少しおかしな艦娘達と提督が生きるために 作:大和
――深海の影、“補給倉庫”の真実
海面を割って現れた黒い影は、深海棲艦のそれとは明らかに違っていた。
暁が震える声で叫ぶ。
「て、提督……!
あれ……深海棲艦じゃない……!」
雪風は目を見開き、声を失っていた。
「雪風……こんなの……見たことないです……」
冬月は静かに呟く。
「……嫌な気配。
深海棲艦より……もっと“重い”」
島風は涙目で叫ぶ。
「島風……逃げたくない……でも……怖い……!」
玲奈は息を呑んだ。
(これは……深海棲艦じゃない。
“何か別のもの”が、この海にいる)
黒い影はゆっくりと海面に浮上し、姿を現した。
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◆ “補給倉庫”の守護者
それは、巨大な黒い艦影だった。
- 深海棲艦のような装甲
- だが、形状は“人間の艦艇”に近い
- 目のような赤い光
- そして、背中には“補給倉庫の残骸”が絡みついている
鳳翔が震える声で言った。
「提督……あれは……
“補給倉庫を守るために作られた”……
人工深海棲艦……?」
玲奈は息を呑んだ。
(補給倉庫を守るため……?
誰が……何のために……?)
大和が玲奈の前に立つ。
「玲奈さん。
あれは……“ただの敵”ではありません。
意図的に作られた“兵器”です」
玲奈は拳を握りしめた。
「……補給を取りに来ただけなのに……
どうしてこんなものが……!」
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◆ 開戦 ――“守護者”の異常な力
黒い艦影が咆哮のような音を発し、砲撃を開始した。
海面が爆ぜ、白い水柱が立つ。
暁が叫ぶ。
「速いっ……!
深海棲艦より……ずっと速い……!」
雪風は震える。
「雪風……避けきれない……!」
冬月は冷静に言う。
「……照準が正確すぎる。
まるで……“人間の艦隊”みたい」
島風は歯を食いしばる。
「島風より速い敵なんて……ずるいよ……!」
玲奈は叫ぶ。
「大和、前へ!
あなたが盾になって!」
「はい!」
大和が前に出て、砲撃を受け止める。
装甲に火花が散り、海が震える。
大和の身体が大きく揺れた。
「大和さんっ!!」
暁が叫ぶ。
大和は苦しげに息を吐きながらも、微笑んだ。
「大丈夫……まだ動けます……」
玲奈は胸が締め付けられた。
(大和……あなたに頼りすぎている……)
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◆ 鳳翔の限界
鳳翔が艦載機を飛ばそうとするが――
その手が震えていた。
「提督……
ボーキが……足りません……
艦載機を……飛ばせません……」
玲奈は息を呑んだ。
「鳳翔さん……!」
鳳翔は申し訳なさそうに微笑んだ。
「ごめんなさい……
皆さんを守りたいのに……
もう……限界で……」
雪風が叫ぶ。
「鳳翔さん……無理しないで……!」
冬月は静かに言う。
「……支援なしで戦うしかない」
玲奈は歯を食いしばった。
(支援なしで……この敵と戦うなんて……)
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◆ “守護者”の正体
敵艦が再び砲撃を開始した。
その動きは、深海棲艦とは思えないほど“合理的”だった。
暁が叫ぶ。
「提督……!
あれ……深海棲艦じゃない……!」
雪風が震える声で言う。
「雪風……わかります……
あれ……“人間の艦”みたい……!」
冬月は静かに言った。
「……深海棲艦の装甲を使って……
人間の艦を“強化”している」
島風は目を見開く。
「じゃあ……あれって……
“誰かが作った”ってこと……?」
玲奈は息を呑んだ。
(深海棲艦の強化……
人工的な敵……
補給倉庫を守る“守護者”……
まさか……)
大和が静かに言った。
「玲奈さん。
これは……“人間の手”が入っています」
玲奈は震える声で呟いた。
「……誰が……何のために……?」
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◆ 決死の反撃
玲奈は叫んだ。
「全艦、反撃!
この敵を倒さなきゃ、補給は取れない!」
暁が砲撃を開始し、
雪風が魚雷を発射し、
冬月が弱点を狙い、
島風が高速で敵の背後に回り込む。
だが――
敵はすべてを“読んでいた”。
- 暁の砲撃を避け
- 雪風の魚雷を見てから回避し
- 冬月の射線を遮り
- 島風の高速移動に合わせて動く
玲奈は絶句した。
(こいつ……“戦っている”……!
ただの怪物じゃない……!)
大和が叫ぶ。
「玲奈さん!
あれは……“知性”を持っています!」
玲奈は叫んだ。
「全艦、集中攻撃!!」
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◆ 勝利――しかし
駆逐艦4人の連携がついに敵の動きを止め、
雪風の魚雷が命中し、
大和の砲撃が決定打となった。
黒い艦影は爆発し、海に沈んだ。
暁が息をつく。
「勝った……!」
雪風は涙を浮かべる。
「雪風……怖かったです……!」
冬月は静かに言う。
「……強すぎる」
島風は震えながら言う。
「島風……もう……走れない……」
鳳翔は膝をつき、息を整えていた。
「提督……ごめんなさい……
支援……できなくて……」
玲奈は鳳翔の肩を抱いた。
「いいのよ……あなたは十分すぎるほど戦ったわ」
大和が玲奈の隣に立つ。
「玲奈さん……
この敵……“誰かが作った”ものです」
玲奈は静かに頷いた。
「ええ。
深海棲艦の強化は……偶然じゃない。
“誰かが意図的にやっている”」
海は静かだった。
だがその静けさは、
“本当の敵はまだ姿を見せていない”
と告げているようだった。