少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第2話-物質の余裕、心の余裕-

――資材枯渇、艦娘たちの疲労と焦燥

 

朝の鎮守府は、どこか沈んだ空気に包まれていた。

昨日の“補給途絶”の報せが、艦娘たちの心に重くのしかかっている。

 

玲奈は執務室で資材報告書を見つめていた。

 

- 燃料:残り 18%

- 弾薬:残り 22%

- 鋼材:修理分すら不足

- ボーキ:鳳翔の艦載機を維持できるかギリギリ

 

(……本当に、ギリギリね)

 

大和が静かに入ってきた。

 

「玲奈さん……資材は、やはり厳しいのですね」

 

玲奈は苦笑した。

 

「厳しいどころじゃないわ。

 このままじゃ、次の戦闘で誰かが沈む」

 

大和は目を伏せた。

 

「……私の修理も、後回しにしているのでしょう?」

 

玲奈は言葉を詰まらせた。

 

「……ごめん。でも、今は……」

 

大和は優しく微笑んだ。

 

「謝らないでください。

 あなたが守ろうとしているのは、私たち全員です」

 

玲奈は胸が締め付けられた。

 

---

 

◆ 駆逐艦たちの疲労

 

訓練場では、駆逐艦たちが動きの確認をしていた。

だが、その動きは明らかに鈍い。

 

暁は息を切らしながら言う。

 

「はぁ……はぁ……

 ご、ごめんなさい提督……暁、ちょっと疲れが……」

 

雪風は笑顔を作ろうとするが、目が赤い。

 

「雪風……大丈夫です……

 でも……ちょっと眠いかも……」

 

冬月は無表情のまま言う。

 

「……体が重い。

 燃料が足りてない」

 

島風は足を押さえながら言った。

 

「島風……脚部ユニットが痛い……

 でも、走れるよ……!」

 

玲奈は胸が痛んだ。

 

(この子たち……限界が近い)

 

---

 

◆ 鳳翔の“母”としての苦悩

 

鳳翔は艦載機の整備をしながら、深いため息をついた。

 

「提督……

 艦載機の整備に必要なボーキが、もうほとんどありません」

 

玲奈は眉をひそめた。

 

「鳳翔さん……艦載機が飛べないと、索敵も支援も……」

 

「ええ。

 次の戦闘では、十分な支援ができないかもしれません」

 

鳳翔は静かに続けた。

 

「……皆さんを守れないのが、怖いのです」

 

玲奈は鳳翔の手を握った。

 

「あなたは十分すぎるほど守ってくれているわ。

 でも……今は無理をしないで」

 

鳳翔は微笑んだ。

 

「ありがとうございます、提督。

 でも……私は“母”ですから」

 

玲奈は胸が痛んだ。

 

---

 

◆ 敵の影

 

その時、伊13が駆け込んできた。

 

「て、提督……!

 海の向こうに……“何か”います……!」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

「敵……?」

 

伊13は震えながら言う。

 

「わかりません……

 でも……深海棲艦の反応とは違う……

 もっと……重い……」

 

冬月が静かに呟く。

 

「……嫌な予感」

 

雪風は不安そうに言う。

 

「雪風……怖いです……」

 

暁は拳を握りしめる。

 

「暁……レディとして頑張るけど……

 でも……怖いわ……」

 

島風は震えながら言う。

 

「島風……走れるけど……

 でも……逃げるのは嫌……!」

 

玲奈は深く息を吸った。

 

(敵が動いている……

 補給が途絶えたこのタイミングで……)

 

---

 

◆ 玲奈の決断

 

玲奈は全員を集め、静かに告げた。

 

「いい?

 補給は来ない。

 資材は尽きかけている。

 でも――」

 

玲奈は強く言った。

 

「私たちは生きる。

 この鎮守府を守り抜く。

 補給が来ないなら、私たちで確保する。」

 

暁が頷く。

 

「暁、頑張るわ!」

 

雪風が胸に手を当てる。

 

「雪風……みんなで帰りたいです」

 

冬月は静かに言う。

 

「……生きる」

 

島風は涙を拭く。

 

「島風、走るよ……!」

 

鳳翔は微笑む。

 

「提督。

 私たちは、あなたと共にあります」

 

大和は玲奈の隣に立ち、静かに言った。

 

「玲奈さん。

 あなたの艦隊は……ここにいます」

 

玲奈は深く息を吸い、宣言した。

 

「――“補給確保作戦”を開始する」

 

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