『わしは……わわわわ、わし、ははは……誰だれDAREないナ「」p;@:いk¥:ty。lpふぉkmdそkmsdcklsfヴぃjんrb;l、dsv:・dcs・pl、b;lfmこ:;。xc:・のkmごけぽvdsもgほい!』
と、急に滝夜叉姫がおかしくなった。狂ったというか、
『――――――嫌じゃ! 消えたくない死にたくない消えたくない生きたい生きたい生きたい生きたいぃぃぃっ!』
「な、何だぁ?」「わ、分かりません……!」
さらに、一人で勝手に藻掻き苦しみ、生きたいと叫ぶ。全く以て意味が分からない。政宗や小十郎は勿論、滝夜叉姫自身にも。事情を知るのは、本体たる芽殖孤虫のみ。彼らは世代を重ねれば重ねる程に生命力を増し、他者への擬態も上達する。蓄積した
しかし、多過ぎる
そう、芽殖狐虫とは――――――否、人間以外の生物を祖とする妖怪は、一種のコンピュータなのである。“人を取って食う”事に特化し、最適化している。他者を欺き、不意を突き、騙し討つ。その為だけに産まれ生きる化け物。それが妖怪だ。
つまり、これもまた自然の営み。弱者が強者の食い物にされてこそのナチュラルである。
今頃、滝夜叉姫の中では蓄積した人格の全てが、猛烈な勢いで削られている事であろう。自分がどんどん消えて行く。視界がズレ、ぼやけ、身体と心の感覚を失い、何もかも忘れ、最期は虚無に還る。その恐怖は筆舌に尽くし難いが、どう足掻いても絶望しか無いので、人はやがて考えるのを止めてしまう。
『絶対に嫌だぁあああああああああああっ!』
だからこそ、これは異常事態だ。人が人間であろうとするなど、思い上がりである。人の分際で、餌の立場で、生きようと足掻くなど、烏滸がましいにも程がある。最早、自分がどの私で、俺で、あたしで、僕で、我で、わしなのかすら、分からない癖に。人権が欲しいなら、対価を支払え。生存権したいなら許可を取れ。この
さぁ、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!
『生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい!』
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ!
『煩い煩い煩い! 勝手に恋して、勝手に生んで、自分に酔って、悦に入って、皆みんなわたしを玩具にする! わたしはわたしだ! わたしなんだぁ!』
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『黙れぇええええええええェェァヴォアアアアアァァっ!』
そして、最適化は完了する。本来あるべきではない、誰でも無いたった一つの人格と、九生を体現した悍ましい姿に。脊椎と肋骨、頭蓋骨で構成された九つの尾に、各所の骨格が乱雑かつ無理矢理に纏めた、蟲と人が混じり合ったかのようなシルエットの本体を持つ、“彼女”の名は、
◆『分類及び種族名称:
◆『弱点:不明』
『オギャアアアアアアアアアアアアッ!』
私が死んでも、代わりはいるもの。だから、みんな死んじゃえ。
『祇園精舎の鐘の声~、諸行無常の響きあり~、沙羅双樹の花の色~、盛者必衰の理をあらわす~♪』
すると、何処からともなく琵琶の音と、平家物語が聞こえてきた。
『……今更乳飲み子みてぇにぎゃあぎゃあと。赤子は黙って手を捻り潰されてな』
「「………………!」」
さらに、千両役者とばかりに、虚空の襖を開けて、本物の悪鬼羅刹がやって来る。ここから先は無法地帯。生きるか死ぬかの、シンプルな戦いである。
◆平家物語
鎌倉時代に成立したとされる、平家の滅亡と源氏の台頭、貴族社会の没落を描いた、所謂「勝者の自慢話」。歴史とは何時だって勝者が刻み、好き勝手に語る事を許されている。敗者は、弱者は、存在すら許されない。形は違えど、人間社会もまた弱肉強食で成立しているのだ。