鬼殺のソリティア   作:ディヴァ子

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闇の扉は開かれた……。


決闘王国篇(笑)
闇のゲーム


 「万世教」は【万物を黄金に変える魔法】の変形法と「人造魔族(ホムンクルス)」の生成技術、「極楽教」は鎧の作成技法と表向きの顔を提供。それぞれが持ち得る技術を出し合い、片や研究職、片や営業及び実働を担当する。まさに適材適所の共同歩調……と見せ掛けて、実際は面倒な部分を泰斗たちに押し付けて、私たちはまったりと研究に勤しむ、かなり一方的な関係が成立したわ。

 そう、私は遂に夢の穀潰し生活を手に入れたの。これ程嬉しい事は無いわよねぇ?

 さぁ、【ソリテール(この私)大勝利! 希望の未来へレッツゴー!】……と行きたい所だったのだが、

 

《ソリテールさま、たすてけ!》

 

 いよいよ以て「万世極楽教」の門出を祝おうとした時、私の脳裏に潜伏させておいた零余子(むかご)からテレパシーが届いた。かなり慌てているようだけど、一体何があったのかしら?

 

『……アウラ、ちょっと来て頂戴』

『何よ?』

「何処行くんだ?」

『ちょっとウ○チをしに行くのよ』

「『お花を摘みに行くって言え!』」

 

 何よ、皆まで聞こうとするのが悪いんじゃない。

 

 

 ――――――その必要はありまセ~ン!

 

 

 しかし、私が無理矢理席を外そうとした瞬間、空間が書き換わる。

 

『……「決闘場(コロッセオ)」?』

『何なのよ、これ!?』

 

 不気味な闇に閉ざされた空の下、私とアウラは復元された決闘場(コロッセオ)の中央に立っていた。

 そして、目の前には見覚えのない男が決めポーズを取っている。鈍い銀髪のロングに白い肌、鼻筋の通った精悍な顔立ちをしており、身長もかなり高い為、一目で外国人と分かる。その癖、赤い羽織を着流しているので、和洋折衷具合が半端ない。「日本文化に憧れた外国人が和服に着られている」ようにしか見えなかった。しかも、何故か左目が「ウジャトの眼」を思わせる義眼になっている。

 とりあえず、誰よアンタ?

 

『フフフフフ、ワタシは「夜行(やこう)」! あのお方より遣わされた、「十二鬼月(じゅうにきづき)」が一人。アナタたちに恨みはありませンガ、闇のゲームに参加して頂きマ~ス!』

『『なぁにそれぇ?』』

『もっとマシな反応をしなサ~イ!』

『『そう言われても……』』

 

 質問したら知らない単語がいっぱい出て来たわ。先ず「十二鬼月」って何よ。闇のゲームも知らないし。ただ、「鬼」って単語が入っている事から、おそらくは無惨(あいつ)の先兵かと思われる。鳴女(なきめ)とか黒死牟(こくしぼう)みたいな特別枠なのかしら?

 

『断る事は出来ませンヨ? ワタシの「血鬼術(けっきじゅつ)」は、ワタシにゲームで勝たなければ解除されまセン。それに、こちらには人質も居マ~ス!』

『うぅぅ……』『バゥ……』

 

 すると、闇の中から、檻に閉じ込められた零余子と(ポーラスター)の姿が。挑まなければ彼女らを暗黒の止みに葬ってやる、という事だろう。「真祖吸血鬼」は不死身なのだけど、この空間では意味が無いのかしら?

 ともかく、折角手に入れた零余子を見捨てるのは勿体無いし、何より「万世極楽教」が締結された祝いの場を荒らされたのは単純にムカつくから、買ってやるわ、その喧嘩。

 

『……良いでしょう。掛かって来なさいな』

『勘違いしないで下サ~イ! 挑戦者はアナタたちの方デス! それを今からお見せしましょう!』

 

 と、夜行が指をパチンと鳴らせば、私たちの前に無数の絵札(カード)が現れた。近くに装着式の変な機械もある。カードに何やら数値やテキストが書かれている辺り、これで勝負しろ、という事なのかもしれない。

 

『“ルール”も送り付けてあげましょう!』

 

 さらに、夜行の義眼が光ると、私の脳裏にこのカード“ゲーム”のルールが読み込まされた。なるほど、分かったわ。即興だけどデッキも組めたし、闇のゲームとやらを始めましょう!

 

『アウラ、決闘(デュエル)開始の宣言をしなさい!』

『何で!?』

『さもないと、あたなの排泄口を上の口と繋がった状態で固定させるわよ?』

決闘(デュエル)開始ィイイイイイッ!』

『掛かって来なサ~イ、ソリティアガール!』

 

 そして、あっと言う間に闇の決闘(デュエル)が開始された。




◆十二鬼月

 無惨が用意した十二人の精鋭鬼。どいつもこいつも厄介な「血鬼術」を持った粒揃いなのだが、月に因んでか「上弦」と「下弦」という階級で半分に分かれており、「上弦」と「下弦」の間には超えられない実力差がある。もちろん、鳴女や黒死牟、玉壺は上弦の鬼。
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