うたって☆メロディランド♪   作:あいライス

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かのんちゃん、可哀想すぎる。忘れるなよ、AD!


第2話「ドキドキ☆初出勤」④

 

 

(BGM:新生徒会長登場)

 

 

絵里「ことり、久しぶりね」

 

ことり「えぇっ!? 絵里ちゃん!? 何でここにっ!?」

 

 

ことりが驚いて、思わず駆け寄る。

 

 

絵里「ふふっ、まさかこんなところで再会するなんて思わなかったでしょ?」

 

ことり「うん、びっくりしたよ~…!」

 

恋「おや? 絵里さんは、ことりさんのお友達だったのですね?」

 

絵里「はい。同じ高校の後輩で」

 

恋「そうですか」

 

千砂都「えぇっ!? 絵里さん!? ってことは…、μ’sの絢瀬絵里ちゃんっ!?///」

 

かのん「本物っ!?」

 

恋「千砂都さん、かのんさん、紹介します。 昨年度から番組の振り付けを手伝ってくださってる絢瀬絵里さんです」

 

ことり「去年から?」

 

絵里「まあ、大学行きながらのアルバイトみたいなところかしら」

 

千砂都「ってことは…、ここにμ’sのメンバーが2人もいるってこと!?」

 

かのん「すごい!」

 

絵里「あら、μ’sのこと知ってるの?」

 

かのん「はいっ!」

 

千砂都「あの…! 私、μ’sのファンで、特に絵里さんが好きで!」

 

絵里「ふふっ、ありがとう。 えっと…」

 

千砂都「今日から体操のお姉さんとしてお世話になります、嵐千砂都です!」

 

かのん「作詞を務めます澁谷かのんです!」

 

絵里「そう、よろしくね」ニコッ

 

ことり「(絵里ちゃんがここにいてくれるの、なんかちょっと安心かも…!)」

 

絵里「すみません、遅れてしまって」

 

恋「いえいえ。間に合ったことですし、電車の遅延は仕方ありませんよ」

 

 

恋が二人のもとに歩み寄り、声をかける。

 

 

恋「以上で全員の自己紹介を終わります。 これだけの大人数ですから、一度に覚えるのは難しいと思います。 少しずつコミュニケーションを取りながら、覚えていってください」

 

ことり、千砂都「はい!」

 

恋「かのんさんもすみません。こちらが呼べず、自己紹介は各々していただくことに…」

 

きな子「申し訳ないっす~…」

 

かのん「いえいえ、大丈夫です。 私も皆さんの顔と名前を覚えられるよう頑張ります」

 

 

恋は優しく微笑みかけた。

 

 

恋「改めまして歓迎します。ことりさん、千砂都さん、かのんさん。 これから私たちと一緒に、楽しい番組を作っていきましょう」

 

ことり、千砂都、かのん「はいっ!」

 

恋「ではこれで朝礼を終わりますが、誰かほかにありますか?」

 

 

果南は手を上げた。

 

 

果南「あっ、そうそう!  今日は各班の打ち合わせが終わったあと、新人お姉さんのリハーサルをする予定だから、そのつもりでね!」

 

スタッフたち「はい!」

 

恋「では皆さん、今日も一日よろしくお願いします」

 

スタッフたち「よろしくお願いしま~す!」

 

 

朝礼が終わり、スタッフたちは再びそれぞれの持ち場へと動き出す。

 

残されたことりと千砂都とかのんは、何をすればいいのかわからず、その場に立ち尽くしていた。

 

そこへ絵里が歩み寄る。

 

 

絵里「ことり、千砂都ちゃん。まずはレッスン室へ行きましょう」

 

ことり「えっ? うん」

 

千砂都「はい」

 

かのん「あのぉ~…、私は…?」

 

 

マルガレーテのところにいる梨子が、かのんに声をかける。

 

 

マルガレーテ「…?」

 

梨子「あ…えっと…かのんちゃん、だったかしら? かのんちゃんは私たちのところに来てくれる?」

 

かのん「あ、はい!」

 

 

かのんは、マルガレーテと梨子のところへ。

 

 

ことり、千砂都「…?」

 

絵里「あそこはこれから、歌に関する打ち合わせをするのよ。じゃ行きましょうか」

 

 

二人は静かに頷いて、絵里の背中についていった。

 

 

◇廊下

 

ことり「もう〜っ、絵里ちゃん、どうしてLINEで教えてくれなかったの〜?」

 

 

廊下を並んで歩きながら、ことりがほっぺを膨らませる。

 

 

絵里「ふふっ、ごめんなさいね。サプライズよ、サプライズ」

 

千砂都「まさか絵里さんから、ダンスを教われるなんて…!」

 

 

千砂都は興奮を隠せない様子で、絵里とことりの並ぶ背中を一歩後ろから見つめていた。

 

二人は絵里と廊下を進んでいくと、『レッスン室』と書かれてた扉の前に着いた。

 

 

絵里「ここが、あなたたち専用のレッスン室よ」

 

 

扉を開ける。

 

 

ことり、千砂都「…!?」

 

 

(BGM:朝練)

 

 

◇レッスン室

 

天井は高く、床はしっかりとしたクッション性のあるリノリウムで、壁一面は大きな鏡張りの部屋。

 

 

千砂都「すごい! こんな本格的なレッスン室があるなんて!」

 

ことり「広いね!」

 

 

ことり、千砂都は室内をくるくると見渡す。

 

 

絵里「今日は二人とも私服だし、軽めにやりましょう。 明日からは練習で着る服も持ってきて」

 

ことり「うん!」、千砂都「はい!」

 

絵里「じゃまずは、体からほぐしていきましょうか」

 

 

レッスンは、まず屈伸や伸脚などの軽いストレッチから始まった。

 

 

絵里「そういえば千砂都ちゃんも、ダンス経験があるのかしら?」

 

千砂都「はい! 幼いときからダンスを習っていて、高校でもダンス部に入ってました」

 

ことり「小さい頃からダンス?  すごいねぇ!」

 

絵里「なら、動きの基礎は大丈夫そうね! ︎︎期待してるわ」

 

千砂都「(絵里さんから期待されちゃった…♪)」

 

千砂都「あ、全然ことりちゃんと一緒で、私のことも呼び捨てでいいですよ」

 

絵里「そう? じゃ…『千砂都』って呼ばせてもらうわ」

 

千砂都「…っ!  はいっ!絵里さん! これからご指導よろしくお願いします!」

 

絵里「ふふっ、こちらこそ」

 

 

絵里はことりにこっそりと囁く。

 

 

絵里「元気のいい子ね?」

 

ことり「うん」

 

絵里「じゃ、始めましょうか」

 

 

レッスンは、姿勢や立ち方、呼吸の仕方へと進んでいった。

 

 

絵里「手を伸ばすときは、指先までしっかり意識すること。子供たちは、大人が思っている以上に細かいところを見てるものよ」

 

ことり「…!」

 

 

その言葉に、ことりは内心ドキッとする。

 

届けるということは、こんなにも意識の連続。

 

μ’sとして過ごした日々を思い出す。

 

あの頃の絵里の真剣な瞳と、今目の前にいる絵里は、まったく同じ光を宿していることに気づいた。

 

 

千砂都「なるほど。確かにそうですね。 子供ってそういうのに敏感ですから」

 

 

絵里はスタンドスピーカーの前に立ち、レッスン用の音源の用意を始める。

 

CDケースから取り出されたのは、『メロディランドたいそう』と書かれたディスク。

 

 

絵里「それじゃ、少しだけ『メロディランドたいそう』の振り付けをやってみましょうか」

 

ことり「『メロディランドたいそう』って、採用通知と一緒に届いたCDの曲だよね?」

 

絵里「そうよ」

 

千砂都「一体どんな振付かな?」

 

ことり「楽しみだね!」

 

絵里「歌詞はちゃんと覚えてきてくれたかしら?」

 

ことり「うん! それはバッチリ! 可愛い歌だったからすぐ覚えちゃった♪」

 

千砂都「私も歌詞は大丈夫です!」

 

絵里「わかったわ。なら早速、振り付けの説明からしていいわね? まず私が踊ってみせるからよく見てて」

 

ことり、千砂都「は~い!」

 

 

絵里がリモコンを操作し、イントロの軽快なリズムがスピーカーから流れる。

 

 

絵里「最初は気を付けして」

 

 

前奏が流れる。

 

 

絵里「前奏に合わせて、手で足を叩く」

 

ことり、千砂都「ふむふむ」

 

絵里「そして左手を腰にあてて」

 

しずく『♪ 歌おう 歌おう 笑顔でね』

 

絵里「右手を口に添えて、誰かを呼んでるみたいに動く!」

 

 

絵里は、左手を腰にあて、右手を口元に添えて、誰かを呼びかけるようなポーズをとる。

 

ことりと千砂都も、絵里の動きを見ながら、少しだけ一緒にやってみる。

 

 

しずく『♪ 踊ろう 踊ろう 元気よく』

 

絵里「今度は反対にして、同じ動き」

 

 

今度は右手を腰にあてて、左手を口元に添えて、さっきと同じ仕草をする。

 

 

 

しずく『♪ ワンちゃんや ネコちゃんや ウサちゃんも』

 

絵里「ワンワン、ニャンニャン、頭の上にウサ耳」

 

 

絵里は『ワンちゃんや』で両手を胸の前に出して、ぴょこぴょこ手首を動かし、『ネコちゃんや』で両手を耳のそばにやって、ニャンニャンと動かし、『ウサちゃんも』は両手を頭の上にして、うさ耳を作る。

 

 

 

しずく『♪ みんなで一緒に楽しく遊ぼう』

 

絵里「手を前に出して、笑顔で誘うように」

 

 

ことりと千砂都は、少しずつ振り付けを覚えながら、体を動かしていく。

 

 

しずく『♪ ぐるぐるぐるぐる』

 

絵里「ぐるぐる回す!」

 

 

手を前に出して、時計回りにぐるぐる回す。

 

 

しずく『♪ ワン! ニャン! ピョンピョン!』

 

絵里「さっきの動物たちのポーズを素早く」

 

 

「ワン」と前足ポーズ、「ニャン」と可愛く手首をくるり、「ピョンピョン」うさ耳。

 

ことりと千砂都も合わせる。

 

 

しずく『♪ みんなで歌おう」 

 

絵里「手を斜め下に広げる」

 

 

手を前に(斜め下)に広げて→縮めて→もう一度前に出す→縮める。

 

 

しずく『♪ メロディランド♪」

 

絵里「最後は大の字でかっこよく決めポーズ!」

 

 

『メロ』で大の字→『ディ』で閉じて→『ランド♪』でパッと大の字でしっかり決めポーズ!

 

 

ことり「え、絵里ちゃん…大胆…!///」

 

絵里「子供たちが真似したくなるようなポーズよ? 最後はかっこよく、自信を持ってやってみなさい」

 

ことり「う、うん…!」

 

千砂都「結構早い振り付けなんですね?」

 

絵里「そうね。 とまぁ、ここまでが『メロディランドたいそう』の振付よ。 わかった?」

 

千砂都「はい!」

 

ことり「ねぇ、この振付って、絵里ちゃんが考えたの?」

 

絵里「えぇ、そうよ」

 

ことり「すごい…! すごく可愛いかったよ!」

 

千砂都「そうだね!」

 

 

2人は拍手。

 

 

絵里「……っ///」

 

 

絵里の表情がほんのり赤く染まる。照れたように視線を逸らして、小さく咳払い。

 

 

絵里「い、いいから!/// ほらっ、今から二人もやるのよ!///」

 

ことり、千砂都「はい!」

 

 

* * *

 

 

ことり、千砂都の練習スタート。

 

 

しずく『♪ 歌おう 歌おう 笑顔でね』

 

 

ことりの動きは、ぎこちなさがちょっとだけ残っていた。

 

千砂都は、動きに問題なさそう。

 

 

しずく『♪ 踊ろう 踊ろう 元気よく』

 

絵里「ことり、動きが硬いわよ。 μ’sのときの練習、思い出して」

 

ことり「はい!」

 

しずく『♪ ワンちゃんや ネコちゃんや ウサちゃんも みんなで一緒に楽しく遊ぼう』

 

絵里「千砂都は、ちょっと表情が硬いわよ」

 

千砂都「う〜ん、つい真剣になっちゃって…」

 

しずく『♪ ぐるぐるぐるぐる  ワン! ニャン! ピョンピョン! みんなで歌おう』

 

絵里「真剣なのは大事。でも、“楽しい”って気持ちを忘れちゃダメよ」

 

千砂都「はい!」

 

しずく『♪ メロディランド♪』

 

 

二人そろって、大の字ポーズをキメる。

 

 

絵里「はい、そのままストップ」

 

ことり「(うぅ……/// このポーズ…なんか恥ずかしい…///)」

 

 

ことりは顔を真っ赤にしてうつむいた。

 

千砂都も、恥ずかしそうに目を細める。

 

けれど、そんな二人の姿を見て、絵里は柔らかく微笑んだ。

 

 

絵里「うん。 はい、OK」

 

ことり、千砂都「ふぅ…」

 

 

ことりと千砂都は、ポーズを解きながら、安堵の息を吐いた。

 

 

絵里「初めてにしては、二人とも基礎ができてる分、動きはよかったわ。あとは慣れね」

 

ことり、千砂都「あはは……」

 

 

~数十分後~

 

 

レッスンの最後、絵里は二人を見つめながら語りかけた。

 

 

絵里「あなたたちなら子供たちの心を掴めるわ。 あとは恥ずかしがらず、あなたたちらしさを届けなさい」

 

ことり、千砂都「はいっ!」

 

 

絵里はくすりと笑い、そして人差し指を立てる。

 

 

絵里「明日からは本格的に練習するから、覚悟しておきなさい♪  ほかの曲の振り付けもやるからね」

 

ことり、千砂都「はいっ!」




最初は、曜ちゃんが衣装係で、可可ちゃんをライブで大道具や看板とかを作ってたシーンが本家に多かったから、美術にしようと当初は思っていたんだけど、こうなりましたw

まあ結論、いつか描きたい話ができたから(このまま順調にいけば、全26話中、16話と20話)、その担当にしちゃった。
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