ビデオ屋の末っ子ツイッギー概念   作:アズカバー

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※注意※
シリアス多めです。
今回はツイッギーな何故ビデオ屋に加わったかの話となっていますが、完全オリジナルです。アキラとリンの喋り方も違和感あると思います。

それでもいいと言う方のみお読みください。


ツギハギだらけの生き様、そのはじまり【再編集番】

 

 

 

 

 

 

 

 

ツイッギーとの出会いは、ある依頼がきっかけだった。

 

あるボンプの捜索。そんな特別難しくない依頼で、報酬は十万ディニー。

 

まだ駆け出しだった僕たちはかなりの報酬が手に入ると、気合を入れて仕事に励んだ……が、目的地が闇市であると知った時、嫌な予感がした。

 

ボンプ自体はあっさり見つけることができたし、報酬だって受け取った。ただ、見つけた場所がボンプの解体・販売所であったことが問題だった。

 

 自分のボンプが危うく解体される危機だった依頼人は、怒りに任せて雇っていた用心棒を使って店主を襲わせた。

 

 当然、店主もそれに応戦……騒ぎを聞きつけた闇市オーナーは、鎮圧しようとさらに戦力を投入……気づけば闇市は戦場と化していた。

 

逃げ遅れてしまった僕たちは、咄嗟に駆け込んだ店で彼女と……ツイッギーに出会ったんだ。

 

 四肢がなく、生気のない顔をしていて、光を失った目で虚空を見つめていた。やけに落ち着いた店主が、『十万』と一言だけ呟いき、こちらをニヤニヤと見つめている。

 

10万というのは、……おそらく彼女の値段なのだろう。

先ほど受け取った依頼の報酬と、まったく同じ額。

 

 彼女のことをいくら問い詰めても、店主は値段以外の単語を発しない……拳に力が入り、頭に血が昇る感覚がする。感情のままに店主に掴み掛かろうとした時、声が聞こえたんだ。

 

『……死にたくない……みんな──どこ?』

 

 涙声のうわごとが小さく、でもはっきりと僕には聞こえた。

何度も、何度も、か細い声で、死にたくない……と。

 

怒りを噛み殺し、店主の前に『10万ディニー』を叩きつける。

そのまま、少女を抱き上げた。

 

今回の依頼料を全て使う羽目になったが……イアスの中のリンは、止めるでもなく、ただこちらを見て小さく笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ホロウ災害専門の病院に掛け合って、彼女の……ツイッギーの入院が決まった。

 

意識を取り戻した後の彼女は、病院内で酷く、暴れた。近づくものに噛みつき、暴言を吐き、睨みつけ…そして、泣き叫ぶ。

 

『どうして助けた!?』『今更なんで!?』『この偽善者!!』

『……こんな体で、どうやって生きろって言うの!?』『殺しなさいよ!なんで殺してくれなかったの!?』

 

 喉から血を吐いても、彼女は叫び続けた。何度も、何度も、『何故助けた』と……疲れ果て寝てしまうまで、繰り返した。

 

そして、もう一度目を覚ましたとき、先ほどに比べ、彼女は落ち着いていた……いや、声が枯れてしまっただけなのだろう。

 

 殺気だった彼女の琥珀色の瞳が、怒りの熱が引いたわけではないことを示している。

 

 言葉以上に語りかけてきている……『嘘偽りなく話せ』……と。

 

 先生達に無理を言って三人だけにしてもらい、病室内は僕らだけとなった。

 

 静寂が重く、話し出すのを躊躇させられる。

 

『……どうして…助けたの?』

 

 弱々しい声で、彼女は先ほどと同じ質問をした。

 

『君が、死にたくないと言ってくれたからさ』

『わたし……が?』

 

あり得ない…とでも言いたげな表情で、僕を見る。

 

「なら、貴方の聞き間違いね……わたしは、終わらせて欲しかったの……使えない兵士として捨てられて……仲間も全員死んで……こんな体で生きながらえても、意味がない……苦しいだけ」

 

疲れ切った顔をして、彼女は眼を閉じてしまう。

 

「なら、意味を探しに行かないかい?」

「……意味を…探す?」

「ああ……ただ生きるのが苦痛だと言うのなら、意味を探すために……僕たちと一緒に行こう…道案内は得意なんだ。」

 

メチャクチャなことを言っているのは、分かっている。

けれど、彼女は死にたくないと泣いていた…『みんな』を探していた……ならばプロキシとして、会わせてあげたい。

 

「……意味なんて……無いわよ。みんな死んだ……一人だけ心当たりはあるけど……既に消されているかも……それにこんな姿で会わせる顔なんて無いわ」

 

「今大切なのは、アナタが会いたいかどうか……だと思うんだ……だからさ、私達と一緒に、その心当たりを探さない?……こう見えても私達プロキシ志望のアウトローだから、どんな依頼でも任せてよ」

 

涙を流す彼女を、リンは優しく拭っていく。

 

「……綺麗事ね……」

「そうだね……でも、動かないと、アナタが苦しいままだから……だから一緒に、私達と行こう?」

 

「──お断りよ」

「ッ!?」

 

 顔を拭っていたリンの指を弱々しく噛みついた。

 

「……綺麗事なんてもう、信じない!!裏切られるのはもう、たくさんなのよ!!」

「わたしはもう、何も期待なんてしたくない……!!アナタ達は、助けに来るのが、遅すぎたのよ……もっと早く、来てくれれば……」

 

 血の混じった咳をしながらも、彼女は叫んだ。溜め込んだものを吐き出すように……感情のまま、彼女は叫んだ。

 

「私達シルバー小隊は、成功するはずのない作戦に投入されて、部隊は壊滅。ろくに手当てもされることなく私たちはホロウは廃棄されたわ……一人の隊員を残して。」

 

「失ったはずの手足に……まだ彼女達の温もりが残ってる……私が生き残れたもの、彼女たちが私を庇ったから……あの中で、1番私が弱かった…だから、無駄だって分かってるはずなのに、彼女たちが、私を!!……しかもその結果が、生きたまま四肢を侵食されて欠損なんて……冗談じゃないわ」

 

「探して、会ったところで……どんな顔して彼女に会えばいいの?……大勢の姉妹を護れずに、ただ無駄に生き残った私が、守られた結果四肢を失って、何も守れなくなった私が!」

 

「会えるわけ……無いじゃない!!」

 

肩で息をしながら、彼女は目を閉じる……話し合いは終わり…という意思表示なのだろう。

 

「これは最後の警告よ……今わたしを生かしたら、確実に大勢を不幸にするわよ……わたしは、わたし達を切り捨てた奴らを許さない。私たちを無かったことにした、この世界を許さない!……だけどアナタ達は違うから……消えて……見逃してあげるから……どこか遠くへ……わたしを見つけてくれたアナタ達だけは……許して…あげるから…それが嫌なら、わたしを殺すか消えるか……どっちかにして」

 

「お願い」とまた、彼女は泣いていた。

 

「……」

「え……?」

 

気づけば、彼女の頭を撫でていた。

これ以上は、この子の心が保たないと思ったから

 

「な、なんのつもり?」

「……」

「……何か言いなさいよ」

 

なにか…か

 

「……そういえば、自己紹介がまだだったね…僕はアキラだ……ほらリン」

「えっ今?……あっ、えっと……私はリン!……次は、アナタの番だよ!」

「えっ……ツイッギー……じゃなくて!!……さっきからなんなのよ……突然」

 

何か言えと言われたから、自己紹介でもと思ったが……口を尖らせていじけてしまったな

 

だが……ようやく年相応な顔が見れた。

 

 

「……退院したらツイッギーの義足と義手を用意しないとね……そのあとは、服も直さないと…あと、武器の調達にリハビリかな…これは…中々費用がかかりそうだ。」

 

「……そう、ならとっとと──「大丈夫、夢のマイホームは少し遠のくことになるけど、十分なんとかできるよ!」……」

「少しは!私の話を!!聞きなさいったら!!!なんでもう一緒に住む全体になってるの!?」

 

我慢の限界が来たのか、声を張り上げ僕たちを静止させる。

「はぁ…はぁ…アナタ達、本気で私に協力する気!?

「うん、もみろん……そんな話を聞かされて、放っておけるはずないでしょ?」

「ああ……君をそんな目に合わせた悪党に、相応の報いを与えないとね……君の姉妹達の名誉を守る為にも……まぁ、僕たちは戦力にならないだろうが……やれるだけのことはやってみるとも」

 

ツイッギーは、あっけに取られた顔をしている。

「……なんで?」

 

どうして手を貸すのか……という意味だろうな。

 

「さっき、リンが言っていただろう?僕たちはプロキシ、誰かを行きたいところまで道案内するのが、僕たちの役割だから……あとは、そうだね……理不尽に何かを奪われる……その辛さが僕らにも多少なりともわかるから」

 

「うん……だからさ、私たちのことは、嫌いなままでいい…ただ、ツイッギーが自分のことを好きになれるまで、私たちに助けさせて」

 

「……アナタ達、どうして他人のためにそこまでできるの?イカれてるわ」

「……僕の尊敬する先生がそう言う人だったからかな」

「というか周りの大人が全員そうというか…まあ優しい人にたくさん教わって来たから……今度は私たちがそうなる番ってのもあるけどね」

 

ヘーリオス研究所で過ごした日々が、今の僕たちの信念を作ってくれた。そして、六分街にいる人たちの優しさで、僕たちは他人を信じることができるようになった。

 

そんな街で、恵まれた環境で、僕たちは生きている。なら今度は僕たちが彼女にそう思ってもらえるようにしないと。

 

「……馬鹿よ、アナタ達」

「ああ、よく言われる…だけど、気に入ってるんだ、この生き方が……映画の主人公のようにとは……行かないことばかりだけど。」

 

ようやく、彼女は笑ってくれた。引き攣った呆れ笑いだったが、それでも僕たちに初めて見せてくれた笑顔だ。

 

「ねぇアキラ……私、本当に覚えていないの……だから、確認させて……本当に、言ってたの?……『死にたくないって』」

 

「……ああ、ちゃんと聞こえてたよ。僕にも、リンにも」

 

「……そう……」

小さく息を吐いて、彼女は笑みが自嘲気味に変わる。

「……ほんっと、情けない……あんなに泣き喚いて……みっともないとこ全部見せて……」

少しだけ間が空く。

「……それでも、死にたくないなんて」

 

また、彼女の涙をリンが拭う。

啜り泣く声だけが、静かに響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

新エリー都・病院にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それじゃあ先生、お世話になりました」

「ええ、お大事に……本当によく、頑張りましたね」

 

お世話になった先生に深くお辞儀をして、病室を後にする。

 

 

 あの日から半年、私の命はたった二人の子供に拾われ、繋がれた……繋がれてしまった…… 彼らが言った、“生きる意味を探す手伝い”は、今も続いている。

 

 決して安くないであろう義手と義足を、『知り合いから譲って貰った』なんてバレバレな嘘をつき、見栄を張った笑みをしたあの兄妹の顔は、きっと生涯忘れることはない。

 

この日を境に、私はリハビリに打ち込めるようになった。

初めはスプーンを持つことすらままならなかったし、立ち上がることもおぼつかなかった。

 

 けれど、あの二人に甘えっぱなしは嫌だった。

 だって、私の依頼はあくまで道案内であって、彼らに杖になってほしいわけじゃない。

 

 そんな思いで、足掻いているうちに半年がたった。

 今日、私はようやく退院する。

 

 お世話になった看護師さんにもお礼を言い、手続きを済ませて出口に向かう。

 

 自動ドアの向こうでは、見覚えのある青髪の少女が、同じ所を行ったり来たりしている。

 

 その隣には飲み物を片手に自動ドアを見つめている白髪でたらし顔の不審者が一名。

 

「……本当に、迎えに来たのね」

 

 変なの。ちょっと前まで表情筋なんて機能してなかったのに、あの二人を見ると自然と口角が上がってしまう。

 

 気づけば、歩調が速くなっていた。

歩いていたはずなのに、次の瞬間には駆け出していた。

 

「ハァ…ハァ……はぁ、やっぱり……たった半年では体力までは戻らないわね……どうしたの二人とも、なんで何も言わないの?……ほら、何か、言うことがあるでしょう?」

 

一言も話さず、こちらを見ている二人に視線を向ける

 

 

「お……おかえり、ツイッギー……退院……おめでとう…」

「お、おめでッ……お゛め゛で゛と゛う゛ッ!!ツ゛イ゛ッ゛ギ゛ー゛!!」

 

「……なんて顔してるのよ」

 

 

 すっかり見慣れた兄妹は涙を浮かべながらフラフラとした足取りで近づいてくる。

 

「ちょっとリン!そんな顔で抱きつこうとしないで!……ああもう、鼻水がッ!アキラ、ハンカチを……もう、アナタまで」

 

せっかく、感動の再会になるところだったのに……なんで、私よりも泣いてるのよ……この子は。

 

──だけど……不思議と悪くない気分ね。

 

 

 

 

 

 

 






いかがでしたか。
自分はシリアスが苦手なので完成させるのにかなり時間がかかってしまいましたが、皆さんが楽しんでくれたら幸いです。

次回からはまたコメディーよりにして、ツイッギー愛されを書いていくつもりです。


※追記

みなさん、アンケートのご協力ありがとうございました。
今回のアンケート結果から、次回投稿する話のメインは、アンビーとさせていたにます。ただ、ツイッギー愛されも見たいと言う方もいらっしゃいますし、11号との再会をみたいと言う方もいらしたので、順番は、アンビー、日常会、11号の順番で執筆させて頂きます。

たくさんの投票、ご支援ありがとうございました。
次回もまた楽しみにしてお待ちください。

ツイッギーとの再会、どっちが見たい?

  • アンビー・デマラ
  • 11号(ハリン)
  • シリアスよりもツイッギー愛されが見たい
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