少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第3話-新たな装備、這い寄る影-

――新装備の実戦投入、そして迫る影

 

薄曇りの空の下、鎮守府の桟橋には緊張が漂っていた。

今日は、新しく製造した装備の“実戦テスト”を兼ねた小規模任務。

 

玲奈は艦娘たちを見渡し、静かに告げた。

 

「今回の任務は沿岸警戒。

 敵の小型艦隊が出る可能性があるわ。

 新装備の性能を確かめるにはちょうどいい」

 

暁が胸を張る。

 

「暁、レディとして頑張るわ!」

 

雪風は魚雷を抱えながら笑う。

 

「新しい魚雷……雪風、ちょっとワクワクします!」

 

冬月は冷静に装備を確認し、

島風は「島風、もっと速くなれるかな!」と跳ねている。

 

大和と鳳翔は後方から静かに見守っていた。

 

玲奈は深く息を吸い、手を上げた。

 

「――全艦、出撃」

 

---

 

◆ 海上 ――“新装備”の力

 

海は穏やかだった。

だが、艦娘たちの表情は引き締まっている。

 

暁が前方を指差す。

 

「敵影発見! 小型艦3、接近中!」

 

玲奈は即座に指示を出す。

 

「雪風、島風、前へ!

 冬月、暁を援護!」

 

「了解っ!」

「任せて!」

「……了解」

 

敵艦が砲撃を開始。

海面に水柱が立つ。

 

玲奈は叫ぶ。

 

「雪風、新型魚雷、試してみて!」

 

「はいっ!」

 

雪風が魚雷を発射する。

その動きは滑らかで、命中精度が高い。

 

敵艦の一隻が爆発した。

 

暁が驚く。

 

「す、すごい……! 前より命中率が高いわ!」

 

冬月も静かに頷く。

 

「……悪くない」

 

島風が続く。

 

「島風も行くよーっ!」

 

島風の高速移動に合わせて、暁が砲撃を重ねる。

二隻目が沈む。

 

玲奈は確信した。

 

(この子たち……確実に強くなってる)

 

---

 

◆ しかし――“違和感”

 

残る敵艦は一隻。

だが、その動きが妙だった。

 

雪風が眉をひそめる。

 

「提督……あの敵艦、なんだか変です……」

 

暁も不安そうに呟く。

 

「動きが……速い?」

 

冬月は冷静に観察し、言った。

 

「……あれ、普通じゃない」

 

島風が目を見開く。

 

「島風より速い……?」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(敵の小型艦が……島風より速い?

 そんなこと、あり得るの?)

 

その時――

敵艦が急旋回し、こちらに突っ込んできた。

 

「全艦、回避!」

 

玲奈の叫びと同時に、海面が爆ぜた。

 

---

 

◆ 大和の盾

 

敵艦の砲撃が雪風に向かう。

 

「雪風、危ない!」

 

玲奈が叫ぶより早く――

大和が前に出た。

 

「玲奈さん、下がって!」

 

大和の装甲が砲撃を受け止め、火花が散る。

 

雪風が震える。

 

「だ、大和さん……!」

 

大和は静かに微笑む。

 

「大丈夫です。

 私は……皆さんの盾ですから」

 

玲奈はすぐに指示を出す。

 

「冬月、暁、援護射撃!

 島風、敵の背後に回り込んで!」

 

「了解!」

「任せて!」

「……行く」

 

島風が高速で敵艦の背後に回り込み、

雪風が魚雷を発射。

 

敵艦が爆発し、海に沈んだ。

 

---

 

◆ 勝利――しかし残る不安

 

暁が息をつく。

 

「勝った……!」

 

雪風は胸に手を当てる。

 

「雪風……ちょっと怖かったです……」

 

冬月は静かに言う。

 

「……あの敵艦、普通じゃない」

 

島風も頷く。

 

「島風より速いなんて……ありえないよ……」

 

玲奈は唇を噛んだ。

 

(敵が……強くなっている?

 それとも……新しいタイプ?)

 

大和が玲奈の隣に立つ。

 

「玲奈さん。

 あの敵艦……まるで“誰かに強化された”ようでした」

 

玲奈は息を呑む。

 

(まさか……司令部が言っていた“新型深海棲艦”……?)

 

---

 

◆ 不穏な影

 

帰還後、玲奈は作戦報告書を書きながら呟いた。

 

「新装備は有効。

 艦隊の連携も向上。

 しかし――」

 

ペンが止まる。

 

「敵の動きに異常あり。

 従来の深海棲艦とは明らかに違う」

 

大和が静かに言う。

 

「玲奈さん……

 これからの戦いは、今までとは違うものになります」

 

玲奈は深く息を吸った。

 

「ええ。

 ――第三章、“航路奪還”が始まる」

 

窓の外の海は、どこか不気味に静かだった。

 

---

 

◆ 第二章・完

次はいよいよ 第三章「航路奪還開始」。

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