うたって☆メロディランド♪   作:あいライス

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第4話「わくわく☆初収録」⑨

4月11日月曜日15時過ぎ

 

 

◇南家

 

ことり「♪」

 

 

鼻歌でメロディランドたいそうを口ずさみながら、チーズケーキを作っていた。

 

 

ことり「(一週間が終わって、初めてのお休みのこの2日間。 昨日はちょっとのんびりさせてもらったけど、今日の私は、チーズケーキを作っています!)」

 

ことり「完成♪」

 

ことり「(何でかって言うと、今日の16時のうたメロを一緒に観ようと、千砂都ちゃんとかのんちゃんを家に誘ったの。 2人とも快く来てくれるって言ってくれたから、そのためのチーズケーキです♪)」

 

 

タイミングよく、チャイムが鳴った。

 

 

ことり「あ、来たかな?」

 

 

玄関の扉を開けると、千砂都とかのんが立っていた。

 

 

(BGM:ダイヤちゃんと呼ばれたい)

 

 

千砂都「うぃっす〜!ことりちゃん!」

 

かのん「誘ってくれてありがとう!」

 

ことり「いらっしゃい、2人とも。 さあ上がって♪」

 

千砂都、かのん「お邪魔します!」

 

 

居間へ。

 

 

千砂都「あ、なんかいい匂いがする…。  あっ!チーズケーキ美味しそう!」

 

かのん「もしかしなくても、ことりちゃんが作ったの!?」

 

ことり「うん! あとで放送観ながら、一緒に食べよう!」

 

千砂都「やった~! ことりちゃんの手作りチーズケーキが食べられるなんて!」

 

かのん「ありがとう! あ、ことりちゃん、これ。 来る途中、美味しそうな紅茶があったから買って来たんだけど、もしよかったら飲まない?」

 

ことり「ありがとう、かのんちゃん! じゃお茶の用意するから、待ってて」

 

かのん「あ、手伝うよ!」

 

千砂都「うんうん!」

 

ことり「ふふっ、大丈夫だよ。 お客様はゆっくり座ってて」

 

かのん「ごめん。じゃ、お言葉に甘えて。   にしても、あと少しで、ちぃちゃんとことりちゃんが、初めてテレビに映るんだね! そう思うと、私が作詞した歌が流れることも含めて、私まで緊張してきた…」

 

千砂都「そうだね。 昨日はのんびりしてたから、まだ実感湧かなかったけど、こうしてテレビの前に座ると、ドキドキしてきた…。 スタジオに遊びに来てくれた子たちは楽しんでくれたけど、テレビで観る子供たちはどう思うのかな?」

 

ことり「わかる。私もだよ。考えたらキリがないけど…」

 

 

ことりは、入れた紅茶を配る。

 

 

千砂都「ありがとう、ことりちゃん」

 

かのん「ありがとう」

 

 

ピンポーン

 

 

ことり、千砂都、かのん「…?」

 

ことり「あれ?宅配便かな? ちょっと出てくるね」

 

 

再びことりが玄関に出ると…

 

 

穂乃果「ことりちゃん、やっほ~!遊びに来ちゃった~!」

 

海未「突然すみません、ことり」

 

ことり「穂乃果ちゃん!?海未ちゃん!? どうしたの!?」

 

穂乃果「いや~、ことりちゃんが初めてテレビに出るんだから、お祝い持ってきたの! そして一緒に観ようと思って!」

 

 

穂乃果は、穂むまんの入った包みを出した。

 

 

海未「あなたが、新しい世界へ羽ばたく最初の瞬間を、どうしてもリアルタイムで一緒に見届けたくて。ご迷惑でなければ、ご一緒させていただいてもよろしいですか?」

 

ことり「そうなんだ? それは嬉しいし、一緒に観てほしいんだけど…。 実は今、千砂都ちゃんとかのんちゃんも遊びに来てくれていてね、ちょうどこれからお茶をするところだったの」

 

海未「千砂都さん? かのんさん?  あ…、この前電話で話してくれた方ですか? 同じくテレビに出る体操のお姉さんと、作詞家さんの」

 

ことり「うん! 私の大切な新しい仲間だよ!」

 

穂乃果「へぇ~! ことりちゃんから話を聞いたときから、どんな子たちなんだろうってずっと思ってたの! 会ってみていいかな!?」

 

海未「穂乃果、あまりがっついては失礼ですよ。  ですがそうですね。 私も一度ご挨拶したいと思ってましたから」

 

ことり「2人とも、とっても優しい子たちだから大丈夫だと思う。 さあ、中に入って!」

 

穂乃果、海未「お邪魔します」

 

 

◇居間

 

千砂都「…? お客さんだったのかな? 結構賑やかな声が聞こえるけど…」

 

かのん「ことりちゃんのお友達かな…?」

 

 

ことりが戻ってきた。

 

 

ことり「ねぇ、私の幼馴染の2人が遊びに来てくれたんだけど、一緒にいいかな?」

 

千砂都「いいよ! ことりちゃんの幼馴染さんなら、私たちもぜひ会ってみたいし!」

 

かのん「うん、私も大丈夫。みんなで観たほうが絶対に楽しいよ!」

 

ことり「ありがとう。   2人とも、入っていいよ」

 

穂乃果、海未「お邪魔します」

 

千砂都、かのん「っ!?」

 

 

(BGM:チグハグ)

 

 

千砂都「えぇっ!? μ’sの穂乃果ちゃんと海未ちゃん!?」

 

かのん「冷静に考えればそうだった! ことりちゃんの幼馴染なんだから、穂乃果ちゃんと海未ちゃんに決まってるじゃん!」

 

穂乃果「えっ!? μ’sを知ってるの!?」

 

千砂都「知ってるも何も私たち、μ’sのファンだったんです!! ラブライブ!決勝も見に行きました!」

 

穂乃果「ホント!? すごいよ、海未ちゃん! 体操のお姉さんと作詞家さん、私たちのこと知ってくれてたよ!」

 

海未「そうでしたか! あの広い会場に、あなた方もいてくださったなんて。 今になってこうしてお会いできるなんて、本当に光栄です」

 

かのん「あ、あの! 『KiRa-KiRa Sensation!』を聴いたとき、私、本当に鳥肌が止まらなくて! あのステージを観て、たくさんの元気を貰ったんです!」

 

千砂都「夢じゃないよね!? かのんちゃん、ほっぺ抓って!」

 

ことり「ふふっ、千砂都ちゃん、初めて楽屋で会ったときも、私の手をブンブン握って、同じようにびっくりしてくれたんだよ?」

 

千砂都「う…、ことりちゃん、それを今言わないでよ〜!///」

 

 

ことりは、穂乃果と海未にも紅茶を出した。

 

 

ことり「そういえば、千砂都ちゃんは絵里ちゃん推しって聞いたけど、かのんちゃんは誰が好きだったの?」

 

かのん「聞いちゃう?」

 

ことり「気になって」

 

かのん「う、海未さんです…!」

 

海未「えっ? 私ですか?」

 

かのん「はい! 私も当時から、ずっと作詞家を目指して歌を作っていたときでしたから…、同じ高校生なのに、どうしてこんなに綺麗で、心に深く刺さる素晴らしい歌詞を書ける子がいるんだって思って!ずっと、私の憧れの目標でした!」

 

海未「いえいえ、そんな…。 思い付いた言葉をノートに書き留めていただけですから…」

 

千砂都「って、そうだ…! 興奮しすぎて、ちゃんと自己紹介もしてなかった!」

 

かのん「あ…」

 

千砂都「初めまして! ことりちゃんと一緒に、番組で体操のお姉さんを務めることになりました、嵐千砂都です!」

 

かのん「うたって☆メロディランド♪の歌のコーナーで、作詞を担当しています、澁谷かのんです。よろしくお願いします!」

 

穂乃果「よろしくね、千砂都ちゃん、かのんちゃん! ことりちゃんから新しい仲間の話を聞いたときから、私も海未ちゃんも、ずっとずっと会ってみたかったの。今日こうして話せて、本当に嬉しいよ!」

 

海未「はい、こちらこそ。こうしてご挨拶ができて安心しました」

 

 

ことりは、チーズケーキを切り分けて、配っていった。

 

 

ことり「はい、海未ちゃん」

 

海未「ありがとうございます、ことり。いつもながら、あなたの作るケーキは本当に見事ですね」

 

ことり「えへへ」

 

 

ことりは続けて、穂乃果、千砂都、そしてかのんの前にも、切り分けたケーキを順番に配っていった。

 

 

穂乃果「わ〜い! ことりちゃんのチーズケーキ!」

 

千砂都「美味しそう!」

 

かのん「いただきます!」

 

ことり「は~い」

 

 

(BGM:ん???)

 

 

穂乃果「それにしても、こうして芸能人に会える日が来るなんて思わなかったよ! あとでサイン貰わなくちゃ!」

 

千砂都「えっ!?そんなサインって。 芸能人なんて、まだまだですよ!  今日がテレビデビューなんですから…」

 

海未「ですが、ことりとともに頑張る相棒になる方ですよね?」

 

ことり「うん!」

 

海未「でしたら、千砂都さん、かのんさん。  ことりのこと、どうぞよろしくお願いします。 昔からことりは、おっとりしていて、優しい子なのですが、そのぶん天然なところが多くて、どこか抜けていますから」

 

ことり「海未ちゃ~ん!  もう、子ども扱いしないでよ〜!」

 

穂乃果「あはは、ご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いしま~す!」

 

ことり「ちょっと、穂乃果ちゃんまで!? そんなこと言わなくていいのっ!///」

 

千砂都「い、いえいえ!そんな。  ことりちゃんは本当にしっかりしてて、この一週間、私をたくさん引っ張ってくれましたよ!」

 

かのん「そうです。 むしろ、私たちのほうが、これからたくさん迷惑をかけてしまうかもしれません」

 

海未「ところで、2人も昔からの友達なのですか?」

 

かのん「あ、はい。 ちぃちゃんとは幼馴染で、家も近所だったので、ずっと一緒に育ってきたんですよ」

 

穂乃果「私たちと一緒だ!私と海未ちゃん、ことりちゃんも、生まれてからずっと、この街で小っちゃい頃から一緒なんだよ! 一緒に遊んで、ずっと同じ景色を見て育ってきたの!」

 

海未「えぇ。  形は違えど、私たちと同じような深い絆を持つお二人が、今こうしてことりの隣にいてくださる。 これは、不思議な運命の引き合わせかもしれませんね」

 

かのん「不思議な運命…」

 

千砂都「すごく素敵な関係だね」

 

ことり「あともう一人、私たちの先輩お姉さんがいるんだけど、その人にもいつか2人も会ってほしい」

 

海未「機会があれば、その方にもご挨拶したいですね」

 

穂乃果「だね。 その人も、今日出るの?」

 

ことり「うん。 ずっと私たちの隣に」

 

 

16時前になった。

 

 

ことり「あっ! みんな、テレビ付けるね! そろそろ始まるよ!」

 

千砂都「いよいよだね!」

 

かのん「ふふっ」

 

 

ことりはテレビを付けた。

 

 

穂乃果「わくわく」

 

海未「楽しみです」

 

 

CM明けた。

 

オープニング映像は、アニメ映像だった。

 

 

ことり「はじまった……!」

 

 

ことりと千砂都は、お互い顔を見合わせて、小さく息をのむ。

 

 

(BGM:前回のラブライブ!サンシャイン!!)

 

 

画面に映し出されたのは、見慣れた東京の街並み。

 

それがカメラワークとともに、みるみるうちに空へと上がっていき、白い雲を突き抜けていく。

 

まるで視聴者である子供たちと一緒に、大空を大冒険しているかのような疾走感。

 

やがて雲の切れ目から見えてきたのは、カラフルな音符や五線譜の飾りが街のあちこちに散りばめられた、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような不思議な国『メロディランド』。

 

楽しげな音楽に乗せてカメラがその世界へ近づくと、緑豊かな森の奥、木漏れ日の中に置かれた真っ白なグランドピアノの前に、梨子お姉さんのアニメキャラが座って、こちらに手を振っていた。

 

カメラはさらに風の吹く広場へと進む。

 

そこでは、アクティブにステップを踏みながら元気に手を振る、千砂都お姉さんの姿が活き活きと描かれている。

 

そして映像は、さらにその先にある、広大な草原とどこまでも続く青空が広がる中央広場へ。

 

そこには、満面の笑顔で手を振ることりお姉さんが待っていた。

 

ことりお姉さんの左右に、千砂都お姉さんと梨子お姉さんが笑顔で駆け寄り、3人が揃ってポーズを決めた瞬間、画面中央にポップなフォントで、タイトル『うたって☆メロディランド♪』が出る。

 

色鮮やかなアニメーションが、真っ白にフレームアウトし、眩しい光の向こうから、鮮明な実写のスタジオ映像へと切り替わる。

 

 

(BGM:お遊戯の時間ですわ!)

 

 

ことり、千砂都、梨子『みんな~! こんにちは~!』

 

梨子『梨子お姉さんです! 今日はね、みんなに嬉しいお知らせがあるの! 今日から『うたって☆メロディランド♪』に、新しいお友達が二人もやって来ました~! パチパチパチ~♪』

 

ことり『みんな、初めまして! 歌のお姉さんのことりお姉さんだよ~!』

 

 

穂乃果「ことりちゃんだ!」

 

海未「衣装、似合ってますね!」

 

ことり「えへへ」

 

千砂都「衣装担当の人が、めちゃくちゃ気合入れて、作ってたんですよ!」

 

かのん「可可さんのこだわりすごいよね」

 

 

千砂都『体操のお姉さんの千砂都お姉さんだよ~!』

 

ことり『みんなとお友達になれるの、お姉さんはとても楽しみにしてたよ!』

 

千砂都『千砂都お姉さんもだよ! じゃまずは、みんなに自己紹介をやらないとね!』

 

梨子『それじゃ、まずはこの曲からスタート♡』

 

 

ピアノ『~♪』

 

梨子『♪ はじめまして ことりちゃん 拍手でこんにちは』

 

ことり『こんにちは~! ことりお姉さんは、歌うことが大好きです! 好きな食べ物はチーズケーキだよ。みんな、ことりお姉さんと一緒に、たくさん歌おうね♡』

 

梨子『♪ すくすく るんるん ともだちじゃん ともだちじゃんじゃんできちゃった』

 

 

海未「この方がその先輩お姉さんですか?」

 

ことり「うん。 梨子さんっていうんだけど、ピアノがこんなに上手で、スタジオでも私たちのことをずっと引っ張ってくれて、すっごく優しい人なの!」

 

穂乃果「美人だね~! 歌声もすごく綺麗!」

 

 

梨子『♪ はじめまして 千砂都ちゃん 拍手でこんにちは』

 

千砂都『こんにちは~! 千砂都お姉さんは、ダンスと外で遊ぶのが大好き! 好きな食べ物はま~るいたこ焼きだよ! みんなと一緒に、元気いっぱい体を動かしたいな♡』

 

 

千砂都は、元気よく「たこ焼きポーズ」を披露。

 

 

かのん「あはは! ちぃちゃんのたこ焼きポーズ、バッチリ決まってる!」

 

千砂都「あはは…」

 

 

梨子『♪ のびのび がやがや ともだちじゃん ともだちじゃんじゃんできちゃった』

 

ことり、千砂都、梨子『♪ じゃんじゃん!』

 

 

曲が終わる。

 

 

梨子『これからよろしくね。ことりお姉さん、千砂都お姉さん』

 

ことり、千砂都『梨子お姉さん、こちらこそ、よろしくね』

 

 

ことりと、千砂都、カメラを向く。

 

 

ことり『これからみんなと一緒に遊べるのがすっごく楽しみだよ!』

 

千砂都『そうだね! それじゃ早速今日は歌のコーナーから始めちゃおうか!』

 

ことり『うん! まずはこのお歌から——』

 

ことり、千砂都、梨子『どうぞ!』

 

 

場面転換して、夕陽の公園のセットに変わり、犬のおまわりさんになった。

 

梨子のピアノの前奏。

 

ことりは、片手を額にかざし、周囲を見回すような動きをして、千砂都を見つめ、そっと優しく歌い出した。

 

 

ことり『♪ 迷子の迷子の子猫ちゃん』

 

 

ことりは立ち止まり、千砂都のそばにそっと片膝をついて、目線を合わせるようにしゃがみこむ。

 

 

ことり『♪ あなたのお家はどこですか?』

 

 

穂乃果「わっ、ちゃんとことりちゃんが犬のおまわりさんの恰好してる!」

 

海未「千砂都さんは、子猫ちゃんの女の子ですか。 ただ歌うだけでなく、こうして劇のようにして見せることで、小さなお子さんたちも一気に歌の世界に引き込まれるのですね」

 

 

* * *

 

 

千砂都『みんな、最初の体操いくよ~!』

 

ことり『メロディランドたいそう、スタート!』

 

ピアノ『~♪』

 

ことり、千砂都『♪ 歌おう 歌おう 笑顔でね  踊ろう 踊ろう 元気よく  ワンちゃんやネコちゃんやウサちゃんも  みんなで一緒に楽しく遊ぼう」

 

 

子供たちも一緒に踊ってる。

 

 

ことり、千砂都『♪ ぐるぐるぐるぐる  ワン! ニャン! ピョンピョン! みんなで歌おう メロディランド♪』

 

海未「振り付けも、また可愛らしいですね」

 

穂乃果「これ、あの絵里ちゃんが、振付考えたって思うと…、絵里ちゃん、可愛いね〜♪」

 

海未「やめてあげなさい…。ですが、本当に子供たちが楽しそうに体を動かせる、素晴らしい振付です。絵里の努力の結晶ですね」

 

ことり「でも…、最後のあのポーズは、やっぱりちょっと大胆で、恥ずかしいんだけどね///」

 

千砂都「うん、ちょっとね。 こうして見ると、開きすぎたかな…?///」

 

かのん「でも、可愛く決まって、よかったじゃん!」

 

千砂都「…かのんちゃん、ありがとう」

 

ことり「うん、かのんちゃんにそう言ってもらえると、嬉しい!」

 

穂乃果、海未「ふふっ」

 

 

* * *

 

 

たくみ『できた~!』

 

千砂都『すご~い! たくみくんが空飛んでる~!』

 

たくみ『たくみが、おねえさん3にんと、おそらをとんでるの!』

 

千砂都『えっ? これ、私たち!? すっごく可愛い!』

 

ことり『本当だ! たくみくん、私たちのこと描いてくれたの!? 梨子お姉さん、見て! 私たちがお空飛んでるよ!』

 

梨子『ふふっ、すごく上手!とっても楽しそうに飛んでるわね!』

 

千歌『ちかもおねえさんをかく~!』

 

 

千砂都「ここ、ホント嬉しかったよね!」

 

ことり「うん。 みんな、私たちを描いてくれてね。 あのときは、嬉しくてちょっと涙が出そうになっちゃった」

 

穂乃果「ホントことりちゃん、涙もろいよね。  でもさ、子供たちがこうやってすぐにお姉さんたちの絵を描いてくれるなんて、それだけ2人のことが大好きになった証拠だよ!」

 

海未「子供たちの描く絵は、どんな素晴らしい芸術よりも純粋で、心を打ちますね」

 

かのん「ですよね~。 だけど、問題は次なんですよ。 次が私が作詞した歌が、全国に流れるんですから」

 

海未「かのんさんの作詞ですか。 楽しみです」

 

かのん「(推しに聞かれるなんて、これどんなメンタルすればいいの~!?///)」

 

 

* * *

 

 

千砂都『さあ、千砂都選手、構えました!  ピッチャー、投げた! カキーン!』

 

 

勢いよく素振りを一発。

 

 

千砂都『打った~! これは大きい!大きいぞ〜!』

 

子供たち『ちが~~う!!』

 

 

穂乃果「あはは! 今度は大根がバットになっちゃった!」

 

千砂都「この後の、ことりちゃんがいいですよ!」

 

 

ことり『違うよ〜、千砂都お姉さん!  それは~…、マイクだよっ!』

 

千砂都、梨子『えっ…?』

 

 

千砂都は大根の葉の部分を上にして、マイクのようにことりへと手渡した。

 

ことりは、それを胸の高さに持つ。

 

 

ことり『放送席、放送席!ヒーローインタビューです! 今日のヒーロー、見事なバッティングを見せてくれました、千砂都選手に来てもらってま〜す!』

 

 

千砂都は子供たちに向かって、片手を小さく上げて爽やかに手を振った。

 

 

ことり『いや〜、千砂都選手! さっきは本当に惜しかったですね〜!』

 

千砂都、梨子『えっ!?』

 

梨子『負けたの!?』

 

千砂都『いや〜、自分では完璧な手ごたえだったんですけどね〜。フェンスのギリギリのところで、相手のセンターにジャンピングキャッチされて、取られちゃいました〜…。本当に悔しいです』

 

梨子『それは惜しかったわね~。もったいない! あと数センチ高ければ、逆転サヨナラホームランだったのに〜!』

 

 

梨子が本気で悔しがるファンのように頭を抱える。

 

 

ことり『今後の活躍に期待してます』

 

千砂都『頑張ります!』

 

梨子『って、ちょっと待って! 何で負けたのにヒーローインタビューされてるのよ!?』

 

ことり『可哀想だったから…?』

 

梨子『負けたインタビューを、わざわざされるほうが可哀想よ…』

 

 

ことり「えへへ、やりすぎちゃったかな」

 

海未「ことりがまさか、ボケに回るとは思いませんでした」

 

穂乃果「あははっ! あのお姉さんのツッコミ、面白すぎでしょ!」

 

 

* * *

 

 

千砂都『最後に、うたって☆メロディランド♪の新しいエンディングを歌うから、みんな、聞いてってね』

 

梨子『声繋ごうよ』

 

ピアノ『~♪』

 

テロップ『声繋ごうよ  作詞:澁谷かのん  作曲:桜内梨子』

 

ことり『♪ 浮かない顔してどうしたの? 何があったの? あなたのペースでいいから 聞かせてよ』

 

千砂都『♪ 上手くいかなくてつらいとき 自分嫌いになりそうなとき 深呼吸 深くついて』

 

ことり『♪ この歌を思い出して欲しいの~~』

 

 

メロディがドラマチックに盛り上がり、一気に光が差し込むようなサビへと突入する。

 

 

ことり、千砂都、梨子『♪ 幸せになろう 笑顔で La La La La La La~ 優しさ溢れてる! 伝わってるよね! 小さな思いが 重なる La La La La La La~  一人一人で一つだよ! 声繋ごうよ~』

 

 

紙吹雪が降ってくる。

 

 

ことり『それじゃ、みんな』

 

ことり、千砂都、梨子『バイバ~イ!』

 

千砂都『また来週~!』

 

 

CMに入った。

 

 

千砂都「終わった~!」

 

ことり「栞子さんたち、すごいよね。 本当に私たちのあの収録が、ちゃんとした一つの素敵な番組になっちゃったんだもん!」

 

千砂都「だね!」

 

海未「最後の歌詞、本当に素晴らしかったです、かのんさん。あんなに優しくて、心に寄り添ってくれる歌詞、なかなか書けるものではありません」

 

穂乃果「うんうん! 私もこの歌、大好きになったよ! かのんちゃん、天才だよ!」

 

かのん「あ…、ありがとうございます…!///」

 

 

(BGM:友情)

 

 

穂乃果「ことりちゃんも千砂都ちゃんも、テレビの中ですっごく輝いてたよ! 毎週、この姿が観られるなんて! 私、これからの月曜日が楽しみで仕方がなくなっちゃった!」

 

海未「これから大変なこともあるかと思いますが、体調に気をつけて頑張ってくださいね、ことり、千砂都さん、かのんさん」

 

ことり「うん!ありがとう、2人とも」

 

千砂都「応援よろしくお願いします!」

 

かのん「もっといい歌詞が書けるように頑張ります!」

 

 

ことりのスマホにLINEが届いた。

 

 

ことり「…?  あ…、みんなからだ!」

 

穂乃果、海未「…?」

 

 

花陽:『ことりちゃん、すごく可愛かった~! 衣装も似合ってたよ!』

 

凛:『モノボケのコーナー、面白かったにゃ!』

 

真姫:『ピアノのお姉さんの演奏もなかなかよかったわ。 ことりの声の特性によく合ってたわね。』

 

絵里:『お疲れ様。歌のお姉さん、体操のお姉さん。』

 

希:『可愛かったよ、ことりちゃん。 えりちの考えた振付も、なかなか可愛かったやん?』

 

絵里:『ちょっと希、からかわないで! 真面目に考えたんだから!』

 

にこ:『ことりの芸能生活、スタートね! しっかり頑張りなさい!』

 

 

ことり「ふふっ、みんな観てくれてたんだ…!」

 

千砂都「μ'sのみんな、ホントに仲いいんだね~」

 

かのん「素敵だね。離れていても、こうしてみんなが応援してくれてるなんて」

 

 

再び、ことりのスマホが震える。

 

 

 

ことり「…?」

 

希:『ねぇねぇ、時間ある子は晩ご飯、ウチのお店に食べに来ない? 店長も許可してくれてるよ』

 

 

希が大学に通いながらアルバイトをしている『味処あかり』。

 

この一年、たまにμ’sで集まっては晩ご飯を食べる、μ'sにとっては憩いの場所だった。

 

 

ことり「ふふっ、穂乃果ちゃん、海未ちゃん、希ちゃんが『ご飯来ない?』って」

 

穂乃果「やった! 行こう行こう!」

 

海未「そうですね」

 

千砂都「あっ、じゃ私たちは、そろそろ帰ろうか?」

 

かのん「そうだね」

 

ことり「あっ、ねぇ! 千砂都ちゃんとかのんちゃんも、もし時間大丈夫なら、一緒に行こうよ!」

 

千砂都、かのん「えっ!?」

 

ことり「みんなにも、2人を紹介したいの!」

 

穂乃果「おいでおいで!」

 

海未「ぜひ、ご一緒にどうぞ」

 

千砂都「えぇっ!? μ’sのみんなとご飯!?」

 

かのん「い、いいんですか!?」

 

ことり「もちろん、私から誘ってるんだもん! 行こっ!」

 

千砂都「じゃ…うん」

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