少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第4話-罠-

――深海の影、“補給倉庫”の真実

 

海面を割って現れた黒い影は、深海棲艦のそれとは明らかに違っていた。

 

暁が震える声で叫ぶ。

 

「て、提督……!

 あれ……深海棲艦じゃない……!」

 

雪風は目を見開き、声を失っていた。

 

「雪風……こんなの……見たことないです……」

 

冬月は静かに呟く。

 

「……嫌な気配。

 深海棲艦より……もっと“重い”」

 

島風は涙目で叫ぶ。

 

「島風……逃げたくない……でも……怖い……!」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(これは……深海棲艦じゃない。

 “何か別のもの”が、この海にいる)

 

黒い影はゆっくりと海面に浮上し、姿を現した。

 

---

 

◆ “補給倉庫”の守護者

 

それは、巨大な黒い艦影だった。

 

- 深海棲艦のような装甲

- だが、形状は“人間の艦艇”に近い

- 目のような赤い光

- そして、背中には“補給倉庫の残骸”が絡みついている

 

鳳翔が震える声で言った。

 

「提督……あれは……

 “補給倉庫を守るために作られた”……

 人工深海棲艦……?」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(補給倉庫を守るため……?

 誰が……何のために……?)

 

大和が玲奈の前に立つ。

 

「玲奈さん。

 あれは……“ただの敵”ではありません。

 意図的に作られた“兵器”です」

 

玲奈は拳を握りしめた。

 

「……補給を取りに来ただけなのに……

 どうしてこんなものが……!」

 

---

 

◆ 開戦 ――“守護者”の異常な力

 

黒い艦影が咆哮のような音を発し、砲撃を開始した。

 

海面が爆ぜ、白い水柱が立つ。

 

暁が叫ぶ。

 

「速いっ……!

 深海棲艦より……ずっと速い……!」

 

雪風は震える。

 

「雪風……避けきれない……!」

 

冬月は冷静に言う。

 

「……照準が正確すぎる。

 まるで……“人間の艦隊”みたい」

 

島風は歯を食いしばる。

 

「島風より速い敵なんて……ずるいよ……!」

 

玲奈は叫ぶ。

 

「大和、前へ!

 あなたが盾になって!」

 

「はい!」

 

大和が前に出て、砲撃を受け止める。

装甲に火花が散り、海が震える。

 

大和の身体が大きく揺れた。

 

「大和さんっ!!」

暁が叫ぶ。

 

大和は苦しげに息を吐きながらも、微笑んだ。

 

「大丈夫……まだ動けます……」

 

玲奈は胸が締め付けられた。

 

(大和……あなたに頼りすぎている……)

 

---

 

◆ 鳳翔の限界

 

鳳翔が艦載機を飛ばそうとするが――

その手が震えていた。

 

「提督……

 ボーキが……足りません……

 艦載機を……飛ばせません……」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

「鳳翔さん……!」

 

鳳翔は申し訳なさそうに微笑んだ。

 

「ごめんなさい……

 皆さんを守りたいのに……

 もう……限界で……」

 

雪風が叫ぶ。

 

「鳳翔さん……無理しないで……!」

 

冬月は静かに言う。

 

「……支援なしで戦うしかない」

 

玲奈は歯を食いしばった。

 

(支援なしで……この敵と戦うなんて……)

 

---

 

◆ “守護者”の正体

 

敵艦が再び砲撃を開始した。

その動きは、深海棲艦とは思えないほど“合理的”だった。

 

暁が叫ぶ。

 

「提督……!

 あれ……深海棲艦じゃない……!」

 

雪風が震える声で言う。

 

「雪風……わかります……

 あれ……“人間の艦”みたい……!」

 

冬月は静かに言った。

 

「……深海棲艦の装甲を使って……

 人間の艦を“強化”している」

 

島風は目を見開く。

 

「じゃあ……あれって……

 “誰かが作った”ってこと……?」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(深海棲艦の強化……

 人工的な敵……

 補給倉庫を守る“守護者”……

 まさか……)

 

大和が静かに言った。

 

「玲奈さん。

 これは……“人間の手”が入っています」

 

玲奈は震える声で呟いた。

 

「……誰が……何のために……?」

 

---

 

◆ 決死の反撃

 

玲奈は叫んだ。

 

「全艦、反撃!

 この敵を倒さなきゃ、補給は取れない!」

 

暁が砲撃を開始し、

雪風が魚雷を発射し、

冬月が弱点を狙い、

島風が高速で敵の背後に回り込む。

 

だが――

敵はすべてを“読んでいた”。

 

- 暁の砲撃を避け

- 雪風の魚雷を見てから回避し

- 冬月の射線を遮り

- 島風の高速移動に合わせて動く

 

玲奈は絶句した。

 

(こいつ……“戦っている”……!

 ただの怪物じゃない……!)

 

大和が叫ぶ。

 

「玲奈さん!

 あれは……“知性”を持っています!」

 

玲奈は叫んだ。

 

「全艦、集中攻撃!!」

 

---

 

◆ 勝利――しかし

 

駆逐艦4人の連携がついに敵の動きを止め、

雪風の魚雷が命中し、

大和の砲撃が決定打となった。

 

黒い艦影は爆発し、海に沈んだ。

 

暁が息をつく。

 

「勝った……!」

 

雪風は涙を浮かべる。

 

「雪風……怖かったです……!」

 

冬月は静かに言う。

 

「……強すぎる」

 

島風は震えながら言う。

 

「島風……もう……走れない……」

 

鳳翔は膝をつき、息を整えていた。

 

「提督……ごめんなさい……

 支援……できなくて……」

 

玲奈は鳳翔の肩を抱いた。

 

「いいのよ……あなたは十分すぎるほど戦ったわ」

 

大和が玲奈の隣に立つ。

 

「玲奈さん……

 この敵……“誰かが作った”ものです」

 

玲奈は静かに頷いた。

 

「ええ。

 深海棲艦の強化は……偶然じゃない。

 “誰かが意図的にやっている”」

 

海は静かだった。

だがその静けさは、

“本当の敵はまだ姿を見せていない”

と告げているようだった。

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