レイって母性に溢れてますよね。
「という訳で、一年一組のクラス代表は一夏君に決まりました!あ、一つながりでいいですね」
と、ニコニコ顔で言っているのは、山田先生だ。
あの決定戦の次の日の今日、とうとうクラス代表がお兄ちゃんに決まった。
「え!?で、でも俺負けたじゃないですか!?だったら」
「あ、えーと、それはですね」
「私が辞退したからですわ!」
と、先生に続く形でセシリアさんが立ち上がり、どうどうと言い放った。
「え?な、なんで」
「私はあなたに酷いことを言ってしまいましたの、覚えております?」
「あ、ああ」
「それで、今回のことでそれを反省しまして。ですから、そのケジメですわ」
それから、お兄ちゃんにISの訓練を願い出て、無事に了承を貰えたセシリアさん。
「あれ?でもだったら千春はどうなんだ?」
「ん?私?」
お兄ちゃんはセシリアさんからこちらに視線を変えて聞いてくる。
「私も辞退だよ。私が代表になってもつまらないだろうし、代表だから印象に残る人のほうがいいかなーって思ってね。それで、お兄ちゃんに決定したみたい」
「んー、俺よりも千春のほうが絶対印象に残ると思うぞ?」
「そ、そんなお世辞はいいからさー」
「お世辞ではないぞ?実際私は何故コイツなんだと疑問に感じている」
「差別はいけないと思います!」
「安心しろ、これは差別ではない。失望だ」
「なお悪いと思います!」
「二人とも仲良いよねー」
お姉ちゃんとお兄ちゃんが言い合っているのを見ていると、不意に視線を感じた。
見てみると、それはセシリアさんからのものだとわかった。
「どうしたの?セシリアさん」
「え!?あ、その、ですね」
セシリアさんは少ししどろもどろしながらも、何かを伝えたいようだ。
「あの、よろしければ、一夏さんの訓練にご一緒できないかと思いまして」
「あ、いいよ。私もお兄ちゃんに負けたし、リベンジということで」
「本当ですか!」
それから、いったんお姉ちゃんが話を区切らせて、授業が始まった。
授業中、セシリアさんと箒がちゃんと聞いてなくて、お姉ちゃんに注意されてたけど、どうしたのかな?
・・・・・・・・・・・・・
今現在、私たちはグラウンドに集まって、授業中だ。
実践授業らしい。
「さて、ではさっそく飛んでもらおう。織斑兄妹とオルコット、準備しろ」
指名がかかったので前に出て翼を出し、鎧を纏う。
「相変わらず綺麗だよねー、ハルルのそれー」
すると、後ろにいたのほほんさんが言ってくる。
周りの人たちもそう思っているのか、頷いている。
「皆ありがとね、アルビオンも喜んでるよ」
「よし、飛べ!」
感謝の言葉を言うと同時に、お姉ちゃんが飛べと言ったので、即座に飛び上がる。
周りには急に消えたように見えるだろう。
後ろには、かなり距離が開いているがお兄ちゃんたちが飛んでいる。
一定の高さになってからそこで待機していたので、直ぐに二人は追い付いてきた。
「ず、随分とお速いのですね」
「まぁ、スピード特化だからねー」
「んー、白式も慣れればこんくらい出せるか?」
「いや、出来ないと思いますわ」
お兄ちゃんの発言に、直ぐ様ツッコミを入れるセシリアさん。
しかもちゃんと手も使っている。
『よし、次は急降下と急停止をしてみろ。目標は地面から10センチだ!』
耳元にお姉ちゃんの声が聞こえてくる。
なんて便利なんだろうか。
まぁでも、IS限定の機能だけど。
とか言ってる間に、セシリアさんが降下していた。
目標までもう少しだったみたいだ。
「じゃあ次は私が行くね」
「ああ、気を付けろよ」
お兄ちゃんの言葉を聞きながら、飛んだときと同じ速度で急降下して、目標のところで急停止する。
周りは予想していたのか、空よりもこちらを見ている。
「まぁ、大丈夫だと分かってはいたが、やはり心配だ。もっとスピードを緩めてくれ」
「あ、ごめんなさい織斑先生。次はもっと緩めます」
「ああ、約束してくれたならそれでいい」
と、お姉ちゃんと話をしていると、上の方から慌てた声が聞こえた。
顔を上げて見てみると
「うわぁぁぁぁ!!!避けてくれ千春ぅぅぅぅ!!!」
「お、お兄ちゃん!?」
お兄ちゃんがこちらに向かって降下ではなく落下してきているのが見えた。
しかも速度はけっこう速く、一瞬混乱した私に見事に激突する。
「い、いったーい」
「わ、悪い千春」
激突したのは一瞬だけで、その衝撃でISと鎧が解除されてしまう。
正確には私の鎧は砕けたんだけど。
あちこちに宝玉とか鎧の破片が散らばってるから。
「ん?」
ふにゅん
「ひゃぁ!」
起き上がろうとしたお兄ちゃんの手が、私の胸を揉んだ。
知らない感覚に思わず声をあげてしまったけど。
「おい、そこの愚弟。いつまで私の愛しい千春に張り付いているつもりだ?」
「千冬姉、千春の胸って、柔らかいぜ」
「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!」
「なにを今更言っている。柔らかいのは当たり前だ。そのハリや艶も、何もかもが最高なのは良く知っている」
「お、お姉ちゃんまでー」
二人して恥ずかしいことを言っているので、千春は顔を真っ赤にして、弱冠涙目だ。
それを見た生徒は皆、鼻から愛を出したり、昇天したりなど、様々な反応をしていた。
「だが、私でさえ小さい頃に触ったきりの千春の至高の胸を揉んだという事実は変わらない。お前たち!今日はこれで授業は終わりだ!私はこれからこの愚弟と二者面談するから、他のものは自習だ!以上、解散!」
そして、お姉ちゃんはお兄ちゃんを引き摺りながら消えていった。
「まったく、一夏さんはどさくさに紛れて何をしていらっしゃるのかしら」
「まったくだ。千春の胸を揉むなど、うらや....コホン、けしからんやつだ」
ん?箒なにを始め言おうとしたんだろ?
まぁ、いいかな。
その後、IS学園の周辺にある海に、一夏が気絶した状態で見つかったそうな。
次は鈴ですね。