少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第3話-賭け-

――補給確保作戦、危険な賭け

 

夜明け前の鎮守府は、薄暗く、冷たい風が吹いていた。

海は静かだが、その静けさは不気味だった。

 

玲奈は執務室で作戦地図を広げ、深く息を吸った。

 

(……補給が来ないなら、取りに行くしかない)

 

大和が静かに入ってきた。

 

「玲奈さん……本当に行くのですか?」

 

玲奈は頷いた。

 

「行かなきゃ、全員が餓死するわ。

 燃料も弾薬も、もう限界よ」

 

大和は眉を寄せた。

 

「ですが……今の艦隊は疲れています。

 無理をすれば――」

 

「無理をしなきゃ、生き残れないのよ」

 

玲奈の声は震えていた。

その震えは、恐怖ではなく“覚悟”だった。

 

---

 

◆ 作戦会議 ――「生きるための戦い」

 

作戦室に艦娘たちが集まった。

その表情は、疲労と不安に満ちている。

 

玲奈は静かに告げた。

 

「これから“補給確保作戦”を行う。

 目的は――沿岸に放棄された旧補給倉庫から、資材を回収すること」

 

暁が手を挙げる。

 

「て、提督……その倉庫って……

 深海棲艦が出るって噂の……?」

 

玲奈は頷いた。

 

「そうよ。

 だから“危険な賭け”になる」

 

雪風は不安そうに言う。

 

「雪風……怖いです……

 でも……行かないと……」

 

冬月は静かに言った。

 

「……生きるため」

 

島風は拳を握りしめる。

 

「島風、走るよ……!

 みんなで帰るために!」

 

鳳翔は優しく微笑んだ。

 

「提督。

 私も行きます。

 皆さんを守るために」

 

玲奈は頷いた。

 

「ありがとう、鳳翔さん。

 あなたの支援が必要よ」

 

大和が一歩前に出る。

 

「玲奈さん。

 私が盾になります。

 あなたの艦隊を……必ず守ります」

 

玲奈は深く息を吸い、宣言した。

 

「――全艦、準備に入って」

 

---

 

◆ 出撃前の静けさ

 

桟橋に並ぶ艦娘たち。

その表情は緊張に満ちている。

 

暁は震える手を握りしめていた。

 

「暁……レディとして頑張るわ……!」

 

雪風は深呼吸を繰り返している。

 

「雪風……大丈夫……大丈夫……」

 

冬月は静かに海を見つめていた。

 

「……嫌な気配」

 

島風は足を軽く動かしながら言う。

 

「島風、走れるよ……!

 でも……怖い……!」

 

鳳翔は艦載機を撫でながら呟いた。

 

「どうか……皆さんを守ってください」

 

大和は玲奈の隣に立ち、静かに言う。

 

「玲奈さん。

 あなたの判断は正しいです。

 私は……あなたを信じています」

 

玲奈は小さく微笑んだ。

 

「ありがとう、大和。

 行くわよ――」

 

玲奈は手を上げた。

 

「――全艦、出撃」

 

---

 

◆ 海上 ――不穏な気配

 

海は静かだった。

だが、その静けさは“嵐の前”のようだった。

 

暁が前方を見つめる。

 

「敵影……なし。

 でも……なんだか……胸がざわざわする……」

 

雪風も呟く。

 

「雪風も……嫌な感じがします……」

 

冬月は静かに言った。

 

「……海が、重い」

 

島風は落ち着かない様子で言う。

 

「島風……走りたい……でも……走れない……」

 

玲奈は胸の奥に冷たいものを感じた。

 

(……敵がいる。

 絶対にいる)

 

その時――

伊13が叫んだ。

 

「て、提督……!

 海の底に……“巨大な反応”があります……!」

 

玲奈の心臓が跳ねた。

 

「敵……?」

 

伊13は震えながら言う。

 

「深海棲艦……じゃない……

 もっと……重い……

 もっと……嫌な……」

 

大和が玲奈の前に立つ。

 

「玲奈さん。

 これは……“ただの補給作戦”ではありません」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(補給を取りに来ただけなのに……

 どうしてこんな……)

 

---

 

◆ そして――敵が動く

 

海面が揺れた。

 

波が逆巻き、風が強くなり、

海の底から“何か”が浮上しようとしていた。

 

暁が叫ぶ。

 

「て、提督……!

 何か来る……!」

 

雪風が震える。

 

「雪風……怖い……!」

 

冬月は静かに言った。

 

「……来る」

 

島風は涙目で叫ぶ。

 

「島風……逃げたくない……!」

 

玲奈は叫んだ。

 

「全艦、戦闘態勢――!」

 

海面が爆ぜた。

 

黒い影が、海の底から姿を現す。

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