少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第四章-補給途絶-
第1話-終わりの始まり-


――補給途絶、孤立する鎮守府

 

朝の鎮守府は、異様なほど静かだった。

波の音だけが響き、風は冷たく、空はどんよりと曇っている。

 

玲奈は執務室で、資材報告書を見つめていた。

 

- 燃料:残りわずか

- 弾薬:最低限

- 鋼材:修理分すら足りない

- ボーキ:鳳翔の艦載機を維持できるかギリギリ

 

(……これじゃ、次の出撃は不可能よ)

 

大和が静かに入ってきた。

 

「玲奈さん……資材の状況は?」

 

玲奈は苦笑した。

 

「最悪よ。

 大和の装甲修理すら満足にできない」

 

大和は目を伏せた。

 

「……申し訳ありません。

 私がもっとしっかりしていれば――」

 

「違うわ。

 あなたがいたから、誰も沈まなかったのよ」

 

玲奈は大和の手を握った。

 

「でも……このままじゃ、本当に戦えなくなる」

 

---

 

◆ 補給船団、来ず

 

その時、青葉が駆け込んできた。

 

「提督! 予定されていた補給船団ですが……

 “来ません”!」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

「来ない……?

 どういうこと?」

 

青葉は唇を噛んだ。

 

「司令部からの連絡は……

 “補給は当面見送り。現地での自活を推奨する”

 ……以上です」

 

暁が震える声で言う。

 

「じ、自活って……

 私たち、どうやって……?」

 

雪風は不安そうに手を握りしめる。

 

「雪風……燃料がないと動けません……」

 

冬月は静かに呟く。

 

「……見捨てられた」

 

島風は涙目で叫ぶ。

 

「島風たち……どうすればいいの……?」

 

玲奈は拳を握りしめた。

 

(司令部……本気で私たちを切り捨てる気ね)

 

---

 

◆ 鳳翔の“母”としての言葉

 

鳳翔が一歩前に出た。

 

「皆さん、落ち着いてください。

 補給が来ないのは確かに厳しいですが……

 私たちは、これまでも困難を乗り越えてきました」

 

暁が鳳翔を見る。

 

「鳳翔さん……でも……」

 

鳳翔は優しく微笑んだ。

 

「大丈夫です。

 私たちは“艦隊”です。

 皆で力を合わせれば、必ず道は開けます」

 

雪風が小さく頷く。

 

「……鳳翔さんが言うなら……」

 

冬月も静かに言う。

 

「……まだ終わりじゃない」

 

島風は涙を拭いた。

 

「島風……頑張る……!」

 

玲奈は鳳翔に感謝の視線を送った。

 

(鳳翔さん……あなたがいなかったら、この艦隊は崩れていた)

 

---

 

◆ 玲奈の孤独

 

艦娘たちが解散した後、玲奈は執務室に一人残った。

 

机の上には、資材不足の報告書が積み重なっている。

 

(……どうすればいいの?

 このままじゃ、次の出撃で誰かが沈む)

 

玲奈は頭を抱えた。

 

(司令部は助けてくれない。

 補給も来ない。

 この10人だけで……どうやって戦えっていうの?)

 

その時――

そっと扉が開いた。

 

大和が静かに入ってきた。

 

「玲奈さん……一人で抱え込まないでください」

 

玲奈は顔を上げた。

 

「……大和……」

 

大和は玲奈の隣に座り、手を握った。

 

「あなたは強い。

 でも、強い人ほど……孤独になってしまう」

 

玲奈の目に涙が滲む。

 

「私……どうすればいいの……?」

 

大和は優しく微笑んだ。

 

「一緒に考えましょう。

 あなたは一人じゃありません」

 

玲奈は大和の胸に顔を埋めた。

 

「……ありがとう……大和……」

 

---

 

◆ そして、第四章が動き出す

 

その夜。

玲奈は全艦娘を集め、静かに告げた。

 

「補給は来ない。

 司令部は私たちを見捨てた。

 でも――」

 

玲奈は強く言った。

 

「私たちは生きる。

 この10人で、この鎮守府を守り抜く。

 補給が来ないなら、私たちで補給を確保する。」

 

暁が拳を握る。

 

「暁、頑張るわ!」

 

雪風が頷く。

 

「雪風……みんなで帰りたいです」

 

冬月は静かに言う。

 

「……生きる」

 

島風は笑顔を作る。

 

「島風、走るよ!」

 

鳳翔は微笑む。

 

「提督。

 私たちは、あなたと共にあります」

 

大和は玲奈の隣に立ち、静かに言った。

 

「玲奈さん。

 あなたの艦隊は……ここにいます」

 

玲奈は深く息を吸い、宣言した。

 

「――“補給途絶”。

 ここからが本当の戦いよ」

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