「
若くして「
つまり、現在最も「天下統一」を成し遂げようとしている、時の人だ。
――――――まぁ、そんな時事ネタはどうでも良いとして、問題はその時の人が私たちの障害になっている、という事ね。世の太平より、私の安寧だわ。
『それで、何で良い所が私の家な訳?』
「質素で良い感じじゃねぇか。駄弁るにはピッタリだ」
『いきなり失礼極まりないわね……』
ほぼ荒ら家なのは認めるけども。
『おかえり~。……あれ、お客さん?』
すると、風呂場の方から禰々子河童がホカホカになって出て来た。真っ昼間から
『お客さんと言うか、交渉人よ』
『ああ、仕事相手なん? ソリテールは働き者やな~』
『サボりたいのに、世の中がそうさせてくれないからよ』
私は
「……ほぅ、利根川の禰々子河童か。まさか、奥州の地まで逃れていたとはな」
と、禰々子河童を見た小十郎が、不敵に笑う。
『おんや~? ウチの事知っとるん?』
「ああ。結構な暴れ者だったらしいな」
『……なら話が早いわな』
すると、禰々子河童がいきなり小十郎に襲い掛かった。私と同じく、自分の存在を明確に知る人間の口を封じたいのかもしれない。
「類は友を呼ぶって訳か。噂以上で何よりだな」
『ええ~、何で素直に殺されてくれへんの~?』
「そこで首を縦に振る奴は人間じゃないだろう」
しかし、主君が主君なら、その護衛はそれ以上なのか、小十郎は禰々子河童の鈎爪を躱すと、両腕を後ろに引っ張り上げつつ、頭を踏み付ける形で組み伏せてしまった。身体の構造上、禰々子河童なら簡単に脱出しそうな物だが、そうしないのはわざとなのか、それとも本当に出来ないのかは分からないわ。
「……それにしても、スゲェ面子だな。「
ふと、私たちをザッと見渡した政宗が、呆れ半分で呟いた。人間が半分も居ない所が私たちって感じね。いっとくけど、あなたたちは今からそこに加わるのよ?
『それ程でも無いわ。そんな事より、豊臣 秀吉が妖怪を
「さぁな。明確な理由は分からねぇ。送った密偵も、殆どが生きて還って来ないか、傀儡にされてやがるし。ただ、使っているのは事実だ。実際、四国だけじゃなく、九州もそれで平定してるしな」
『ふ~ん……』
役立たず、と言いたい所だけど、相手が魔法使い染みてるから、無理ないのかもね。
……そう、魔法よ、問題は。
『あれだけの魑魅魍魎を統率するには、カリスマとか恐怖政治とか、そういう問題じゃないと思うのよ』
「そう、
私の言葉に、政宗が同意する。知能がそこまで高くない奴ならまだしも、「吸血鬼」レベルの魔物を操るとなれば、絶対的な
『
それが本人なのか、裏で糸を引く奴が居るのかは分からないけれど。
◆天下統一
歴史上、豊臣 秀吉が初めて成し遂げたとされる偉業。この世界でも秀吉が推し進めているが、その正体が同一人物とは限らない……。