言葉にすれば、魔族にも分かるわ。
『あ~、でも縁壱とは、また友達になりたいです! 彼なら絶対に僕の味方をしてくれますよ! だって、唯一無二の心友なんですからね!』
『『………………』』
縁壱なら自分を認め、これからも友達でいてくれる。
『あ~、楽しみだなぁ! 最近はずっと任務で「お話」出来なかったし、今度会ったら何から話そうかなぁ! 秘蔵のお茶を
この世の全てが思い通りになると信じて疑わない、
◆ユン
声が白い明日を待っていそうな魔族の将軍「神技のレヴォルテ」の所に居た、魔族の部下の一人。人間の子供に化ける魔法を使い、村落への寄生と騙し討ちを繰り返して生きてきた、見た目に反して一番邪悪なタイプの魔族。
今作では顔立ちと魂の色合いが似ていた産屋敷 犀月樹の心に、ソリテールやアウラの因子が加わり、黄金の骨格による最強の防御力を手に入れた事で、この世で一番邪悪な「本当の悪魔」として生まれ変わった。
ちなみに、このユンは原作と違ってふたなりさんである。