TS砂藤(強化)のドーピングアカデミア   作:赤つば

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やるぜ、戦闘訓練!(前編)

 

 

相澤先生曰く午後のヒーロー基礎学で分かるとのことで、自己紹介は勝手にしてていいけどそれぞれの個性については詳しく言わないでねと言われました。

 

アタシと百、昨日お互いの言っちゃったよ。

チラリと百の方見たら気まずそうに下向いてた。

かわいいね。

 

で、午前は普通に授業やって、普通にドアから来たオールマイトに連れられて昨日とは別のグラウンドにやってきました。

なんか戦闘訓練するっぽい。2日目で。スピード感えぐいわね。

 

おお、マジで雄英に来たんだなぁって感動してます。

 

頼んでたコスチュームも良いかんじ!

アタシのはひと昔前にあったらしい「女子プロレスラー」っていう職業のコスチュームに似てるんだってさ。

ビキニ風に胸と腰だけを覆った、イエローが映える衣装でございます。

タイトなローライズのショートパンツの上にベルトを巻いて、そこに角砂糖が入った小瓶と糖分アンプルを入れた特注のボックスを装着。

これでいつでも糖分補給ができるよ!

あとはマスクとシューズとアームカバー。

 

それ以外は露出じゃ露出!

せっかくスタイル良く育ったんだから、見せつけないと損よね!

 

「ミルコみたいな動きやすい衣装が良い」ってお母さんに言ったら、死んだおばあちゃんの昔の写真を見せてくれたよ。

おばあちゃんがその「女子プロ」だったんだってさ。映像みたけど超カッコよかった。

個性使わないエンタメバトルなのにあんなカッコいいなんてさ。脳焼かれちゃったよ。

 

で、マスクはミッドナイトとかマウントレディへのリスペクト。

やっぱ昔より女が活躍しやすい社会になったとはいえ、天下の雄英で教鞭を振るうって、マジ尊敬だわ、ミッドナイト。

ミッドナイトの学生時代の映像を見たんだけど、今のアタシのコスチュームより露出多くてウケた。学生であの衣装はえぐいよ。

 

で、一緒に着替えた百は捉え方によってはアタシ以上のセクシー衣装だった。

総合肌面積で言ったらアタシの方があるけど、谷間と足が全開なのは凄いわ。

ちょろっと聞いたら肌から創造したものを出すから、本当はもっと露出量増やしたかったみたい。

 

なんか、見せつけ目的のアタシ、不純だね。

 

 

====================

 

 

初戦から緑谷(名前覚えた)と爆豪(名前覚えた)がイカれたことして、みんなのテンション上がりまくってます。

あと峰田(名前覚えた)、こっち見過ぎ。

 

ちなアタシのペアは口田。Fチームだってさ。

昨日50m走で一緒に走ったね♡

個性使ってる素振りなかったのに意外と速かったの覚えてるぞ♡

ボール投げでカラスに運ばせて麗日の次に記録良かったの見てたぞ♡

 

てか緑谷、アイツ見かけによらず結構鍛えてるだろ。

ガッツもあるし個性も派手で見直したよ。

アイツの個性が反動ダメージを克服して、アタシの個性がただの筋力強化だけだったら、完全な上位互換だったな。

うっ、なんか寒気が。

 

よかった〜。小6の時に筋力以外にもドーピングできるって気付かなかったらと思うと、ゾッとするね。

 

で、爆豪はめっちゃ落ち込んでた。

ほらね。初日の初っ端からヤンキー全開で目立ってたから、みんな声かけるか迷ってる。

触らぬ爆弾に祟り無し。アタシもちょっと距離とっとこ。

 

まあでも、個性も格闘術も15歳のそれじゃないのは分かった。

これで一般家庭出身なら、マジモンの天才だな。

 

で、その爆豪以上の個性を披露したのが、轟っていうイケメン。

う〜む。お前のせいで残り3人の個性と戦い方が分からなかったじゃないか。

あの尻尾の尾白って奴は体だけならこのクラスで一番出来上がってるとお見受けしたので、どういう戦い方をするのか見てみたかったんだけど、仕方ないわね。

 

轟の個性はオールマイト曰く「半冷半燃」らしいから、多分炎かなんかをもう片方の手から出せるんだろう。

クソ強。

 

 

で、初戦以外はつつがなく進んで、アタシと口田の番になった。

百は毎回講評でなんか言ってた。

 

「Eチームが『ヒーロー』! Fチームが『ヴィラン』だ!」

 

ほう、核を守る側ですか。ラッキー。有利じゃん。

 

Eチームは……芦戸と青山ね。

昨日の個性把握テストを見る限り、青山のレーザーは殺傷能力だけでいえばA組ナンバーワンだろう。人に向けないでくれよ、それ。

芦戸はよく知らん。変な液体を体から出すってことくらい。

 

「よろしくね、口田」

 

「あ、あの……砂藤さん」

 

およ?

 

「なぁに?」

 

「僕、今回あまり役に立てないかもしれなくて……」

 

ほう……?

 

 

====================

 

 

口田の個性は「生き物に言うことを聞かせられる(意訳)」っていうものだそうで、今回みたいな管理された屋内だとなんにも活かせないんだってさ。

なんか最終手段があるらしいけど、絶対にしたくなさそうでした。

アタシにも極力やりたくない奥の手があるから、気持ちは分かるよ。

 

 

あ、実はもう訓練開始してます。

 

ということで核の前で待ち構えているわけですが、なんか、身振り手振りで口田が謝ってる。

かわいいな。

 

「ねえ、口田。あなたの“強さ”って個性だけ?」

 

「……?」

 

「あなた、意外と動けるタイプでしょ」

 

「!」

 

 

====================

 

 

さて2階にやってきました。

 

芦戸と青山が1階から上がってくる音が聞こえる。

口田は核のところで待機してもらってます。

作戦がうまく行けば、良い感じに……っと! 来たね!

 

 

糖分「10mg」使用!

脚力「2倍」!

「5秒間」のドーピング!

 

 

壁を蹴って、踊り場に差し掛かろうとする2人の前に飛び出る。

 

「! もう来た!」

 

そう言いながら芦戸は身構えて、青山はレーザーを打つ姿勢に入る。

 

けど、遅いぜ。

 

 

糖分「10mg」使用!

脚力「10倍」!

「1秒間」のドーピング!

 

 

ドビュゥーン!

 

芦戸を通り過ぎ、青山のマントを掴んで1階に一直線!

そのまま廊下に投げ捨てる。

 

「アゥ!」

 

軽いな、青山。ちゃんと食ってる?

 

「はっや!」

 

同時に2人相手は普通に無理だからね。

芦戸が振り返ったのが分かるけど、すでにアタシらは1階。

こうなっちまえば青山とタイマンの状況に出来たわけだ。

一撃必殺が可能な相手を優先して潰す。コレ定石。

 

「青山っ……! 先行く!」

 

お、助かる〜。

みんなやっぱ緑谷と爆豪の闘いが頭に残ってるな?

常に人数有利で闘う、コレも定石だぜ?

 

というわけでアタシvs青山、口田vs芦戸の構図になりましたとさ。

芦戸が加勢に来るなら、頑張って青山を瞬殺して芦戸ともタイマンの構図を作ろうと思ってました。

そうならなくて一安心。

 

じゃあちょっと遊んでいきますか。

 

「さてヒーロー青山。タイマンよ?」

 

すっ転んでた青山が起き上がる。

おわ、表情が変わらん。どうなってんだ表情筋。

すかざずレーザーを打つ体勢になる青山。

 

「あらあら、ヒーローなのに、そんな危ないモノ人に向けるのかしら?」

 

「危ないかい?」

 

「ええ。高速のレーザーなんて、すぐに人を殺してしまえるじゃない」

 

「……」

 

「ヒーローのあなたに、それが打てるかしら?」

 

「打てるとも」

 

……ふぅん。

 

手を広げる。

アタシの綺麗な腹を見せつけるように。

 

「じゃあ、ほら。ココに打ってみなさい?」

 

「……どういうつもりだい?」

 

「避けるから」

 

 

糖分「250mg」使用!

視力「5倍」!

思考力「5倍」!

「10秒間」のドーピング!

 

 

思考が加速する。

 

「どうなっても知らないよ?」

 

「ええ。構わないわ」

 

目を凝らす。

青山の腰はアタシの正面を向いている。直撃コース。

光り出した。煌めきが集まっていく。

 

「……メルスィ」

 

腰が、傾いた。

 

今!

 

糖分「50mg」使用!

脚力「10倍」!

「5秒間」のドーピング!

 

飛び上がる!

 

THOOM!!

 

レーザーはアタシのいたところの下、地面に当たる。

床が抉れ、瓦礫と砂が舞う。

 

青山はレーザーの直撃を避けた。

目眩しをして、確保テープを巻きに行くつもりだったんだろう。

 

だけどアタシが避けたせいで、その瓦礫が逆に次のレーザーの狙いを妨害している!

 

そして! レーザーの打ち直しには数秒のインターバルがある!

昨日の50m走で見た!

 

そのまま壁走りで青山へ駆け出し、横から一気に近づいて——!

 

するっと、青山の腕にテープを巻き付ける。

 

「ノーン!」

 

やったぜ。

 

 





次回は口田くんにちょこっと活躍してもらいます。
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