投稿が遅れてしまい、すみませんでした。
ということで、ゴーレム乱入です。
クラス代表対抗戦。
その本番が、始まろうとしている。
途中、お兄ちゃんと鈴が喧嘩したみたいだけど、決着をこの対抗戦でつけるらしい。
注)この一夏と鈴の喧嘩の理由は酢豚の話ではなく、千春を貰うと鈴が一夏に言ったのを、一夏が全力で阻止し、その攻防戦が喧嘩したように見えていただけである。
お兄ちゃんと鈴は、空中に浮かびながら、何かを話しているが、この部屋には届かないようだ。
因みに、今いる部屋というのは
「お姉ちゃん、そろそろ試合始まるから、離れない?」
「いや、出来るならこのまま観戦していたいな」
「んー........まぁいいか」
「よしっ!」ボソッ
管制塔のようなところである。
ここから、このアリーナの全てを操作しているみたいだ。
それと
「箒とセシリア、どうしたの?」
「「なんでもない(ありませんわ)!」」
「あ、そう?」
二人の剣幕に、たじたじになってしまうが、何でもないって言うなら、何もないんだろうな。
と、そこでブザーが鳴り、試合が始まる。
暫く黙っていた二人が、鈴の肩にある武装の攻撃を烽として動き出す。
「あれ、どうやったの?」
「あれは中国の第三世代機ですわね。あの砲台は空間を圧縮して砲身を形成、空気を弾丸にして撃ち出すものですわ」
「ようは、砲身も弾丸も見えないということか?」
「そうなりますわね。おそらく、一夏さんには辛いものかと」
セシリアが少し苦しそうな顔をしながらそう言う。
と、いきなりアルビオンが私だけに聞こえるように、忠告をしてきた。
『千春、上空に何かいるぞ』
「(アリーナの上?)」
『ああ、おそらく乱入者だ』
「(わかった)」
私だけ行動してもいけないと思い、お姉ちゃんにも伝えておく。
「お姉ちゃん」
「ん?なんだ千春」
「少し話がある」
私は人差し指で×を作り、指をトントントンと叩きながらお姉ちゃんに話すと、直ぐに顔を真剣にして聞いてくれる。
これは、昔から織斑家での緊急合図だ。
何かあったときは、人差し指で×を作り、話すというシンプルなものだが、その交差させた指を叩く回数で危険度がわかるというまの。
1から3まであり、1は警告、2は危険、3は至急対処が必要、という感じである。
「何かあるのか?」
「うん、アルビオンがアリーナの上空に乱入者を見つけたみたい」
「ふむ」
お姉ちゃんが少し考えていると、アルビオンが話しかけてくる。
『千春、もう時間が無いぞ。相手がエネルギーを溜め始めている』
「お姉ちゃん!」
「......怪我だけはしないでくれ。それと、バカな愚弟を頼んだぞ」
「うん!」
お姉ちゃんの答えを聞いて直ぐに、私は部屋から飛び出す。
走るのでは遅いので、翼を出して出来る限りの速さで移動していると、いきなり大きな音が響き渡る。
「アリーナに入った?」
『ああ、一夏たちが攻撃を受けているようだ』
「でも、ここを行けば!」
アリーナに続く通路を抜けて、コンテナから一気にアリーナに出ると同時に鎧を纏う。
そして、鎧を纏ったことで、より速くなったスピードのまま、乱入者たるISに体当たりを決める。
「千春!?」
「あ、あんた何で!っていうか、その姿....」
「話はこれが終わってからね。二人は下がってて――こいつは私がやるから」
突然の私の登場に、少しビックリした二人だが、私の指示に従って、少し後ろに下がる。
少しだけしか下がらなかったのは、危険なら加勢に入ろうとするのと、意地なんだろう。
「あなたは、誰?」
『........』
相手は問いかけに何も反応せず、遅いけれども重い一撃を入れてくる。
あえてかわずに防いだのは、勿論能力発動の為だ。
「あなたは、誰?」
『........』
「.....そう」
恐らく、あのISは......
「一夏」
「なんだ?千春」
「零落白夜で、相手を斬って」
その言葉を聞いた一夏と鈴はギョッとした顔をする。
それもそのはずで、中には人が乗っていると考えているのだろう。
「千春!?あれには人が!」
「乗ってない」
「え?」
「あれは誰もいない空虚な器よ」
それを聞いた二人はポカンとする。
ISが無人で動くのはあり得ないと思っているのだろうが、そこで二人はハッとする。
「そう言えばアイツ、アタシ達が話してる時は攻撃してこないわね」
「ああ、まるで興味があるみたいに」
「じゃあ、思いっきりやってね?一夏」
そう言って、私は相手に突っ込んでいった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なぁ、鈴」
「うん、優しいわね、千春は」
目の前で戦う千春を見ながら、二人で話し合う。
兜で顔は隠れているはずなのに、長く一緒にいた自分達には分かる。
千春が、あのISに情を抱いているということを。
「あの娘、あんなに優しいから、周りの人達を魅了するんでしょうね」
「感情を持たない機械にも情を抱くなんで、普通は無理だからな」
二人がそう言っていると
『一夏ぁ!!』
コンテナのほうから、聞き慣れた声が聞こえてくる。
箒だった。
「箒!?」
「バカ!?何してんの!?」
『男なら、男ならそのくらいの敵を倒せないで何とする!!』
すると千春と戦っていた無人機が、箒にレーザーを放つ。
この距離では間に合わない、そう思ったとき、レーザーと箒の間に千春が割って入った。
この極太の強力なレーザーをどう防ぐのかと思ったら
「危ない」
と言って、腕で軌道を曲げた。
「「・・・」」
もはや何も言うまい。
あんな高出力レーザーを腕一本で軌道を曲げるだなんて荒業は、誰にも出来ないだろう。
いや一人、二人くらい思い当たりがあるが、言ったらいけない気がする。
「一夏!」
「あ、おう!」
一足先に復活していた鈴の呼び掛けで、零落白夜を発動させながら一気に近付き、無人機を思い切り切り裂く。
銀色の液体を撒き散らしながら、無人機は倒れ伏す。
「ふぅ、終わったな」
「あんた!危ないでしょあんなところに立って!」
「うっ....す、すまない」
とりあえず一段落、そう油断したときだった。
「ッ!?一夏!まだ動いてる!」
「何!?」
鈴の声に、無人機を見ると、銃口をこちらに向け、すでに殆どエネルギーを充填仕切って、何時でも撃てる状態の無人機がいる。
この状態で、避ければ二人に当たる。
撃退しようにもエネルギーが足りない。
そう思ったとき、ふと気付く。
「千春は!?」
さっきから千春の姿が見えないのだ。
どこに行ったのだろうと周りを探すと、簡単に見つかった。
その場所は
「千春!?」
「逃げなさい!」
「くっ!間に合え!」
無人機の真ん前だ。
鎧も解除して、翼も出していない。
そんな状態でレーザーを食らったら、間違いなく死んでしまう。
急いで千春の元に向かおうとすると
「もう、いいんだよ」
平伏す無人機の顔に手を当てて、優しく、まるで母のように、言葉をかけていた。
その光景に、動くのを忘れて、見惚れてしまう。
「もういいの。お休みなさい」
頭を撫でられた無人機は、千春の言葉に従うように、そのまま機能を停止する。
千春は暫く、無人機の頭を撫でると、立ち上がってこっちにくる。
「皆、怪我はない?」
「あ、ああ」
「千春、やっぱりあんた女神?」
「あはは、そんなわけないよ」
「いや、女神だ」
アリーナに次々と入ってくる先生たちを眺めながら、そんな話をした。
当然、全部見ていた千冬姉に、千春が説教されたのは、言うまでもない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何処かの国。
どこかの施設。
そこに、ウサ耳を着けた女性がモニターを見ていた。
「あはは♪やっぱりはーちゃんは女神だなー♪」
この人物こそ、篠ノ之束。
ISの創造者にして、千春を隙あらば襲おうとした天災である。
もう一度言おう。
千春を隙あらば襲おうとした
「うーん、でもはーちゃん優しすぎるなー。機械にも情を抱くなんて」
なんでも出来て、何でも知っている束にも、これだけは予想外なことであった。
「はーちゃんのためにも、もうこういうのはやめておこー。嫌われるとかこの世の終わりだしねー」
実際、小さい頃に千春に痴漢をして嫌いと言われた事が一度だけあった。
その瞬間、束は世界が灰色になったそうで、直ぐに千春によって仲直りしたが、束にとっては、千春は何にも優先されるべき存在なのだ。
少し懲らしめてやろうと思って実行したことが、予想以上に効いたことにビックリしたのは、勿論千春だけの秘密だ。
その後の仲直りで言ってしまった言葉で、痴漢が強姦に変わってしまうのだから、一体何を言ったのか気になる。
その度に千冬によって埋められたが。
「よーし、気を取り直して、はーちゃんへの贈り物っとー♪」
そう言って束が取り出したのは、布が巻き付けられた"何か"だった。
「これ、元々ははーちゃんの為に見つけたものだしね。他のは全部欠片も残さず壊したし、いっくんの零落白夜にもデータがあるから、そろそろ渡そうかなー」
巻き付けられた布を取ると、美しい刀身が現れる。
それは剣だ。
それも、オーラからしてかなりのもの。
「見つかった時はかなり興奮したものだよ。まさか本当に"伝説の龍殺しの聖剣"があるなんで思わなかったしねー」
その聖剣の名は
「ねー、"アスカロン"?」
束の呼び掛けに、アスカロンは淡く輝いて応えた。
どないでした?