カイは、エレンを担ぐミカサとアルミン、『戦士』三人組とジャンらと一緒に、トロスト区からウォールローゼ内へとリフトで移動。
そして、駐屯兵の恐怖がお迎えする。
当事者であるエレン、ミカサとアルミンは駐屯兵との尋問があるためその場に残り、他の5人は守秘義務を課せられた上で解放された。
続く展開は原作通りであった。ピクシス司令によるトロスト区奪還作戦の伝達と、巨人化可能なエレンの存在を公開、訓練兵と駐屯兵を死地に送るため檄を飛ばす。
カイは、その様子をコニーやユミルたち同期と共に聞いていた。
司令の演説が終了し、班の編成や配置の通達、補給や物資の運搬で兵士が走り回る光景を眺めながら、その場に待機していると、駐屯兵がカイのもとに走ってきた。
「カイ・シュナイダー訓練兵。ピクシス司令がお呼びだ」
「は?あ、失礼しました」
予想だにしなかった命令を下され、思わず聞き返してしまったカイは、直ぐに敬礼をとると同時に謝罪した。
「良い。一介の訓練兵が『司令から召集される』など、珍しいことだ。俺も、同じように聞き返す。……さて、司令は壁上におられる。すぐに迎え」
「はっ!」
駐屯兵が自分から去っていくのを見ると、壁上へ急いで向かう。
壁上へ着くと、案内役の駐屯兵がカイを出迎えた。
その駐屯兵についていくと、エレンやミカサ、アルミンのすぐ近くに、精鋭班に任命されたミタビ、リコ、イアンを前にしてドット・ピクシスが立っていた。
「お〜。来たか」
精鋭班の中心核である三人に何かを話していたピクシスは、カイが来たことに気付く。
「はっ!司令、お呼びとのことで」
「そうじゃ。お主も、精鋭班としてエレンの護衛をせよ」
(マジか……呪力が殆ど無いってのに)
カイの予定では、一般の兵士と同様に巨人を引きつける役目に従事しながら、立体機動の実戦経験を更に積もうと考えていた。
──呪術に関しては、調査兵団に加入した後でタイミングを計りながら、団長や幹部などに限定的公開を行い、結界術や領域展開、式神の調伏、術式の鍛錬などに専念する環境を本格的に整えるつもりでいる──
呪力が残っていない状態で、精鋭班として最前線に立つのは避けたいと考えていた。いざとなった時に身体強化や『御厨子』を使用する程度の微量な呪力は持っているものの、やはり少し心許ない。
「構いませんが、私はただの訓練兵です。お役に立てるかどうか……」
表向きに、命令を受領しながら力不足を言及することで、精鋭班配属を辞退する流れにもっていこうとする。
しかし、心の中では、恐らく叶わないだろうと思っていた。
それは、カイを見つめるピクシス司令の目にあった。
「まさか。5人の班で巨人を30体近く討伐しながら、班員に死者が出ていない。精鋭班に任命されても、遜色ない実力じゃぞ?」
「過分な評価、感謝いたします」
「お主は、エレンたちと同期だったな?そこにいる、アルレルト訓練兵が作戦を考案した。詳細は、彼から聞くと良い。期待しておるぞ?」
「はっ!よろしくお願いします、先輩!」
イアンたちに向かってカイは敬礼する。
「ああ。俺はイアン・ディートリッヒ。報告を聞いた時は驚いたぞ」
「私は、リコ・ブレツェンスカ。優秀な人材は、多ければ多いほど良い。だが、それでも訓練兵は訓練兵だ。一人で突っ走るなよ」
「ミタビ・ヤルナッハだ。班長として、班員を守りながら巨人を討伐したその力、存分に振るえよ」
原作では、イアンとミタビの二人は戦闘で死亡し、リコのみが最後まで生存した。
仲間が巨人に食われた瞬間や、危機に瀕した仲間を助けようとした時、僅かな隙を突かれた時などの多様な要因で、精鋭と言えど簡単に戦死することがある。
カイは、精鋭の三人と軽く会話を交わし、今後の動きや役目などを確認する。その時、カイはイアンの班に組み込まれることになった。
その後、ピクシス司令の視線から逃れるように、カイはアルミンの元へ向かう。
始祖ユミルと未来エレンから贈られた巨人の討伐数から考えて、何かしら影響が出るとカイは思っていた。
(精鋭班に配属か……死なないよう注意しながら、役割を果たすとしよう)
「やってるな、3人共」
「カイ!ここにいるってことは……」
「相変わらず察しが良いなアルミン。その通り、精鋭班に配属されたんだよ。……で、何だ、この空気?」
カイは、エレンとミカサの間に、微妙な雰囲気が漂っているのを感じた。
エレンはイライラした表情をしているのに対し、ミカサは悲しそうな顔だ。……少し、カイの方を睨みつけているようにも見える。
「こいつが、俺についてこようとしてんだよ」
ミカサを見ながら、エレンが答えた。
カイは、彼女の視線が自分に向いていることに気付き、多少ゾッとした。
「リフトに乗ってる時にアルミンから経緯を聞いたけど、エレンお前、一回食われたらしいな」
「……そうだけど」
「なら、過保護になるのは仕方ないだろ。そうカッカと怒ってやるな」
ミカサの視線が少し優しくなる。
そこに、イアンが話しかけてきた。
「アッカーマン。お前も、イェーガーを守る精鋭班に入れ」
ミカサの顔が、露骨に明るくなる。
カイは内心、無表情に見えて実際は表情豊かだなと思う。現実で見ると、強く印象付けられる。
「行くぞ、作戦開始だ」
イアンの言葉に続き、アルミンは囮部隊へ、カイはエレンたちと共に目的の場所へと向かった。
そして、カイの知識に沿って現実は進んだ。
巨人化したエレンは暴走してミカサに拳を振り抜き、自分の顔を殴り、岩に体を預けて倒れている。
「イアン班長!巨人が来てます!」
カイはイアン班のメンバーと共に、エレンに引かれて接近してくる巨人を討伐し続けている。
今も、周囲の建築物を利用して移動しながら巨人の目に蹴りを入れて眼球を破壊すると、立体機動で後ろに回って『うなじ』を切り落としたところだ。
「凄いな、お前。巨人に向かって蹴るその度胸」
「なるべく、ガスとブレードを消費せずに巨人を討伐するにはどうすれば良いか、自分なりに考えた結果ですよ」
(まだか?さっき、アルミンがエレンの元に向かっていくのが見えた。時間的にエレンが岩を持ち運び出す頃だと思うんだが)
巨人の位置を確認しながら、エレンがいる方をチラッと見る。
移動は立体機動装置を使うように意識しているため、呪力消費を最低限に減らすことに成功している。
呪力消費は自己補完の範疇であり、残量が減るということにはなっていない。
「巨人が来るぞ!」
「チッ。多いな」
小さく舌打ちすると、扉から進入してくる7体の巨人を見据える。
壁が塞がれていないため、次々と巨人が入ってきている。
「……ん?」
地鳴りのような振動と、大きな音が聞こえてくる。規則的な間隔をもって、鼓膜に響いてきた。
その音がする方へ目を向けると、巨大な岩がゆっくりと進んでくる光景が目に入った。
その岩の下には、碧色の目を持つ巨人が、岩を運んでいた。
「ミカサ!」
運ばれる岩へと皆が視線を向ける中、アルミンが必死な表情でミカサへと声をかける。
(やっとか!)
その様子を見ていたカイは、心底安心して肩を撫で下ろす。
「死守せよ!」
イアンの命令が辺りに轟く。数百人が死亡した、今作戦最後の戦い。それに決着を付けるため、イアンは死守命令を飛ばした。
扉へと向かうイアンが、カイにも命令を与える。
「シュナイダー!お前は、遊撃として自由に戦え!」
「了解!」
大岩を運ぶエレンを一瞥した後、カイは戦場を飛び回った。
エレンに引きつかれる余り、周囲の人間を無視する巨人の注意を逸らすため地面に降りるミタビ班やイアン班。
彼らの死角にいる巨人を片端から斬り殺すと共に、大声で巨人の位置を彼らに伝え、死者を減らしていく。
しかし……
「うわぁ、やめろ!」
「クソッ!死ね!」
多数の巨人が進入していることで、カイ一人が動き回っても対処できず、イアンやミタビ、多くの駐屯兵が巨人に食われていった。
カイは後一歩間に合わず、巨人に食われた駐屯兵の首が地面に落ちるのを見ながら『うなじ』を削いだ。
その瞬間、凄まじい轟音が外門から聞こえてくる。
エレンが、大岩を外門に叩き付け、超大型巨人によって開けられた穴を塞いだ音だった。
(終わったか……)
エレンが岩を運び終え、力尽きて座ったと共に、カイは大きく息を吸い、肺に溜め、その全てを吐き出した。
アンケート第2回です。見た感じ、半分程度の方が、「私に委任する」という立場のようで……。この様子だと、3回目は不必要ぽいかな?取り敢えず、また好きな所に投票してください。後、恋愛要素って要ります?「作者に展開は委任する」立場の方は、①と②に投票してください。原作の展開的に、ヒロインはユミルやクリスタになるかも。
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①恋愛要素は必要
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②恋愛要素は不必要