少しおかしな艦娘達と提督が生きるために 作:大和
――新装備の実戦投入、そして迫る影
薄曇りの空の下、鎮守府の桟橋には緊張が漂っていた。
今日は、新しく製造した装備の“実戦テスト”を兼ねた小規模任務。
玲奈は艦娘たちを見渡し、静かに告げた。
「今回の任務は沿岸警戒。
敵の小型艦隊が出る可能性があるわ。
新装備の性能を確かめるにはちょうどいい」
暁が胸を張る。
「暁、レディとして頑張るわ!」
雪風は魚雷を抱えながら笑う。
「新しい魚雷……雪風、ちょっとワクワクします!」
冬月は冷静に装備を確認し、
島風は「島風、もっと速くなれるかな!」と跳ねている。
大和と鳳翔は後方から静かに見守っていた。
玲奈は深く息を吸い、手を上げた。
「――全艦、出撃」
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◆ 海上 ――“新装備”の力
海は穏やかだった。
だが、艦娘たちの表情は引き締まっている。
暁が前方を指差す。
「敵影発見! 小型艦3、接近中!」
玲奈は即座に指示を出す。
「雪風、島風、前へ!
冬月、暁を援護!」
「了解っ!」
「任せて!」
「……了解」
敵艦が砲撃を開始。
海面に水柱が立つ。
玲奈は叫ぶ。
「雪風、新型魚雷、試してみて!」
「はいっ!」
雪風が魚雷を発射する。
その動きは滑らかで、命中精度が高い。
敵艦の一隻が爆発した。
暁が驚く。
「す、すごい……! 前より命中率が高いわ!」
冬月も静かに頷く。
「……悪くない」
島風が続く。
「島風も行くよーっ!」
島風の高速移動に合わせて、暁が砲撃を重ねる。
二隻目が沈む。
玲奈は確信した。
(この子たち……確実に強くなってる)
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◆ しかし――“違和感”
残る敵艦は一隻。
だが、その動きが妙だった。
雪風が眉をひそめる。
「提督……あの敵艦、なんだか変です……」
暁も不安そうに呟く。
「動きが……速い?」
冬月は冷静に観察し、言った。
「……あれ、普通じゃない」
島風が目を見開く。
「島風より速い……?」
玲奈は息を呑んだ。
(敵の小型艦が……島風より速い?
そんなこと、あり得るの?)
その時――
敵艦が急旋回し、こちらに突っ込んできた。
「全艦、回避!」
玲奈の叫びと同時に、海面が爆ぜた。
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◆ 大和の盾
敵艦の砲撃が雪風に向かう。
「雪風、危ない!」
玲奈が叫ぶより早く――
大和が前に出た。
「玲奈さん、下がって!」
大和の装甲が砲撃を受け止め、火花が散る。
雪風が震える。
「だ、大和さん……!」
大和は静かに微笑む。
「大丈夫です。
私は……皆さんの盾ですから」
玲奈はすぐに指示を出す。
「冬月、暁、援護射撃!
島風、敵の背後に回り込んで!」
「了解!」
「任せて!」
「……行く」
島風が高速で敵艦の背後に回り込み、
雪風が魚雷を発射。
敵艦が爆発し、海に沈んだ。
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◆ 勝利――しかし残る不安
暁が息をつく。
「勝った……!」
雪風は胸に手を当てる。
「雪風……ちょっと怖かったです……」
冬月は静かに言う。
「……あの敵艦、普通じゃない」
島風も頷く。
「島風より速いなんて……ありえないよ……」
玲奈は唇を噛んだ。
(敵が……強くなっている?
それとも……新しいタイプ?)
大和が玲奈の隣に立つ。
「玲奈さん。
あの敵艦……まるで“誰かに強化された”ようでした」
玲奈は息を呑む。
(まさか……司令部が言っていた“新型深海棲艦”……?)
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◆ 不穏な影
帰還後、玲奈は作戦報告書を書きながら呟いた。
「新装備は有効。
艦隊の連携も向上。
しかし――」
ペンが止まる。
「敵の動きに異常あり。
従来の深海棲艦とは明らかに違う」
大和が静かに言う。
「玲奈さん……
これからの戦いは、今までとは違うものになります」
玲奈は深く息を吸った。
「ええ。
――第三章、“航路奪還”が始まる」
窓の外の海は、どこか不気味に静かだった。
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◆ 第二章・完
次はいよいよ 第三章「航路奪還開始」。