暗殺教室 地球外生命体と超生物を殺す   作:ぐちロイド

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第5話 教室の「ビッチ先生」 凍り付くクラスメイト

夜の帳が下りる頃、椚ヶ丘中学校の裏山には、静寂を切り裂くような金属音が響き渡っていた。

 

ことの始まりは数日前。赤羽業が殺せんせーに「手入れ」をされたあの夜のことだ。連は自身を転生させた例の女神……スタイル抜群だがどこか抜けている「エロダメ女神」から、妙な空間をプレゼントされていた。

 

ダメ神「ハザードレベルを効率的に上げたい? なら、スマッシュが無限にリスポーンする特訓部屋をあげるわ。……あ、お礼はいいわよ、面白いもの見せてくれれば!」

 

そんな軽いノリで渡された亜空間。念じるだけで行き来可能なその場所で、連はここ数日、ひたすらスマッシュを狩り続けていた。

 

連「……ハァ、ハァ……。こんなもんか」

 

青い炎を纏ったクローズの姿で、連は消滅していくスマッシュの残骸を見下ろす。

 

エボルト『ククク、少しは上がったようだが……効率という点ではまだ不満だな、連』

 

脳内のエボルトが退屈そうに呟く。

連は変身を解除し、汗を拭いながら亜空間の地面に座り込んだ。

 

連「多少は上がっただろ。……さて、一休みしたらまた――」

 

エボルト『おい連。お前、学校に行かなくていいのか?』

 

連「あ? まだ夜だろ。……って、おい」

 

連が自身のスマートフォンを確認すると、画面には残酷な現実が表示されていた。

日付は既に変わり、時刻は14時15分。

 

連「…………嘘だろ。丸一日以上ここにいたのかよ」

 

授業はどうでもいい。だが、あのタコ……殺せんせーは、欠席者に対してマッハ20で家庭訪問を仕掛けてくる面倒な性質を持っている。あの説教を食らうくらいなら、今からでも顔を出したほうがマシだ。

 

連は一度自宅へ戻り、シャワーを浴びて着替えると、再び山を登った。

 

---

 

 

 

六限目が始まる直前。E組の校舎に入ると、中からは聞き慣れない女性の罵声と、クラスメイトたちの楽しげな冷やかしが聞こえてきた。

 

イリーナ「キー! やっぱり嫌いだわアンタ達! 殺してやる、全員まとめて色仕掛けで殺してやるんだから!!」

 

前原「はいはい、ビッチ先生。お疲れ様でーす」

 

不破「ビッチ先生、今のキレ芸100点!」

 

イリーナ「ビッチじゃないわよイリーナよ! 略して呼びなさいよ、このクソガキ共!!」

 

教室のドアを開けると、そこには金髪で抜群のスタイルを誇る美女――今日から外国語教師として赴任した暗殺者、イリーナ・イェラビッチが真っ赤になって喚いていた。

 

クラスの連中が「ビッチ先生」という呼び名を定着させようと盛り上がっている最中、連は欠席も遅刻も一切気にする様子もなく、のっそりと教室に入っていった。

 

連「……あ、イリーナじゃん。お久~」

 

片手を上げて、極めて軽い挨拶を投げかける。

その瞬間、騒がしかった教室が、水を打ったように静まり返った。

 

渚「…………え?」

 

渚が、茅野が、そして業までもが目を丸くする。

あのプライドが高く、生徒を「ジャガイモ」呼ばわりしていたイリーナが、連の顔を見た瞬間に毒気を抜かれたような表情になったからだ。

 

イリーナ「……あら、連。あんた、ここの生徒だったのね。相変わらず生意気そうな面してるわね」

 

連「そりゃどうも。イリーナこそ、相変わらず派手な格好してんな。ここは中学校だぜ?」

 

イリーナ「うるさいわよ、仕事服よ。……ああ、それから。あんたの母親……玲奈からの伝言よ」

 

イリーナはふんぞり返り、豊満な胸元を強調しながら言葉を継いだ。

 

イリーナ「『イリーナへの支払い、連に任せたからよろしくね』だそうよ」

 

連は溜息をつき、カバンを自分の席に放り投げた。

 

連「……ったく、あのババア。自分で払えばいいだろ。……了解、幾ら?」

 

イリーナ「今回は……イギリスの方での巌斬からの依頼分も込みだから。そうね、私の成功報酬に旅費と滞在費も上乗せして……500万ってところかしら」

 

連「500万ね、了解。端数切ってそれか? まあいいや、帰りにスマホから振り込んどくよ」

 

「話が早くて助かるわ。流石は暁家の跡取りね」

 

---

 

 

皆「「「………………ご、500万!?」」」

 

教室内が爆発したような騒ぎになった。

杉野が椅子から転げ落ち、寺坂が目を見開いて連に詰め寄る。

 

寺坂「おい暁! てめぇ、何言ってんだ!? 500万だぞ? 500万! 振り込むって、お前、何なんだよ!」

 

連「何って……ただの支払いだろ」

 

連は面倒そうに鼻をかいた。

 

岡島「違うわ! なんで中学生のお前が、そんな大金をサラッと払えるんだよ! そもそもイリーナ先生の知り合いって、どういうことだ!?」

 

 

岡島が鼻血を拭いながら叫ぶ。

 

イリーナは不思議そうにクラスメイトたちを見回した。

 

イリーナ「あら、あんた達、聞いてないの? 連から」

 

「何も聞いてねーよ!」

 

イリーナはニヤリと不敵に笑い、連の肩に手を置いた。

 

イリーナ「……この暁連はね、世界的な不動産王『暁不動産』の一人息子。つまり、超がつくほどの財閥の御曹司よ」

 

「「「「ざ、財閥……!!」」」」

 

イリーナ「……ついでに言えば、彼の両親は私の重要なクライアント(暗殺依頼主)でもあるわ。特に母親の玲奈には、私も頭が上がらないのよねぇ」

 

静まり返る教室。

あの業ですら、「へぇ……連、そうだったんだ」と興味深げに目を細めている。

 

渚がおそるおそる手を挙げた。

 

渚「あの……連君。なんで、今まで黙ってたの?」

 

連は携帯ゲーム機を取り出しながら、当然のような顔で答えた。

 

連「……別に。聞かれなかったから答えなかっただけだろ。言う必要あるか? 家が金持ちだろうが、俺がゲーマーで戦闘狂なのは変わらねえし」

 

前原「いや、あるわ! 大ありだわ!」

 

前原が突っ込む。

 

磯貝「500万を『帰りに振り込んどく』なんてセリフ、一生に一度は言ってみたいもんだぜ……」

 

磯貝が遠い目をしている。

 

その時、教室の窓からヌルリと黄色の触手が入ってきた。

 

殺センセー「ヌルフフフ……暁君。遅刻した上に、教室内で金の動産を弄ぶとは。先生、そんな子に育てた覚えはありませんよ!」

 

 

殺せんせーが顔をピンクの「照れ」模様にして現れる。

 

連「あんたに育てられた覚えもねえよ。ほら、授業始めろよ。ビッチ先生の自己紹介、もう終わったんだろ?」

 

イリーナ「キーッ! ビッチ言うな!!」

 

イリーナの怒号が響く中、連はいつも通りゲームの画面に目を落とした。

 

エボルト『ククク……連。お前の家の金で、高性能なサーバーでも立てたらどうだ? 異世界のゲームもサクサク動くぞ』

脳内のエボルトが邪悪な提案をする。

 

連「……それもいいな。あとでババアに相談してみるか」

 

財閥の御曹司、地球外生命体の宿主、そして仮面ライダー。

暁連という男の「設定」がまた一つ追加され、E組の日常はますますカオスな深みへとはまっていくのだった。

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