うわっ、前からタケノコが!! 作:七夕ナタ
思った以上に長くなった。
多分、ここまでがプロローグかもしれない。
お気に、感想、評価ここすき、しっかり目を通しいます。ありがとうございますもっとくれ(豹変
1:一般ナナシビト
縄文時代つまんないッピ
【写真】
2:名無しの転生者
おおよそ縄文時代に遭難してるとは思えない写真送られて来たな
3:名無しの転生者
なんか結構満喫してない?
送られてきた写真の絵面だけだとセレブがプライベートビーチで優雅にドリンク飲みながら読書してるようにしか見えんのだが、てかかぐやちゃんはどうした
4:名無しの転生者
お前はいまハワイにでもいるんか? そんで寛いでるイッチの後ろででけー葉っぱ持って仰いでる人間は誰だよ、なんでお前VIP並のサービス受けてんだよ
5:一般ナナシビト
ご近所の村にいた縄文人さん。
なんかつい先日襲撃されたんだけど、穏便な暴力でわからせたら仲良くなった。今じゃ俺の手足となって馬車馬如く働いてくれる貴重な人材やで、なぜか知らんが崇められてるっぽい。俺の溢れ出るカリスマオーラが爆発したのかもしれん
それとちんちくりんは村のチビ共と遊んでる
6:名無しの転生者
カリ、スマ……?
7:名無しの転生者
暴力で手懐けてて草
8:名無しの転生者
それって恐怖で相手を支配したの間違いでは…?
9:名無しの転生者
穏便な暴力ってなんだ……???
10:名無しの転生者
襲撃なんて物騒な二文字が出てきて心配したが、そういうやイッチってチート転生者だったわ。しかもスタレ世界から混ざり込んできた異物だからチート抜きにしても縄文人相手じゃパワーバランス狂ってるだろ
11:名無しの転生者
縄文人さんかわいそす
12:一般ナナシビト
いや、可哀想なのは俺だろ!?
武器持って襲いかかって来た相手に無手で必死に手加減しながら応戦したんだぞ。そうじゃなきゃ今頃はこの縄文人さんだってライダーに殴殺されるショッカーみたいになってたんだぞ…!
13:名無しの転生者
草、バッタオーグかよ
ちゃんとニチアサキッズフィルターつけてもろて
14:名無しの転生者
そりゃフィクションの中から飛び出してきたようなやつと、その時代に生きてるリアルな生身の人間とじゃ生物としての強度がダンチだろうから仕方ないね
15:名無しの転生者
そういやなんで襲われた&手加減したん?
16:一般ナナシビト
いや、最初こそやられたらやり返す「あなた覚悟して来てる人ですよね」の精神で行こうと思ったけど
このかぐや姫ってわりと現代っ子なんでしょ? なら目の前でショッキングな光景を見せるのもアレだなと思って、あとは本人の希望もあってそうなった
襲われた理由は知らん、よそ者は歓迎されない感じなんだろきっと
17:名無しの転生者
グッジョブ、ナイスな気遣いだぜイッチ
18:名無しの転生者
あらやだ〜♡
そういう細かい配慮ができるイケメンはポイントと高いわよぅ!
19:名無しの転生者
まあ確かにそうだな、目の前でいきなり人間が弾け飛ぶショッカーみたいになったら嫌だな。というか躊躇なくそんなことする奴が近くに居たら怖がらせるだろ
20:名無しの転生者
縄文時代の生活、寝床はあるけど飯とかはどうしてるんだ?
やっぱり縄文人たちに混ざってリアルサバイバル状態だったり
21:一般ナナシビト
だいたいそんな感じ
宇宙船に備蓄してた食料か、もしくは狩りに出て現地調達だな。サバイバル自体は元々経験あるし、縄文人と一緒に魚類とか肉類を串焼きにして食ってた美味しかったよ。あと夜は満天の星空が綺麗ですね、はい
22:名無しの転生者
やっぱりイッチ縄文時代満喫してるよな?
23:名無しの転生者
ただの現実逃避では?
24:名無しの転生者
かぐやちゃんはイッチがスタレ世界から来た異世界人的なことは知ってるのか? 何も知らないとなると、あっちからしたらタイムトラベルしたと思ったら縄文時代に怪しい現代人が生えてきたみたいになってないか
25:名無しの転生者
確かに、そういやそこら辺はお互いに認識のすり合わせはできてるの?
26:名無しの転生者
まあ、生えてきたというか光るタケノコと一般通過宇宙船が衝突事故起こした結果、相手を8000年前の世界に引き摺り込んだんですけどね。チート持ちの宇宙人じゃなかったらヤバかったな
27:名無しの転生者
説明するにしてもどう説明するんだ? 実はワイ転生者なんや!とは言えないだろうし、別の世界から来た開拓者ですって言っても通じないだろうからな
28:一般ナナシビト
そこら辺の端折りつつ、軽く説明してる
向こうも月の世界から来た宇宙人だし、わりと簡単に納得してもらえたというか。俺は別の宇宙から来たエイリアンやで〜って感じで説明してる、実際に宇宙船もあるし話が拗れることはなかったな
ややこしい
29:名無しの転生者
まあ、間違ってはないか…
30:名無しの転生者
なんも知らない人間に説明したところで何言ってんだコイツで終わるしな
31:名無しの転生者
ワイ、ホヨバゲーは原神くらいしかやったことないからスタレ世界の云々をよく知らんのやけど、イッチは原神でいう神の目をもらってる人と同じで超パワーを使える側の超人ってことでおk?
32:名無しの転生者
その認識であってる。
そういえば聞いたことなかったけどイッチってチート以外にも、というか『運命の行人』の力は持ってるんか?
33:一般ナナシビト
一応あるで
対応してるというか、一瞥されてる運命パワーだと「壊滅」と「記憶」って感じかも。チート由来の能力はスタレ世界の住人には『未知の星神』からのパワーだと思われてるッピ。完全に厄ネタ
変な猫とか物知り顔の偉い人とかに、未知の運命についてとか俺のチート能力に言及されたりしたんだけど「せやな!」って返事しつつ内心で「いやそうじゃないねん、ちゃうねん。勘違いさせてごめんて」ってずっと思ってる
34:名無しの転生者
いや草
勘違いさせてるって気づいてるな指摘してあげろよ
35:名無しの転生者
面白いから黙ってようかな、とか実は思ってたりしてないか?
36:一般ナナシビト
すまん、実はちょっと思ってる
オンパロス潜ってる時にもシリアスムーブかましながら語りかけてくるライコスに、真面目な顔しつつ何言ってんだコイツって思いながら話聞いてたりしました。なので腹いせついでに、実はこのお前の知らない未知の運命パワーの名前は「崩壊」っていうんやで! って嘘ついて勘違いを加速させて遊んでました。
いまだから懺悔します、すみませんでした
37:名無しの転生者
なにやってんだおまえ(困惑)
38:名無しの転生者
勘違いしてる天才を腹いせで振り回すんじゃないよ。ザンダーパイセンが可哀想……いや別にそんなことないかも、いいぞもっとやれイッチ
39:名無しの転生者
というかよりによってなんで「崩壊」なんだよ、意味深なワード使って謎だけ残すムーブするのやめてやれよ。
40:一般ナナシビト
いや、原作“崩壊”させるために貰ったチートだから別に間違ってはないかなって……でも調子乗った結果、適当に教えた嘘情報がライコス経由でヘルタやスクリューガムさんに広がった所為で正直冷や汗ダラダラなんよ
真面目な顔して天才たちがパチモン情報を真剣に考察と解析してるから罪悪感がすごい、これ適当な嘘だってバレたら本気でぶん殴られるじゃないか
41:名無しの転生者
そうなった時はイッチが悪いので大人しくぶん殴られるしかないな…それで済めばいいけど。3rd世界から来たヨウおじちゃんだってそのワードは困惑するだろ
42:名無しの転生者
そっちの崩壊かよ
それはそうと、かぐやちゃんは元気そうなんか?
43:一般ナナシビト
わりと元気、まあ空元気なとこもあるが…そういやそのかぐや姫に魔法的な超パワーを説明したら実際に見せてくれって言われてるんだけど、これって披露してもいいと思う?
44:名無しの転生者
危なくないなら別にいいんじゃね別に?
45:名無しの転生者
かぐやちゃんが見たいって言ってるならしのごの言わずに見せてやれよイッチ、お前の数少ない長所を活かせる瞬間が来たぞ
46:名無しの転生者
ついでに俺たちにも見せてくれイッチ、配信はよ
47:名無しの転生者
え、この脳内掲示板って配信機能とかあんの?
48:名無しの転生者
使うのは稀だけど一応あるで
この掲示板能力自体、脳内で意識して使うか支給されてるチートスマホでチャットアプリとして使うか選択できる。因みにワイはスマホの機能として使ってるで
49:名無しの転生者
知らんかったほんまや
ずっとマルチタスクというか、フルダイブとかのオンラインゲーのログみたいに視界の隅で掲示板機能垂れ流しにしてたわ。サンクス、これからはスマホに切り替えるわ
50:一般ナナシビト
【⚫︎配信を開始しました】
51:名無しの転生者
お、きたやん
というか何も言わずに始めるなって
52:名無しの転生者
マジで配信してくれるんか…!
53:名無しの転生者
……ちょっと待ってイッチ、おまえそれなに持ってんの???
54:名無しの転生者
猛烈に嫌な予感がするんですが
「多分、これでいいんだよな……?」
急に配信云々なんて言われてもそんな機能を今まで使ったことなんてなかった為、操作はおぼつかず不安が残るがまあ大丈夫だろう。
なんて思いながらスマホを立て掛ける場所を探すが現在地は開けた海辺である為にそんなものは見つからず、三脚なども持ち合わせがあるわけではない。
なので仕方なく、海辺の砂浜へカメラのレンズを隠さないようにしながら突き刺しておく。
一緒に行動していた縄文人にスマホを持たせてカメラマンでもやってもらおうかと考えたが、これからやることに対して目撃者は少ない方がいいかと人払いをしてしまったので生憎とカメラマンを務められる人材はいない。
「───ねえねえ! リンがこの前言ってたべつうちゅ〜、とかのちょーすごい魔法見せてくれるってマジ!?」
「おう。と言っても魔法というか超パワーというか、厳密に言えば違うんだが、すごいの見せてやるから楽しみにしておけよ」
「うおおおお! 魔法って言えば空飛んだりビーム撃ったりとかでしょ! もしかしてかぐやもできたりするの!?」
「いやそれは無理」
「え゛え゛ええええッッ!! やぁぁだぁぁぁぁ、かぐやも魔法使いたいぃぃぃ!!」
「無理なもんは無理なんだよ。駄々こねてないで大人しくしてろ、所詮貴様はマグルなのさっ!! ふはははっ!!」
頭の上で暴れている我儘ウミウシを無視して思考する。
魔法、というよりも非日常的な超パワーを披露してやるとは言ったがなにを披露すべきか悩んでいた。なにせ魔法なんてざっくりとした説明はしたものの、そんなロマンチックな能力など自分には備わってはいない。
どちらかといえば、俺には敵を殲滅する為のアタッカー寄りの能力しかない。
───
自分が休暇に出ている間は列車にいる後輩に預かっていて欲しいと押し付けたのだ。そもそも
俺が持ち歩いてると解釈不一致で蕁麻疹が出そうになる、なので本来のあるべき形に戻すつもりで半ば強引に預けてしまっている。
「え……なにその剣?」
「なにって……今から魔法を使う為の杖だけど、お前ハリポタ見たことないんか?」
「いや、どっからどう見てもちょっとオシャレな剣じゃん!? 魔法の杖じゃなくて鋭利な鉄の塊だよねそれ!!?」
頭上から困惑の声を漏らす小動物によって意識が戻される。
なんて失礼なことを言うウミウシだ…!
この剣がただのオシャレな剣な訳なかろうに。
なにせこの剣は概要アスデナ星系に位置する惑星『夢の地』『宴の星』の別名を持つ夢境へ誘う楽園、ピノコニーにて行われた聖杯戦争で開拓者の
因みに美味しい食事を交換条件に聖剣を拝むことを許してもらえました。
そして、この天体とは別の宇宙の技術力によって1/1スケールで完全再現、完璧に模した至高の一品だぞ……まあ聖剣としての性質などない外観だけの模造品だけど。
その名も『光る! 喋る! 撃てる! DX聖剣エクスカリバー!』
この聖剣もどきには特殊な術式のようなものを組み込んでおり、使用者のエネルギーを
───それだけじゃない!単3電池3本で収録したアルトリアさんのボイスが流れるぞ! すごい!! だが今回は電池がないのでボイスはお預けだ!!!
ふざけた名前をしているが、これに備わった武器としての火力はそこそこだが派手な演出能力もある。再現するのなら細部までしっかりと再現してこそのオタクだろう、これを作るにあたって天才たちに依頼し知恵を借りて作り上げたのだから。
……まあ、そのぶん依頼料は高くなったが。
普段から付き合いがあるんだから別にお友達価格でもよかっただろ、絶対に許さねえぞヘルタェ…! ガムさんは優しかったぞガムさんは!!
「よっしゃ、そんじゃしっかり捕まっておけよ。余波でどっかに飛んで行ったりしたら探すの面倒だしな」
「えぇ……、その剣で本当に魔法使えるの? なんかかぐやが想像してたのと全然違うんだけどぉ」
「おっと、まあ見とけって。きっと驚くぞ……!」
不満気にしているかぐや姫を他所に、手に握った剣を胸の前に構える。
───小さく息を吐いて、意識を集中させる。
外観だけの模造品とはいえ、その能力を再現する為の機能はしっかりと組み込んである。自分の手に馴染むように作り上げたグリップを両手で握り込む。
そして胸の前に構えた剣全体へ、自身の内から湧き出る『虚数エネルギー』……所謂『魔力』のようなエネルギーを惜しみなく模造した聖剣へと流し込んでいく。
溢れ出る光が収束していく。
それに呼応するかのように剣へ充填されていくエネルギーは、焼き付けるように輝き奔流する眩い黄金の光となって剣を包み込んでいき、やがて充填を完了させる。
「───すごい……きれい…っ!!」
その黄金の光の輝きに目を奪われた、無垢な少女のこぼした無意識の呟きにこちらも笑みがこぼれる。
そんな少女へと輝きを見せつけるように、胸の前で構えていた剣を空高く掲げ声を上げる。
「───この灯りは星の希望! 地を照らす命の証ッ!……見るが良い、
咆哮が轟く。
そして、一切のブレなく掲げた模造品の聖剣もどきを振り下ろした。
次の瞬間、音が割れ空気が爆ぜる。
解き放たれた光の奔流は熱線となって伸びていき、巨大な爆発を引き起こす。聖剣から打ち出されたエネルギーは文字通り海を斬り裂く極光となり、数秒遅れて爆発音が響き渡る。
海面で爆発した奔流は光の柱となり轟く。
押し寄せる突風と余波が肌を撫でビリビリと鼓膜を震わせる。
解放されたエネルギーが爆発して光の柱を立ち昇らせ、その出来栄えに思わず口角が上がり満悦する。
「ふははははーッ!! どぅーだかぐや! 感動で言葉も出ない様子だな、なにせこの剣こそは伝説の騎士王が持つ星の聖剣だからな!……と言っても俺のこれは本物には遠く及ばない、再現しただけの模造品なんだが……ま、これも中々の物だろう?」
「───……」
「どうした黙り込んで? だがしかし、その気持ちはわかるぞ。俺もこれを生で拝んだ時は、あのセイバーさんが宝具を使ってる瞬間は腰が抜けるかと思ったからな。あの等身大の迫力はマジで感動ものだったんだぞ、Fateファンでよかったと心の底から思っ……? おーい、どうしたんだかぐや姫?」
「……えっと、リン?」
「お、なんだ? 騎士王について聞きたいのか? それなら遠慮なく聞いてくれ、俺もあのピノコニー聖杯戦争での活躍を語りたいしな。騎士王だけじゃなく赤い弓兵やクランの猛犬なんかも───」
「そうじゃなくて! き、気のせいじゃなかったらなんだけど……リンが魔法を使う前ってあそこに小さい島が
「……ん???」
声を震わせているかぐやの様子に疑問を持ちながら彼女が意識を向けている方向へ視線をやる。安全面を考慮して陸地ではなく海の向こうへと解き放った強烈な一撃だったが、どうやら自分が想定していたよりも爆発の範囲は広かったらしい。
冷や汗が流れる。
頭上から突き刺さるウミウシの視線が痛い。
あ、あれ? おっかしいな? これって派手なだけで火力はそこそこだって言ってませんでしたかねヘルタさん? なんで目の前の島が消し飛んでるんですかね? あなたのそこそこの基準ってどれくらいなんですかこれ?
「……せ、聖剣の尊さにやられて蒸発したんじゃないかな、多分」
「そ、そっか、それなら仕方ない……なわけないじゃん!!? え、あそこの島消し飛んだんだけどッ!? ちょ、ええええ!!? ど、どどどうすんのォ!?」
「お、おおおお落ち着け、きっとあそこは無人島だ。それに島が消し飛んだと言ってもあれは規模の小さい孤島だ。なら大丈夫だろ、うん……でもその、もう1発いっとく? ほら、生き残りに報復とかされたら怖いし確実なトドメってことで」
「絶対ダメ!! 2度とそれやらないで! はい禁止! 魔法パワー絶対禁止っ!」
「な、俺が悪いみたいに言うなよ!? そもそも、見てみたいって言ったのはそっちだろうが!」
「言ったけど、確かに言ったけどさぁ!? それでも島が消し飛ぶなんて思うわけないじゃん!!? あそこだけ消しゴムマジックみたいに綺麗に無くなってるんだけど!」
かぐやと言い争っていると脳内掲示板の方にも反応がある。
そちらにも意識を向けると、阿鼻叫喚というかなんというか、なんともいえぬ状況だった。
ちゃ、ちゃうねん…!
63:名無しの転生者さん
なにやっとんじゃイッチィィィィッッ!!!
64:名無しの転生者さん
詳しく……
説明して下さい。
今、僕は冷静さを欠こうとしています。
65:名無しの転生者さん
え、なんでエクスカリバー持ってんのおまえ?
66:一般ナナシビト
お……お、俺は悪くねえ!!?
随分と懐かしい記憶を見た気がする。
───いつだったか、あなたに聞いたことがあった。
『……ねえ、どうしてリンはかぐやのことを助けてくれるの?』
『は? どうした急に、またおセンチか……? 定期的にショゲてるよなお前って、そんな事気にしてたらハゲるぞ珍獣もどき』
『いやいや、別にしょげてないから! ちゃんと聞いたことなかったなと思っただけですー! というか誰が珍獣もどきじゃい!! あとかぐやはツヤツヤのロングヘアだから、ハゲてないから!』
『そっか……お前、自分の頭頂部見たことないもんな』
『え、うっそ!?…ってゴラァ! 変な嘘つかないでってば、一瞬信じちゃったじゃんもぉ!!』
彩葉との再会を果たすには、おおよそ8000年というあまりにも長い大きな……時間の壁というどうしようもない障害に阻まれてしまった。
終わりの見えない長すぎる年月の中で、それならその長い時間を使い暇つぶしを兼ねて色々なものを見に行こうなんて、なんて事のないように言ってのけ……あなたは私を連れて様々な場所へと連れて行ってくれた。
色々な場所へと行き、様々な人と出会い、見た事のない景色を焼き付けた。そんな時、ふと…どうして彼は私に為にそこまでしてくれるかと気になったのだ。
自分は彼に
だってそうだろう。
彼はかぐやと同じ宇宙人。いや別の銀河から来たという特殊な経歴こそあるが、私と同じこの星の住人ではない外部の存在でありそして私が巻き込んでしまった被害者でもある。
あの日、『もと光る竹』に乗り込んで月を飛び出した運命の日。
時を越えて地球へ向かう最中、隕石に衝突した事によってその試みは失敗に終わった。そして舟が隕石に衝突した瞬間、ダメージを受けた舟は予定していた軌道を大きく変えて逸れてしまった。
そして、逸れた軌道の先にはあなたの乗る宇宙船があった。
突然、横から土手っ腹に穴を開けるかのように『もと光る竹』は彼の宇宙船に甚大な被害を与えて、そして宇宙船を巻き込みながら時間の壁を越えてしまったのだ。
……つまり彼がこの見知らぬ星の、過去の世界で彷徨うことになってしまったのはどう考えても私の所為だった。
彼はそれに気づいているのだろうか?
それとも、気づいてる上で知らないフリをしてくれているのか?
───なんとも臆病なかぐや姫は真実を問いただすことに恐怖すら感じて、彼の本心を聞いた事もない。
『うーん、俺や仲間たちが一緒に旅をする時に掲げてる《開拓の信条》ってのがあってさ。どれもかっこいいんだけど、俺は五と六がお気に入りなんだ』
『……え?』
──五、銀河に帳が下りたのなら、共に長い夜を照らそう。
──六、困難な局面でも、前を見据えてそれを乗り越えるのだ。
『まあ、要するにあれだな。降り立った星でトラブルに巻き込まれるなんてナナシビトの
『それでもお前が納得できる理由があるとしたら、これはただのお節介だよ。それに1000年以上ひとりぼっちなんて、そんなの寂しいだろ?』
『俺の友達。というか相棒を名乗ってくれてる奴が居るんだが、そいつはずっと孤独で険しい道のりをでひとり戦って歩き続けたスゲー奴なんだ……そんな奴が相棒なんて呼んでくれて、認められたみたいで正直嬉しかったって気持ちもあったんだ……すっげー解釈違いだったけどネ!』
『だから、まあ、なんというか……そういう風に頑張ってる奴がいるとちょっと助けてやりたくなるってだけだ。要は気まぐれだよ気まぐれ! お前はそんなしょぼくれた顔せずにラッキーくらいに思っとけばいいんだよ! はい、この話おわり!!』
───言葉が出なかった。
懐かしむように語る少年の瞳は優しい目をしていた。その綺麗な横顔が、思い出の中の少女と重なって、似ても似つかない筈なのにまるであの子が隣にいるかのように錯覚してしまいそうになった。
……嗚呼、お人好しなんだな。
なんとなく、彼の根っこ部分が垣間見えた気がした。
ぶっきらぼうで、適当で無愛想なところもあって、はちゃめちゃな癖に、いざという時は手を伸ばしてくれる優しい少年なのだろうと、その在り方を理解した瞬間だった。
きっと彼にとって見知らぬ星で過去の世界に飛ばされるなんて出来事はとてつもない不運だったろう。
だがこの長い旅路で孤独に苛まれる私にとっては小さな幸運とに言える出来事だったのだ……自分の孤独の傷を埋める為に善良な他人を巻き込み、陥れながら掴んだ幸運なんて笑えないにも程があるが。
───それから数十年、数百年、数千年という長い時間が流れていく。
だが時の流れというものは、想像していたよりもずっと早く過ぎていった。
その年月でリンが老いて朽ちる事はなかった。
どうやらリンは半不老不死とも言える、半分人間で半分思念体のような特殊な存在らしい。
リンの世界にも長命の種族がいるらしいが、そもそもリンには寿命という概念がないみたいだ。だけど完全な不老不死ではない為、特殊な殺され方をすれば普通に死ぬと言っていた。
……彼が不老である事がありがたかった。
だってリンが居れば1人置き去りにされる事もなく、もうひとりぼっちになることはないって知れたから。
最後までずっと一緒に居ようね、なんて縋るように言ってみても呆れたような顔で頭を撫でられた。
長い年月を重ねていく内に様々な人に出会った。
始まりは縄文時代に出会った人たち、宇宙船で修復作業を行う彼の側で作業台の上でお気に入りの歌を披露していると、いつの間にか弓や槍を構えた彼らに取り囲まれていた。
これも今では懐かしい記憶だ。
これってヤバい状況なんじゃ、なんて私は焦っていたが対照的に彼は焦ることなくあっという間に彼らを無力化して終わらせていた。体術のみで人が吹き飛んでいく様はアクション映画のワンシーンでも見ているかのような気分だった。
彼と共に旅をしていく中で好きになった人は沢山いる。
私に恋をしてくれた歌人、空襲で焼け跡になった街で花を売り続けた少女、二人三脚で太夫を目指した花魁、命を賭して今を生きる人々の輝きを目に焼き付けた。
───だけど、それでも、みんな等しくせいぜい50年かそこらで、ふとした拍子に、まるで最初からなにもなかったみたいに画面からフェードアウトするように死んでいく。昨日まで共に過ごしていた温かい場所がある日突然、私だけになる。
その大半は歴史の中で語られる戦や病、他人の悪意や大規模な戦争といったものが殆どだったかもしれない。
彼と共にたくさんの美しいモノを見た。
それは山頂から見える美しい風景、今を必死に生きる人たちの営み……けれどそれと同様に目を逸らしたくなるような惨状と不幸を呪う悲痛な叫びがあることも知ってしまった。
それは月での暮らしとはあまりにも対照的だった。
月の世界では誰も歳を取らない。
誰も本気で争うような事もしない。
それに誰も命を失ったりもしない。
私たち月人にとっては完璧に設計された世界であり、地球に住む人たちにとっては酷く歪で異質な世界だろう。だから私は人間の、一回きりの『終わり』という“あたりまえ”を受け入れるのに時間がかかった。
非力で何もできない小さなこの身体で、人間たちが生まれては死んでいくさまを何千年も見送り続けた。
命の灯が消えていくのをただジッと見ていた……助けられなかった人々のことを思い出す度に、胸の内側が膿むようなヂグヂグとした引っ掻き傷ができて消えなくなってしまう。
季節が移ろい長い時間を過ごすごとに、美しいモノを知るたびに触れるたびに、それは酷く大きくなっていく埋められない穴のようなものだった。
───だから私は一度だけ、自分勝手な
それは現代では語られることのない、数多くある歴史の中に埋もれた過去の時代のできごと。
自分はなにもしない癖に、なにも出来ない癖に……名もない小さな村が略奪によって理不尽に消えゆく様を見て……彼らをどうか助けてあげてほしいなんて、身勝手にも無知な私は彼に縋り付いてしまった。
何が助けてあげてほしいだ、傲慢にも程がある。
その結果なにが起こるかなんて、誰が傷つくかなんて深く考えもしないで目先の希望に飛び付いたんだ。
その時代で知り合った友人たち、誰かの家族と、誰かの恋人たちは私の願い通りに助かった。だって彼らを助けてくれるすごい力を持つ、別の世界だって救ったという英雄が私と共に旅をしていたんだから。
───でもそんな彼を
返り血と泥で汚れて、炎と肉が焼けるような匂いの中、足元を埋め尽くす夥しいほどの骸の山を築き上げた青年を、命を救われた彼らは恩人を化け物だと罵り糾弾して、石を投げて拒絶したのだ。
そんな、どうしようもないほどに残酷な現実。
周りの様子なんて気にも留めず私に怪我はないか、なんて心配してくれる青年に対して私は……愚かにも、どうしようもないほどの恐怖を覚えてしまった。
燃え盛る炎の中で振り返った無感動な、血のように赤い瞳が今でも記憶に焼き付いている。
『怪我はないか、かぐや』
『───あ……うっ、ああ、ああぁ、ぁあああ……ああァァァァッッ!』
『……かぐや?』
『ひっ……いや、こ、こないでッ!!……ぁ、ちが……ッ〜〜!!』
圧倒的な力を振り翳しまるで単純な作業をこなすかの様に、一瞬にして敵を物言わぬ肉塊へと変えた青年が血に塗れた姿でこちらに手を差し出してきた姿を前に、私は悲鳴を上げて逃げてしまった。
返り血に染まったリンの姿が自分の知らない、恐ろしい別の人間に見えてしまったのだ。
その時の、彼が浮かべた寂しそうな表情を今でも覚えている。
ああ、なんて身勝手な話だろう。
自分で縋り付いて、願っておいて、彼はその願いを聞き入れてくれただけなのに……何十年、何百年と変わらず行動を共にして私をずっと守ってくれていた優しい青年に恐怖を抱いて拒絶したのだ。
自分勝手に胸の底にしまっておいたこの長い旅路への鬱憤を、恐怖に呑まれ八つ当たりでもするかのように吐き出して、叫びぶつけてしまったことは、後悔してもしきれない。
彼はなにも悪くないのに、悪いのは全部私なのに。
どうしようもないほど死にたくなった。
もう死んでしまえばいいのに、いままで以上にそう思えてしまってしかたなかった。
旅を再開した時、彼はなにも言わなかった。
差し出せるものもなく何もできない小さい身体で必死に許しをこう私に、リンは驚いたような顔をした後……なんてことなかったかのように腹を抱えて「そんなことを気にしてたのか」と笑い飛ばしていた。
『ま、人によって物事の価値観なんてそれぞれだろ。いまの俺が生まれた星じゃ奪い奪われ、なんて荒事は日常茶飯事だったからな。ただ俺の配慮が足りなかっただけだ。これはこっちのミスだ、ごめんな。それに化け物呼ばわりもあながち間違いじゃないしなぁ。』
違うよ、リンは化け物なんかじゃない。
それにリンが謝る必要なんてどこにもない、悪いのは全部私なんだから。
『俺だってただのお人好しじゃないってことだ。それともかぐやには俺が普通の善人に見えてたか? だとするとその評価は嬉しく思うが、少し間違いだ。側から見たら結構ロクでなしだぞ俺ってば、まあ過ぎた話は気にするな!』
どうしてそんなことを言うの、リンはロクでなしなんかじゃない優しい人だよ。
『それにっ! 俺は顔だけじゃなくて心までイケメンだからな! 年下の女の子のわがままくらいは聞いてやらなきゃ男が廃るってやつだな! がはははっ!……おい、今の笑うとこだぞ?』
───そんな彼の優しさが、どうしようもないほどに私の胸を抉り深い傷つけていく。
どうしてあなたが謝るのか。
お前の我儘の所為でなんて、様々な理由をつけて傷つけ糾弾したっていい筈なのに、リンはそんなことする必要はないと笑い話に変えて許してくれた。
私が罰せられることを望んでも、彼はならちょっとだけお仕置きなんて言ってデコピンひとつで許してくれた。
……いやまあ、デコピンは首が飛ぶんじゃないかってくらい痛かったけどねッ!
そして時間はさらに流れていき、人の文明は戦争と共にどんどん発展していった。
人は目に見えないものを形にして、多くの人と繋がる力を手に入れた。それは月の世界と少し似ていて、肉体を持たない魂だけの私が世界と関わりを持つことができる可能性を示すだった。
更に技術が進歩すれば『もと光る竹』を直接ネットに繋ぐことができれば、それはこの不便な肉体の制約と枷を超えて世界中の多くの人と関わり言葉を交わすことが可能になるかもしれない。
薄れていた過去の記憶がしっかりとした形で蘇る。
いつか仮想世界の大きな広場を作りたいと願うようになった。
みんなが自由に好きなことをして、誰も傷つけあうことなく、殺し合うこともない、誰も孤独に苛まれることもない、いつでも笑い合いながら言葉を交わせる……そんな場所を作りたい。
それはまるであの仮想世界のように……、そして私は
……なんて、バカだったんだろう。
どうしていままで気づかなかったんだろうか、思わず自嘲してしまう。
だって近い未来、私が
それと同時に私は必ずあの子と、彩葉と再会できるということを確信した。この世界はきっと何度も何度も、ずっとこれを繰り返していたんだ。
だから私は───……。
「オッハヨー!! 今日も気持ちのいい朝が来たよ! ツクヨミのプロトだって完成間近。やらなきゃいけない事は山積みなんだから時間は無駄にできないし、健康管理の為に早寝早起きは守ってもらわなきゃ困るよー?……って、あれ?」
時刻は早朝。
そこはインターネットが普及した現代の日本。
長い年月の中で知り合った、私の正体を知る友人やリンが協力して用意してくれたマンションの一室。大量のPCとストレージ機器、ネットワーク機器が綺麗に並べられたサーバールームのような空間。
部屋の中心には巨大な水槽、中には『もと光る竹』が機器に接続され設置されている。
当初は出鱈目に散らかり、乱雑な置かれ方をしていたがあまりの酷さにそれを見かねたリンによって整理整頓された綺麗な状態へと様変わりしたのだ。
それもなんだか懐かしいな、なんて思いながら作業机の上に置かれたタブレットを通じてカメラを使いこの部屋で暮らしていたもう1人の住人を探すがその姿は見当たらない。
……いつもならこの時間はまだ寝てるはずなのに。
おっかしいなー、なんて思いながらも部屋を見渡してみるがその姿はどこにもない。
このマンションの隣の部屋も借りていてそちらで生活できるようにもしていたが、彼はこのサーバルームと化した狭い空間で寝泊まりをして一緒に時間を過ごしてくれていたのだ。
部屋の隅には彼が使っていた寝具が整えられて置かれている。
隣の部屋の室内カメラに意識を繋げて確認してみても、見慣れた金髪と背丈の青年の姿はなくて、そちらで作業をしている様子もない。
コンビニへ買い物にでも出かけたのだろうか。
こんな時間に珍しい、どうやら今日のモーニングコールは失敗に終わってしまったようだ。毎朝続けているというのに、いつもビックリして飛び起きる彼の姿を見て1日が始まっていたのだが今日はお預けらしい。
もう、つまんないなぁー。
なんて、ぶぅーたれながら電子の海へ戻って作業を続けようと思い意識を沈めようとした時に、昨日の夜にはなかった一枚の紙切れが机の上に置かれていることに気がついた。
何気なく紙切れに目を通す。
「──……リン?」
───目を見開いた。
いまの私にそんな機能は存在しないはずなのに、口の中が渇いていくような。手や足が震えて、立っていることすらままならなくなってしまうような感覚に襲われた。
『ようやく宇宙船も直ったし自分の世界に一旦帰るわ! そろそろアイツらにも顔見せなきゃいかんしな、ほな!! 風邪引かないように気をつけろよ!元気でな!!』
一枚の紙切れには短い文書で、そう綴られていた。
……ああ、そっか。
何を浮かれていたんんだろう。なんでずっと一緒に居てくれるなんて自惚れていたんだろう。彩葉との再会も目前に迫り忘れてしまっていた、だって彼には帰るべき世界があるじゃないか。
いままで私に付き合ってくれていたのは帰る手段がないからだ、文明が発展してその手段さえ確保できてしまえば自分がいるべき場所に帰るのは当たり前のことじゃないか。
「……待ってよ、まだなにも…ありがとうも、お別れだって、言えてないのに……!」
慣れたと思っていた筈の、唐突に来る人との『別れ』の瞬間を受け入れる事ができず震えた声で小さく呟くことしかできなかった。
泣きたいほど心はクシャクシャなのに。
肉体を持たない、今の私では涙を流すこともできなかった。
ただ呆然と彼が残したメモ書きを何時間も眺め続けていた。
・『チート製宇宙船』
オンパロス編クリア後に使えるようになった宇宙船。壁を越えて色々な場所へワープできる優れものだが割と紙耐久なのでご用心。
イメージは忍者なら無料『Warframe』のオービター、伝わる人いるのかこれ?
・『光る! 喋る! 撃てる! DX聖剣エクスカリバー!』
電池を3本入れて隠されたボタンを押せばアルトリア本人収録のセリフと臨場感のある効果音が流れるぞ!すごい!! これで今日から君もアーサー王だ!!!
能力はエネルギーの充填と放出。
本来なら水鉄砲みたいな威力で火力も殺傷能力もない武器なのだが、単純に主人公が持つ膨大な魔力、『運命エネルギー』のパワーや量と質がバカみたいに高いので、その結果として超兵器みたいな火力になってる。
リン「うおぉぉぉ!こ、これが天才クラブの作った聖剣のパワー…!すごいぞヘルタ!聖なる星の光が、どんどん力が溢れ出てくりゅっ!!」
ヘルタ「知らん…何それ…怖…」
因みに『DX干将・莫耶』と『DXゲイ・ボルク』はサーヴァント2人に逃げられてしまった為、お蔵入りとなり作り出せなかった…。
執筆中その作品の用語とか設定を使う際に、なんとなく気になりました。
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『超かぐ』も『スタレ』も知ってる!
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超かぐや姫!しか知らんで!
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崩壊:スターレイルしか知らんで!