あなたの推しは何の担当かな?
ここにいないラブライブキャラは、また別の回のゲストで、子供かはたまた別の担当で出るかも…。
(BGM:舞い降りた奇跡)
◇撮影スタジオ
そこは想像していたよりもずっと広い空間だった。
明るい白い照明が照らされ、色とりどりのセットが並び、まるで小さなテーマパークのようだ。
床には足跡マークや撮影用のラインがテープで引かれ、壁にはお馴染みのロゴ。
その光景を前に、ことりと千砂都の目が丸くなる。
ことり、千砂都「わぁ~…!」
スタッフたち「…?」
スタッフたちが次々と顔を上げてこちらを振り返った。
中には見覚えのある顔もいた。
面接で会ったディレクターの果南、メイクのすみれ、構成作家の彼方、面接の控室で案内してくれた人もいた。
きな子「皆さ〜ん! 今日から“歌のお姉さん”と“体操のお姉さん”になった2人を連れてきたっす〜!」
ことり「初めまして! 歌のお姉さんになりました南ことりです! よろしくお願いします!」ペコッ
千砂都「体操のお姉さんになりました嵐千砂都です! 元気いっぱい頑張ります!」ペコッ
ぱちぱちぱち、と、あたたかな拍手がスタジオ中に響いた。
その中から、一人の人物がゆっくりと歩み寄ってきた。
恋「ようこそ、『うたって☆メロディランド♪』へ」
面接で出会ったプロデューサーの恋だった。
恋「ことりさん、千砂都さん。今日というこの日をスタッフ一同、心から楽しみにしていました。 これからよろしくお願いしますね」
ことり「はい!」
千砂都「よろしくお願いします!」
恋は優しく頷き、全体を見渡す。
恋「では皆さん、集まってください。 朝礼を始めますよ」
スタジオの中央にスタッフたちがぞろぞろと集まり、自然と半円を描くように並ぶ。
ことり「(こんなにたくさんの人たちで番組を作ってるんだ?)」
恋「おはようございます」
スタッフたち「おはようございます」
(BGM:Hello New Season!)
恋「今日から新しいメンバーが加わり、新年度は賑やかなスタートを切ることができました。 今週の放送で『うたって☆メロディランド♪』は4年目になります。 これからも子供たちが楽しめる番組作りを心がけ、みんなで力を合わせて頑張りましょう!」
スタッフたち「はい!」
恋「ではことりさんと千砂都さんが加わりましたから、まずはみんなで自己紹介をしましょうか。 私から時計回りでいいですか?」
スタッフたちの数は思ったよりも多く、ことりと千砂都は背筋をぴんと伸ばす。
恋「改めまして私が、『うたって☆メロディランド♪』の全体的なプロデュースを担当しています葉月恋です。 お二人が輝けるように環境を整えていきますから、困ったことがあれば何でも話してください」
ことり、千砂都「はい!」
果南「私は松浦果南。ディレクターだよ。 現場を整えるのが私の仕事だから、収録のことでわかんないことがあったら気軽に聞いてね」
ことり、千砂都「よろしくお願いします!」
彼方「近江彼方です~。 台本の流れを考えるお仕事をしてるよ。二人の個性を活かせるように頑張るね」
ことり、千砂都「はい!」
きな子「改めてまして、ADの桜小路きな子っす! 撮影の時あれこれサポートする係っす! あ、ことりちゃん、さっきは絆創膏ありがとうっす!」
ことり「いえいえ、怪我がなくてよかったです♪」
きな子「(やっぱり天使っす…!)」
すみれ「メイク担当の平安名すみれよ。あなたたちの可愛さを120%引き出してあげるから、よろしく」
千砂都「本格的なメイクって初めてだから楽しみにしてます」
ことり「私も」
すみれ「任せなさい!」
可可「やれやれ、すみれはすぐ調子に乗るタイプデスから気を付けるデス」
すみれ「可可! それ、どういう意味よ!」
すみれを無視して、可可はことりたちににっこりと笑いかけた。
可可「初めまして、衣装担当の唐可可といいマス!」
千砂都「わぁ…! 衣装、すごく楽しみにしてます!」
ことり「私もμ’sのとき、衣装づくりを担当してたんですよ♪」
可可「そうなんデスか!? ならデザインのお話とか、ぜひ一緒にやりたいデス!」
ことり「はい、ぜひ!」
可可はことりの私服をじぃーっと見つめる。
可可「なるほど、確かに可愛いセンスしてるデス…!」
ことり「そ、そうですか?」
千砂都「確かにことりちゃんはおしゃれだよね。 私はおしゃれとか不慣れなので、よろしくお願いします」
可可「お任せあれ! お二人の可愛さを120%引き出してあげマスから!」
すみれ「人の言葉パクってるんじゃないわよ!」
突如始まるすみれと可可の言い合いを、ことりと千砂都がやや呆気にとられていると…。
曜「ヨーソロー!」
元気な掛け声とともに敬礼をしてきたのは、面接の控え室で案内係をしていた女性だ。
曜「私は美術担当の渡辺曜だよ! 背景のセット作りを担当してるから、よろしくね!」
千砂都「美術…?」
ことり「この背景、全部ですか…?」
曜「そうだよ! 私と花丸ちゃんで作ったんだ!」
曜は隣にいる花丸を手のひらで指した。
花丸「国木田花丸ずら。 小道具や飾りつけの製作を担当してるずら」
ことり、千砂都「よろしくお願いします」
花丸「わくわくする可愛い小物を作るから、期待しててずら♪」
次にことりと千砂都の前に進み出たのは…
(BGM:フォーリン・ヨハネ)
善子「クックックッ……。我が名は撮影担当の堕天使ヨハネ。 天に選ばれしリトルデーモンよ、じゃなくて、撮影全般を担当する者よ、いい画、撮ってあげるから覚悟してなさい!」
独特のポーズを決めるその姿に、ことりと千砂都は唖然。
千砂都「え…?」
ことり「リトルデーモン……?」
花丸「この子は撮影担当の津島善子ちゃん。『2人を完璧に可愛く撮影してあげる』って言ってるずら」
善子「ちょっと!ずら丸ぅ!! 人がせっかくかっこよく決めたのに、何言ってるのよ!?」
花丸「ヨハネネタは2人にはわからないずら」
(BGM:ダイヤちゃんと呼ばれたい)
善子「ネタじゃないわよ!!」
ことり「よろしくお願いします、善子さん」
千砂都「お願いします、善子さん」
善子「善子じゃなくて、ヨハネよ! ヨ・ハ・ネ!」
花丸「無視していいずら。善子ちゃんでいいずらよ」
善子「ずら丸~!」
善子は花丸をポカポカ叩く。
その空気の中、次のスタッフが自己紹介を始めた。
エマ「チャオ♪ 照明を担当しているエマ・ヴェルデです。 二人の笑顔がもっと綺麗に見えるように、優しい光で包んであげるね♪」
ことり「わぁ…よろしくお願いします!」
千砂都「お願いします!」
エマ「二人ともとても素敵な笑顔だから、きっと光の魔法も映えるよ」
マルガレーテ「私は音響担当のマルガレーテよ。音やマイクは、私がすべて責任を持ってるわ」
ことり、千砂都「よ、よろしくお願いします…!」
するときな子が、こそっと横から声を潜めて語りかけてきた。
きな子「そんな緊張しなくて大丈夫っす。マルガレーテちゃんはちょっとツンデレさんなだけっすから」ヒソヒソ
マルガレーテ「そこ!変なこと吹き込まない!」
きな子「えへ」ペロッ
ことり「(なんだかこの人は真姫ちゃんみたいな人)」クスッ
次に、編集チームの4人が横一列に並んだ。
最初に一歩進んだのは、落ち着いた眼差しをしたスタッフだった。
栞子「私は編集の三船栞子といいます。 一応私が編集部のリーダーです。よろしくお願いいたします」
メイ「私は米女メイ。面白くなるよう編集していくから、よろしくな」
四季「私は若菜四季。音と映像のズレは、絶対に見逃さない」
最後に、顔にスケッチブックを掲げる少女。
璃奈「私は天王寺璃奈…。 テロップ、アニメーション……任せて…! りなちゃんボード:キリッ!」
スケッチブックには、キリッと引き締まった似顔絵が描かれていた。
そんな不思議な人に、ことりと千砂都は目を丸くしたが、しっかり頭を下げた。
ことり、千砂都「よろしくお願いします!」
梨子「最後は私かしら? 桜内梨子です。 作曲全般と、この番組のピアノのお姉さんとして伴奏を担当しています。 二人と同じ出演者だよ。 ことりちゃん、千砂都ちゃんの雰囲気に合う音色を考えるのが今からすごく楽しみだわ」
ことり「作曲で、ピアノのお姉さんって、すごく素敵なお仕事ですね!」
千砂都「私たちと一緒に映るってことですね。楽しみです!」
梨子「ふふっ。ありがとう。 二人の声、じっくり聴かせてね」
隣からぴょこっと曜が顔を出す。
曜「ちなみに梨子ちゃんは、私の幼馴染で親友なんだ!」
梨子「ちょ、ちょっと!曜ちゃん!」
ことり「えっ、そうなんですか?」
千砂都「仲良しなんですね!」
梨子「まあ…、昔からの付き合いだから。 ねっ?」
曜「うん!」
ことり「(テレビ局って、もっとピリピリした雰囲気かなって思ったけど、むしろここは優しくて、温かい雰囲気があって、少し安心したかも)」
恋「それからあと、ここにはもう二人、この番組の振付師と、今日から入られる作詞家さんがいるのですが、そのお二人は?」
きな子「あ、さっき電車の遅延で少し遅れるって連絡がありました。 作詞家さんはもう来て――」
きな子が言いかけたところで、はっと目を見開いた。
きな子「あぁっ! 呼んで来るの忘れてたっす!」
すみれ「なにしてるのよ!?」
マルガレーテ「まったく…! 今自己紹介終わったのに、その子にもう一度しないといけないじゃないの…!」
きな子「す、すみませんっす! すぐに呼んでくるっす~!」
きな子は慌ててスタジオを出ていった。
すみれ「ごめんなさいね、きな子慌ただしくて」
ことり、千砂都「いえいえ」
梨子「まあ、自己紹介は何度してもいいんじゃないの?」
マルガレーテ「あのねぇ…、こっちの時間は限られてるのよ!」
梨子「でも、しないわけにはいかないでしょ?」
恋「まあまあまあ、作詞家さんには後で皆さん各自自己紹介しておいてください」
恋が軽やかに間に入る。
そのやりとりを見ていたことりと千砂都は、こそこそと耳を寄せ合った。
千砂都「あの2人って、もしかして仲悪いのかな?」ヒソヒソ
ことり「なんか、そんな気がするね…」ヒソヒソ
曜「巻き込まれないようにね…」ヒソヒソ
ことり、千砂都「(いや、本当にそうなの…!?)」
駆け足で戻ってきたきな子の声が響いた。
きな子「つ、連れてきたっす~…! はぁ…はぁ…はぁ…」
息を切らしながら扉を開けたきな子の後ろに、ギターケースを肩にかけた女の子が立っていた。
その子は、きな子の肩を気遣うように軽く手を添える。
作詞家「だ…大丈夫ですか?」
きな子「は…、はいっす…!」
きな子はなんとか頷きながらも、まだ呼吸は整っていない様子。
作詞家は苦笑しつつも、スタジオ内に一礼した。
作詞家:かのん「皆さん、初めまして! 今日からここで作詞を担当します、澁谷かのんです! 今日からよろしくお願いします!」ペコッ
スタッフたちからあたたかな拍手が送られた。
かのんの目が、すっと千砂都に向けられた。
かのん「あっ…、そこにいるちぃちゃん――あ…、千砂都さんとは、実は幼馴染でして」
ことり「えっ?」
千砂都「か、かのんちゃん! それ、バラすの早すぎるよ〜!」
かのん「えっ? あ、ごめん…!」
千砂都「もう、それと変に畏まらないでよ。テレビ局の人たちの前だからって敬語なんて使われたら、こっちがむず痒くなっちゃう…。いつも通り『ちぃちゃん』って呼んでよ」
かのん「うん、わかった。ちぃちゃん。 ちぃちゃんが『体操のお姉さん』になるって聞いたときから、ここで一緒に働けるのを本当に楽しみにしてたんだから!」
千砂都「私もだよ!かのんちゃん」
ふたりの息の合った掛け合いに、周囲からは自然と笑みがこぼれる。
恋「ふふっ。お友達と一緒にお仕事できるのも、いいもんですね」
ことりもほっこりとした気持ちで、その様子を見つめていた。
ことり「幼馴染が職場にいるなんて、なんだか素敵だね…!」
千砂都「いや~、でも…、近くで変なところ見られたりするのはイヤかな~…」
かのん「あはは…。それは確かに…。 んっ?」
ことり「あ、南ことりです、よろしくお願いします」
かのん「っ!? μ’sの南ことりちゃん!?」
ことり「は、はい!」
ことり「(この子も!? ってそうか。千砂都ちゃんの幼馴染だもんね)」クスッ
かのん「ちぃちゃんと一緒に応援してました!」
ことり「ふふっ、ありがとう。 これからよろしくね」
かのん「こちらこそ!」
千砂都「そういえばことりちゃんは、こういうところに知り合いっていないの?」
ことり「うん。 にこちゃんはプロのアイドルとして芸能界にいるんだけど、このスタジオには知り合いはいないよ」
千砂都「そっかぁ。 でも、ことりちゃんならすぐみんなと仲良くなれそうだよっ!」
ことり「ありがとう♪」
??「そうよ。 ことりなら、みんなと仲良くやれるわよ」
突然、凛とした声がスタジオに響いた。
ことり「…っ!?」
千砂都、かのん「…?」
スタジオの扉のところに立っていたのは……!
まとめ
プロデューサー:恋
ディレクター:果南
構成作家:彼方
AD:きな子
メイク:すみれ
衣装:可可
美術:曜、花丸
撮影:善子
照明:エマ
音響:マルガレーテ
編集:栞子、メイ、四季、璃奈
かのん:作詞
梨子:ピアノのお姉さん
千砂都:体操のお姉さん
ことり:歌のお姉さん