少しおかしな艦娘達と提督が生きるために 作:大和
鎮守府防衛戦――第二波
第一波を撃退した直後の鎮守府は、
勝利の空気など一切なかった。
暁は膝をつき、肩で息をしていた。
「はぁ……はぁ……
て、提督……暁……もう……」
雪風は震える手で胸を押さえ、涙をこぼしていた。
「雪風……怖い……
でも……逃げたくない……」
冬月は静かに海を見つめていた。
「……海が……まだ動いてる」
島風は脚部ユニットを押さえ、震えながら言う。
「島風……もう走れない……
でも……みんなを守りたい……!」
鳳翔は艦載機を抱えたまま、膝をついていた。
「提督……
ごめんなさい……
もう……飛ばせません……」
大和は玲奈の前に立ち、装甲の裂け目から火花を散らしていた。
「玲奈さん……
私は……まだ戦えます……
でも……長くは……」
玲奈は拳を握りしめた。
(この状態で……第二波なんて来たら……)
その時――
海が、再び“鳴いた”。
ゴォォォォォ……
暁が絶叫する。
「来る……!!
第二波が……来る!!」
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◆ 第二波、出現
海面が割れ、黒い影が姿を現した。
だが第一波とは違う。
- 隊列を組んでいる
- 砲門が一斉にこちらを向いている
- 動きが“統制されている”
- まるで人間の艦隊のように整然としている
青葉が震える声で叫ぶ。
「て、提督……!
敵……“隊列を組んでます”!!
深海棲艦じゃ……ありえません!!」
玲奈は息を呑んだ。
(やっぱり……
これは“自然の敵”じゃない……
誰かが……操っている……)
冬月が静かに言う。
「……あれは“軍隊”」
雪風は涙をこぼす。
「雪風……怖い……
でも……戦う……!」
島風は震えながら叫ぶ。
「島風……逃げたくない……!!」
玲奈は叫んだ。
「――全艦、迎撃態勢!!
第二波を止める!!」
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◆ 開戦 ――“統制された敵”
敵の砲撃が一斉に放たれた。
ドォォォォォン!!
鎮守府の防壁が砕け、砂煙が舞う。
暁が叫ぶ。
「敵の砲撃……速いっ!!
第一波より……ずっと速い!!」
雪風は涙目で言う。
「雪風……避けられない……!」
冬月は冷静に言った。
「……照準が正確すぎる。
第一波より……“賢い”」
島風は歯を食いしばる。
「島風より速い敵なんて……ずるいよ……!!」
玲奈は叫ぶ。
「大和、前へ!!
あなたが盾になって!!」
「はい!!」
大和が前に出て砲撃を受け止める。
だが――
装甲が悲鳴を上げた。
バキィィィィン!!
大和の身体が大きく揺れ、膝をつく。
暁が絶叫する。
「大和さんっ!!」
大和は苦しげに息を吐きながらも、微笑んだ。
「大丈夫……まだ……動けます……」
玲奈は胸が締め付けられた。
(大和……もう限界なのに……
それでも前に出るなんて……)
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◆ 鳳翔の“最後の支援”
鳳翔は震える手で艦載機を一機だけ持ち上げた。
「提督……
これが……最後の一機です……
どうか……皆さんを……」
玲奈は叫んだ。
「鳳翔さん!!
無理しないで!!」
鳳翔は微笑んだ。
「提督……
私は“母”です。
皆さんを守れないなら……
存在する意味がありません」
その一機が飛び立ち、敵の照準を乱した。
雪風が叫ぶ。
「鳳翔さん……ありがとう……!!」
冬月は静かに言う。
「……これで……少しは戦える」
島風は涙をこぼしながら叫ぶ。
「島風……走るよ……!!」
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◆ 反撃――しかし
暁の砲撃が敵の足を止め、
雪風の魚雷が命中し、
冬月の射撃が弱点を撃ち抜き、
島風の高速突撃が決定打となる。
だが――
敵は倒れない。
玲奈は絶句した。
「……嘘……
これだけ攻撃して……倒れない……?」
青葉が叫ぶ。
「提督!!
敵の装甲……“再生”しています!!
深海棲艦の再生能力じゃありません!!
これは……人工的な……!」
玲奈は震える声で呟いた。
「……誰が……
何のために……こんな……」
大和が玲奈の前に立つ。
「玲奈さん……
これは……“第二波”です」
玲奈は息を呑んだ。
「第二波で……これ……?」
大和は静かに言った。
「はい。
海の向こうに……
“もっと大きな反応”があります」
暁が震える。
「じゃ、じゃあ……
第三波が……?」
雪風は涙をこぼす。
「雪風……もう戦えません……」
冬月は静かに言う。
「……でも、来る」
島風は震えながら叫ぶ。
「島風……逃げたくない……!!」
玲奈は拳を握りしめた。
(ここで止めなきゃ……
鎮守府が……終わる)
玲奈は叫んだ。
「――“鎮守府防衛戦――第三波”
準備に入るわよ!!」
海の向こうで、
巨大な影がゆっくりと姿を現し始めていた。
それは――
第一波・第二波とは“格”が違った。