無限城、お茶の間。
《わ、我が君! これは一体どういう事ですか!? 何故ここで
中継先の
『変更など無い! あの馬鹿が勝手に突っ込んだのだ! こうならぬよう注意を払っていたというのに……忍者かあいつは!』
だが、一番焦っているのは、間違いなく
呪いが効かず、つながりも希薄だった故に、無惨がユンと継国兄弟による常識外れの戦いに唖然としている間に、鳴女はそそくさと現場に駆け付けたのだ。
《……あれ? その理論で行くと、私も鳴女様に殺されるのでは?》
『死ねぃ!』
《そんな殺生な!?》
『煩い、黙れ、気合いだ』
《そんな
『冗談では無く、事実だ。折角だから、その眼で確かめると良い。鳴女という存在の恐ろしさを』
そう、創ってしまった張本人である無惨は知っている。鳴女の本当の恐ろしさ、最強の鬼たる所以を……。
◆◆◆◆◆◆
『イェ~イ、無惨様、見ってるぅ~?』
《見えとるわ、この猪武者! さっさと戻って来い!》
『だが断る!』
《断るなぁ!》
念話の向こうで無惨様が騒いでるけど、知らんなぁ~?
やぁやぁ、皆の者、初めまして、鳴女さんだよ~ん♪
さてさて、今宵は絶好の虐殺日和。無惨様の罠に掛かってノコノコ出て来た阿呆共と、ついでに黒死牟とか言う新人もぶっ殺しちゃうよぉ~♪
だってあいつ辛気臭いし、生意気なんだもん。剣士の矜持がどうだのとさ。雑魚は黙って使われてろっての。
『貴様、何をしに来た!? 主様からは待機命令が出ていただろう! 琵琶師が剣士の決闘に水を差すんじゃない!』
ほ~らねぇ?
マジでウゼェ、この六つ目。こいつから殺っちゃおうかなぁー。
『………………』
「兄上! ……くっ!?」
『縁壱!? 貴様……!』
しかし、反応すらさせずに腸を殴り砕いてやろうと思ったら、継国 縁壱に邪魔されてしまった。おうおう、美しい兄弟ごっこかぁ?
『鬼が鬼狩りに庇われるとはな。恥ずかしくないんですか~?』
「黙れ外道。兄上を斬るのは、この私だ。貴様のような簒奪者ではない」
『簒奪者だぁ? 餓鬼一匹仕留め切れない小僧っ子共が、調子に乗ってんじゃねぇよ。特に黒死牟、お前だよ。折角無惨様が目を掛け、舞台まで整えてやったというのに、小手先で時間を稼ぐのが精一杯とか、ふざけているのか?』
『フン、上司の言い付けを守れぬ部下の方が余程恥ずかしいと思うがな』
『当たり前だ。無惨様と私はズッ友だからなぁ? お前ら下っ端とは違うんだよ。……ならば、テメェらが如何に木っ端なのか、教えてやろう』
こいつはメチャ許せんよなぁ~?
という事で、
『【血鬼術:
この私様の恐ろしさ、身を以て味わって貰おうか。
――――――ォォォオオオオォォオオンッ!
琵琶を掻き鳴らし、私が猛烈な勢いで息を吸い始めると、周囲から青白い煙のような物が次々と集まり、私の中へ消えて行く。これは唯の煙ではない。
この世の全ての物質には自らを破壊せしめる「音の弱点」が存在する。それを琵琶の語りで響かせ、物理的に破壊した上で純粋な力に変換し、吸い取る事で身体能力を強化する。それが私の戦闘用の血鬼術、「無間地獄」である。
――――――ォォォオオオォォォォオンッ!
そらそら、個体数が少ない者、生命力の小さい者から、どんどんバタバタ死んでいくぞぉ! 四国の熊は絶滅だぁ!
いやぁ、愉しいなぁ~♪ 弱者を踏み潰して強者を嬲り殺すのは、最高の愉しみだぁ!
『ヴォアアアアアアアアアアアアッ!』
さぁ、始めようかぁ?
◆無間地獄
あの世で最も深い場所にある地獄で、別名を「阿鼻叫喚地獄」。その名の通り、阿鼻叫喚の苦しみと絶望が無間に続く、恐ろしい場所である。落ちるだけで二千年も掛るらしいが。イェ~ガ~♪
そして、今作品においては、原作には持ち得なかった鳴女さんの戦闘用の血鬼術。琵琶を媒介に音の弱点を突いて物質を原子分解し、その際発生したエネルギーを吸収して暴走する技。弱い奴は音を聞いた時点で死が確定する、恐ろしい血鬼術である。
……ちなみに、鳴女さんにその気は無いから助かっているが、実はこの“命の捕食対象”を無惨様に向ける事も可能であり、一点集中すれば普通に殺し切れたりする。