ビビディ☆バビディ★ブゥ~ァ♪ 【ドキドキ☆彡ソリテールお姉さんとイケない時間】の始まりよ~♪
という事で、お話しましょ?
「お、お話……した通り……ごぷっ……お、お手神様の噂、を……おぶぶぶぅ……知らな、い者は……北部の、僅かな地域くらい、しか……がごぷっ……ありま……べへっ……せん……!」
『へぇ、「白石」に「柴田」、「蔵王」まで噂が広まってるのね。素晴らしいわ♪』
「あぶっ……ぐぶぇぇっ!」
『あらあら、苦しそうね? だけど、あなたは食事をしただけよ? 取り立て新鮮な、あなたの妻と娘の腸を、胃袋一杯に詰め込んだだけの事よ? 胃もたれするような歳でもないでしょうに……』
「は、話し……た、から……た、助けてくれど!」
『駄目駄目駄目駄目駄目。私と「お話」しちゃった君は、死ななきゃならないの。目撃者は生かしておけないのよ』
「うぁ……ぅぅ……!」
『誰一人として、お手神様の正体が私であると、悟られる訳にはいかないの。
「げぺぁっ!?」
「お話」完了。一先ず一家無理心中して貰ったわ。むろん、お肉はスタッフが美味しく頂きました♪
さてさて、何件かお邪魔して分かったけど、噂は順調に広まっているみたいね。一番遠い南部から噂を流しただけあって、残るは北部だけみたい。既に解決した話が出ている辺り、模倣犯や“彼ら”も動いてるようね。
うんうん、この村をきちんと滅ぼしてから、私たちも本腰を入れましょう。そうと決まれば、リーニエを呼び出して、アウラとも合流し――――――、
「………………」
『あらあら~?』
ふと何かの気配を感じて、窓の外を見てみれば、依頼者の村娘がフラフラと歩いているわ。まさかアウラの直感が当たるだなんてね。後で謝るか、腹パンした方が良いかしら?
『ソリテール様ソリテール様』
すると、月を背にリーニエが空から降りてきた。前世と同じでフリフリのメイド服が好きみたいで、アウラが気前良く用意した私服を着こなしているわ。絶対に最初から着せるつもりだったわね。
『なぁになぁに、リーニエ?』
『あの子を追うのは良いとして、他の村人はどうするの? 話足りない人とかは?』
『居ないわ。景気良くやっちゃって頂戴♪』
『分かった――――――』
そして、この日「川内」の一画から、一つの村が消えた。もちろん、誰も何も思わず、気付く事も無い。所詮、ど田舎の村事情など、対岸の火事ですら無いのだから。
◆◆◆◆◆◆
青葉山、「竜ノ口渓谷」へと続く道。クヌギ、カエデ、コナラ……様々な広落葉樹が生い茂り、無数の落ち葉に覆われた地面からは、ヒメシャガやユウシュンランの花が可愛らしく咲いていた。日当たりの悪い場所にはカザグルマが顔を覗かせる。川の傍に行けば、水苔やタコノアシも見られるに違いない。尤も見に行ったが最後だけどね。
そんな青葉犇めく夜の森を村娘が進み、その後を私たちが追う。彼女が私たちの存在に気付く様子は無い。魔法か毒かは知らないけど、完全に操られているようだわ。
『それにしても、あの腕は何なのかしら?』
『触手……とでも言えば良いのかしらね?』
『少なくても、手招きはしてるみたい……』
村娘を手招きする者の正体は、私は勿論、アウラやリーニエにも分からない。少なくとも人間ではないだろう。
『そもそも、投身自殺なんてさせて、何の意味があるのかしらね』
『餌集めとかじゃないですか、アウラ様?』
『そうだとしたら、わざわざ森の奥に誘き寄せなくても良いと思うのよ。効率が悪過ぎるし』
『そうとも限らないわよ、アウラ。通りすがる者に、その人にとって一番大切な者の幻影を見せて食らう魔物を私は知っているし、待ち伏せ型だと考えれば、おかしな話では無いわ。たぶん、この辺りを根城にしている奴が居るのね』
この先に一体何が待っているのかしらねぇ?
――――――おいで……おいで……おいで……おいでおいでおいでおいでおいでおいでおいで!
「あっ……」
そうこうしている内に、村娘が崖っ縁に立って、最後の一歩を踏み出そうとしていた。ほらほら、あともう一歩よ、頑張って~♪
しかし、
「うぅ……っ!」
いよいよ以て無数の細腕に絡み付かれて奈落へ引きずり込まれそうになった時、何と村娘が正気を取り戻して、間一髪で躱す。
『それで良いのよ……』
何か訳知り顔じゃない、アウラ。ムカつくわ~。
『へぇ……一体どういう事なのか気になるけど、とりあえず【
食らえ、八つ当たりスパーク!
『……いひひひひひひひ!』
だが、私の放った【破滅の雷を放つ魔法】は細腕には通じず、逆に電気を吸われてしまった。なぁにそれぇ?
『ヒュゥゥゥゥ……!』
◆『分類及び種族名称:悪質異次元人=
◆『弱点:不明』
◆縊鬼
自殺者の霊が変質した悪鬼。心の弱った人間に強力な暗示を掛け、首を括らせたり、飛び降りさせたりして殺し、自分の一部として取り込む。この暗示は本人の意思では絶対に解けない程に凶悪で、偶々周りの人が気付いて止めた上で、代わりの生け贄を用意しない限り、助かる道はない。