少しおかしな艦娘達と提督が生きるために 作:大和
鎮守府防衛戦――第三波
海が、吠えた。
ゴォォォォォォォォ……
その音は、第一波・第二波とは明らかに違った。
重く、深く、濁っていて――
まるで海そのものが悲鳴を上げているようだった。
玲奈は司令塔から海を見下ろし、息を呑んだ。
(……来た。
これが……“本命”)
大和が玲奈の前に立つ。
「玲奈さん……
あれは……“艦隊”です」
玲奈は震える声で呟いた。
「……深海棲艦じゃない。
人間の艦隊を……模倣している……」
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◆ 海面を埋め尽くす“黒い艦隊”
海面が割れ、黒い影が次々と姿を現す。
- 重巡級のシルエット
- 軽巡級の動き
- 駆逐級の高速機動
- そして、その中心に――
巨大な“戦艦級”の影
暁が絶叫する。
「な、なにあれ……!?
深海棲艦じゃない……!!
“艦隊”よ……!!」
雪風は涙をこぼしながら震える。
「雪風……怖い……
でも……逃げたくない……!」
冬月は静かに言う。
「……あれは“軍隊”。
誰かが……操ってる」
島風は脚を震わせながら叫ぶ。
「島風……走れない……
でも……みんなを守りたい……!!」
鳳翔は艦載機を抱え、祈るように呟いた。
「提督……
皆さんを……どうか……」
玲奈は拳を握りしめた。
(これが……敵の“本気”……
鎮守府を……落としに来ている)
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◆ 開戦 ――“第三波”の砲撃
敵艦隊が一斉に砲撃を開始した。
ドォォォォォォォン!!
鎮守府の防壁が砕け、建物が揺れる。
暁が叫ぶ。
「敵の砲撃……速いっ!!
第二波より……ずっと速い!!」
雪風は涙目で言う。
「雪風……避けられない……!!」
冬月は冷静に言った。
「……照準が正確すぎる。
完全に……“狙ってる”」
島風は歯を食いしばる。
「島風より速い敵なんて……ずるいよ……!!」
玲奈は叫ぶ。
「大和、前へ!!
あなたが盾になって!!」
「はい!!」
大和が前に出て砲撃を受け止める。
だが――
装甲が悲鳴を上げた。
バキィィィィィン!!
大和の身体が大きく揺れ、膝をつく。
暁が絶叫する。
「大和さんっ!!」
大和は苦しげに息を吐きながらも、微笑んだ。
「大丈夫……まだ……動けます……
玲奈さん……守ります……」
玲奈は胸が締め付けられた。
(大和……もう限界なのに……
それでも前に出るなんて……)
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◆ 鳳翔の“最後の祈り”
鳳翔は艦載機を抱えたまま、震える声で言った。
「提督……
もう……飛ばせません……
でも……皆さんを……守りたい……」
玲奈は鳳翔の肩を抱いた。
「鳳翔さん……
あなたは十分すぎるほど戦ったわ」
鳳翔は微笑んだ。
「提督……
どうか……皆さんを……」
その声は、祈りのようだった。
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◆ 駆逐艦たちの“限界”
玲奈は叫んだ。
「暁、雪風、冬月、島風!!
敵の足を止めて!!
大和が持たない!!」
暁が砲撃を開始し、
雪風が魚雷を発射し、
冬月が弱点を狙い、
島風が高速で敵の背後に回り込む。
だが――
敵はすべてを“読んでいた”。
- 暁の砲撃を避け
- 雪風の魚雷を見てから回避し
- 冬月の射線を遮り
- 島風の高速移動に合わせて動く
玲奈は絶句した。
(こいつら……
“人間の戦術”を理解している……!?)
青葉が叫ぶ。
「提督!!
敵の動き……完全に“統制”されています!!
深海棲艦じゃありません!!
これは……人工的な……!」
玲奈は震える声で呟いた。
「……誰が……
何のために……こんな……」
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◆ 大和、限界突破
敵の戦艦級が砲撃を放つ。
ドォォォォォン!!
大和がその砲撃を受け止め――
装甲が砕けた。
バキィィィィィィィン!!
暁が絶叫する。
「大和さんっ!!」
雪風は泣き叫ぶ。
「いやぁぁぁ!!
大和さん……!!」
冬月は静かに言う。
「……限界」
島風は涙をこぼしながら叫ぶ。
「島風……守れない……!!」
大和は血のような光を散らしながら、
それでも立ち上がった。
「玲奈さん……
私は……まだ……戦えます……
あなたを……守るために……」
玲奈は涙をこぼした。
「大和……!!
もう無理よ……!!
お願い……下がって……!!」
大和は首を振った。
「いいえ……
私は……あなたの盾です……
あなたが……生きている限り……
私は……立ちます……」
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◆ そして――“第三波の本命”が動く
その時だった。
海の向こうで、
さらに巨大な影が動いた。
青葉が絶叫する。
「て、提督っ!!
第三波の“中心”が……動き始めました!!
反応が……桁違いです!!
あれは……“戦艦級”じゃありません!!
もっと……もっと大きい……!!」
玲奈は息を呑んだ。
(これが……
第三波の“本命”……!?)
大和が震える声で言った。
「玲奈さん……
あれは……“深海棲艦”ではありません……
もっと……別の……」
玲奈は叫んだ。
「――“鎮守府防衛戦――最終波”
ここからが本当の地獄よ!!」
海が裂け、
巨大な“黒い戦艦”が姿を現した。
その姿は――
深海棲艦でも、人間の艦でもない。
“何か別のもの”だった。