うたって☆メロディランド♪   作:あいライス

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第3話ラストです。


第3話「しずくお姉さん?」⑨

ことり、千砂都、梨子の三人は、茶色を基調とした、おサルさんの衣装に着替えた。

 

頭に丸い耳のカチューシャ、そしてお尻からは可可渾身のくるんと丸まった長い尻尾が伸びていた。

 

 

(BGM:作戦開始)

 

 

ことり「(スタジオに戻ると、さっきの可愛らしいお家のセットはなくなっていて、今度は鮮やかなライムグリーンの巨大な布:グリーンバックが用意されていました。 だからセットの切り替え早すぎるよ~…)」

 

曜「はい、ことりちゃん、これ使ってね~」

 

 

ことりは今朝、曜が誇らしげに見せてくれたバナナの食品サンプルを大切そうに両手で受け取る。

 

 

ことり「あ、はい。 あの…これって確か……グリーンバックでしたっけ?」

 

曜「そうそう。 今回は実写の背景じゃなくて、後からCGでジャングルに合成するんだよ」

 

梨子「『アイアイ』は、南の島のおサルさんの歌でしょう? だから、私たちが大きな木の枝に座っていたり、木に登ったり、たくさんのバナナに囲まれているような映像にするために、今はあえて何も無いこの緑の部屋で撮るのよ」

 

かのん「初めて本物のグリーンバック見ました」

 

千砂都「あの…グリーンバックって何でしたっけ?」

 

善子「クックック……これは貴方たちを未知の世界へ誘うための次元の境目。ヨハネの魔術と、後の儀式によって、貴方たちは一瞬にして熱帯の密林へ降臨されるわ!」

 

花丸「ようするに、善子ちゃんの合成技術と、メイ先輩たちの編集で、この緑色の部分だけをジャングルの景色に塗り替える魔法のキャンバス。 デジタル合成用の背景ずら」

 

ことり「デジタル合成……。本当に魔法みたいですね!」

 

千砂都「なるほど……。じゃ今は何もないけど、実際には大きな木の上で歌ってるつもりでやらなきゃいけないんですね?」

 

梨子「その通りよ。想像力が試されるわね。でも、二人なら大丈夫。さっきの『やぎさんゆうびん』で見せてくれたあの表現力があれば、きっと素敵なジャングルが見えるはずよ」

 

千砂都「よし、イメージトレーニング……。目の前には大きなバナナの木があって、キラキラした海が見える……南の島……アイアイ!」

 

 

千砂都がくるんとした尻尾を揺らしながら、おサルさんのポーズでぴょんぴょんと跳ねます。その動きに合わせて、可可がこだわった尻尾が絶妙な弾力で揺れ動く。

 

 

可可「完璧デス! その尻尾の躍動感、まさに野生のアイアイデス!」

 

果南『よし、みんな位置について!』

 

彼方『梨子ちゃんは、ジャングルの中にあるその不思議なピアノを弾いてる設定だよ。ことりちゃんと千砂都ちゃんは、その周りで元気いっぱいに飛び跳ねてね』

 

ことり「このバナナもきっと、ジャングルで一番美味しい特別な宝物みたいなものかも…♪」

 

果南『そういうこと。 よし、準備はいいかな? この曲は、いろんな角度やシーンを撮るからカット数が多いけど、元気にいこう!』

 

善子「リトルデーモン4号!5号! 召喚!」

 

ことり「4号、5号……?」

 

千砂都「私たちのことですか……?」

 

善子「貴方たちがバナナを追いかけてジャングルを駆け抜ける姿、このヨハネが完璧なアングルで射抜いてあげるわ!」

 

エマ「善子ちゃんだけじゃなくて、私の明かりも南国の太陽に負けないくらい照らしちゃうよ~」

 

きな子「それじゃ、えっと…最初のカットは——」

 

 

(BGM:一緒に始めよう!)

 

 

ことり「(この撮影はさっきのに比べて確かに大変だった。 一回梨子さんのピアノに合わせて、通しで動いたあとは別のアングルでもう一度。 そして曲の合間に使ういろんなシーンの撮影。 曜さんのバナナを私たちが見つけて喜んでるところや、緑の長椅子が用意されて、そこに三人で座って、あとからその長椅子が木の枝に編集される。木登りのシーンも、緑の踏み台を木に見立てて、カメラに向かって一生懸命に手を伸ばし、おサルさんらしく身軽に登る演技を繰り返します。  でもアイアイが終わったら、最後はあの時、初日に練習した犬のおまわりさんの本番も撮影が始まった。 今日撮影した4曲は、いよいよ月曜日の夕方に流れる予定。 気づけば時計は、19時前になろうとしていた)」

 

◇副調整室

 

果南「……よし! これで今日予定してた撮影は全部終了だよ!」

 

 

スピーカーから、スタジオの安堵の声。

 

 

栞子「正直、押しを覚悟していましたが、予定よりこんなに早く巻けるとは思いませんでした。二人の適応能力には驚かされるばかりです」

 

彼方「ねぇねぇ、恋ちゃん。これ、最高のスタート切れたよね?」

 

恋「えぇ。これが完パケされ、テレビの前の子どもたちが観れる日が今から待ち遠しいです」

 

マルガレーテ「あとは明日の撮影ね」

 

璃奈「うん……準備を怠らないようにしないと…」

 

 

副調整室から出る果南たち。

 

スタジオ全体からふぅっと小さな安堵の吐息が広がった。

 

 

恋「皆さん、お疲れ様でした」

 

一同「お疲れ様でした!」

 

 

ちょうどそのタイミングで、メイと四季もスタジオに入ってきた。

 

 

メイ「そろそろ終礼だな」

 

四季「みんな、お疲れ様」

 

 

果南がちらりとことりと千砂都に目を向ける。

 

 

果南「ふふっ、じゃ終礼やろうか」

 

 

スタジオの端にあるホワイトボード前に一同が集まり、終礼が始まった。

 

恋が、ことりと千砂都の方を向いて説明を始める。

 

 

恋「今日撮影した映像は、これから編集チームが仕上げに入ります」

 

ことり「これからですか!?」

 

千砂都「そういえば、このスケジュールを聞いて、ずっと気になっていたんですけど、明後日の16時の放送に間に合うんですか? 明日の編集もしないといけないんですよね?」

 

栞子「問題ありません。今から手分けして作業すれば、今日の23時までには仕上がる見込みです。明日の分も、撮影後すぐに取り込みますから」

 

ことり「すごい……!」

 

千砂都「プロってこんなに仕事早いんですね……」

 

 

この人たちは、どこまで仕事が早いの?と、ことりも千砂都も内心で驚きを隠せなかった。

 

 

メイ「ここからが私たちの腕の見せどころだよ」

 

四季「3人を世界一魅力的なお姉さんに見せるのが、私たちの仕事」

 

璃奈「楽しみにしてて……」

 

ことり「(今日も初めての経験ばかりだったけど、こうして頼りになるスタッフさんたちが支えてくれる。 そう思うと、不思議と胸の奥が温かくなる)」

 

果南「明日はいつも通り栞子たちは昼から出社だから、明日のお弁当の注文は誰がする?」

 

花丸「じゃ、マルがやるずら」

 

果南「ありがとう、花丸ちゃん。お願いね」

 

花丸「ずら」

 

 

そんなやり取りを一通り終えた後、恋が再び全体に向かって声を上げた。

 

 

(BGM:偶然と運命)

 

 

恋「皆さん。 いよいよ明日が、ことりさんと千砂都さんの代になって、初めて子供たちがスタジオに遊びに来る日です」

 

ことり、千砂都「……」

 

恋「子供たちが思いっきり遊んで笑えるように、いつも通り安全には特に注意してください」

 

きな子「明日の子供たちは、朝10時に到着する予定っす!」

 

果南「了解」

 

恋「ことりさんと千砂都さんは、明日に備えて今日は早めに休んでください。そして明日、笑顔で子供たちを明るく迎えてあげてください」

 

ことり、千砂都「はいっ!」

 

恋「では終礼は以上となります。残業される方も、明日に響かない程度でお願いします。 お疲れ様でした」

 

一同「お疲れ様でした~!」

 

 

終礼が終わると、スタッフたちはそれぞれの役割に戻り、片付けや明日の準備を手早く進めていく。

 

 

千砂都「……ついに明日を迎えるだけだね」

 

ことり「うん……ちゃんと笑ってくれるかな? 楽しいって、思ってくれるかな…?」

 

 

そんな彼女の手を、千砂都がそっと握る。

 

 

千砂都「大丈夫。だって今日一日、私たちはすごく楽しかったもん! 子供たちにも絶対に伝わるよ」

 

ことり「……うんっ! 明日も楽しもうね!」

 

梨子「お疲れ様。二人とも。  明日もよろしくね」

 

 

ことり、千砂都「……はい! 梨子お姉さん!」

 

梨子「…っ!  うん!頑張りましょう!」

 

絵里「ふふっ」

 

かのん「………(明日は、いよいよ私が書いた曲も…!  みんなで最高の笑顔にするんだ!)」

 

 

* * *

 

 

~帰り道~

 

秋葉原駅を出たことり。

 

歩いてると、ことりのスマホの通知が鳴る。

 

 

ことり「…?」

 

 

穂乃果と海未からだった。

 

 

海未:

『ことり、明日が子供たちとの本番でしたよね?』

 

穂乃果:

『ことりちゃん、ファイトだよ!』

 

ことり「ふふっ」

 

 

ことり:

『ありがとう。 うん、明日だよ。頑張る!』

 

ことり:

『ねぇ、今から少し電話できる? 二人の声が聞きたくなっちゃった』

 

穂乃果:

『もちろん!』

 

海未:

『いいですよ。ちょうど一息ついていたところです』

 

 

ことり「ふふっ」

 

 

ことりは愛おしそうに画面を見つめると、通話ボタンを押した。

 

 

ことり「もしもし? 穂乃果ちゃん、海未ちゃん」

 

穂乃果『もしもし? ことりちゃん!お疲れ様~!』

 

海未『もしもし。んっ? 風の音がしますが、今、お帰りですか?』

 

ことり「うん。今駅からお家に向かって歩いてるところだよ」

 

海未『そうですか、今日もお疲れ様でした』

 

穂乃果『ねぇねぇ、明日大丈夫? 緊張してない?』

 

ことり「してないっていえば嘘になるけど…、でも今はそれ以上にすごく楽しみなの!  そうだ!聞いて聞いて! 今日ね、子供たちとの収録以外の本番も撮影をしてきたんだよ。やぎさんゆうびんとか、アイアイとか」

 

穂乃果『へぇ~! やっぱり童謡はいいよねっ! 楽しくて、面白くて、元気が出るもん! 早くことりちゃんが歌ってるところ、テレビで見たいよ~!』

 

海未『私も、ことりが新しい場所で精一杯頑張っている姿、楽しみにしていますよ』

 

ことり「ありがとう。  ……私、頑張るよ。  今日一日、スタッフの皆さんが一生懸命準備してくれてるのを見て、改めて思ったの」

 

穂乃果『なになに?』

 

ことり「子供たちの笑顔と夢を、みんなと一緒に作っていきたい。それが今の私の、一番やりたいことなんだ♡」

 

 

(主題歌:追いかける夢の先で〈前奏〉)

 

 

海未『ふふっ。その意気ですよ、ことり。あなたなら、きっと素敵な「お姉さん」になれます』

 

穂乃果『絶対、月曜の放送見るからね!』

 

ことり「うんっ!……あ、そうだ! あとねあとね! 実は私の前に歌のお姉さんをやっていた人が、すごい女優さんだったんだよ!」

 

穂乃果『えっ!? 誰々!? 有名な人!?』

 

海未『それはどなたなのですか?』

 

 

 

(主題歌:追いかける夢の先で)

 

 

 

 

南ことり

内田彩

 

 

 

 

嵐千砂都

岬なこ

 

 

 

 

澁谷かのん

伊達さゆり

 

 

 

 

桜小路きな子

鈴原希実

 

 

 

 

絢瀬絵里

南條愛乃

 

 

 

 

近江彼方

鬼頭明里

 

 

 

 

平安名すみれ

ペイトン尚未

 

 

 

 

唐可可

Liyuu

 

 

 

 

桜内梨子

逢田梨香子

 

 

 

 

渡辺曜

斉藤朱夏

 

 

 

 

国木田花丸

高槻かなこ

 

 

 

 

津島善子

小林愛香

 

 

 

 

ウィーン・マルガレーテ

結那

 

 

 

 

エマ・ヴェルデ

指出毬亜

 

 

 

 

米女メイ

薮島朱音

 

 

 

 

若菜四季

大熊和奏

 

 

 

 

天王寺璃奈

田中ちえ美

 

 

 

 

高咲侑

矢野妃菜喜

 

 

 

 

優木せつ菜

楠木ともり

 

 

 

 

高坂穂乃果

新田恵海

 

 

 

 

園田海未

三森すずこ

 

 

 

 

桜坂しずく

前田佳織里

 

 

 

 

三船栞子

小泉萌香

 

 

 

 

松浦果南

諏訪ななか

 

 

 

 

葉月恋

青山なぎさ

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

 

脚本

ハヤシライス(あいライス)

X「@hayasi0121」

 

 

 

 

表紙イラスト

はの

X「@Hazuki__x_x」

 

 

 

 

音楽

藤澤慶昌

加藤達也

 

 

 

 

オープニング曲

「NEO SKY, NEO MAP!」

作詞:畑亜貴

作曲:小高光太郎・UiNA

編曲:小高光太郎・谷ナオキ・藤井亮太

歌:南ことり(CV.内田彩)、嵐千砂都(CV.岬なこ)

 

 

 

 

主題歌

「追いかける夢の先で」

作詞:畑亜貴

作曲:石黒剛、常楽寺澪

編曲:久保田真悟(Jazzin’park)

弦編曲:兼松衆

歌:南ことり(CV.内田彩)、嵐千砂都(CV.岬なこ)

 

 

 

 

挿入歌

「はじめまして」

作詞:名村宏

作曲:福田和禾子

歌:桜内梨子(CV.逢田梨香子)

 

 

 

 

「やぎさんゆうびん」

作詞:まどみちお

作曲:團伊玖磨

歌:南ことり(CV.内田彩)、嵐千砂都(CV.岬なこ)

 

 

 

 

「アイアイ」

作詞:相田裕美

作曲:宇野誠一郎

歌:南ことり(CV.内田彩)、嵐千砂都(CV.岬なこ)

 

 

 

 

「Solitude Rain」

作詞:Ayaka Miyake

作曲:鈴木エレカ・JOE

編曲:JOE

歌:桜坂しずく(CV.前田佳織里)

 

 

 

 

監督

南泉英一

 

 

 

 

製作

あいライス

X「@airaisuPOKELIVE」

 

 

 

(BGM:前回のラブライブ!スーパースター!!)

 

 

[次回予告]

 

 

千歌「わ〜い! ついた〜!」

 

 

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すみれ「良くも悪くも、子供たちとの収録は、ぶっつけ本番なのが、この番組の売りなのよ」

 

 

---

 

 

きな子「本日は、当番組の収録にご参加いただき、誠にありがとうございます」

 

 

---

 

 

子供たち「ことりおねえさん! ちさとおねえさん! りこおねえさん!」

 

 

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※スポンサー紹介

 

 

ことり「♪ ちょうちょう ︎︎ちょうちょう」

 

 

---

 

 

男の子「ぼく、おおきくなったら、しんかんしぇんになりゅ!」

 

千砂都「新幹線になる!?」

 

 

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穂乃果「サイン貰わなくちゃ!」

 

 

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希「今日はことりちゃんのテレビ初出演のお祝いや~!!」

 

 

 

※スポンサー紹介終了

---

 

 

ことり「今日はお姉さんたちといっぱい!」

 

千砂都、梨子「遊ぼうね~!」

 

 

この物語はフィクションです。




第3話まではpixivにもう既に出していたんだけど、第4話は絶賛執筆中です。

ここハーメルンでは、ハーメルンでしか出さない番外編もたくさん出す予定なので、お楽しみに!

次回はいよいよ子供たちとの本番。
果たしてことりと千砂都は、楽しめるのか?
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