昼休み
◇廊下
ことりと千砂都は、スタジオから出た。
その瞬間、ふわりと漂ってくる香ばしい香りに、千砂都がぴくりと反応する。
千砂都「んっ? なんかいい匂い」
ことり「え?」
二人の視線の先で、編集チームの栞子、メイ、四季、璃奈が昼食の準備をしていた。
(BGM:ゆったりお昼休み)
白い紙袋から取り出したお弁当箱を、ずらりと長テーブルの上に並べて、その横にお茶のペットボトルや、色とりどりの小袋に包まれたお菓子たちも並べる。
栞子はことりと千砂都に気づき、微笑む。
栞子「お疲れ様です」
ことり、千砂都「お疲れ様です」
栞子「どうぞ。もう準備はできております」
ことり「あの、これって…?」
千砂都「誰のお弁当ですか?」
栞子「あれ?聞いてませんか? こちらは今日の皆さんのお昼ですよ」
ことり「私たちのですか?」
栞子「はい。 毎日、近くのお弁当屋さんに届けてもらっているんです」
千砂都「毎日ですか!?」
栞子「ええ。私たち編集チームの誰かが、朝の内に人数分を発注するんです」
メイ「毎日違うバリエーションのお弁当を食べれて、意外と飽きが来ないぞ」
ことり「そうなんですねぇ」
千砂都「あ…、じゃ、お財布取ってこないと」
栞子「ご心配なく」
ことり、千砂都「えっ?」
栞子「これは番組の経費で支払っているので、皆さんから料金はいただいておりません」
千砂都「えっ!? 本当ですか!?」
璃奈「うん。だから二人も…遠慮しないで、食べて……」
ことり「あぁ~…では、お言葉に甘えて」
四季は小袋のお菓子たちを指さす。
四季「ちなみにこっちは、番組に届いた差し入れのお菓子。 好きなのいつでも持ってっていい」
千砂都「へぇ~、たくさんあるんですね!」
千砂都が目を輝かせながら、お菓子コーナーを見回す。
四季「ちなみに私のおすすめは、これ」
四季はモンブラン味のクリームサンドを一つ取り出し、千砂都に渡した。
千砂都「あっ!これ、今ネットで有名なお菓子ですよね?」
四季「え…? 知ってるの?」
千砂都「食べてみたかったんです!ありがとうございます!」ペコッ
四季「うん。 ことりちゃんも」
ことりにも同じお菓子を差し出す。
ことり「ありがとうございます♪」ペコッ
メイ「あと、そこの突き当たりを右に曲がったら、給湯室があるから、そこの電子レンジや冷蔵庫も自由に使っていいぞ」
ことり「わかりました」
栞子「冷蔵庫へ入れる際は、自分の名前の記入をお忘れなく」
千砂都「はい。 それじゃ~」
ことりと千砂都は、お弁当とお茶を手に取る。
その時、スタジオから他のスタッフたちも、ぞろぞろと廊下に集まってきた。
曜「ふんふんふ~ん♪ 今日のお昼は、なっにかなぁ~♪」
曜が鼻歌を交えながら、楽しそうにやって来た。
きな子「曜先輩、ご機嫌っすね~」
曜はことりたちに気づいた。
曜「あっ、二人はここのお弁当初めてだよね。 ここのお弁当、本当に美味しいから期待してていいよ!」
きな子「栄養バランスもバッチリっす♪」
ことり「楽しみにしてます」
千砂都「早速楽屋行って食べようか」
ことり「うん!」
(BGM:ん???)
◇ことり・千砂都の楽屋
お弁当をテーブルに並べ、二人はすぐに手を洗った。
千砂都「お腹空いた~」
ことり「ふふっ」
お弁当の包装紙を取ると、透明な蓋の上に『今日のメニュー』と書かれた紙が置かれていた。
ことり、千砂都「…?」
ことり「(だし巻き卵、かまぼこ、煮物はにんじんとかぼちゃ、きんぴらごぼう、千切りキャベツ、メンチカツ、ナポリタン、ブロッコリーの天ぷら、プチトマト。 ご飯には黒ゴマと梅干し。 定番なおかずから、ブロッコリーの天ぷらって変わった物も入ってて面白いかも)」
ことり「美味しそう!」
千砂都「ホントだ! じゃ、食べようか!」
ことり「うん。それじゃ」
ことり、千砂都「いただきます!」
2人は手を合わせて、丁寧にお辞儀をしてから、割り箸を割り、箸を伸ばした。
ことりは玉子焼きを一口、千砂都はメンチカツを一口食べる。
ことり「ん! この玉子焼き、すごく美味しいよ!」
千砂都「このメンチカツもジューシーだよ! 衣がサクサクしてて最高!」
ことり「これがブロッコリーの天ぷら?」
千砂都「なんか初めてみた。 美味しいのかな?」
食べてみる。
ことり「あ、意外と美味しいかも」
千砂都「確かに。 こんなたくさんおかずが入ってて、しかも美味しい」
ことり「これ食べたら、午後からの練習も頑張れそうだよ」
千砂都「だねっ!」
昼食を終えたことりと千砂都は、少しゆっくりできた。
ブロッコリーの天ぷら、世にも奇妙な物語の作者が大好きな「夜汽車の男」の大杉漣さんの話に出て来た。
代わったおかずといえば、これだった。
作者は、ブロッコリーが食べれないから、どんな味か知らんけどw