鬼殺のソリティア   作:ディヴァ子

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???:「環境破壊は気持ち良いゾイ!」


狐狗狸さん

「狐にでも化かされたか?」

 

 政宗が面倒臭そうに後頭部で指を組む。冷たい目付きも併せて、まさにやってらんねーという感じ。

 

「こういう時には「狐の窓」ですよ」

 

 そう言って、小十郎が不思議なポーズを取った。両手で狐の形を作って合わせ、耳の部分同士をくっ付けたまま、右手を自分側に、左手を相手側に裏返し、その上で全ての指を広げると「狐の窓」が完成する。

 さらに、“化生のものか魔性のものか正体をあらわせ”という呪文を唱えると、相手が何者か見えるようになるのだが、

 

「“化生のも――――――」

「レッツ☆パーリィナァーイツ!」

 

 政宗は森林伐採を始めた。手甲に刀を三本、両手で合計六本装着した、海外だと「貂熊(クズリ)」に例えられそうなスタイルだ。もしくはウ○ーズマン。そんな色物スタイルで目に付く木々をバッサバッサと斬り倒す様は、シュールでちょっと面白い。流石は奥州筆頭。

 

「……「狐の窓」だか「社会の窓」だか知らないが、何でこのオレ様がわざわざ相手の土俵に立ってやらなきゃならんのだ。邪魔する奴は皆殺し、話し合いなんざ下らねぇ、暴力は全てを解決する、だ」

「まぁ、武将としては間違っていませんが……」

 

 「狐の窓」を作った意味よ。あと、ちょっと前にソリテールたちと「お話」をしたばかりの癖に、一体何を抜かしているのか。

 

『待て待て待てぇい! それ以上の狼藉は控えるのじゃ!』

 

 と、環境破壊を楽しむ政宗の前に、ヒラリと少女が一人現れた。狐の耳と尻尾が生えている事から、彼女が化け狐の類なのが分かる。狐が変化を会得するには長い修行が必要らしいので、見た目とは裏腹に結構な年月を重ねているのだろう。所謂「のじゃロリ」である。

 

「ウェ~イ!」

『のわっ!? ちょ、ちょっと待っ――――――』

「イェ~イ!」

『わきゃーっ!?』

 

 だが、政宗は敢えて無視した。理由は勿論、邪魔をされたから。それ以上でもそれ以下でも無い。

 

『ぐずっ……ぐすっ……やめてよぉ~! あたちのすみか、こわさないでよぉ~!』

「政宗様、そろそろ止めて差し上げては?」

「何だお前、少女趣味かぁ? ……分かった分かった、止めれば良いんだろ? 折角気持ち良く伐採してたってのによぉ~」

 

 しかし、流石にぺたんと座り込んで泣きじゃくる姿を(小十郎が)可哀想に思ったのか、小十郎は政宗を諫めた。もちろん、政宗がもっとずっとパーリィーするつもりだったのは言うまでも無かろう。

 

「……悪戯するなら相手を選ぶべきだったな。ほら、行け」

『えぅ~……』

 

 とりあえず、このまま泣き喚かれていても困るので、小十郎は狐娘を軽く慰め、森へ帰そうとする。半径二キロメートルくらいが禿山になっているが、気にしてはいけない。毛皮になりたくなければなぁ!

 

『――――――お主ら、強そうじゃのぅ。ちょっと、頼まれてくれんか?』

 

 漸く泣き止んだ狐娘が態度を一変、急に偉そうな口調で頼み事をしてきた。無い胸を一生懸命に張っているが、目尻の涙が全く隠せていない。

 

「「いや、今更取り繕われましても」」

『ひぃん……!』

 

 いや、話を進めろ。のじゃロリが無く姿は可愛らしいけども。

 

「それで? こんな通り魔にちょっかい掛けた理由は何だ?」

「お前、自分の主人を通り魔って……」

『………………』

 

 そして、出来立てホヤホヤの切り株を椅子にして、狐娘が滔々と語り出す。今この森に何が起こっているのかを……。




◆狐の窓

 特殊な手の組み方をしつつ、呪文を唱える事で、化生や魔性の正体を見破る手法。パッと組むには難しい形をしているが、“狐を合わせ理を捩じり視野を広げる”とイメージすると良いかも。厨二病とか言ってはいけない。
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