シャドウロード   作:POLO ()

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9話

あれから数ヶ月

「テイヤ!!ハッ!」

今日も早朝からアレンと水篠は空き地にて戦闘訓練を行っていた

数ヶ月前とは異なり剣を振るう様が板に着いたアレンは水篠の放つ鋭い突きを回避し大きく距離をとる。

 

「今日はここまでだな」

「はい!ありがとうございます!」

2人は傍にかけてあったタオルで汗を拭うと井戸からくんできた水を一気に飲み込む

 

「ここ数ヶ月アレンの動きは見違えるように変わった、今では午後まで俺の攻撃に耐えられるようになったしな」

「いえ!まだまだです!師匠が手加減してくれているおかげです!それにまだまだ師匠の足元にも及びません。これからもっと練習していつか師匠に一発当ててやります!」

 

そう元気に話したアレンはそばの剣を取るとそのまま素振りをしだした。

実際数ヶ月でアレンは全身に筋肉がつき、技のキレも上がっている。

このまま行けばいずれ冒険者としても活躍できるだろうと水篠は思っていた。

 

 

 

 

アレンとの訓練を終え水篠が向かった先は少し大きな屋敷。

いつものようにコンコンと水篠がドアを叩くとドタバタと足音が聞こえがチャリと扉が開かれた。

 

「いらっしゃい!シュン!」

そこには仮面を被った赤装束の少女、イビルアイがいた

 

数ヶ月前蒼の薔薇に依頼した武技の習得は思ったより簡単にできた。

というのも最初の集中力を消費するという感覚を掴むのには時間がかかったが、そこから武技の会得は思ったよりスムーズに進んで行った。

これには指導役のガガーランも驚いており水篠に才能があると見込んでいた。

 

そんなこんなで最初に予定していた期間よりも大幅に短縮された依頼は無事に完了。何事もなく終わったのだった。

 

しかしここで待ったをかけたのがイビルアイ。

水篠の冒険者の活動歴が浅い故の知識やまだ使い方を知らない魔法のことを教えると言い出した。

最初は断るつもりだった水篠はラキュースやガガーラン達からの強い後押しにより定期的に冒険者の知識と魔法の勉強をしに蒼の薔薇の元へ通っているのである

 

 

「〜であるからしてこの魔法陣に・・・」

イビルアイがテーブルの上で紙を広げながら魔法の事につて教鞭を取っている

水篠もこの世界の魔法を使えるかと何度か試してみたが全く効果はなく一度も魔法が発動することなく終わっている。

それでも何故イビルアイが教えているかと言うと相手の魔法をわかった方が戦闘では有利であるからである。

それに水篠も影の軍勢の魔法担当者にこの知識を使えないかもっか探索中である

 

 

 

「イビルアイ張り切ってるわね。」

「ああ、いつもあんなぐらい依頼に対して意欲的だったら…ちと怖いか」

「でもあんなイビルアイ新鮮」

「少し不気味」

 

イビルアイが教鞭をとる部屋をこっそり覗いた蒼の薔薇のメンバーはいつもと違うイビルアイに思い思い言葉を出す

 

「それで、ラキュース。あいつの情報はどうなってんだ?」

 

「あれから進展なしよ、いきなり竜王国に現れてビーストマンを殲滅して行ったくらいしか足跡が辿れないわ。まるでいきなり竜王国に転移したみたいにね。」

 

「そうか、まあここ数ヶ月で悪りいやつでは無いのは分かったが如何せん素性が分からねえからな迂闊に信用出来ねえ」

 

ガガーランの言葉に頷きどうしたものかと頭を悩ませるラキュースであった

 

 

 

 

水篠は蒼の薔薇の邸宅を後にしたあと冒険者組合に向かった

ガランとドアを開けゆっくりと組合に入る

冒険者は誰が来たか目を配るがそのプレートを見た瞬間誰かわかったらしくいつものように騒がしくなっていく

 

「なにか依頼はあるか?」

「お待ちしておりましたシュン様いくつかシュン様にお願いしたい依頼がございます。」

受付嬢はそう言うとざっといくつかの用紙を取り出す

受付嬢に話を聴きながら自身の胸元をちらりと見る

アダマンタイトになったプレートが輝いていた。

 

 

 

 

 

ミスリル級に上がった水篠はこれである程度自由が効くと聞いておりこれからのランク上げはゆっくり行おうと決めていた

 

そんなある日のこと蒼の薔薇が依頼で王都を離れやることがない水篠は1人冒険者組合に来ていた

そんな中ある男性がいきなりドアをどんと開けると大声を上げ助けを乞うた

 

「た、大変だ王都の東門付近にギガント・バジリスクが2体出やがった!早急に誰か討伐してくれ!」

 

慌てた男の話に組合は一気に喧騒が走る

 

「おいやべえぞ蒼の薔薇は今ほかの依頼でいねえんだよな!」

 

「どうするんだこれ」

 

口々に飛び交う議論に場は一瞬にして忙しくなる

 

 

「シュン様、受けていただきたい依頼がございます」

 

水篠がどうしたものかと悩んでいると受付嬢が水篠の正面に回り込みこちらに向かってくる

 

水篠は今から起こる事を考え少しため息をついた

 

 

 

 

ギガントバジリスク。難度83にもなるモンスターで、蜥蜴にも蛇にも似た全長十メートルの巨体を持ち、石化の視線や即死級の猛毒の体液を有し、分厚い皮膚はミスリルにも匹敵するという。巨体だが、蛇のように狭い場所も侵入を得意としている。

 

その説明を受け門の前で待ち構える水篠

先程受付嬢が言っていた依頼はもちろんギガントバジリスクの討伐である。

何故か今国内にはシュン以上のランクのものが出払っており指名できる人物が水篠しかいなかったのが原因である

 

 

もちろん水篠だけではなく魔法が使える詠唱者は城壁の上で何時でも撃てるよう待機している。

 

準備運動もそこそこに遠目で見えるくらいの距離に来た2匹のバジリスクを捉える水篠

 

「来たぞー!魔法詠唱用意!」

 

一斉に打ち込まれる魔法、しかしギガントバジリスクはものともせずに走り一直線に水篠目掛けて突っ込んでくる

 

「は〜」

 

と息を吐き出しいつものように短剣を構えると一気に地面を蹴り上げ急接近する

 

急に来た水篠に驚いたバジリスクは咄嗟に石化の視線を放つ、が

 

「無駄だ」

 

水篠には聞かない

 

右手の短剣を右にいたバジリスクの目に投げその隙に左のバジリスクに近ずく

 

スンッと一線を放った時にはギガントバジリスクの首は落ちていた

 

目に短剣が刺さったバジリスクは近ずけないように暴れていたが水篠は上に飛び上がりそのまま眉間に短剣を深くさした

 

時間にして10秒もかからないこの交戦は後に冒険者の間で語り継がれ「黒の疾風」と名ずけられることになった。

その後水篠は飛び級でアダマンタイト級に昇格。

意図せずして自身が目指していた目的を達成してしまったのである。

 

 

 

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