鬼殺のソリティア   作:ディヴァ子

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だが奴は弾けた


リアリストDA☆!

 はいは~い、ソリテールお姉さんよ~♪

 ちょっと聞いて~、例の夜行さんなんだけどさ、自分がゲームに負けた腹癒せに襲い掛かって来たんだけど。本当に野蛮で困るわ~。

 ……本当に分かり易くて、助かるわね♪

 

『待ちくたびれたわよ!』

『……フヴァアアアッ!』

『な、何よこいつらは!?』

『ギキキキ……!』『クェーッ!』『ハッハ~ン☆』

 

 早速、決闘ごっこに飽き飽きしていたアウラが黄金銃を手に夜行へ向かったけど、彼の召喚した【サクリファイス】【パロット・ドラゴン】【トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール】に阻まれたわ。もうルールはガン無視ね。

 ま、向こうはアウラに任せておけば大丈夫でしょ。腐っても呼吸も使える【真祖吸血鬼(トゥルー・ヴァンパイア)】なんだし。私は目の前のお馬鹿さんを相手にしましょうか。健康的な生活には、適度な運動が大事だし。

 

 

 ――――――PHOPOPOPOPOPOPOPOPO!

 

 

『【(かげ)の呼吸】』

 

 久し振りにする【陽の呼吸】は格別だわ。全身に魔力が駆け巡り、独特の紋様が浮かび上がる。全く以て負ける気がしないわね。

 さぁ、掛かってらっしゃい!

 

『ハァアアッ!』

『フッ! ハッ! チェストォッ!』

 

 夜行の袈裟斬りと薙ぎ払いを上体の動きだけで躱し、お返しに心臓破壊拳(ハートブレイクショット)を叩き込む。

 

 

 ―――――バシュンッ!

 

 

 しかし、鎧通しの類は対策しているのか、足元の歯車に威力が逃がされ、内部までダメージが通っていない。……タネが分かれば、幾らでもやり様があるってね。

 

『フゥヴァオッ!』

 

 と、夜行が腕を振い、無数のカードを手裏剣のように放ってきた。かなり切れ味が鋭い上に鋼鉄並みに硬いみたいで、避け損ねたカードが私の腕や脚を傷付ける。

 

『やるじゃないの』

 

 ならば、こちらも刃を交えましょう。私は双刃魔法剣を起動して応戦した。再び迫り来るカード群を超高温の刃で一網打尽にしてあげる。

 

『フヴォォォッ!』

『死ねよやぁっ!』

 

 数合の剣戟の末、夜行の刀身を斬り飛ばし、胸の装甲を一突きにして、

 

『【攻撃を旋風に変える魔法(メドロジュバルト)】』

 

 妖精さんも使っている魔法を手刀に込め、夜行の首を撥ね飛ばした。やはり直接的な物理耐性しか無いみたいね。呆気無い。

 

『……何よ、もう終わりなの!?』

『あら、そっちも終わったの?』

 

 丁度アウラ側も始末を終えたようで、同時に「決闘王国」が解除されて、元の屋敷内へ引き戻される。後は落ちて来る夜行の首を頂いて――――――。

 

『………………』

「えっ?」

 

 すると、宙を舞う夜行の左目が、一瞬だけ大地を捉え、それからニヤリと嗤い、

 

『……ワタシを認めないこの世界など、もう要りまセ~ン! 何もかもぶっ飛ばして、陸奥国を一夜限りの夢に変えてやりマ~ス!』

『ガァヴヴァァ!』『ギュグィィッ!』『ハァアアアッ!』『ガキカカカ!』『ギゴォァヴヴッ!』『フシューッ!』『ガヴォオオオッ!』『プルゥゥアアッ!』『シュラァアアアッ!』『キヒヒヒヒ!』『シャアアアッ!』『ギュゥゥゥゥン!』

 

 傷口から【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)】【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)】【ブラック・マジシャン】【リボルバー・ドラゴン】【究極完全態グレート・モス】【人造人間-サイコ・ショッカー】【双頭を持つキング・レックス】【要塞クジラ】【ハーピィズ・ペット・ドラゴン】【ダーク・ネクロフィア】【ラーの翼神竜】を召喚して、もう何もかも滅茶苦茶にし始めた。デュエリストがリアリストへ、そしてテロリストに転身した瞬間である。何て事してんのよ。

 

 

 ――――――ドヴァォッ!

 

 

 モンスターたちは屋敷を破壊し、外へ出て暴れ出した。村にはもう人が居ないので、周囲の集落へと侵攻し始める。「滅びの疾風炸裂弾(バースト・ストリーム)」「黒炎弾」「黒・魔・導(ブラック・マジック)」「ガン・キャノン・ショット」「モス・パーフェクト・ストーム」「電脳(サイバー)エナジーショック」「ダイナソー・フッド・スタンプ」「ホエール・ボンバード」「セイント・ファイヤー・ギガ」「念眼殺」「ゴッド・ブレイズ・キャノン」と、様々な必殺技が飛び交い、家々が破壊され、人々が吹き飛び、牡鹿半島全体を揺るがす大惨事へと発展する。

 

『まったく、またしてもこんな現場ですか』

『さかなクン!』

 

 すると、何処からともなく玉壺(さかなクン)が現れて、消え掛けの夜行の首をチュルリと飲み込み、

 

『お久し振りですね、ソリテール氏。ですが、長居する気はありませんよ。さっさとコレ(・・)を回収して、戻らせて頂きます』

 

 闇から解き放たれたばかりの零余子を壺に引き込んでしまう。

 

『それは困るから、死んでくれない?』

『お断りしますよ』

『あららぎさん!?』

 

 【陽の呼吸】で仕留めようと思ったのだけど、さかなクンが四本腕のナーガ染みた姿に変化して、更には四振りの妖刀まで生み出し、私の魔法剣を受け止めたわ。

 

『「神技のレヴォルテ」みたいな真似するわね!』

『あのちみっこ、そんな仰々しい名前だったんですか!?』

『盗作の罪で死刑よ!』

『罰が重過ぎる!』

 

 こうして無駄話をしている間も、妖刀をヌルヌルと動かして、私の攻撃を捌いていく。棒回しからの上下左右の連打は刃で弾かれ、更には四方八方からの斬撃と長大な下半身を振り回して反撃してくる。

 もちろん、私も見切る能力には一家言あるので、足りない手数は手刀や足刀でカバーしているけれど、どうにも攻め切れないわね。武器の頑丈さもさる事ながら、さかなクン自身のフィジカルもかなりパワーアップしているみたいね。魔法なんて撃とうものなら、蛇のような素早さで距離を詰められてしまうもの。

 

『……ま、何時までも壺に引きこもってばかりの男じゃないって事ですよ。それでは失敬』

『あっ!』

 

 そして、私が攻めあぐねている間に、さかなクンは華麗に姿を消してしまった。……何よ、頼もしくなったじゃない。これは一本取られたわね~。

 ……う~ん、このモンスターパニック、どう始末を付けようかしらね?




◆リアリスト

 決闘者の風上にも置けない卑怯者であり、直ぐに爆破したがる無法者。ムカつく野郎は轢き潰して粗挽き肉団子にしてやるぜ。
 だが、真の決闘者の前では満足の行く結果を得られる筈も無かった。イラっとくるぜ!
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