イビルアイとの話し合いから一夜明けて
蒼の薔薇達もすっかり回復したようで、また同じように遺跡調査へと繰り出した一行
しかし遺跡からは何も見つからず数日が経過。細部を調べたが何も無かった。
蒼の薔薇達はこれにて遺跡調査終了として王都エ・ランテルへ帰還した。
帰りの馬車の中、水篠とイビルアイが親しげに話す姿が多々見られ、蒼の薔薇達はなにかあったと感ずいていた。
「それで、何があったのイビルアイ?いい加減話してくれてもいいんじゃない?」
「やけに機嫌いいじゃねえか」
「なんてことはない、自分がバンパイアだと打ち明けただけさ」
「!?言ったの!それでなんて言われたの?」
「ああー、関係ないって言われたかな」
蒼の薔薇達が話し合う中静かに馬車の後部座席で風景を見ていた水篠
(元の世界より若干物騒だが・・・離れて正解だったか。
ここは案外静かでいい。
それにしても、あのモンスター
今回の依頼に若干の違和感を覚えながらも横で騒ぎまくる蒼の薔薇に笑みをこぼす
思いだす日常に、いつの間にか人数が増えたことを喜んだ。
まだ前の世界のことを思い出したりするが、決してこの世界を楽しんでいないわけではなかった。
(こんな日々が続けばいいのに)
目をつぶりながらそう思う水篠だった。
「・・・これは、どうゆうことだ?」
荒れ果てた荒野を想像していたスレイン法国の使者たちは目の前に広がる活気のあふれる広場を前に呆然と突っ立っていた。
行きかう人達の顔には笑顔が浮かんでおりついこの前まで滅びそうになっていた竜王国には到底見えない。
「報告には聞いていたが、実際に見てみるとは違うな。数か月前とは大違いじゃないか。」
先頭に立つ隊長のような人物が後ろに控えている人物の持っていた資料を取る
「確か・・・」
資料をめくりスラスラと読んでいく
「これか・・・」
該当の項目を見つけゆっくりと読んでいく
その時、
「ギャアオオオオオオン!!」
唐突に響く咆哮にすぐさま剣を抜く使者達
上空には漆黒の竜が竜王国の上を飛んでいた
「これが・・・」
資料を見ていた使者の隊長はゆっくりと腕を上げ使者たちに剣を下ろさせる
「これが、竜王国が召喚したという”漆黒の竜”・・・・」
竜はそのまま広場を横切り王城の方向へ飛んでいく
「なるほど、あれなら我々がいらなくなった理由がわかるな」
上空を見上げながらあんぐりと空いた口をそのままに、竜を目で追っていく
町の人は見慣れたのか特に反応はなく所々手を振る人までいるようだ
「取り合えず報告書に書いてあったことは正しかったわけだ。だがまだ調べなければならないことがある。とりあえず手分けして聞き込みをするか。」
ふー、と一息ついていまだあんぐりしている隊員に向け指令を出す
(竜王国はとある秘宝で召喚したといっていたが怪しいところだ。そんなものがあるならなぜ今まで使わなかった?必ず裏がある。)
隊長は隠している裏を探るように鋭く視線を周りに向ける
(できれば法国に、いや、人類に利があるように祈るしかない)
「それでは報告を始めます。」
シンとした静寂が響く巨大な広間
周りを見渡せばどんな人物でも一目でわかる凝った彫刻や装飾がふんだんに飾られており
天井にはさらに豪華なシャンデリアがあり一目でこの空間がただ人が踏み入れてはいけない空間だとわかる
その広間の奥のほう、巨大な玉座が鎮座しておりそこに座る一人の人物
”オーバーロード”アインズ・ウール・ゴウンである
その御前に揃う多種多様な種族。
此処こそがアインズのギルド、”ナザリック地下大墳墓”
そこの主であるアインズは今NPCのアルベドから報告を受けていた
(フム、今日の玉座に座る仕草、なかなか良かったではないか?次からはもっと壮大に歩いて・・・)
アルベドからの報告を聞きながら今日の登場の仕方を反省していたアインズ
様々な報告を聞き流しながらぼんやりとしていると、何やら言いにくそうな表情のアルベドがアインズの表情をうかがいながら話題を切り出す。
「それと、まだ未確定ですが、【プレイヤー】と思われる 存在・反応を感知しました。」
ガタ
報告を聞いていたアインズは思わず玉座から立ち上がりそうになる。
「そっ!それは!どこで見つけた!」
「はい、竜王国にて高魔力反応が見られ、数名の調査兵を送り確認したところ、以前は無かったアンデットのドラゴンが無数召喚されたようです。」
(なんだって!やはり私以外にも【プレイヤー】がいるのか!!
これがギルメンならいいけど、敵対していたギルドやプレイヤーだった場合かなりまずいことになる!?というか・・・シャルティアの洗脳。それに【プレイヤー】。タイミングが良すぎる。まさかこいつが!)
平然と装うアインズ、だが数秒に一度感情抑制が起こり緑のエフェクトが光る。
「ふむ……。やはり、我々以外にも『強者』はいるということか。」
「本来ならすぐさま伝えなければいけませんでしたが、情報の確実性と、その、シャルティアの件で余計に遅くなり、このようなタイミングとなってしまいました。申し訳ありません、アインズ様」
アルベドの斜め後ろでびくりと肩を揺らすシャルティア
それを横目で見ていたアインズは、あー、と思いながらゆっくりと話す
「いや、その件はいい。それにしっかりと確証を取ってきたアルベドの調査に間違いはない。」
「はい、ありがとうございます。アインズ様」
(とはいえ、今後、その【プレイヤー】に対してどうするか考えなきゃいけないな。
とりあえずその人物が何人いるかを確認はとりたいものだ。あとギルドごと来てるのかどうかも早急に調べないと。)
「それで、アルベド。もうすでに対策は打っているのだろう。」
「はい、実際に事が起きた竜王国を中心に現在各国にいる調査兵や感知魔法を再度この件について最優先にして調査を行っています。そちらは何かわかり次第報告させていただきます。」
「ああ、何かわかったらなんでもいい報告しろ。」
(これからを考えると・・・ああ、胃が痛い。)
そこにないはずのお腹をさするアインズであった。