少しおかしな艦娘達と提督が生きるために   作:大和

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第2話-防衛戦-

鎮守府包囲――深海の影、上陸

 

夜の帳が降りた鎮守府は、異様な静けさに包まれていた。

波は弱く、風は止まり、空気は重い。

まるで――

海そのものが息を潜めている

かのようだった。

 

玲奈は司令塔の窓から海を見つめていた。

 

(来る……

 絶対に来る……)

 

その直感は、恐怖ではなく“確信”だった。

 

大和が静かに近づく。

 

「玲奈さん……

 海が……鳴いています」

 

玲奈は頷いた。

 

「ええ。

 敵が……来てる」

 

---

 

◆ 海が“揺れる”

 

その瞬間――

海が、低く唸った。

 

ゴォォォォォ……

 

暁が震える声で叫ぶ。

 

「な、なに……この音……!?

 海が……怒ってる……!」

 

雪風は耳を塞ぎ、涙目で言う。

 

「雪風……怖い……!

 こんなの……初めて……!」

 

冬月は静かに呟く。

 

「……来る。

 深海棲艦じゃない……

 もっと……重いものが」

 

島風は脚を震わせながら叫ぶ。

 

「島風……逃げたくない……!

 でも……怖いよ……!」

 

鳳翔は艦載機を抱え、祈るように呟いた。

 

「皆さん……どうか無事で……」

 

玲奈は拳を握りしめた。

 

(この子たちは……もう限界なのに……

 どうして……こんな時に……)

 

---

 

◆ 青葉の報告 ――“包囲”

 

青葉が通信室から飛び込んできた。

 

「提督っ!!

 鎮守府の外周――

 三方向から敵反応です!!」

 

玲奈は振り返る。

 

「三方向……!?

 深海棲艦の群れ?」

 

青葉は首を振った。

 

「違います……

 深海棲艦の反応じゃありません……

 “あの守護者”と同じ……

 人工的な反応です!」

 

暁が青ざめる。

 

「じゃ、じゃあ……

 あれが……何体も……?」

 

雪風は震えながら言う。

 

「雪風……戦えません……

 でも……逃げたくない……!」

 

冬月は静かに言った。

 

「……敵は、私たちを“狙って”来ている」

 

島風は涙をこぼしながら叫ぶ。

 

「島風……みんなと走りたい……!

 でも……もう走れない……!」

 

玲奈は胸が締め付けられた。

 

(敵は……補給倉庫の守護者だけじゃなかった。

 あれは……“前触れ”だったんだ)

 

---

 

◆ 玲奈の決断 ――逃げ場なし

 

玲奈は全員を見渡し、静かに言った。

 

「いい?

 今の私たちは……戦える状態じゃない。

 でも――」

 

玲奈は強く言った。

 

「逃げ場はない。

 ここが……私たちの家よ。

 守るしかない。」

 

暁が涙を拭き、頷く。

 

「暁……レディとして……頑張るわ……!」

 

雪風は震えながらも言う。

 

「雪風……みんなで……帰りたいです……!」

 

冬月は静かに言う。

 

「……生きるために戦う」

 

島風は涙をこぼしながら叫ぶ。

 

「島風……走るよ……!

 みんなを守るために……!」

 

鳳翔は玲奈の肩に手を置いた。

 

「提督。

 私たちは……あなたと共にあります」

 

大和は玲奈の前に立ち、静かに言った。

 

「玲奈さん。

 私が盾になります。

 あなたの艦隊を……必ず守ります」

 

玲奈は深く息を吸い、宣言した。

 

「――全艦、迎撃態勢。

 鎮守府を守るわよ!」

 

---

 

◆ 海から“影”が上陸する

 

その瞬間――

海面が爆ぜた。

 

黒い影が、海から這い上がるように姿を現す。

 

- 深海棲艦ではない

- 人間の艦艇の形をしている

- だが装甲は深海棲艦のもの

- 目のような赤い光

- そして、動きは“人間の艦隊”そのもの

 

暁が絶叫する。

 

「来た……!!

 鎮守府に……来た!!」

 

雪風は涙をこぼす。

 

「雪風……怖い……でも……戦う……!」

 

冬月は静かに言う。

 

「……これが……“本当の敵”」

 

島風は震えながら叫ぶ。

 

「島風……負けたくない……!!」

 

玲奈は叫んだ。

 

「――“鎮守府防衛戦――第一波”

 始めるわよ!!」

 

海は、黒い影で埋め尽くされていた。

 

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