うたって☆メロディランド♪   作:あいライス

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多分薄々、エンディングわかってたよね?

指出毬亜さんの振り付けでどうぞw


第4話「わくわく☆初収録」⑦

◇撮影スタジオ

 

ことり「みんなとたくさん遊んで、とっても楽しかった時間も、そろそろ終わりの時間が近づいてきました」

 

千砂都「最後に、うたって☆メロディランド♪の新しいエンディングを歌うから、みんな、聞いてってね」

 

 

梨子はピアノに座る。

 

 

梨子「声繋ごうよ」

 

 

 

かのん「うわ〜…緊張する〜…! 絵里さん、どうしよう…! 私の書いた言葉が、今から歌になるなんて…!」

 

絵里「ふふっ、大丈夫よ、かのん。あなたが子供たちのこと、この番組のことを、一生懸命考えて、あの歌詞を書いたんでしょう? その想いは必ず伝わるわ。きっと子供たちも、この歌を大好きになってくれる」

 

かのん「絵里さん……」

 

 

 

ピアノ「~♪」

 

 

振り付けは、昨日の午後、かのんと梨子とマルガレーテの会議が終わったあと、絵里が考えてできたもの。

 

 

ことり「♪ 浮かない顔してどうしたの? 何があったの? あなたのペースでいいから 聞かせてよ」

 

 

子供たちは自然と集まり、そばで耳を傾ける。

 

 

千砂都「♪ 上手くいかなくてつらいとき 自分嫌いになりそうなとき 深呼吸 深くついて」

 

 

深呼吸の振り付け。

 

 

ことり「♪ この歌を思い出して欲しいの~~」

 

 

メロディがドラマチックに盛り上がり、一気に光が差し込むようなサビへと突入する。

 

 

ことり、千砂都、梨子「♪ 幸せになろう 笑顔で La La La La La La~ 優しさ溢れてる! 伝わってるよね! 小さな思いが 重なる La La La La La La~  一人一人で一つだよ! 声繋ごうよ~」

 

 

歌い終わったタイミングで、セットの上方に待機していた曜と花丸が、大きなカゴに入った紙吹雪を、セットに降らせる。

 

カラフルな紙吹雪がスタジオの天井から舞い降りてきて、子供たちが一斉に見上げて、歓声をあげる。手のひらを広げて、落ちてくる綺麗な紙を捕まえようとする無邪気な姿が、そこかしこに広がっていた。

 

 

ことり「それじゃ、みんな」

 

ことり、千砂都、梨子「バイバ~イ!」

 

千砂都「また来週~!」

 

 

善子のテレビカメラに向かって手を振る。

 

スタジオの子供たち、そして観覧席で見ていた保護者たちからも、温かく、そして力強い拍手をされる。

 

 

◇副調整室

 

果南「カット! みんな、お疲れ様! 今日の撮影、すべて終了~!」

 

彼方「ふぅ~……終わったね〜」

 

マルガレーテ「あとは、メイたち編集チームに任せるわ」

 

彼方「これだけ面白い素材が揃ったんだもん、最高の仕上がりになるはずだよ」

 

恋「ええ、いつも通り、彼女たちの腕の見せ所ですね」

 

すみれ「それじゃ、私たちもスタジオ戻って、みんなを労いに行きましょう!」

 

可可「はいデス!」

 

 

恋、彼方、マルガレーテ、すみれ、可可はスタジオへ。

 

果南は、一枚の原稿用紙を持って、追いかける。

 

 

◇撮影スタジオ

 

収録が終わった途端、子供たちは思い思いに、ことり、千砂都、梨子に近寄り、衣装の裾を掴んだり、小さな手でぎゅっと手を握ったりしていた。

 

 

千歌「ことりおねえさん、さっきのインタビューおもしろかった! りこおねえさんのツッコミもよかった!」

 

ことり「ふふっ、ありがとう」

 

梨子「楽しんでくれたかしら」

 

たくみ「ちさとおねえさんの、ダンスかっこよかった〜!」

 

千砂都「ありがとう!次はもっといいのを見せてあげる!」

 

 

副調整室から出て来た果南は、観覧席にいる保護者たちのほうへ。

 

 

(BGM:新しい場所へ)

 

 

果南「保護者の皆様、本日は『うたって☆メロディランド♪』の収録に、最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。ディレクターの松浦です」

 

 

保護者たちが一礼。

 

 

ことり、千砂都「…?」

 

 

果南の表情が、ここ一週間見てきた中で、一番大人な顔立ちになってることに気づいた。

 

 

果南「皆様の温かい応援と、お子さんたちの輝く笑顔のおかげで、『うたって☆メロディランド♪』もついに、4年目のシーズンを迎えることができました。本当にありがとうございます」

 

 

パチパチと拍手がスタジオに響く。

 

 

果南「3年前、この小さなスタジオで始まったこの番組が、こうして新しいスタートを切ることができたのも、日頃からこの番組を支えてくださる皆様がいてくださるからこそです。 我々スタッフ、そしてキャスト一同、本当に身の引き締まる思いでいっぱいです」

 

 

スタッフ全員、保護者たちに向けて深く丁寧にお辞儀。

 

 

果南「そして何より、3年間、皆さんにたくさん愛されてきたしずくお姉さんは、先月、惜しまれつつも、メロディランドを卒業してしまいましたが、記念すべき4年目を迎えました本日、新しくメロディランドの一員として加わった、ことりお姉さん、千砂都お姉さんにとっては、まさに人生初となる、記念すべき最初のテレビ収録の舞台となりました」

 

 

果南の紹介に合わせて、ことりと千砂都は周りの子供たちに「ちょっとごめんね」と優しく断りを入れてから、すっと立ち上がり、保護者たちのほうを向き、一礼する。

 

梨子もそんな2人の隣にそっと寄り添い、一緒に一礼。

 

 

果南「本番前まで、2人はそれこそ、生きた心地がしないほど緊張していました。 手のひらに人の字を書いて飲み込んでいる姿を、私は何度も見かけました」

 

 

ことりと千砂都は顔を見合わせて、恥ずかしそうに顔を赤くしている。

 

 

果南「ですが、お子さんたちが笑顔で、このスタジオに入ってきてくれたので、2人は、本番を楽しむことができたと思います。 あの優しくて、笑顔に満ちた空間こそが、この番組がずっと目指し続けている『子供たちのための最高の遊び場』の完成形なのだと、私は確信しました」

 

 

果南の視線が、優しく新人の2人へと注がれる。

 

 

果南「ことりお姉さんの、子供たちの心を包み込むような優しい歌声。千砂都お姉さんの弾けるような笑顔。 この2人が、4年目のメロディランドを、もっともっと素敵な場所に、そして、もっともっと高いところへ連れて行ってくれると信じています」

 

 

果南は誇らしげに、梨子へと視線を送った。

 

 

果南「そしてもちろん、我らが梨子お姉さんも、しずくお姉さん時代と変わらない、優しいピアノの音色と、安心感のある声で、見事にチームを支えてくれました。  新しく入ったフレッシュなお姉さん2人と、4年目を迎え、さらにその包容力に磨きのかかった梨子お姉さんというベテラン。 この素晴らしいバランスがあったからこそ、今日、最高のメロディランドが生まれたのだと思います。  えぇ~、まだまだ未熟な新人の2人ですが、これから始まる新しい『うたって☆メロディランド♪』の旅を、ご家族でぜひテレビを囲んで、楽しんでください。  最後に、初めての場所で、慣れないカメラの前でしたが、一生懸命頑張ってくれたお子さんたちも、今は少し緊張が解けて、疲れが出ている頃かと思います。 お家に帰ったら、褒めてあげてください。  本日の収録分は、4月11日の月曜16時に放送します。 お帰りの道中はどうぞお気をつけてお帰りください。 本日は誠にありがとうございました!」

 

 

果南は深く頭を下げると、全員、保護者たちに一礼。

 

保護者からや子供たちからは拍手が送られた。

 

 

ことり「(果南さん…!♡)」

 

 

* * *

 

 

スタジオ扉の前で、ことり、千砂都、梨子が膝をつき、子供たちの目線に合わせながら、籠の中から丁寧に包装された小さな袋に入ったクッキーを手渡した。

 

 

ことり「みんな、今日は一緒に遊んでくれて、本当にありがとう! お姉さんたちからのプレゼントだよ、どうぞっ♪」

 

男の子「クッキー!」

 

女の子「ありがとう!」

 

千砂都「お家に帰ったら食べてね」

 

 

梨子が千歌にクッキーを渡す。

 

 

(BGM:DETERMINATION)

 

 

梨子「はい、千歌ちゃん。今日もたくさん大きな声を出してくれてありがとうね。どうぞ」

 

千歌「ありがとう! あのね!パパとママたちにも、おねえさんたちがあそびにくるかもって、いっておくからね!」

 

梨子「ふふっ、いつか本当に、みんなでお邪魔させてもらうね。 志満ちゃん、美渡ちゃんも今日はありがとう」

 

志満「こちらこそ、本当に楽しい時間だったわ。新しく入ったお姉さんも、すごく素敵なお姉さんね」

 

美渡「また機会があったら、ぜひ連れてきますよ」

 

ことり「バイバイ、千歌ちゃん!」

 

千砂都「まったね~!」

 

千歌は「うん! またね!」

 

 

次に来たのが、たくみだった。

 

 

ことり「たくみくんも、クッキーどうぞ♪」

 

たくみ「ありがとう!」

 

母親「あの…、ありがとうございました」

 

ことり、千砂都、梨子「…?」

 

母親「たくみがまた絵を描けるようになったのは、皆さんのおかげです」

 

梨子「お母様…」

 

母親「この子、この間、幼稚園のお友達から『絵が変だ』って言われて、大好きだったクレヨンも画用紙も、全部クローゼットの奥に隠してしまったんです。 どれだけ私や主人が『お絵かきしよう』って誘っても、全然絵を描かなくなってしまったんです」

 

ことり「そんなことが……」

 

母親「そんなときに、この『うたって☆メロディランド♪』のスタジオ観覧の募集を見つけて、藁にもすがる思いで応募したら、当選したんです。 たくみは、しずくお姉さんの時代からこの番組が大好きだったので、もしかしたら何か変わるかもしれないって、微かな希望を抱いて今日、ここに来ました」

 

ことり、千砂都「……」

 

母親「それがまさか、本当にあんな奇跡が起きるなんて…。皆さんが、この子の隣でずっと優しく待って、たくみの絵を認めてくれたからです。 クレヨンを走らせたとき、涙が止まりませんでした。 皆さんのおかげで、この子は自分の世界を取り戻すことができたんです。 この子の『大好き』を取り戻してくれて、本当に、ありがとうございました」

 

 

たくみの母は、深々と頭を下げる。

 

 

梨子「いえいえ、そんなお母様、顔を上げてください。  私たちは、たくみくんの心にある美しい光を見せてもらっただけですから」

 

ことり「ふふっ、たくみくん」

 

たくみ「…?」

 

 

ことりは、もう一度たくみくんの前に視線を戻し、彼の小さな手を、両手でそっと包み込んだ。

 

 

ことり「たくみくんの絵、すごく素敵だったよ! お姉さん、あのピンクのお空、大好きになっちゃった! あんな絵を描けるのは、世界中でたくみくんだけだよ?」

 

たくみ「ホント?」

 

千砂都「本当だよ! たくみくんが見た世界、綺麗だなって思った色は、たくみくんにしか出せない色なんだから! だからこれからも、周りの言うことなんて気にしないで、もっともっと、たくさんの色を使って、素敵な絵をいっぱい描いてね!」

 

たくみ「…!  うん! またかいたら、おねえさんたちにみせにくるね!」

 

梨子「楽しみに待っているわね。  お母様、こちらこそ、たくみくんに出会わせてくれて、ありがとうございました」

 

 

母親がもう一度会釈すると、たくみは母親の手をぐいぐいと引っ張って、元気よく廊下を走っていった。

 

 

きな子「それじゃみんな、来た時と同じように、またガチョウさんみたいに、一列に並んで歩くっすよ〜。ガ、ガ、ガ〜♪」

 

梨子「みんな~、また来週、テレビの前で会おうね〜!」

 

ことり「気を付けて帰ってね~!」

 

千砂都「また遊ぼうね~!」

 

 

きな子を先頭に、子供たちと保護者たちは帰っていった。

 

 

ことり「(私……お姉さんになってよかった。 私の歌や、みんなとの時間が、誰かの大切な一歩を支えることができるんだね…!)」

 

梨子「ふぅ…。 お疲れ様、千砂都ちゃん、ことりちゃん」

 

ことり、千砂都「お疲れ様でした」

 

梨子「2人とも、初めての収録だなんて、誰も信じられないくらい、最高の『お姉さん』だったわよ」

 

ことり「千砂都ちゃんが隣にいてくれて、梨子さんがそばでずっと私たちのことを見守ってくれていたから、最後まで笑顔で頑張れました。 ありがとうございました!」

 

千砂都「私も! 梨子さんが私のどんな無茶なボケも、全部綺麗に拾ってツッコんでくれたから、思い切り楽しめました!」

 

梨子「クスッ…大袈裟よ。 でもそれも含めて、最高に面白い『これなあに?』になったじゃない。 私はただ、2人が作ってくれた楽しい波に、乗っからせてもらっただけよ」

 

果南「さてと、それじゃみんな! またいつものように、振り返り会議を始めるから、いつものメンバーは会議室に集合! それ以外のメンバーは掃除をよろしく!」

 

ことり「振り返り会議?」

 

梨子「収録が終わったあとは、今日の反省点とか、午後から栞子さんたちが来る前に、大まかなカット割りとかを決めたり、今日の子供たちの反応を見て、来週からの構成をもう一度練り直したりするの。 番組をより良くするための、大切な時間よ」

 

ことり「なるほど…!」

 

千砂都「梨子さん、ということは、私たちもその会議に参加して、今日の感想をお話しするってことでいいですか?」

 

梨子「えっと…、あなたたちは掃除組でお願いしていい?  会議は基本、恋さん、果南さん、彼方さん、エマちゃん、マルガレーテちゃん、善子ちゃん、きな子ちゃん、曜ちゃん、私の参加ってことになってるから。  あ~…、でもちょっと待って。今日はどうかしら? 恋さん、すみません」

 

恋「はい? 何でしょうか?」

 

梨子「ことりちゃんと千砂都ちゃんは、今日の会議はどうします? 初回ですし、本人たちの感想も会議で共有したほうがいいですか?」

 

 

それを聞いた果南。

 

 

果南「あ、いや。ことりちゃんと千砂都ちゃんは、申し訳ないけれど、一旦スタジオの掃除をお願いしていいかな? 2人の感想は、この後の会議で決まった方向性を踏まえた上で、会議のあと、梨子ちゃんと一緒に面談する時間をとりたいから」

 

ことり「あ…はい」

 

千砂都「わかりました」

 

梨子「それじゃ~、それでお願いね」

 

 

お見送りを終えたきな子が帰ってきて、ことりと千砂都と梨子は私服に着替え終わったら、恋、果南、彼方、エマ、マルガレーテ、善子、きな子、曜、梨子は会議室へ。

 

残りのすみれ、可可、花丸、絵里、侑、せつ菜、かのん、ことり、千砂都は、スタジオの片付けを始めた。

 

クレヨンやハテナボックスの片付けはもちろんのこと、箒や掃除機でスタジオを掃除する。

 

数分後、栞子とメイが出社してきた。

 

 

栞子、メイ「おはようございます」

 

 

そのまた数分、四季と璃奈も出社してきた。

 

 

栞子「では、私は会議に参加してくるので、3人も掃除お願いします」

 

 

ことりと千砂都も、ほうきを持ってスタジオの床に散らばった紙吹雪を集める。

 

 

千砂都「本当に楽しかったね」

 

ことり「うん! 子供たちのあの笑い声が、今も耳に残ってるよ」

 

千砂都「かのんちゃんの歌も、歌えてよかったよ! 子供たち、みんなキラキラした目で聴いてたよ!」

 

かのん「えへへ…。ありがとう、ちぃちゃん。  いや〜、自分の書いた言葉が梨子さんのピアノと、ことりちゃんとちぃちゃんの歌声にのった瞬間、本当に鳥肌が立ったよ! ことりちゃんも、ちぃちゃんも、本当に本物の『お姉さん』だったよ!」

 

絵里「ふふっ、かのん、何言ってるのよ。 2人はもう本物のお姉さんなのよ」

 

かのん「あ、そっか…、そうですよね! でもさ、2人のために歌詞を書けて、幸せだったよ!」

 

すみれ「ちょっと、何しんみりと、すべてが終わったみたいな顔して言ってるのよ、かのん。 あんたには、もっと子供たちが元気に歌って踊れるような最高の歌詞を、これからいっぱい書いてもらわなきゃいけないんだから!」

 

可可「そうデス!立ち止まってる暇はないデスよ!」

 

かのん「あ、はい! もちろん、これから全力で頑張ります!」

 

 

メイは、善子が置いていったカメラのビデオテープを持って行こうとする。

 

 

メイ「どんなふうに撮影されたか、今から編集するの楽しみだよ」

 

四季「期待…」

 

璃奈「りなちゃんボード:わくわく」

 

花丸「でも3人とも、これから番組を続けていく中で、もし何かに行き詰まったり、ちょっとやりにくいなって感じることがあったら、誰にでもいいから、いつでも気楽に相談してほしいずら。 まるたちはうたメロの仲間なんだから、遠慮は無用ずら」

 

ことり、千砂都、かのん「はい!」

 

ことり「(ホント、皆さん、優しくて、温かくて、素敵な人たちばかりでよかった〜)」

 

 

40分後、奥の会議室から恋たちが出てきた。

 

果南と恋と栞子と彼方は編集室にそのまま入ってった。

 

 

梨子「ことりちゃん、千砂都ちゃん。 果南さんたちとの面談は、このあとの編集作業の打ち合わせが終わってからされることなったわ。 それで『もしよかったら、編集作業を見学してみない?』って」

 

ことり「いいんですか?」

 

千砂都「ぜひ見たいです! 自分たちの映像が、どうやって一つの番組として繋がっていくのか、昨日からずっと気になっていたんです!」

 

梨子「じゃ、いきましょ」

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