ハリー・ポッター 「オーグリーの旗を掲げよ」RTA 1938年シナリオ トム・リドル攻略チャート 作:魔法省真理部記録局
世界魔法戦争の終結以降、魔法界は比較的穏やかな時代を過ごしていました。次のイベントのために時計が止まったのは1949年。史実だとまだボージン・アンド・バークスでトムがママ活してたり闇バイトしていたりしなかったりしている頃ですね。ホグワーツの校長はまだアーマンド・ディペットです。あまり進んでないな。メリーランド州でスナリーガスター保護連盟が設立されたぐらいですね。わかるやついるか。あとモリー・プルウェットが生まれたぐらいですね。後にウィーズリー閥を実質的に管理する女傑です。
──1949年、イギリス魔法省八階、アトリウム。
二人の若手職員が、扉の前で杖を構えていた。両方とも隙のない様子であったが、その振る舞いは異なっていた。
片眼鏡をつけた女性の方は凛として背筋を伸ばし、落ち着いて息を吐いていた。男性の方は中腰で周囲をせわしなく見渡していた。
そして二人は覚悟を決め、扉を開けた。
「ようこ」
「「
入ってすぐ、椅子に座っていた人物に二人は杖を向けて赤い火花を飛ばした。その魔女が吹き飛ばされたあとも、男は立て続けに呪文を打ち込んでいた。
「ムーディ! ほどほどにしなさい」
「ここまでの仕掛けをした相手だ。油断する必要はない。
「ああ、待ってください二人とも。魔法の類はあまり効かないのだけれど、君達に敵対するつもりはないんの」
「なるほど、ならこれでどうだ」
そう言ってムーディと呼ばれた男は魔法で縄を呼び出し、床に倒れた女性を縛り上げた。
「……ええと、闇祓いのアラスター・『
「あなたにはいくつか質問があるわ、ヴェルダンディ・ルストランジュ」
ボーンズと呼ばれた女性は、ムーディによって浮遊させられた惨めな状態の魔女に杖を向けて言った。
「ええ、どうぞ」
「魔法維持管理部の下にこんな人員と装備を集めて、何をしているの?」
「君達のような人物を探している。
ヴェルダンディのその言葉に、二人は顔を見合わせた。学生時代に参加していた勉強会、その中にある秘密結社だ。その名前を知る人は珍しくなくなる程度には有名になっていたが、具体的な話まで知っている人はいないはずだ。
「……私達は、あなたの話を聞いていない」
「
「アメリア、頼む」
「わかったわよ」
ボーンズが書面を書いて折り、飛ばしてからしばらくすると一人の男が部屋に入ってきた。
「……何やってるんだよ、ルストランジュ」
部屋に入ってきたエイブリーは、呆れた顔をしながら言った。
「有望な新人への囮役よ。一番頑丈なのは私でしょう?」
「……二人とも、彼女はこういう人だ。だから解放してやってくれ」
エイブリー議員に言われ、ムーディは渋々という顔で彼女の拘束を解いた。
「しかし、何をやっているんだ?
「闇の魔術だ。彼女の肉体はそれで護られている」
エイブリーの言葉に、ムーディは目を見開いた。
「……魔法省は先のグリンデルワルドとの戦いを踏まえ、国際協力と調査を専門とする部署を秘密裏に設立したの。それが
エイブリーを無視して、ヴェルダンディは言った。
「……お前達が省の予算を無断で流用し、秘密裏に戦力を整えている
ムーディはルストランジュを睨みながら言う。
「ないね。だから君達には信じてもらうしかない」
「……なるほど。つまり常に疑い続けろ、と」
「そう。もし正しいことがあると思えばここを通してもいいし、間違っていると思うなら行動を拒めばいい。ただし、あなたは闇祓いで、その職務への義務がある。もしその義務を果たせないなら省を去るか……」
それ以上を、ルストランジュは言わなかった。そしてムーディは頷いて、杖をポケットに戻した。
というわけであまり知られていない部署、
とはいえ、この組織は第二次イギリス魔法内戦中でも活動していたようなんですよね。当時存在した省内のレジスタンスやサボタージュ運動、そしてマグル生まれの亡命などを考えると、この部署が裏である程度動いていたと考えるべきです。いわゆる「金庫世代」の人達ですね。
ただ、彼らの貢献はやはり英雄の若者たちと比べれば軽視されがちですし、体系だった調査はされていません。まだ関係者が生き続けているというのはありますし、魔法族の寿命を考えればこの種の調査ができるのは相当先になるでしょう。
そして今回、この組織は
おっと、さっきの二人の若手職員について一応説明しておきますか。女性の方はアメリア・スーザン・ボーンズ、戦間期の魔法法執行部の長官で、マグル側では密室殺人事件の被害者として知られています。男性の方は義眼からアラスター・『
とかなんとかしていたらなんかもうトムと別れてから十年経ってました。なんてことだ、この時間を使って皆様のために色々やろうと思っていたのに。ええと今の状況を確認しておきましょう。
あ、あと以降の映像は時系列がおかしくならないように編集で入れたものです。後で説明するのですが
本来は
──1955年、冬。
ホッグズ・ヘッドの店主であるアバーフォースは、来店者を見た。彼の纏う雰囲気は、歴戦の闇祓いにも劣らないものであった。
「……アバーフォースさん、お久しぶりです」
フードを外したところにいたのは、髭を生やした人物だった。もともと大人びた顔をしていたが、今では経験によって作られたのだろう目元のかすかな皺があった。この店には多くの客がやってきていたが、彼らのほとんどよりも威厳があり、おそらくは杖を出さずとも威圧できるだけの力があることが読み取れた。
「トム、か。ナギニは?」
「ここに」
そう言って彼が持っていた鞄を開けると、その中から蛇が這い出してトムの身体に巻き付いた。
「……無茶は、していないだろうな」
蛇は頭でトムを小突くようにした。少し気まずそうなトムの顔に、アバーフォースは息を吐いた。
「おいトム、こっちに来い」
そして、店の隅には既に何人かの魔法使いが集まっていた。アバーフォースは彼らを知っていた。ノット、ロジエール、マルシベール、ドロホフ。名家や期待の若手といった、将来が期待される人物たち。少なくとも、場末のパブにそうそういるような人ではない。
「さて、我らが
魔女のロジエールがそう言って、カップを掲げた。
「十年……一時期は俺達と一緒とはいえ、ほとんどはそのナギニさんと一緒だろう? 寂しくなかったのか?」
マルシベールがバタービールに口をつけながら言った。
「ああ、俺は軟弱ではないからな。ところで、他のやつらはどうした?」
「仕事だよ、仕事。あとは
ドロホフは声を潜めて言った。
「ふむ……エイブリーに任せていたはずだが」
「彼は
ロジエールの言葉に、ノットが頷いた。
「ああ、ダンブルドアは生まれで人を見るからな。マグル生まれを殊更に贔屓する」
「ノット、君の父親と同じような人物だな」
「……親父は屑だ。もしあれで、本当に純血の力を、歴史に対して敬意を払っているのならばよかった。だが金で『純血』を売るのであれば、それはもう、どうしようもない」
ノットはトムに吐き捨てるように返した。
「……だが、君には父親とは違う力がある。知性を正しく振るう方法を知っているじゃないか」
「早く、早く命令してくれよ、トム。お前の命令であれば俺達は何でもする。禁じられた呪詛だって、タフトを殺してこいって命令だって、お前が必要だと思うなら」
「やめろ」
トムの言葉に、興奮していたノットは黙った。
「久しぶりの再会で飲みすぎたのだろう。事を急に運ぶことは今は得策ではない。まずは基盤を築く必要がある。……あの城に、必要な席を手に入れる」
その城がどこであるかは、席に座っていた彼らは理解していた。アーマンド・ディペット校長との面接は、あと数日に迫っていた。
うーんやはりトムくんの周りには危ない人しかいないな、いつか刺されるんじゃないかこいつ。あ、タフトというのはウィルヘルミナ・タフトですね。平和な時代の魔法大臣です。なおアリホッシー風味のファッジのアレルギーで亡くなって、跡を継いだ息子のイグナティウスは
アリホッシーというのはこう、ちょっと危ない植物です。基本的に葉を直接摂取するな、とされるぐらいですね。食べると笑いが止まらなくなるそうで。なんか向精神作用とかあるやつですねこれ。
そしてイグナティウス・タフトの引退後、史実では1962年にノビー・リーチが第二十八代魔法大臣に就任します。初のマグル生まれの大臣であり、そして純血主義者と後に呼ばれるようになる保守派たちが自分たちの時代が終わりつつあると危惧した原因であります。
このあたりの改変については、今回は手を出しません。というより今のところ一番の問題はヴェルダンディさんがトム・リドルを落とせるかどうかなんですよね。まあなんかこう、いい感じになるでしょう。どうしようもならなかったら