少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第三章-作戦開始-
第1話-取り戻すために-


――航路奪還作戦、発令

 

朝の執務室は、いつもより重い空気に包まれていた。

玲奈は机に置かれた通信端末を見つめていた。

そこには、司令部からの緊急文書が届いている。

 

《至急:航路奪還作戦の開始について》

 

玲奈は深く息を吸い、文書を開いた。

 

読み進めるにつれ、眉がひそめられていく。

 

(……やっぱり、こう来たか)

 

大和が静かに尋ねる。

 

「玲奈さん……何が書かれていたのですか?」

 

玲奈は端末を机に置き、苦笑した。

 

「“航路奪還作戦を開始せよ”。

 ――この10人で、よ」

 

大和の表情がわずかに曇る。

 

「……無茶です」

 

「無茶じゃないわ。

 “殺す気”よ」

 

玲奈は立ち上がった。

 

「全艦娘、作戦室に集合」

 

---

 

◆ 作戦室 ――理不尽な命令

 

艦娘たちが揃うと、玲奈は作戦書を掲げた。

 

「司令部から正式に命令が来たわ。

 “航路奪還作戦”を開始する」

 

暁が息を呑む。

 

「こ、航路奪還って……あの、アメリカとの……?」

 

「そうよ。

 私たちの鎮守府が担当するのは“第一段階”。

 沿岸から中距離海域までの制圧」

 

雪風が不安そうに手を挙げる。

 

「提督……それって……大きな艦隊がやる作戦じゃ……?」

 

「本来はね。

 でも司令部は“この10人でやれ”と言ってきた」

 

冬月は静かに呟く。

 

「……無茶」

 

島風は落ち着かない様子で足踏みする。

 

「島風たち……勝てるの……?」

 

玲奈は全員を見渡し、はっきりと言った。

 

「勝てるかどうかじゃない。

 ――やるしかないのよ」

 

その言葉に、艦娘たちの表情が引き締まる。

 

---

 

◆ 敵の“異常強化”の報告

 

玲奈は作戦書の別ページを開いた。

 

「それと……もう一つ重要な情報がある」

 

青葉が身を乗り出す。

 

「新情報ですか?」

 

「ええ。

 司令部は“新型深海棲艦”の存在を確認したらしい」

 

雪風が震える。

 

「新型……?」

 

冬月は目を細める。

 

「……あの時の敵艦みたいな?」

 

玲奈は頷いた。

 

「そう。

 第二章の最後に遭遇した、あの異常な速度の敵艦。

 あれは偶然じゃない。

 “意図的に強化された個体”よ」

 

暁が不安そうに呟く。

 

「じゃあ……これから戦う敵は……もっと強いの?」

 

「その可能性が高いわ」

 

島風は拳を握りしめた。

 

「島風……負けたくないよ……!」

 

玲奈は静かに言った。

 

「負けないわ。

 でも、油断はできない」

 

---

 

◆ 大和の決意

 

大和が一歩前に出た。

 

「皆さん。

 この作戦は、私たちにとって大きな試練です。

 ですが……私は、玲奈さんと皆さんを守ります」

 

暁が頷く。

 

「暁も……レディとして頑張るわ!」

 

雪風は胸に手を当てる。

 

「雪風……みんなで帰りたいです」

 

冬月は静かに言う。

 

「……生きて帰る」

 

島風は笑顔を作る。

 

「島風、みんなと走る!」

 

玲奈はその姿を見て、胸が熱くなった。

 

(この子たち……本当に強くなった)

 

---

 

◆ 作戦開始前夜 ――嵐の気配

 

夕暮れ。

玲奈は執務室で作戦地図を見つめていた。

 

大和がそっと近づく。

 

「玲奈さん……不安ですか?」

 

玲奈は苦笑した。

 

「不安じゃないわけないでしょう。

 でも……あなたがいるから、私は立っていられる」

 

大和は微笑む。

 

「私も同じです。

 あなたがいるから、私は戦えます」

 

玲奈は大和の手を握った。

 

「明日からが本番よ。

 ――絶対に、誰も失わない」

 

大和は静かに頷いた。

 

「はい。

 私たちは……必ず帰ってきます」

 

窓の外の海は、どこか不気味に静かだった。

まるで嵐の前のように。

 

---

 

◆ 第三章、開幕

 

こうして、

“航路奪還作戦” が正式に始まった。

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