少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第2話-異変-

――第一海域、敵強化の真実

 

薄い霧が海面を覆っていた。

視界は悪く、風は冷たい。

まるで海そのものが“何かを隠している”ようだった。

 

玲奈は艦隊の先頭に立つ暁を見つめながら、胸の奥に重いものを感じていた。

 

(……この海域、何かがおかしい)

 

大和が静かに近づく。

 

「玲奈さん。

 海が……静かすぎます」

 

「ええ。

 まるで“待ち伏せ”されているみたい」

 

暁が前方を指差した。

 

「て、提督……!

 海面に……何かいる!」

 

---

 

◆ 敵影――“異常な反応”

 

雪風が索敵機のデータを確認し、顔を青ざめさせた。

 

「て、提督……反応が……変です……

 深海棲艦の反応なのに……“二重”になってます……」

 

冬月が静かに呟く。

 

「……二重?

 そんなの、今までなかった」

 

島風は不安そうに足踏みする。

 

「島風、嫌な感じがする……」

 

玲奈は即座に判断した。

 

「全艦、戦闘態勢!

 敵は“普通じゃない”わ!」

 

その瞬間――

海面が爆ぜた。

 

黒い影が、霧の中から姿を現す。

 

---

 

◆ 新型深海棲艦、出現

 

それは、今までの深海棲艦とは明らかに違っていた。

 

- 船体は黒く光り、装甲が異様に厚い

- 目は赤く、まるで“怒り”を宿している

- そして何より――動きが速い

 

暁が叫ぶ。

 

「な、なにあれ……!?

 深海棲艦……なの……?」

 

雪風が震える。

 

「雪風……あんなの、見たことないです……!」

 

冬月は冷静に言った。

 

「……あれ、“強化されてる”」

 

島風は目を見開く。

 

「島風より速い……!」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(やっぱり……司令部の言っていた“新型”……!)

 

---

 

◆ 開戦

 

「全艦、散開!

 暁、雪風、前へ!

 冬月、島風は援護!」

 

「了解っ!」

「雪風、行きます!」

「……了解」

「島風、走る!」

 

敵艦が高速で接近し、砲撃を開始。

海面が爆ぜ、白い霧がさらに濃くなる。

 

玲奈は叫ぶ。

 

「大和、前へ!

 あなたが盾になって!」

 

「はい!」

 

大和が前に出て、敵の砲撃を受け止める。

装甲に火花が散り、海が震える。

 

暁が叫ぶ。

 

「大和さん、すごい……!」

 

雪風が魚雷を発射する。

 

「当たれ……!」

 

だが――

敵艦は魚雷を“見てから”避けた。

 

雪風が絶句する。

 

「えっ……避けられた……?」

 

冬月が冷静に言う。

 

「……あれ、学習してる」

 

玲奈は歯を食いしばった。

 

(魚雷を見て避けるなんて……

 そんなの、ただの深海棲艦じゃない)

 

---

 

◆ 敵の“異常な知性”

 

敵艦が急旋回し、島風に向かって突っ込む。

 

「島風、危ない!」

 

玲奈の叫びより早く――

大和が島風の前に立った。

 

「島風さん、下がって!」

 

砲撃が大和の装甲に直撃。

大和の身体が大きく揺れる。

 

島風が叫ぶ。

 

「大和さんっ!!」

 

大和は微笑んだ。

 

「大丈夫……まだ動けます」

 

玲奈は即座に指示を出す。

 

「冬月、暁、援護射撃!

 雪風、島風と連携して敵の背後へ!」

 

「了解!」

「暁、行くわ!」

「雪風、行きます!」

「島風、速く動く!」

 

駆逐艦4人が連携し、敵艦の動きを封じる。

雪風の魚雷が再び発射され――

今度は命中した。

 

敵艦が爆発し、海に沈む。

 

---

 

◆ 勝利――しかし

 

暁が息をつく。

 

「勝った……!」

 

雪風は胸に手を当てる。

 

「雪風……怖かったです……」

 

冬月は静かに言う。

 

「……あれ、普通じゃない」

 

島風は震えながら呟く。

 

「島風……あんな速い敵、初めて……」

 

玲奈は敵艦の残骸を見つめた。

 

(この敵……“誰かが作った”みたいな動きだった)

 

大和が玲奈の隣に立つ。

 

「玲奈さん……

 この戦い、何かがおかしい」

 

玲奈は頷いた。

 

「ええ。

 ――これは、ただの深海棲艦じゃない」

 

霧の向こうの海は、不気味なほど静かだった。

 

まるで、

“もっと強い何か”が待っている

と告げているように。

 

 

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