少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第5話-迫る影-

帰還――そして、鎮守府に迫る影

 

海は夕焼けに染まり、波は静かだった。

だが、その静けさは“安堵”ではなく――

疲労と痛みの沈黙だった。

 

補給倉庫の“守護者”を撃破した艦隊は、

資材を積み込み、ゆっくりと鎮守府へ帰還していた。

 

暁はふらつきながら言う。

 

「て、提督……もう少しで帰れるわ……」

 

雪風は胸に手を当て、息を整えていた。

 

「雪風……頑張りました……

 でも……もう動けないかも……」

 

冬月は静かに呟く。

 

「……限界。

 でも……帰らなきゃ」

 

島風は脚部ユニットを押さえながら言う。

 

「島風……走れない……

 でも……みんなと帰りたい……!」

 

鳳翔は艦載機を抱えたまま、膝を震わせていた。

 

「提督……

 皆さん……本当によく頑張りました……」

 

大和は玲奈の隣に立ち、静かに言った。

 

「玲奈さん……

 この艦隊は……よく生き残りました」

 

玲奈は深く息を吸った。

 

「ええ……

 でも、まだ終わってないわ」

 

---

 

◆ 帰還――しかし鎮守府は“静かすぎた”

 

桟橋が見えてきた。

だが――

そこには誰もいなかった。

 

暁が首を傾げる。

 

「……誰も出迎えに来ないの?」

 

雪風は不安そうに言う。

 

「雪風……嫌な感じがします……」

 

冬月は海を見つめたまま呟く。

 

「……静かすぎる」

 

島風は震えながら言う。

 

「島風……怖い……」

 

玲奈は胸の奥に冷たいものを感じた。

 

(鎮守府……何かあった?

 それとも……)

 

---

 

◆ 資材の搬入――そして“違和感”

 

艦娘たちは疲れ切った身体で資材を運び始めた。

だが、鳳翔がふと足を止めた。

 

「提督……

 鎮守府の空気が……重いです」

 

玲奈は周囲を見渡した。

 

- 風が止んでいる

- 波の音が弱い

- 空気が冷たい

- そして――“誰かに見られている”ような感覚

 

大和が玲奈の前に立つ。

 

「玲奈さん……

 これは……“敵の気配”です」

 

玲奈は息を呑んだ。

 

(まさか……鎮守府の近くまで……?)

 

---

 

◆ 青葉の報告 ――“異常反応”

 

その時、青葉が駆け込んできた。

 

「提督っ!!

 鎮守府の外周で……“異常反応”を確認しました!」

 

玲奈は振り返る。

 

「異常反応……?

 深海棲艦?」

 

青葉は首を振った。

 

「違います……

 深海棲艦の反応じゃありません……

 もっと……重くて……濃い……

 “あの守護者”に近い反応です!」

 

暁が震える。

 

「じゃ、じゃあ……

 あれと同じような敵が……?」

 

雪風は涙目で言う。

 

「雪風……もう戦えません……」

 

冬月は静かに言う。

 

「……敵は、私たちを追ってきた」

 

島風は震えながら叫ぶ。

 

「島風……逃げたくない……

 でも……怖い……!」

 

玲奈は拳を握りしめた。

 

(補給を確保した瞬間に……

 敵が鎮守府に迫っている……?

 これは……偶然じゃない)

 

---

 

◆ 玲奈の決断

 

玲奈は全員を見渡し、静かに言った。

 

「いい?

 今の私たちは戦えない。

 でも――鎮守府を守らなきゃいけない」

 

暁が頷く。

 

「暁……頑張るわ……!」

 

雪風は震えながらも言う。

 

「雪風……みんなで帰りたいです……」

 

冬月は静かに言う。

 

「……生きる」

 

島風は涙を拭いた。

 

「島風……走るよ……!」

 

鳳翔は玲奈の肩に手を置いた。

 

「提督。

 私たちは……あなたと共にあります」

 

大和は玲奈の隣に立ち、静かに言った。

 

「玲奈さん。

 あなたの艦隊は……ここにいます」

 

玲奈は深く息を吸い、宣言した。

 

「――全艦、警戒態勢。

 鎮守府に迫る影を迎え撃つ準備をするわ」

 

---

 

◆ 次章へ繋がる“影”

 

その瞬間――

鎮守府の外の海が、不気味に揺れた。

 

まるで、

“何か巨大なもの”が海底を這っている

かのように。

 

玲奈はその気配を感じ、呟いた。

 

「……来る」

 

大和が静かに言う。

 

「はい。

 “本当の敵”が……」

 

鳳翔は目を閉じ、祈るように呟いた。

 

「皆さん……どうか無事で……」

 

そして――

第四章は幕を閉じ、

次章――“襲撃編” が始まる。

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